「やっぱり芋は芋だったよ」
私の父は昭和一桁生まれ。
父の友人は、お芋やカボチャはあまり好きではない、という方が多い。戦時中、いやというほど食べたからもう食べたくない、と。
けれども、私の父は「超」がつくほど好きだ。
好んで食べる。
かつて、週末のお昼はジャガイモとかぼちゃが大量にテーブルに出されていた。ふかしたジャガイモをお皿でマッシュして塩とこしょうをふりかけ、そこにバターを少し落として食べるのが父のお気に入りの食べ方だ。
ある時、父と同い年の友人が、父のお芋の食べっぷりを見て、「最近の芋はおいしくなったのだろうか。本当においしそうに食べる」と言って、普段はきらいなお芋を食べてみたそうだ。
けれども、出てきた感想はこれだった。
「やっぱり、芋は芋だったよ」
父の芋好きは、同級生の間でも有名らしい。
お酒よりも、芋、栗、カボチャ、小豆が好き、スイーツが好きな父は甘いもの、そしてお芋を食べるとき本当に幸せそうな顔をする。
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