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引き寄せ0日目:自分のパワーを取り戻す

ときに、つらい感情に見舞われたとき、あなたはその地点にとどまり、苦痛をもたらした問題をじっくり考えようとする。ほとんどの人は、気分が良くなるまで創造のスイッチを「切っておく」事ができると信じている。だが、あなたは決して創造のスイッチを「切れない」ことを強調しておきたい。あなたは思考を授受しているときは常に、創造に入っている。あなたが感じる感情が、創造の方向を示す信号なのだ。

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私が引き寄せの法則というものに出会ったのは確か23歳の頃だったと思う。ザ・シークレットより前に、母の持っていた文庫本「自在力」に出会っていた。私が緊張や不安で呼吸が浅くなりやすいことに母は気がついていた。

当時、客室乗務員になる夢を叶えるために地方の空港で働いていた私にとって、毎日が実験だった。ちょうど、アメリカの臨床心理学者メグ・ジェイによる「30歳は昔の20歳ではありません」というTEDスピーチに出会ったこともあって、何度もCA受験に落ちていた私は、なんとしても30歳になる前に夢を叶えないと自分の人生は崩落していく―というプレッシャーも相俟って士気が高まっていた。

ある日、いつものようにザ・シークレットをバッグに仕込み、メグジェイのTEDスピーチを聴きながら通勤していた電車の中で、見えない何かの存在を確信するために今日は「白い羽」を引き寄せようと決めた。しかしここはど田舎の空港。白い鳥なんて見たことがない。

それでも、その日は空港に電車が到着する直前にふとイメージが降ってきた。空港内の図面だ。そして白い羽はその何処かに必ずあり、「それを私が探しに行くだけ」という趣旨のイメージだった。そうか、ないものを生み出そうというよりも、すでにあるものを私が探しに行くだけなのか、と瞬時に理解した途端に安堵感があり、視界がひらけたようだった。

そして電車を降り、なぜだかその日は専用通路ではなく一旦駐車場に降りてちょっと遠回りをしてチェックインカウンター裏の事務所まで行こうという気になった。階段を降りて屋外に出ると、冬の澄み切った新鮮な空気が私を包んで清々しい。深呼吸して、きれいに舗装された空港利用者向けの駐車場の横断歩道をカツカツと渡った私は驚いて立ちすくんだ。

斜め前方に、なんと一枚の白い羽が落ちている。

不自然にも程があったが、あるものはあった。さすがに震えた。

その日私は目に見えない大きな何かの存在を信じることができた。念願だった客室乗務員になる夢を叶えたのは、そのすぐあとだった。


あれから10年。

私はあっという間に夢だった仕事を辞め、海外で違う仕事をしている。それも、毎朝不安や落胆のような気持ちで目を覚ましながら。

見えない何かの存在を疑い、信じられなくなった頃から、自分の目の輝きが消えて、自分からパワーがなくなっていくのが感じられた。そして自分の人生の主導権を完全に放棄し、死んだようにこの10年を過ごしてきた。


夢の仕事に就いてすぐ、結婚相手と出会った。仕事を辞め、その人の拠点('A国'とします)へと移住した。

A国に移住してまもなく、妙な出来事が2,3年続いた。急に道で知らない人に怒鳴られたり(多分相手はドラッグでキマっていた)、お風呂のお湯が出ない、トイレも何度も詰まったり、道で急にどつかれてよろけておばあさんに当たって怒られたり。とにかく生きるだけで疲労して、徐々にうつ状態になった。疲労感、不安、焦燥感、諦め、そんな感情と共存しながら何かを変えなければ、と奮闘し続けて今に至る。

がんばりながら、歯を食いしばりながら、全身蕁麻疹(顔も)になりながらということわりを入れれば、であるが、それなりにやりたいことは叶ってきた。今は違う仕事で、以前は考えられなかった収入もある。

でも、楽しくない。そして無理している。何事も頑張らなければ叶わないというところにいる。肝心な希望が叶っていない。なにより、心が荒んだ。このまま人生を進めることに大きな違和感がある。こんな生き方を辞めて、見えない何か・自分より大きな存在とのつながりを思い出して生きるところに立ち戻りたいと思っている。

2023年終盤から、ハッピーちゃんこと竹腰紗智さんが話しているSNS等でのライブなどを切り抜きしたYouTubeを時々観るようになった。彼女が話していることは全部腑に落ちる。10年前に信じて実践していたことだったから。どうやら彼女はエイブラハムの書籍を源流としているようだ。ふと、自分のKindleに一通りそれ系の書籍がすでにあることを思い出す。

あるのに。

私はやっぱり現実を見て現実に溺れてしまったのだ。A国で、生きることに疲れ、絶望したところから法則を疑い、忘れてしまったのだ。いや、忘れたかったのかもしれない。そんな法則は嘘だと信じるしかないくらい、大変なことが続いた。それこそが見えない何かからのサインだっただろうに。私に見えないなにかのエネルギーと同調する余裕は残っていなかった。

でも内側からの声はどんどん大きくなっていった。また自分のパワーを取り戻したいという声が。


そして今日私は一冊の本を手に取った。

「引き寄せの法則の本質 自由と幸福を求めるエイブラハムの源流」


この10年間、起こる嫌な出来事にいちいち反応し、ネガティブに引きずられ、それが起きた原因を自分の内側に探り続けた。それが正しい生き方だと思っていた。

でも最近ようやく思い出し始めた。

ネガティブな事が起きるのは、その理由や原因を探るためじゃない。自分が「じゃあどうしたいのか?」という望みを発見するためだ。そしてすぐに転換のプロセスに入るべきなのだ。本来、被害者ヅラしている時間なんて無いはずだ。でも私は冒頭に引用した文そのまま、「その地点にとどまり、苦痛をもたらした問題をじっくり考えた」。そして悪循環が始まったのだと今ならはっきり理解できる。

私は今A国で、キツイ仕事をしている。昨年はストレスで流産した。A国はとにかく物価が高く、収入の不安がある。でもこの仕事は続けられると思えない。この状況を捉え直し、転換のプロセスに持っていき、自分のパワーを取り戻して生きるために、真剣にエイブラハムの法則を信じて実践していく決意をここにする。

その記録をここに残していこうと思う。

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