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mica the bulwark & JANS

(interviewer : KEN MAKABE)

introduction
10.22(sat)VOICES FROM HOOD企画ではHIPHOP SIDEから
"mica the bulwark & JANS + DJ CASIN & DJ HI-ROCK”が出演します。

2人の会話から時折出てきた「PARTY」いう言葉。今回のイベントの趣旨を言語化すると、どんな言葉だろう?と思っていたら「PARTY」がしっくりきました。ライブを純粋に楽しむでも良し、暴れたいでも良し、誰かに会いにいくでも良し。お好きな解釈で楽しんでもらえたら嬉しいです。長きに渡り仙台HIPHOPシーンで活躍する2人の時間は間違いなく「PARTY」となるはずでしょう。

HIPHOPを聴き始めたルーツ

-mica
小学校の頃かな、姉ちゃんの彼氏がサーファーでレゲエを聴いていて。
それがきっかけで自分のところに音楽が降りてきて、小6の頃はレゲエミュージシャンになりたいなと思っていた。

中学校入ると、そういう音楽聴いてる俺かっこいいとイキってて、給食の時間にレゲエをかけるみたいことをしていたね 笑

その頃リアルタイムでSnoop Doggの「Doggystyle」がリリースされて、そこでレゲエ以外の洋楽を聴いて、コレはイケてるなと思って。
それがHIP HOPの最初の入口だった。

高校に入ってからはサッカーをずっとしていたんだけれども、同じクラスにDJをやっている友達がいて、そいつからA Tribe Called Questを教えてもらい、どっぷりとHIP HOPに入り込むようになったね。

あとはHIP HOPファッションも好きだったかな・・・ダボダボの服に当時はみんな”ZEBRA巻き"っなんて言って、前結びで頭にバンダナ巻いたり。
ただ自分の周りはみんなハウスDJで、HIPHOPやっているやつはいなかったんだよね。

高校時代は部活メインだったから音楽活動はしていなかったんだけど、ラップは書いていた。

当時は仙台でラップをやっている人たちがいる事なんて知らなくて。
ラップ書いている人は俺しかいない!って事はラップが仙台一番うまいのは俺だ!と勝手に思ってて・・・

まあ、今思うと斜に構えて一番ヤバいタイプだよね 笑 
大学に入ったらラップで仙台を席巻してやるんだとも思ってたし 笑 

そんな感じで大学に進学してクラブに行きはじめたら・・・ラップやっている人たちがウジャウジャといて。
高校生からラップやっている人も沢山いて・・・ただ単に俺が知らなかっただけ 笑

当時よく行っていたクラブはDEPTHかな。
一人で行って、相変わらず俺は斜に構えていながら、ライブとか「ふーん」みたいな感じで眺めててね笑

まあその時行っていたPARTYは自分が後に加入するSOUND MARKET CREWのメンバーがやっていたイベントだったんだけど

DEPTHでそれぞれイベントをやっていた人たちが集まって結成されたのが、SOUND MARKET CREWの原型かな。

ただ自分はオリジナルメンバーではなくてね。
相変わらず斜に構えてたからさ笑

そこから自分でGIFT GIMMICKというイベントを始めて。

元々は俺とDJ MASASHIが立ち上げて、今回の10.22にも一緒に出る
DJ CASIN、DJ HI-ROCKも誘って。

当時はSOUND MARKET CREWの対抗勢力みたいな感じで自分もイベントをしていたんだけど、ある時SOUND MARKET CREWのMCが1人抜けるってことで、自分に声がかかり・・・二つ返事で加入しました。あれだけ斜に構えて、みんなのことディスっていたのにね 笑

