見出し画像

【保険Lv.24】通販・ダイレクト型…節約のつもりで削っている自動車保険の事故対応力⑫

先日、もう彼是10年近くになるお付き合いのある生命保険の契約を任せて頂いているお客様と久しぶりにお話をする機会を得ました。

その時の話題は「自動車保険」についてだったのですが、会話の中で家庭のお車は某ネット系損保の自動車保険に加入をしているという話でした。

通販型自動車保険」や「ダイレクト型自動車保険」と呼ばれるタイプですね。

私はお客様が納得・満足されているなら契約をする保険会社は何処でも良いと思いますが、その後、たまたま1週間後に某大手損害保険会社がオンラインで代理店向けにやっている研修に参加しました。

本記事はその備忘録として、残しておきたいと思います。


調査会社はJ.D.□ワーでも□リコンでもなんでもいいのですが、よく顧客満足度調査がありますよね。

(;´・ω・)モジノフセカタニアクイヲカンジル (*´з`)キノセイダヨ

通販型自動車保険でも、ネット証券でも、最近はネット系生保なんてのもありますよね。

オリコン調べ2021年度


本記事ではネット証券やネット生保についてはあえて触れませんが、推して知るべしだと思ってください。

ところでこうした通販型やダイレクト型と呼ばれる自動車保険がしばらく前からバンバンCMも流れているらしいです。(私はテレビメディアが大嫌いなので持っていませんが)

これらに共通して主張していることは、これですよね?

募集代理店などの人件費を抑え、店舗を構えていないからコストが安い!

コストに敏感な消費者はこういうのに敏感です。

走行距離は走った分だけ!インターネット割引で〇〇〇〇円も安く!

この記事を読まれている方の中にはもしかしたら通販型、ダイレクト型の自動車保険にご加入の方もいらっしゃるかもしれません。

それはそれとして、クイズです。

「皆さんは通販型を含むダイレクト型自動車保険、どれくらいのシェアだと思いますか?」








通販型自動車保険のシェア(答え合わせ)

ではこれがその答え合わせになります。

じゃーん・・・!!!




2017年度で8.0%!!(2020年度8.3%らしい)

え?もしかして40~50%以上とかの印象だったでしょうか?

そこまででないまでも20~30%、若い世代は殆ど通販型に加入している印象だったでしょうか?

単純にこれが良い悪いという話ではないのですが、通販型自動車保険は確かに解禁された1990年代後半以降着実にシェアを伸ばしいているのは事実です。

しかし、実際の世の中を走っている自動車が加入しているであろう全体のシェアという点で言えばまだようやく10%が見えてきたところで収益性を確保するために、大手保険会社と異なって幾つかの課題も見えてきているという話を伺うことが出来ました。

某大手損害保険会社の研修だからというのを差し引いたとしても、自動運転車が近々本格的に普及するため「自動車保険に未来はない」というのが保険業界共通の認識です。

なので保険会社的には死地である自動車保険のことは最近、割と本当に二の次にされつつあるのですが私なりの補足を交えてご紹介をしたいと思います。

インターネット割引、実はグレーゾーン

まぁこれは新規契約獲得のイニシャルコストが高いからということで、契約者へのバラマキですよね。

保険契約における「保険の割引や割り戻し、保険募集に関しての特別利益の提供」(保険業法300条)の隙間グレーゾーンを突いているとも言えますし、消費者(契約者)が代理店募集人に代わって手続きをしているというMLM(ネットワークビジネス)におけるディストリビューションであるとも言えますが、そもそも消費者の殆どは募集資格持っていないのだからこの割引とは一体何なのかという疑問は残りますが。

まぁ多くは初年度だけの割引であり、保険の仕組みを考えればみんなが事故したら大変ですが、殆どの場合は事故を起こさないように慎重に運転をします。

ということで、基本的に初年度のみに割引が適用されて、次年度以降の割引はなくなる点は当然知っておかなければいけません。

また継続割引の会社もあるらしいですが、だとすると元々こうした割引というのは保険事故を起こさない優良顧客が支払う保険料が原資になっていることを考えると割引なのか、最初から設定されている保険料が実は割高なのではないかという問題もありますが細かいことは本記事の主旨と外れてしまうので言うまいと思います。

自動車ではありませんが、同じような現象というのは携帯電話の機種変更と他社乗り換え(MNP)でも起こっていますね。

長期継続顧客に対する還元より、2年毎などに機種変更をした人の方がお得で、他社からの乗り換えの人の方が優遇されるというアレです。

保険の場合には利用される状況というのは困った状況ですので、それが起こらないように業界で情報を共有し、かつノンフリート等級に保険料値上げ負のインセンティブという抑止力をかけているのですが。


安いには理由あり、事故対応

通販型自動車保険の最大手S損保のサービスセンターは全国26か所、8都市にあります。

通販型としてはかなり多い方とされていますが、他の通販型ってどうなんでしょうか?

