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世界石巡礼ブログ アルゼンチン

🔴2010/03/01 

「月の谷」イスチングアラス(Ischigualasto)州立公園の奇岩 

2月23日の午後、チリ、サンチャゴからアルゼンチン、メンドゥーサ行きのバスに乗る。 アルゼンチン側のイミグレで何故か3時間以上待たされる。イミグレ近くの広場に巨石があり、落書きのような文字がかかれていた。 

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ようやくイミグレを出発する頃、夕景に月が昇った。

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 メンドゥーサに到着したのが23時を過ぎていた。市内のホテルに泊まり、翌日、サンファンへ移動する。 2月25日 サンファンから早朝のバスでサン・アグスティンへ向かった。サン・アグスティンは、イスチングアラスト州立公園への起点となる村だ。ホテルにチェックインして午後からのイスチングアラスト州立公園ツアーに参加することに。 車で一時間ほどで公園入口に到着。入園料25ペソを払い、公園内のオフロードをミニバスは走る。天候は次第に崩れてきて、肌寒い。 ここは2億4000万年前ぐらいから、1億8000万年ぐらいまでの、三畳紀にできた陸上の堆積物が広く露出し、周囲では最初期の恐竜を含め無数の化石が多産している。 イスチングアラスト州立公園は、別名、月の谷と呼ばれるように非常に乾燥した、奇岩の並ぶ不思議な光景があった。 最初の訪れたのは月の表面のように見えるバジェ・ピンタードと呼ばれる場所だ。 

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その後、キャット岩(スフィンクス岩とも言われる)やいくつかの奇岩を巡る。 

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次に、訪ねたのが「丸い石」群である。 

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ここは、カンチャ・デ・ボチャと呼ばれ数センチから数十センチくらいの丸い石が100個近く点在していた。丸い石は、とても人気もので人々は夢中になってカメラに収めていた。 

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最後に向かったのが、イスチングアラスト州立公園を代表する奇岩、エル・オンゴだ。近付くと、巨大なきのこのような形をした奇岩がやや斜めに起立し、神秘的な雰囲気で佇んでいた。 

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ツアー終了後、公園入口に併設されていた恐竜の博物館を見る。 

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「月の谷」には、太鼓の記憶が残っている。 

アルゼンチン、ブエノスアイレスにて 郡司 拝


🔴2010/03/01 

タランパーヤTalampaja国立公園、先住民の記憶と奇岩群 

2月26日 

イスチングアラスト州立公園と並んで、世界遺産に登録されているタランパーヤ自然公園のツアーに参加する。「月の谷」のツアーは小雨交じりだったが、今回は青空が顔を見せていた。

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 朝8時、ホテル前でピックアップしてもらい2時間のドライブで、タランパーヤ自然公園の入り口に到着する。入園料25ペソ、公園内のミニバス代65ペソを払い、10時半にツアーはスタートした。20分ほど走るとオフロードになり、やがて高さ140mもの浸食した地形が現れた。ガイドの説明は実に手際がよい。 タランパーヤ国立公園は、サニャガスタ山脈と、コロラドス山脈に囲まれた盆地に位置し公園内には、風と水によって浸食し削られた、魅力的でユニークな風景が広がっていた。 最初にピラミッド状の岩に近くにミニバスは停まった。

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 隣の岩に、二体の奇岩が見える。 

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岩の反対側にある崩れ落ちた岩石群には、先住民の先刻画「ペトログリフ」がたくさん刻まれていた。 岩には人物、動物など様々な画が刻まれていて、灰状穴もあった。 

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ここは、かつて宗教的に重要な場所であったという。 次に、岩盤をえぐるように半円状の溝が垂直に走った地形。

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 ガイトは、ここで皆で大きな声を出すように合図すると、4秒後に反響音がこだました。 やがて、国立公園を代表する風景であるラ・カテドラル(大聖堂)と呼ばれる、高さ120mの巨大な岩壁が現れた。

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 どこか、ガウディのサグラダ・ファミリアを感じさせる。その近くには、人が乗った駱駝岩、コンドルに似ているコンドル岩などがあった。

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 やがて、ミニバスは奥へと進み、最後の見所へと向かった。La TorreとLa Totemと呼ばれる二つの塔の岩。

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 その奥にあるのが、エル・モンヘEl Monje(修道士)と呼ばれる岩だ。 

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日本であれば地蔵岩と名前が付けられそうな岩だ。帰りがけ、反対側からエル・モンヘを見ると、荒野に一人佇む姿に見えて実に渋い。

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 タランパーヤ国立公園の多くの奇岩群が、様々な名称を付けられ、人々から親しまれていることは嬉しいものがあった。奇岩は人々を楽しませ、そして豊かにしてくれる。 アルゼンチン、ブエノスアイレスにて 郡司 拝 追伸:2月27日深夜、我々はサンファンのあるホステルに宿泊していた。その夜、ホステルのスタッフの誕生日のパーティーに招かれ屋上には30人くらいの若者が集まってにぎやかな宴に参加していた。3時半頃、部屋に戻ると電球が揺れていた。私は、酔っているせいでその時、地震とは気付かなかった。翌朝、チリ地震のことを心配して義母からメールが届いた。深夜の揺れは、チリ地震のものだったのだ。 

チリ地震で亡くなった方々のご冥福をお祈りいたします。


🔴2010/03/07 大いなる水の記憶、イグアスIguazu 

ブエノスアイレスを13時半に出立したバスは、ブラジル国境の町プエルト・イグアスの町に翌朝8時に到着。ジャングルに包まれたプエルト・イグアスは、まさに猛暑といった感じだった。ホステルにチェックインし午前10時過ぎに、ブラジル領事館にヴィザ申請に出かける。申請料(US50ドル)を払い、午後1時半に無事ヴィザを取ることができた。領事館には、日本の若いバックパッカーを数人見かける。ここは陸路でブラジルに入る場所として知られていた。その日は、プール付きのホステルで久しぶりにゆったりと過ごす。 

3月4日 

ブラジルに移動する日、世界三大瀑布の一つイグアスの滝に行く。路線バスで30分ほど乗ると、イグアスの滝の入り口に到着。入園料85ペソを払い中に入る。軽便鉄道に乗り換え終点から川上の中を縫うようにして掛けられている遊歩道を歩きながら、大小無数の滝の光景を見ることができる。 

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そこには、これまで見た滝のイメージを超えた世界が待っていた。

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 イグアスは、アルゼンチンとブラジルにまたがる巨大な滝だ。「Iguazu」とは、先住民グアラニ族の言葉で大いなる水「Y Guazú」という意味があるという。  

 最大落差80m以上、「悪魔の喉笛」(Garganta del Diablo)と呼ばれる、滝の表情は、水しぶきをうけながらも吸い込まれるような不思議な魅力があった。 

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特に印象的だったのは、滝に打たれる巨岩だ。 どこか修行僧をイメージさせる。 時折、滝に虹がかかりさらに幻想的な世界に導いてくれる。

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 大いなる水、イグアスは地球という巨石が造った自然の造形美だ。 

ブラジル、クリチバにて 郡司 拝