2004 Release

-JANS
自分は小学校の時ポンキッキーズの世代だからスチャダラパーとかは自然に知っていて。カラオケで今夜はブギーバックを歌ったり。

そこからKICK THE CAN CREWとかRIP SLYMEとか出てきて、そこで始めてHIP HOPというもの知った。

ライムスターがかっこいいなと思いチェックはしていたんだけど、まあ自分は捻くれていたんで 笑 
みんな聴いている流行りは別に・・ってな感じでいたかな。

そんな時にNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDが出てきて。
NITROヤバいっ! て思っていたけど、周りはあまり興味なかったから
「NITROのこと好きな俺はヤバい」とか勝手に思ってたよね 笑

雑誌のインタビューでNITROがWu-Tang Clanみたいなノリを出したいって言っているのを見て。そこからWu-Tangをきっかけにして本場USのHIP HOPっていうのを知ったかな。

micaさん同様、HIPHOPの服装も真似し始めて・・・
修学旅行行ったら竹下通りとかで、外国人のお兄さんから服買わされたりとかね 笑

中3のときになるとクラブに行きたいと思い始めて。
まあ自分はその時何もわからなかったんだけど、友達で後のOVELEXのDJとなるDJ SHUSHIと一緒に行くようになって。
始めていったクラブはDEPTH。多分あの頃、micaさん達も出ていたと思う。

高校入ると本格的にクラブ通うようになり、自分は相変わらずNITROが好きで、特に一番はDABOが好きだったかな。

ちょうどその頃・・・俗に言う2000年代HIPHOPと言えばいいですかね?
USのHIP HOPが台頭を表してきたときで、リアルタイムで1-2年くらいずっとハマって聴いていた。

それと並行して後追いではあるけど、DITCとか、Boot Camp Clikも聴いていた。当時はNujabesを初めとしたJAZZY HIPHOPがすごい売れてて、地元仙台ではGAGLEもすごいドカンと台頭していて。

その時にOVELEXの相方LEEと一緒にLIVEするようになり、高校生の昼パーに出るようになったかな。
当時高校生の昼パーって200人、300人が普通に入っていたこともあったけど、まあ自分は陰キャのオタクタイプだったんで。

そん時に助かったのは相方LEEの陽キャ感。ガンガン人とコミュニケーション取っていって先導していくタイプだからね。
俺はその一方「シコシコ1人でブーキャン聴いてるぜ!」みたいな感じでいたけど、まあ単にかっこつけていただけだよね 笑

大学入ってからはその時、EASTERN VOYAGEとかでmicaさんたちがガンガン仙台のHIPHOPシーンを引っ張っていて、俺らもそこに追いつけるように頑張ろうぜって感じで色々と広がっていった時だったと思う。

さっきも少し話したんだけど、自分はみんなを先導出来るラッパーのタイプではないと思っていて。今も半分半分ってところなんだけど。

先導が出来る人がいるのであれば、そっちを押した方がバランスが良くて。そっちの考えの方が自分の役割も全う出来て、自分の腑に落ちるライブが作れるのでは無いかと思ってますね。

LEEにしてもmicaさんにしても自分と反対のタイプだからこそうまく成り立つので、ラップを楽しくやれている感じ。


音楽活動に対するスタンス~ENCOUNTのスタートについて

-以前micaさんのブログで「仕事を頑張りすぎれば、音楽に影響出るし、
音楽をやりすぎれば、仕事に影響出ちゃう・・・」との内容を拝見したことがあり、個人的に共感した点でもありました。バランスが大事ですよね。自分もそうですが仕事や日常生活がまずありきで音楽活動をしていくっていうのが基本ですので、個人的にここのスタンスは共通なのかと感じまして。

-mica
20代〜30代前半の自分はソリッドだったよね〜笑
目標に突っ走るぞ!っていう感じ。

仕事している事がむしろかっこ悪い、ラップ1本で食っていることが美学だと思ってて。

その頃の楽曲を聴くとラップで食っていく生きていくとか、そういうリリックが多かったよね。

まあ30代が結構苦しくて大変だな〜と思うことが続いてね
生活をしなきゃならないって中で、今まで音楽でつぱってやってきた以上、吐いた唾を飲めないというかさ。

30代入るとラップを辞めていく人も多いんだけど、俺は辞められない、前に立って先導してきた立場だから。辞めれ無いけど、生活もあるし結婚もして守らないといけないものもあるので、そこを両立させるバランスを保つのが難しいと思っていたことがあってね。

