バルセロナで大活躍! スマホカメラで遠距離からタグを読み取ってスマートシティを支えるNaviLensアプリ

NaviLens専用のタグ、
QRコードのようなデザインをスマホカメラで読み取って、情報をユーザに通知します。
元々は視覚障碍者が行動しやすいように、
シンプルな操作で譲歩を提供する目的で開発されたそうです。

たとえば、店の看板にNaviLensコードのタグが設置されていれば、
確実にその店の名前と場所を確認できます。
GPSアプリであれば、店名を案内されても、数メートルの誤差は覚悟しないといけません。
はたしてどこがその店のドアになるのか、もしかすると通りの反対側だったりという場合もあります。

2021年の春、バルセロナの公共交通機関のすべての駅やバス停にタグの設置が完了したそうです。

看板の見えない視覚障碍者にとっては、まさにデジタルサイネージの役割も果たしていることでしょう。

Drafts about A11Y: スペイン、公共交通機関TMBの全ての駅とバス停にnavilensの
ddTagsが導入される。
http://accessibility-tech.blogspot.com/2021/04/tmbnavilensddtags.html


博物館内に設置されたり、観光案内などの情報発信もできることから、
今では視覚障碍者に限らず、だれもが使える情報入手ツールとなっています。
その内容は自動的にスマホの言語に翻訳されるので、
海外からの観光客も活用できるわけです。


NaviLensはバージョン3.0.0にアップデートされて、
360ビジョンという機能が加わりました。
その前のバージョンでは「点字ブロックガイド」という機能が追加されています。

点字ブロックガイド、どんな場面で役立つのか不明でしたが、
どうやら点字ブロックの経路上にNaviLensコードを設置することで、
ルート案内にも利用されているようです。
平面に設置したコードを4方向から読み取ることで、
それぞれの向きに合わせて4種類の情報を通知してくれるわけです。

マドリードのプエルタ・デ・アトーチャ駅にて、NaviLens点字ブロックガイドを利用
- YouTube NaviLensチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=iRz90iYnMss


さて、360ビジョンですが、
このモードでタグを検出する時に3Dサウンドでタグの位置を確認できるようになります。
なので、ステレオヘッドセットを装着すれば効果的です。
AfterShokzの骨伝導ヘッドセットやBose Framesなどのサングラス型製品を使えば、
安心して周りの音と3Dサウンドを聞き分けることができるでしょう。

一度タグを検出して、カメラを別の方向に向けると、
そのタグのある方向からドラムの音が聞こえます。
カメラの向きを変えると、ドラムが聞こえてくる方向も変化します。
自分の目の前からドラムの音が聞こえてくれば、
その方向にタグがあるということになります。
そして、ベルの音が聞こえると、カメラはタグを検出しているという合図です。

MicrosoftのSoundscapeというナビゲーションアプリも、3Dサウンドでポイントの位置を把握しやすいようにしていますが、
それと似たような感じです。

360ビジョンのモードで検出すれば、そのタグの位置まで確実に歩けるでしょう。
しかし、もしも途中で別のタグを検出してしまうと、二つ目のタグがターゲットに
なってしまい、
一つ目のタグの位置を見失ってしまうことになります。
そんなことを防ぐために、検出したタグをロックオンできます。

通常検出モードから360ビジョンモードに切り替えるには、
3本指の左スワイプを利用すると便利です。

また、検出したタグをロックするには、
2本指ダブルタップ、マジックタップが利用できます。
アンロックするのも同じジェスチャです。

18メートル先の情報もカメラでキャッチ、360ビジョンで捕らえたタグは逃がさない
「NaviLens Version 3.0.0」 with iOS 14.5 VoiceOver
Voice_of_i 見えなくても使えるiPhone (ゲートウェイ)
http://voicei.seesaa.net/article/470871704.html?1590120314