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NFTとメタバースの相性は抜群?デジタル空間での大きな生態系について考える

こんにちは、newtraceの柴原です。

メタバースと同様に話題化し、流通しているのが「NFT」※「Non-Fungible Token (非代替性トークン)」です。そもそもNFTとはなにか、ということについてはネット上で詳しく紹介されている記事がたくさんあるので、そちらを参照いただくとして。

今回はNFTとメタバースの相性の良さと課題にフォーカスしてお話したいと思います。

リアルと同様の資産価値がバーチャル空間でも担保

消費行動における、メタバースのFacebook・Instagram化

既に一部始まっていますが、メタバース内でのモノやコトの売買は今後ますます活発になると予想されます。
なぜなら、現代人の多くはFacebookやInstagramなどのデジタル空間で時間を費やし、「“デジタル空間の中の自分”を意識した生活様式」にすでになっているわけで、メタバースだってそもそもデジタル空間の一種だと捉えれば、FacebookやInstagram同様に消費行動が盛んになることは想像に堅くないからです。

と、なると当然、Facebookやinstagramのキラキラした投稿のごとく、デジタル空間にいる自分の姿をよく見せたい、よりよく投影させるためにお金を使いたいという心理がメタバース内でも働くようになる。

そういったニーズに応えて、メタバースの中でたとえばアバターの服やアクセサリーといったデジタルデータの売買が行われます。実際に購入したことがある方もいらっしゃるかもしれません。

個人がデジタル上で「所有する」ことを可能にするNFT

しかしここで、デジタルがゆえの一つ大きな問題が生まれます。不正コピーなどのリスクです。

それを防ぐ技術としてNFTが脚光を浴びるということは充分に考えられます。NFTはお金やデジタルアイテム、資産価値が担保できるようにする技術ですから。デジタル上で個人が「所有する」ことを実現するわけです。

またNFTで所有したアートなどを閲覧する場所という面でもバーチャル空間は適しています。コレクターは自分の部屋で蒐集したものを眺めたいじゃないですか。でもいまのところそういう場所はないわけで。だとすると、メタバース上にそういったスペースを作ることがひとつの価値になるのです。

「Web3.0」の世界で存在感を増す、NFTとメタバース

そもそもブロックチェーン技術と深く関係していることからもわかるように、NFTはそれ単体で存在しているというよりは、次世代インターネットの形である「Web3.0」(ブロックチェーン技術をベースに構築される。GAFAをはじめとする巨大IT企業から個人データなどの管理を取り戻し、ネットワーク上で分散管理するのが大きな目的)の生態系として位置づけられるといえるでしょう。

Web3.0は、ブロックチェーン技術によって、Web2.0(2000年代以降現在まで主流となっているインターネット関連の技術・サービス・ビジネスモデルの総称。ウェブを介して様々な情報がGAFAのような巨大IT企業のサーバーに蓄積される、「中央集権型ネットワーク」が特徴)の問題点であるプライバシーの問題とセキュリティ問題が解消される世界。ひらたく言えば一人ひとりが分散して情報(データ)を持つことによって、「自分たちのプライバシーは自分たちで守ろう、自分たちの価値は自分たちで証明しよう」、というものです。
その価値を証明する技術が「NFT」なのです。

そうなると、おそらく脚光を浴びるのが、価値あるデータを作れる、例えば高精細な3Dスキャン技術を持つプレイヤーと、そのデータを楽しめる「場」を作れるプレイヤーではないでしょうか。
その「場」として筆頭に上がるのが「メタバース」というわけです。

たとえばNFTに出品したい人が3Dスキャンスタジオでデータを作って登録する。なんらかの仕組みでそのデータの価値が上がる。売れた二次データの閲覧場所をメタバースで提供する。こういった生態系の確立がおそらく必要になってくるのではないかと睨んでいます。

そういう意味でも、NFTとメタバースは切っても切れない関係なのです。

実は私の会社では3Dスキャンスタジオを所有しています。弊社がビジネス誌で取り上げられたことで問い合わせが増えているのも、NFT関連だったりするのです。

※newtrace設立前でしたので、グループ会社スペースラボ(株)での掲載となっています。

NFTの課題

データの価値を上げる仕組みの確立

弊社も、NFTをどう活用しようかと考えることもあります。業務上、膨大な量の3Dデータを持っているため、このデジタル資産の価値を守りたいというのが一番に挙げられます。

ただ、どの会社もつまづくポイントではあるのですが、NFTに登録する最初のデータの価値が上がっていかなければまったく意味がないわけです。データを二次流通させるときにきちんと作者が収益を得られるようにするには元データにそれなりの値がつかないと、という話ですから、当然ですよね。

ところがこの元データの価値が上がる仕組みって何がある?というところがネックなのです。NFTの会社はいま相当増えていますが、活用がいまひとつ進んでいない理由の一つが、元データの価値をなかなか上げられないところにあると思います。

昨年あたりから国内外でもアートを始めとしたNFTのオークションが主催され出しましたが、結局高額で落札されるのは元々人気だった有名アーティストのものだったりするのがほとんどです。

全く無名な状態から価値を上げるのは非常にハードルが高い。

これまでも小学生が描いた絵が高騰した、みたいなニュースがありましたが、あれも海外の有名なDJが購入したことで一気に値が上がったわけで、元データの価値を上げるには、それをバズらせる付帯要素が必要なのが実情です。

結局、メタバースとワンセットなんです。NFTも。メタバースというのはそれぐらい大きな枠組みだと捉えるべきだと思います。

「Meta」はどの暗号通貨を採用するのか?問題


巨大プラットフォーマーであるMeta(旧Facebook社)が暗号通貨は何を採用するのか、という話題もホットですよね。メタのことですからオリジナルな仮想通貨を創る可能性も充分に考えられます。それはそれで大きな話題となりますし、なんといっても基盤が大きいですから流通量も充分担保できますからね。

一般に流通している暗号通貨は今のところイーサリアムベースが多いですが、みんなが使わなければ価値がありません。取り組んでいた暗号通貨「Diem」を断念したMetaがいったい何を使うのか。暗号通貨に関わる人は戦々恐々ではないでしょうか。

このあたりはこれからどんどん状況が変わっていくことでしょう。私はどちらかというと静観しているほうなのですが、波には乗り遅れることのないよう、しっかりとウオッチしていきたいと思います。


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