今までは夢を持って生きろ!的なリリックを書いていた自分が、それを引っ込めなきゃいけない中で、何について書けばいい?今まで書いてきたリリックは嘘なんじゃないか?それをライブでやっている自分は嘘なんじゃ無いか?
とか、そこに10年くらいハマっていたね。

自分が30歳の時・・・今からもう12年位前になるんだけど、SOUND MARKET CREWのMC5人中4人が抜けちゃってね。

そんな経緯があってグループは休止したんだけど、事情を知らない人はオファーをくれることもあるんだけど、「俺1人MCだけですがどうですか?」「1人MCではちょっと・・・」ということも続いたりしてさ。

今まで5人で曲作っていたけど、ソロになったんで曲も無いしね。
一気に離れてしまう人もいるし、呼ばれることも無くなるよね。

当然自分の中でのマインドは崩れる訳で、外側から見たらファイティングポーズは取り続けているんだけど、正直心の中はズタズタで。

こんな状態なんで、ライブも年に1回とか、どんどん減っていってしまってね。こんな状態が30歳~36歳位まで6年間続いたかな。

もうダメだなと折れかかりつつ、イヤでも・・・と諦めきれないところがあって。自分一人では立ち上がれないと思ったのと同時に、もう自分一人で戦おうとすることはやめようと。

自分の能力に限界はあるし、自分以外の要素を探そうと思ってね。

ライブオファーが無いのであれば、ライブが出来る環境を自分で作ろうと思って、MONO m.i.c、JANS、DJ masashi 、DJ CASIN、Monkey Sequence 19などに声かけて立ち上げたイベントがENCOUNT。

MONOもJANSもそれぞれソロでやっていたから、イベントで出来る曲を作ろうかというノリで出来た曲がENCOUNT MC's。

自分が企画すればライブも出来るし、自分で一人で何か全部やるのではなくてJANSに手伝ってもらったり。
自分で足りないものを、お互いで取り入れたりしながらね。ここで自分が浮上するのきっかけを探った感じかな。

逆にENCOUNTがなければ、マインドが全部崩れて今に至らないと思うね。まだやれるぞ!って感覚を取り戻したね。それが36歳の時。

-JANS
ちょうどその頃、俺とかトミー(TOMMY ONE)、モンキー(Monkey Sequence 19)は、それまでmicaさん達とPARTYとして絡むってことって実はあんまりなかったので。俺ら3人はめっちゃテンション上がりましたね!
ENCOUNTがあったお陰で、自分がソロとしても色々と拓けた面があったと感じています。

-mica
元々は自分を取り戻したくて、みんなに声をかけて始めたイベントだったんだけど

-JANS
結果的に関わっているみんな全員に、良い作用をしたのがENCOUNTでしたね。


10.22の出演メンバーについて

-自分が元々今回の企画にJANSへ出演を依頼したとき、自分の考えとJANSの考えが一致している部分があって。単発で区切ったライブというより、HIPHOP SIDE的な枠を用意するので、その時間の中で全てお任せできない?って伝えたんですよね。
例えば、その時間帯はダンサーが踊っていてもいいし、音を途切れさせず、その限られた時間の中で全体がまとまったものがあったら良いなと思っていて。ハードコアのライブの中でMIX TAPE的なノリでその時間を楽しむっていうのもCOOLかなと思っていましたし。自分の中ではこの1日の中で、沢山のコンセプトを散りばめているんですね。もう一気にやっちゃおうと!