S損保の次によく名前の挙がるE損保、大手損保会社のグループ会社ですし拠点を共有していたり…

7拠点あったのに統合されて実質東京3拠点と大阪2拠点で、地域的には実質東京・大坂だけ!!

1桁は四捨五入するなと…

ちなみに損保大手のT社は…。

いや、これ電話の受付だけで実は場所とか関係ないのでは…

ちなみに通販型自動車保険会社は大手損保傘下でも子会社は独立採算制なので、サービス拠点やスタッフの共有は行っていません。

また不都合な情報は開示しない傾向にあるため、不利となるスタッフ数や弁護士数などは非公開の所が多いようです。

(*某S損保は全従業員数1,455名なのでこれよりスタッフは当然少ない訳で…)

繰り返しますがお客様が満足されているのであれば、私は別に何処の保険会社でも構わないと思います。
しかし、これはいざという時の事故対応がかなり違ってくるのではないでしょうか。
(特に大都市圏以外にお住いの方がご加入の場合には)


事故対応において某R損保というネット通販なども手がけている保険料の安さを売りにしている保険会社(某大手損保とキャラクターがパンダ被りしてる)も事故対応拠点が少ないことで有名です。

これだけボカせば大丈夫でしょう…

もう数年前になりますが、2018年9月6日に北海道で最大震度7という大きな地震がありました。

札幌を始めとした国内で初の全域停電ブラックアウトを43時間にもわたって経験したこの災害に重なるように、実は関東でも大きな災害がありました。

非常用の電源から信号と車のライトなどしか灯りのない街…
札幌の知人曰く冷蔵庫や冷凍庫の食べ物が壊滅したという話を聞いた。

2018年9月9日の台風15号によって千葉県市川市では住宅街に建つゴルフ練習場のネットが柱ごと倒壊して周辺の家や自動車などを破壊したという衝撃的なニュースを記憶している方も少なくないでしょう。

この台風被害の前月、8月27日には九州北部を豪雨が襲いこちらの事故受付の電話も殺到していました。

豪雨→大地震→台風と災害が全国で立て続きに起きたこの直後、私が担当している自動車保険の契約をしている法人様の社用車で交通事故が発生しました。

その契約は保険料が安いというのが最大の決め手だったのですが、北海道地震で北海道の全域からR損保には電話が数日前から殺到していました。
そこに更に首都圏直撃の台風被害です。事故受付のコールセンターは電話が鳴りっぱなしで鳴り止まず…そんな中での事故でした。

車に積んでいた保険証券を観ながら電話をすれども保険会社の事故対応窓口は一向につながらず、不幸中の幸いと呼ぶべきか自損事故でした。

車のボンネットは凹み、ヘッドライトは片方壊れ、従業員は半分無灯火で会社に戻って車を駐車場に置いて次の日に社長に報告。

事故が起きたら警察にまず届出しなくてはいけないというのもあって、それをすっとばしてた従業員への怒りもあったのですが、それより何より事故対応窓口にさえつながらなかったというお客様の声は私の所へ連絡が入りました。

そして私から代理店専用窓口へその旨を報告して電話をし、保険会社の自己担当者から連絡をしてもらってようやく事故受付が始まりました。

この時、この保険会社は代理店を回っている担当者の一部まで借り出して電話対応や事故現場(主に千葉などの関東の台風被害)へ調査へ出歩いていて保険金支払いまで被災から2~3か月かかった現場もあったようです。
(熊本地震の時には2年がかりだった現場もあったという)

24時間365日事故対応

自動車保険や損害保険などのCMや広告、パンフレットで何処の会社も同じようなことを謳っています。

しかし実際に事故が発生した時の対応力(事故対応力)顧客満足度主観的であり、なかなか数値化したり、ランキングをつけることはそもそも難しいものです。

損保代理店をしてると事故のご連絡は日常茶飯事です。確かに九州北部豪雨、北海道地震に首都圏直撃の台風、そして自動車事故。
この時、どこの損害保険会社でも電話はつながりづらかったのは確かですが、何度か掛け直したり待っていると大手は流石にオペレーターにつながり対応を受けられたと同じ代理店内の損保募集の先輩方から聞いています。
電話がそもそも話し中で繋がらないという事故受付窓口などあり得ない話です。
(この頃、同社は現在では販売停止となってしまったが長期契約の自動車保険で加入者を増やしていた時期でもあった)

