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ブラウザVR型オンライン同人誌即売会普及に向けて印刷会社の挑戦

仮想田ボイ子と申します。

同人誌印刷事業という、ニッチ?な業界で働いています。印刷会社向けにコンサルしたり業務システムを組んだり、システム化のお手伝いをする会社と、印刷会社の2足のわらじをはいてます。元ゴリゴリ系インフラエンジニアです。

さてさて、この状況、いやーきびしいですね。
立て続けに同人イベントが中止やら縮小やらで、とくに同人誌印刷をメインとしている印刷会社さんは苦境です。同人誌印刷事業ってのは、いわゆるコミケさんとか赤ブーさん大手イベンターさんが開催してくれる同人即売会による売上が大部分を締めてるところが多数かと思います。

事業だけでみると、いわゆる年に3回の大型イベント(春コミ、夏コミ、冬コミ)で年間売上の半分以上をあげる事業形態です。つまり、同人誌印刷事業専門の会社になってくると、大型イベント時は黒字、それ以外の月は赤字みたいな感じで推移していくわけです。
なので、もともと何ヶ月か先の大型イベントを頼りにっていう経営状態のところが多いので、できたら自分たちでマーケット作って自分たちでお客様に本をつくる機会を与える仕組みをつくりたいなーと、日々思っている矢先の、コロナショックでした。

リアルイベントが縮小してるなかで、お客様も本作りたいし、印刷会社も印刷したいし、って、そこに間を取り持つサービスが出てくれば、まさに3方よしな事業になりますよねと。こういうサービスがいろんな形で出てきてしのぎを削っていけば、オンラインイベントという新しいマーケットが生まれて、そこでまた業界が元気になりますねと。

印刷会社でエンジニアを擁するところは少なく、だったら我々がやろうというのでVOiCEというサービスを立ち上げました。我々自身の生き残りをかけてっていうのもありますが、こういう時代の新しいマーケットを作っていくという、業界にとっても我々にとっても大義のあることなので、協業していただける印刷会社さんも増えてきました。ありがたし。

窓口ハブシステム+委託販売システムのハイブリッド

VOiCEというサービスを開発しています。現在β運用中。

VOiCE設計思想はこんなん

サービスを設計する際に、オンラインイベントってどんなんなるんかなーとまず考えたときに、抽象的に表現すると、以下のような構造になっていくのではないかと考えてます。

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図1:オンラインイベントに必要な要素

①オンラインイベント会場の仕組み
  →いわゆる人があつまってわいわいコミュニケーションを取る場所
②販売の仕組み
  →お客さんに販売する機能
③委託販売の仕組み
  →印刷会社から新刊を直接売り場まで届ける

分解すると、これらの3つの機能要素がからんでくるなと。
「オンライン即売会向け」のシステムだと、即売が前提となるので、①と②がセットになってくるものが多いんじゃないかと。そうすっと、自分が使ってるECが使えなかったりとか、委託販売対応してないーだったりとかそういう状況がでてくると予想してました。

①と②って実は疎結合でよくて、たとえばVRに強いとこが販売機能まで考えて実装せんでもええんちゃうかと。基本的にはWebのURLへのつなぎがあれば、なんだって使えてしまうわけで。たとえば、どうぶ○の森やマイ○クラフト、ドラ○エXあたりでワイワイやって、ここで買えるよーってできればこれはオンライン即売会だなーと(そういう利用が許諾されてるかはおいといて。。)

③のようなせっかく委託販売に対応しているECがイベントで使えないとそれは面倒だし、わたしECを2つもってるけど、どっちかしか使えないわーとかそういう状況が課題になってくるかなと。

なので、整理すると、課題★1と課題★2が出てきて、

課題★1
サークルさんは1種類じゃなくて、さまざまなサイトで販売をしてると思うんですよね。グッズ系はここ、新刊はここ、在庫はここみたいな。買い手からすると、同じイベントなのに、サークルさんによって売ってるサイトが違ったり、ショッピングカートが分かれるので送料が余計にかかったりみたいな状況もありますし、①のイベント会場によっては、販売はこのサイトから限定よみたいな縛りも出てくるとこもあると思います。


課題★2
やっぱり新刊は印刷会社さんからダイレクトにECサイトに落ちて在庫も管理できるのが楽ちんでいいんですよね。書店さんとか委託手数料や、部数の制約もあったりで、小規模さんとなるとなかなか難しかったりします。

なので、VOiCEがカバーするべき範囲は、、、

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図2:VOiCEの立ち位置ここなんよ


★1については、VOiCEは外部ECサイトの商品もリンクという形ですが、取り込めるようになってます。サークルさんの取り扱う商品をVOiCEに集約して、カタログ的な販売ページを作成してしまうことで、①オンラインイベントの会場の選択肢を広げれるのかなと考えてます。たとえば、VOiCEでイベントと参加サークルと販売カタログを集約して、某オンラインゲーム上でイベントを行うとか、そういう使われ方を想定します。

★2については、実は、発行した新刊をECに乗っけるサービスは各印刷会社ごとにあったりするのですが、それだとやはり売り場が乱立してしまいます。VOiCEの倉庫に印刷会社さんの発行した新刊をダイレクトに委託してもらって、システム上で出品スタンバイ状態に。いまでも書店さんがその役割をになってますが、前述のとおり、もうすこし気軽に小ロットでも印刷会社ダイレクトの委託ができると、オンラインイベントの普及促進につながるかと思ってます。

つまり、VOiCEは

・ECを集約するハブとなる機能を備えたカタログ型EC&イベント機能
  (簡易コミュニケーション機能付)
・簡単お手軽委託販売機能
・VOiCEとは独立したイベント開催強化機能

という役割を担うことを意識してます。

いやーサイトでは全然伝わってないので、ここらへんもうちょっとうまくお伝えできるようにサイトを改修中です。

もちろん、NGワードよけよけ機能、検索よけよけ機能など、同人女子がもう欲しくてたまらない機能は標準装備です。

ここ最近は、VRイベントなんかも実施してます。(独立イベント機能の部分です。)システム面、運営面でまぁ難しいことだらけですが、どんどん定着できたらいいなと。こういったところはまた記事にでもしていきますー。


最後に

お読みいただき、感謝いたします。
いま、大変な業界が多い中、同人誌印刷業界もこういう事情で景気が厳しい状況ですが、新しい時代、カタチが生まれるチャンスと捉えて、がんばりますよー。
皆様の励ましの声、ほんな些細なご支援、かなり力となります。ぜひ、応援をよろしくお願いします。

また、協力いただいている、Kando-8 各社の印刷会社様にも本当に感謝です。
みんなで、新しい時代に向かっていきましょーい!わしょーい!

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