本メディアVOICES FROM HOOD自体、パンクハードコアを軸に常に新しい事をやっていきたいというのが念頭にあるので、せっかく企画するんであれば違うジャンルの人達も巻き込んで開催したいと思っていました。

今回の機会で初めて"mica the bulwark & JANS + DJ CASIN & DJ HI-ROCK"を初めて見る、知る人も多いかと思うのですが、今回の出演はグループとして捉えれば良いのでしょうか?もしくはユニットorプロジェクトとして捉えればいいのでしょうか?

-JANS
まず今回一緒に出るDJ CASINさん、DJ HI-ROCKさんとの組み合わせについては派生した中で、自然とこうなる流れであると思っていて。
自分のソロの時は普段DJ CANDELICがLIVE DJって形なんだけど、micaさんと一緒にやるときはCASINさん、HI-ROCKさん。このメンバーがあってからこそ成り立っているものだと思っているので。

-mica
俺も同じことを思っていて、JANSと2人でやるということは色々なことができて、選択肢がすごい増えるし、伝えられるメッセージが幅広がると思う中で。CASINがメインDJとして立って、HI-ROCKはMPCを叩くんだけど、その場のノリでドラミングを変えるんだよね。
2DJがバックにいることによってこそ生み出せるライブ感。
これがこの4人だからこその特徴かな。

通常のラップのライブって、1曲終わったら曲が止まり次の曲がいくというような・・・コンサート的なのが普通だと思うんだけど
CASINがDJをやることによって、JANSの曲から俺の曲に繋いでもらうMIX TAPE的なノリでLIVEができるっていうのが、かなり新しくて。
あんまりやっている人、いないよね?

-JANS
1曲単位でどかっと盛り上げれる人はいるけど、空気を途切れさせない感じといえば良いでしょうか。

-mica
この4人についてのユニットやグループ名は特に無いんだよね。このメンバーの組み合わせは8月に和音で開催したGoin’offのメンバーで。

俺のスタンス的にもそうなんだけど、ライブをどこでやったらいいんだろうと思ったとき、自分の曲を伝えたい層が30代-40代と明確に決めている部分があって。

そこの層が一番来てくれそうな仙台の場所はどこだろと考えたら、和音が一番マッチすると思って。

そこでそういうライブをやるんだったら、JANSでしょ、CASINでしょ、HI-ROCKでしょ・・速攻話をしたら、いいね!となって。

せっかくライブやるんだったら、50分位ロングライブやったら面白いねという話で今に至ります。

最初は7月に盛岡のdirtyってイベントでやって、その次に和音でGoin’offをやって、今回のVOICES FROM HOODの企画で実質3回目となるかな。


-JANS

最初に出演依頼をされたときに「micaさんとJANSで」って話をもらったその時点でこの4人と思ったし。
グループって訳ではないけど、自然にこうなったというか。

-mica
リリースについては去年JANSと去年2曲出しているし、ENCOUNT MC'sでも出しているから2人の曲ってすごい多いんだよね。
お互いソロでもやっていた訳だから、物凄い色々なことが出来るんだよね。お互いの関係も含めてノンストレス。

-JANS
4人が集まることが継続すれば継続するほど、偶発的にリリースとかもお互いのタイミングであるかもしれないし。

-mica
10月には自分のレーベルからCASINのMIXをリリースすることになっていたり、その後にCASINのレーベルからJANSとCASINの2人の音源がリリースされることになっていたり、その後俺とHI-ROCKのMIXが出るようになっていたり・・・この先はリリースが続いていくかな。

-JANS
リリースが続くと、ある程度アイディアや走り出しもカチっとしなければいけない部分が出てくるんだけど、個人的には昔よりそのカチっとしたところは抑えつつ、遊びの延長が先に来ている感じかな。
逆にそれが無いと、作品としてあまり良くないと思うときが、個人で振り返ったときにあるかな

-mica
Goin’offはこの4人とDJ Noriさんと一緒にやっているんだけど、みんなユルいんだけど大人でカチッとしているので。ほんとノンストレス。

-JANS
自分はメンバーの中でも年下な訳ですが、まあ自分もユルいことがあって・・・年上からしたらダメってラインもあるかもしれないけど、皆同じ目線で、それはよくないよねって言ってくれる人たちがいる環境かな。