近年、この損害保険会社は事故対応にWebフォームを設けたりの改善をする一方で、自動車事故の電話対応窓口を問い合わせ画面に掲載しなくなりました。
折り返しの連絡待ち…窓口のキャパからやむないと考えるか自動車事故対応の窓口として有り得ないと考えるか、IT系らしい発想と捉えるかは人それぞれだが。

更に保険代理店を軽視し、ネット系損保へ脱却しようと経営方針を大きく見直す動きがみられ中で働く人の中には他社損保会社へ転職する人も少なくないようです。

長年、損保募集人をしている人の中には事故対応や保険金支払があまりに酷すぎる(加えてホウレンソウが杜撰)として満期の到来するお客様に通販型から大手損保会社への乗り換えを日々積極的に提案している人も多いほどです。

特に若い人ほどネットなどを抵抗少なく使う一方で、ノンフリート等級もまだ高くない人が多く通販型やダイレクト型はメリットが少ない傾向にあるようです。

とにかくやることなすことがその場しのぎ

この会社に加入された別なお客様の火災保険(地震保険)で壁に亀裂が入ったという際には事故調査に行ってから3週間も音沙汰なし。

「保険金額は〇〇万円になります…」と損害の規模にしてはあまりに少ない保険金額を提示してきたのを、損保会社出身の担当者が突っ込んだところほぼ2倍近い金額をすんなりその場で認めるなど顧客対応でも足元を見るような対応に呆れを通り越して保険会社に対する信用を著しく失うことになったこともあります。


こんな車や事故した人はお断り

また通販型自動車保険の中にはどの会社とは言いませんが、事故があった場合に更新を断られてしまうケースというのもあります。

そもそも一般の方が利用するノンフリート等級には現在、事故あり保険料率というのが採用されているのですが通販型自動車保険は「事故を起こした人はまた事故を起こす可能性が高い」と考える傾向にあり、更新できずにその下がった等級で他社へ乗り換えるように勧められます。

また事故ありでないとしてもデメリット等級と呼ばれる1~5等級、自家用8車種以外に関してはそもそも引き受けをしてくれないようです。

ナンバープレートが緑や黒などの事業用ナンバーなども
通販型・ダイレクト型は引受をしないことが多い。

その他、クラシックカーや高級車などは引き受けをしてくれないことが多いのは通販型だけではありません。

国内の大手でもなかなか引き受けてくれるところが限られてきます。

"賢い"消費者とは何なのか

保険料が安い保険会社や保険商品を選ぶことは消費者(契約者)にとって一つの要素ではありますが、保険料は突き詰めて何処まで分析しても、受けられる保障(補償)内容の違いでしかありません。

つまり保険料を安くするとは、保険金額を減らすのか、保障範囲を限定するのか、担当者などのフォローを削るのかなどに限られており、保険料の自由化が始まった1990年代後半以降から現在に至ってもこれくらいの保険料であればこれくらいの保障内容という大枠は変わりません

保険も経済の世界も「等価交換」の原則が成立する。

そりゃあれこれ比べると月額で数百円程度違う事はあるかもしれませんが。その労力を消費者が払うのか、保険担当者が払うのか…それも大切ですが、もっと大切な事があるのではないでしょうか。

賢い消費者とは…。

お金やリスクに対する知識や人生経験、また客観的な視点を持てる"賢い"消費者であることは自分で商品プランや保険会社をある程度絞り込んでいくことができるという選択肢が増える点において私は概ね良い傾向だと考えています。

一方で保険という仕組みの原点に立ち返るなら、たとえば生命保険の死亡保障に対して「死」という医師が診断書を書いたまたは死亡届を役所に出すという普遍的で絶対的な日常との断絶に対して、客観的に自分の人生を観つめて自分の人生の選択肢を選べる人は限られていると思います。

また損害保険で、たとえば今回取り上げた自動車保険。
ぶつけてしまった相手が亡くなってしまった、または重度の障害となり寝たきりや車いすなどの生活が必要になってしまった、そうした状態にさせてしまったという場合はどうでしょうか。

そんなことは起こしたいなどと誰も思っていないし、起きてほしくないし、起きてしまうという事実を受け止めることができる人は人生経験の乏しい、感受性の低い人ほど難しいでしょう。

何故なら保険は理屈(理論)が半分、感情が半分だからです。

そしてこの理論と感情があべこべになっているのが保険というものであることを多くの人が理解しているようでしていません。


通販・ネット系が今からでは追い付けない点

生命保険でも損害保険でも、保険で最も大切なことは何でしょうか?
保険料でしょうか?
商品のわかりやすさでしょうか?
申込手続きの簡便さでしょうか?