-mica
自分あんまりもう年上・年下って感覚はない。全員のことをリスペクトしているからって感覚があるからかな。

-JANS
micaさんそれ違いますよ!って俺も自然に言えるし

-mica
言われるね~笑

-JANS
で、お互いそういう考え方なので意見一致しなくてもお互いが理解できる。

-mica
40代になって音楽をやる中で一番イヤなのは無駄なストレスで笑
それは極力、あからさまに自分は排除しようとしていて。
またこれは自分が音楽をやっていく上で、今は一つのポイントになっているなと考えていて。

必ず自分でケツを拭く範囲のことでやろうと思っている。
無駄に広いことはやらない。身の丈に合ったこと、それをちょっと背伸びする位のことに対して、いかにクオリティを高く持ってやれるかのところをキーとしているかな。

HIPHOPに対してのスタンスも、今はシーンに対してのアプローチはJANSの方がしっかりやってくれているなと感じるし、俺はどっちかというか自分のことしか考えてない 笑
またそれをJANSも良しとしてくれている

-JANS
micaさんが自分のことしか考えてないとは思わないですけど、100%でやろうとすると100%にならないじゃないですか。

そういう部分をmicaさんはわかっているから、90%に抑えて10%の余白を残しておこうというスタンスが俺は見えていて。

俺は8割のことやりたいけど、それ以上に頑張っちゃう時があるので。その辺が欲深いんだなと自分で思う。

-mica
JANSはHIPHOPシーンのど真ん中、いつでもどこでも出来るっていうスキルを持っているから。
且つそこに彼はいるし、内省的な面も掘り下げて出来るっていうタイプのMCがライブの時に隣にいるのは安心できるし。


-JANS

なんかめっちゃ褒められているけど 笑

-mica
そういうところは全部JANSに任せていて。
俺は本当に好きなようにやらせてもらっているので。
いつか自分がやっていることがJANSが年を重ねた時に取り入れてくれることが、あればいいかなと思っている。

-JANS
俺は逆にmicaさんがキツかったと言っていた30代の時期であるので、実際キツい時もあるけど。
後で自分の首を絞めないために、踏ん張っているところもあって。
音楽続ける上で押さえるべきところと、削らなきゃいけない部分があるってことを、30代は見定める時期でもあると思っていますね。

まあ自分は比較的、自由に過ごした時期があって
無駄な動きをしちゃったなって思うことも良い経験となってると思うし。

micaさんはそういう経験を経て今の歳になっているから、限られた時間の中で、クリエイティブしていることを見せる必要があるというのを、ものすごく自分で自覚できているというか。

そういう部分って若いとカッコつけて、アピールしても・・っていうのあるじゃないですか。そういう経験を経てるからこそ出来るのじゃないかなと。
だからこそ、届けたい層へアジャストしている感じがするし。

-mica
みんなに届けようとはもう思っていないからね。
35歳から~40歳後半・・・50代前半位の年代を自分の層だと決めているから。ラップを書く時に、20代の人のことは全く考えていない。
自分と同じ境遇だった人とか、自分と同じ位の年齢の人へ対して書いている。

-JANS
それがあるからこそ、別な層に引っかかった時にめちゃくちゃ強くて、影響するんですよね。

ハードコアシーンへの印象など

-micaさんには2018年頃、SENDAI CITY MOSH BULSSの企画で出演して頂いたことがありましたよね。BREAKOFCHAINでは過去に企画や音源などで仙台の様々なHIP HOPのアーティストの方に出演やfeat.などをして頂いていました。今回のような違うジャンルのイベントで自分達を表現することに対してはどう思いますか?ハードコアバンドの印象や、当日楽しみにしている点などあればぜひ教えてください。

2018 SENDAI CITY MOSH BULLS

-JANS
違うフィールドでやるのはすごい楽しみ。
勝手なこちらのイメージだけどバンドマンは、ライブに向けてのカッコ良さを追求しているなと思っていて。
多分仙台では、クロスオーバー的なイベントって少ないかなと思うんだけど、ただ単に出会うきっかけが少ないだけかと思うし、きかっけがあればそういう部分で窓口になるような人もいっぱいいて、自然発生するんじゃないかなと思うかな。質問への回答とはちょっと違くなるかもだけど

-mica
俺はノマちゃん(NO MATTER / BREAKOFCHAIN)のことをハードコアバンドマンだって知ったのは、実はかなり後期で。先日ノマちゃんも喋っていたトークショーの内容で、昔チャップマンズっていうハウスDJのイベントに行っていたって言っててさ、そのイベントは自分もいつも通っていたんだよね。だからその時からお互い顔見知りで。
そこから時を経てバンドやっていたの?なんて感じだった。

ジャンルは違うけれども30後半~40歳になってもずっと音楽をやってきたという・・・共通認識としてスピリットだったり、考え方だったり、立ち位置だったりとか、取り組み方とか。年齢が近い人達は何か同じ感覚で、音楽をやっているところがあると思うし。10.22はイベントを通してそういうことを感じたいね。

多分途中のMCも、漏れるとは思うし笑 それらが全てだと思うね。 
俺らのライブは、大体だだ漏れるじゃん?

-JANS
別なシーンのライブに出た時は、郷に入ったら郷に従うで行きたいけど、どうしてもはみ出してしまう。 
こっち側の常識でいっちゃうし 笑

-mica
1番楽しみにしているのは、そういう「漏れる」ところ。
ジャンルは違えど、長くやってきたからこそ判る、共通のスピリットを楽しみにしている。

ライブ見ていても、ガンガン伝わるからとても楽しみしています。
客席でがっちりバンドを見たいしね。

でも一番大事なのってそこじゃない?
HIP HOP同士でも対バン的なライブってあるけど、いつもそこを見ているね

-JANS
違うものも感じたいし、違うと思っていたものが一緒じゃんと思う時があるし。

-mica
ずっと音楽やっている人達って皆クセが強いよね・・・そもそもクセが無いと続かないというか。
人間的なクセの強さとかもそうだし・・・ジャンスと俺もかなりクセが強い方だと思うし、今日は抑えているけど笑

ライブってなると皆そのクセが出るし、お客さんに楽しんでもらいたいとこでもあるし、演者同士でも刺激を受け合いたいところなんじゃないかなと思ってます。

-JANS
語弊があったら申し訳ないけど、ハードコアバンドの人たちはDJの人たちと似ているなと感じでいるところがあって。

自分は凄くストイックに見えるし、多くを語らずライブに集中するっていうか。音で勝負するって感じだよね。

ラッパーももちろん、そういうところもあるけど言葉で勝負っていうところもあると思うしね。
自分たちのHIP HOPクラブ関係はラップ方面は半々って感じかなと思う。もちろん音勝負なんだけど、喋りながらのPARTYって文化もあるから。1日通してコミニュケーションとりながらね。

-mica
ライブの良さが本当のHIP HOPのカッコ良さなんじゃ無いかな?
と俺とかJANSは思っているタイプ。
ライブ 〉音源
この順番はきっとバンドマンの人も共通だと思うんだけど、
音源 〉ライブ
って人もHIP HOPでは増えてきているから。

曲の見せ方とかさ、オケかけて、カラオケ的にライブやっているっていう
形はあまりカッコいいなと思ってなくて。全然PARTYじゃないし。
やっぱりHIP HOPはブロックパーティーのような・・・音を止めない、踊らせながらLIVEをやるっていうのが一番かっこいいと思う。
そういうところを含めて、HIPHOPだし、だからこそ「DJ的なライブ」が一番カッコイイと俺もJANSも思っている。