いずれも大切だと思いますが、私が最も大切だと思うのは事故発生時にきちんと保険金・給付金の支払いを受けられることではないでしょうか。

つまり安心です。

損害保険においても同様で、自動車事故というのは7割は相手がいる事故だとされています。

ここで問われるのが保険会社の事故対応をする担当者の知識と経験、つまり事故対応のノウハウの経験値の差になってきます。

某大手損害保険T社の232拠点の事故対応窓口1万人超の事故対応スタッフ、弁護士や顧問医の数の違いの肝はビックデータと経済力です。

たとえ同じ事故現場だったとしても、小さくノウハウも交渉力もない損害保険会社の担当者では過失割合10:0のケースでもなければ、9:1~8:2、時には7:3まで持っていかれることもあるでしょう。

何しろ90%以上のシェアを大手損害保険会社が保有しているということは、言い換えると8%程度のシェアしかない上に、無事故の車だけを集めている通販型自動車保険では事故対応の交渉力のノウハウがいつまでも蓄積されないということでもあるのです。

また事故の交渉担当者や調査員を経験し、損保募集人になっている人もいます。彼らは実際の事故の判例集を常に片手に事故対応の際にも保険会社の言いなりになることなく独自の交渉をする人もいます。

彼らに話を聞くと彼らは決して通販型自動車保険を提案しません
通販型自動車保険は自分で最適な保険を選べ、自分で事故対応時の交渉もできるという"賢い"消費者(契約者)のためのものであり、事故は起こらないものという前提条件の上で、安い保険料はそのトレードオフと考えているからです。

私も含めて大手損害保険会社を提案する保険募集人は、「事故は起こるもの」と考えています。

何故なら起こる前提でなければ、いざという時にきちんと備えることができないと考えるからです。

彼らのような事故対応の調査員や交渉担当者からの声を聴いて、事故対応は会社の規模がモノを言うという事実を知っています。

別に黒いものを白くしようなどというヤクザな話ではありません。
情報は武器です。そして「情報の非対称性」によって、価格差というのは付けられるのです。

経済の世界では当たり前のことを、損害保険会社はやっているにすぎません。

自動車保険の厄介な所は、多くの事故には相手がいるということです。

過失割合」という完全停車状態でもない限り、運転者に責任が生じるこのグレーゾーンでは、情報量と経験は実弾です。

綺麗ごとだけで、交渉はまとまりません。
そして通販型自動車保険が解禁されて間もなく四半世紀。

コンセプトとしては悪くなかった通販型自動車保険ですが、無事故という車を集めて目先の利益の源泉を創り出すことに注力するあまり保険金支払いという保険会社の根幹にある最も大切なことをおざなりにし、"事故対応力"という大手損保にビックデータを蓄積する経験で大差を着けられてしまったのです。

保険は理論上、数学であり、確率論であり、統計学でもある訳ですからビックデータとの相性はすこぶる良いのです。
またコンピュータやインターネットなどが普及するはるか以前から人間は叡智を駆使してこうしたビックデータを事故率・死亡率・傷病率などから導き出してきました。


そして自動車保険のマーケットは今後10~30年で大規模な縮小を余儀なくされます。

1つは日本の人口がものすごい勢いで減少していくこと、特にあと数年内に到来する団塊世代の75歳以上…免許返納による自動車運転人口減少ラッシュは大きな打撃になっていくでしょう。

また自動運転車の本格的な普及を控え、自動車事故は更に減少していく期待と共に自動運転車の保険は自動車メーカーやAIなどのシステム面における賠償責任保険へと移行していきます。

電気自動車の米国TESLA社の自動運転のβテストドライビングの様子
(2018年頃の試運転状況、現在はレベル4βのレベル2FSDへ移行が始まった)