-JANS
PARTY1日を文化として考えなかったら、DJっていらなくなってしまうと思うし。
自分達のライブする場所はPARTYだし、そこで一番良いLIVEの流れをお客さんに作ってくれているのがDJだからね。
そこを蔑ろにしていては、成り立たないとも思うしね。

今ままで経験した良い夜って、そういうことが合致していたことが多いかったと思うかな。


年を重ねることに、より音楽的になるんだよね

-JANS
先輩達もそうだし、自分も周りの人もだんだん、ポーズがなくなってきますよね。周りに見せたい自分が無くなるというか。ちょっとはカッコつけたいところあるけど、それも素直に言える感じ。
本心でストイックじゃないのに、ストイックですって言う見せ方はできないですもん。

-mica
イイねの数とか、動画の再生回数とか全然気にするし 笑
「micaさん、好きなことやっていてイイですね!」なんて言ってくれる人もいるけど、全然・・・再生回数めちゃ気にするよって 笑

もちろんそれが全てではないのは当然だし、まあそうは言うものの、多いに越したことはないよね。

「あれ、再生回数の割にGOODボタン多いし」とか 笑

そんなちっちゃい自分を認めつつ、音楽が出来ることは楽しいよね。

「俺はこう人だよね」って事をわかってもらいながら、音楽できることは幸せだと思う。

「micaはうるせーしなー」とか「こんなとこ細かいよな」とか笑
そういうのあるじゃん?
そんな自分の事を知ってもらって、やっていくことの重要性というか。

むしろそこをわかった上で、付き合ってくれる人達だけが残っているから、すごく居心地がいいというか。

ただ、ちゃんと色んなことに挑戦しないとなとは思う。
内輪で「俺ら最強だぜ!うぇい!」的なのは嫌じゃん?
それは絶対に良くないというのが自分の中であるから、常に挑戦すること・・・今年は〇〇に挑戦するとか。

そういうことは自分の中で必ず1個は掲ていて。
リリースにしたって、この曲はJANSとはやらないとか、CASINやHI-ROCKとは関係なく、自分1人でやるんだっ! ていうのを必ず作ってやるようにしている。

-JANS
自分の条件を決めっていうのが大事かなと実は思っていて

-mica
そういうのを各自が持ち寄って「うぇい!」としてやることが楽しいし、かっこいいことだなと思っているから。

-JANS
みんながOKでも、自分の中で腑に落ちないのであれば、やっちゃいけないことってあるじゃないですか

-mica
みんなに言わないで、自分でこそっと挑戦している事を、常に持っておきたいと思っている。JANSももちろん、みんなそう思っていると思うけどね。

年を重ねることに、より音楽的になるんだよね。

昔は全然そう思ってなかった。
むしろラッパーは年とる毎に退化していくものだと思っていたけど、そうじゃないなっていうところを最近思ってきたし。

最近自分が好きになるラッパーって年とる毎にカッコ良くなっている。

JANSもそうだよ!
5年前、3年前より絶対今の方がいいし、より内省的なラップになってきているし。

-JANS
音に心が近づきやすくなりますね

-mica
より音楽的になるんだな、というのを実感してきた。


お互いのラッパーとして印象

-mica
JANSと一緒liveをやる上で、すごく好対照なラップだと思っていて。そこが良い面だと思っている。
JANSは文学的、俺は削り節。自分の人生とか生き方をダイレクトに削って、ストレートにそのまま曲に乗せていくタイプで。

-JANS
自分は他人の視点でも見ながら書いているって感じで。

-mica
噛めば噛むほど味が出るっていうのがJANSのラップだと思う。


-Jansから見て、micaさんは?