シェア10%未満の通販型自動車保険がノウハウを蓄積する時間はもう限られているのです。

通販型自動車保険会社が10年かけて蓄積できる事故対応の経験値を、大手損害保険会社はほぼ1年以下で経験します。

何故なら通販型は無事故の優良顧客だけを集めているため、事故を起こさないため事故対応の蓄積が大手ほどはされないのです。

これから10年かけても大手の10の1しかも事故が多い人たちが通販型自動車保険から締め出されたために、この差はより顕著でしょう。

つまり口先だけではない本当の、お客様の声を元にした事故対応力を保険に加入する安心と捉えるとするなら、保険料や保障内容だけで自動車保険を選ぶというのは理屈の面では正しくても事故に実際にあってしまった際にはまるで違った結果をもたらしてしまうかもしれないということです。

そして顧客教育、消費者教育を提供して真の賢い消費者を顧客とする保険募集人はそうした顧客自身が気づかないニーズやリスクについて理解する手伝いをし、保険会社との契約や保険金・給付金手続きを活かせるように人生を伴走していくパートナーでもあるのです。

これをコスト、無駄と考えるのはコスト至上主義(原価厨)やネットの情報に踊らされているあまり賢くはない消費者の行動である危険性があります。


ネット上のアンケートや書き込みに信ぴょう性はあるのか

私自身、某外資系生命保険会社で働いていた時代に、この顧客満足度調査で不思議な不思議な出来事があって、ずーっと喉に魚の骨*でも引っかかっているような気分だったのですが、今回の損保カレッジに参加したことで色々と分かったことがあります。

*88種の医療保険(旧医療保険)は診療明細書の手術点数の項目に点数が付けば、魚の骨の除去は手術扱いだったんだよ。2010年頃のレーシック手術不正請求に起因した改正で殆どの保険会社の手術給付対象から外れましたが。

私の所属する保険会社は顧客満足度で1位を取りましたと最初言っていたのに、3年目くらいから保険金支払満足度で第一位でしたとか言い始めました。

顧客満足度の対象範囲が「顧客対応」、「保険金支払」、「請求手続」という"主観的"で詳細な項目に拡大していったのです。

別に調査対象の項目が多いことは構わないのですが(いや調査内容代わっている時点で本当は良くないんだけど)、その調査方法がインターネット調査という何とも今時な方法でした。

私は統計学の専門家ではありませんが、ネットをよく利用する人というのは実際の世の中の人と必ずしも一致しません。

私はネットの意見はむしろ少数派マイノリティというくらいの感覚です。


新規加入は兎も角、給付金や保険金の請求に該当した人というのを7,000人だか10,000人だか無作為に集めたところで、国内生命保険会社40社以上ある中で給付金・保険金を受け取った人の意見を比較というのも不思議なものです。

そもそも給付金・保険金支払いを受けた人があまりネガティブな回答を行うとも思えませんし、よほど対応が酷いという方ならデータは取りやすいだろうがAIアルゴリズムを駆使して云々…

私がこの調査を疑問に思っているのは保険金・給付金請求というのは主観的な評価だと考えるからです。

他社と比較する、つまりデータを比較するというのはA社とB社両方の同じような保険に加入をしていて、両方に請求を出した人がA社とB社の対応力を評価するというのでもなければ"客観的"に数値化してこの保険会社が事故対応が良かったとは言えないと考えるからです。


そしてそんな両方に加入している人というのは非常に少ないと言えないでしょうか。それを無作為に集めるという点で既にインターネット調査とはそれこそ標本を算出する母集団として偏りがあり、サンプルセレクションバイアスが発生しないでしょうか。

何故ならインターネットの利用時間が多い人というのは、価値観が偏っている少数派マイノリティほど多いからです。

(;´・ω・)オマエモナ (・へ・)ワタシハヘイキン

週刊〇イヤモンドやら〇洋経済やら家電〇評、番組で言えばカ〇ブリア宮殿やガ〇アの夜明けなどのようにお金を払って記事にしてもらうという企業PRビジネスやランキングビジネスというのはわかりやすさの典型でしょう。

ようするに「世の中のCMやらネットやらの情報って本当に印象操作をしている」ということに騙されて、YouTuberやらブログで書かれていることをあまり鵜呑みにしないことをお勧めします。


ここから先は

0字

歴史・宗教・哲学・経済・思想・文学・心理学・科学・生物学・芸術…世の中の出来事を多面的に捉えるリベラルアーツは"与えられるもの"ではなく、"自らの頭で考えること"が何よりも重要です。 学習≠教育、本メールマガジンは教育に観点を置き定期的な学習機会とすることを目的に配信しています。

顧客・セミナー受講生および金融経済”教育”を本当に学びたい方のために毎月1回程度配信しているメールマガジンです。当該対象以外の方向けに過去…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?