-JANS
よりキャッチーになってきたなと思ってて。
一定数キャッチーなことを嫌う人もいるとは思うんだけど、自分はアンダーグランドとかキャッチーなど関係なく、そこにいて音楽をやっている人たちが、上へ上がるのがカッコイイと思っていて。

色んな経験をしているからこそ色々な人に伝わる歌詞が書けて、またそれがmicaさんは出来ている訳で。

俺は逆に別な部分・・・自分の主観だけじゃない部分も見ちゃっているから、そこをうまくまだ消化できていない面もあるけどそれも面白そうだと思ってやっている。

お互い見えてる方向性は別なんだけど、一緒に同じ空間でそういう部分を混ぜ合わせながら、もっと広がるものだと思っている。

だからmicaさんのストレートさが羨ましいなと思うときがあるし。
かといって俺の性格や考え方で、micaさんのノリのリリック書いたら
無理があってダサいし。micaさんだからカッコいいんだよね。

ちょっとエモい話になってきたね 笑


-音楽を続ける原動力とは

-JANS
指図されずに自分がやりたい部分を持っているところかな。周りに影響されずとも、やりたいことが明確に根本にあるということかな

-mica
楽しいって感覚ともちょっと違くて。
伝えたいことがあるというと、カッコよすぎるんだけど・・・
なんて言えばいいんだろう

-JANS
青山テルマ的なことですよね? 「私はここにいるよ」っていう・・・

-mica
いや、全然違う! 笑

ラップは自分が唯一出来ることだからかな?
30代中盤になったとき、今までの人生の中で、自分のやったことで誰かの役に立つことって何かあるかな?と思ったことがあって。

まあ普段の生活範囲内でいえば、おばあさんの世話をするとか
そういうことはあるけど。

沢山の人を一気に何かの影響を与えることってないし、そう考えた時に、自分が今までやってきたことでやれることって、ラップだなって改めて思ったし。

また改めて、その部分をもっと大事にした方が良いと思った。

そしてそこから、自分がやっている音楽活動を、更にもっと磨いてみたらどうなるんだろうと思ったんだよね。

そしたら意外と喜んでくれる人がいたり、良いって言ってくれる人がいるんだなと思って。

じゃあもうちょっと、磨いてみるかなって思ってやっている。

-JANS
自分はダイレクトに自分のことが一番伝わると思っちゃっているから、その瞬間が欲しくてやっているのだと思う。

-mica
そうだね。
じゃあその手法として、他に何がある?と言ったら、ラップや音楽以外では無いんだよね。
誰かに喜んでもらったり、心を揺さぶらさせることって、他では出来ないよね。
だからこそ、コレしかないと思いラップ磨いている最中な訳ですね。これが原動力かな。


おすすめのアーティストや好きな曲など

-JANS
QUIZI A RHYMEの「U GOTTA BE」って曲。
今日時間をあり余してたので、さっき聞いてきて
ぽろっと泣いてしまった 笑  エモくなってしまったな


-mica

今というか、ずーっと好きなのは
GAGLEの「欠けた月を見てる」って曲が好きだね。

HUNGERさんが駅裏のマンションみたいなところをオフィスにしたい、的なリリックがあるんだけど、ラップの力の抜け加減とハンガーさんのその時の心情が出ているなと思って、ずーっと好き。
定期的に聞いてしまう曲。

この曲出していた時位、ハンガーさんとよく飲みに行ったり一緒に遊んだりしていた時期でもあったので。

感動的に歌うのではなく、面白おかしく、表現しているラップ。
この位の肩の力が抜け方の表現の仕方っていいなといつも思っているし。

もう1つ挙げるとするとLoop Junktionかな。
これはずーっと聴きまくっているグループで。
贈る言葉って曲はカッコいいしTiesってアルバムだね。
Loop Junktionは今でも月何回か聴いてしまう位、このアルバムは好き。

Infometion

mica the bulwark

mica the bulwark official site
instagram : @mica_the_bulwark


JANS

instagram : @jansovelex2


LIVE 


VOICES FROM HOOD Presents  COLLECTIVE.01
2022.10.22(sat) 仙台ROCKATERIA
open 15:30 start 16:00
前売2000円 当日2500円 別途ドリンク600円

※mica the bulwark & JANS x DJ Casin & DJ HI-ROCKは19:20分頃からの出演予定です。

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