『potatoになっていく』歌詞解釈 簡易版

前置き

現在、作成している文章の簡易版となります。
解釈に至る過程はスキップし、参考要素・歌詞解釈・結論を簡易的にまとめました。
解釈に至る過程は時間がかかっても書き上げるつもりです。
気長に待ってもらえると幸いです。


参考要素

・「ニコニコ超会議2023  ”超絵師展 〜IFの楽曲世界展〜"」で公開されたオーダーシート
・16世紀以降のヨーロッパ諸国におけるじゃがいもへの風評と普及の歴史
・虚無主義を提唱したドイツの哲学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェの思想

歌詞解釈

もう救えない  スクラブばかりのブルペンじゃ
もう救えない  整備されすぎている舞台じゃ

ちゃちな青春も  お涙も  それすらないもんな
ちゃちな青春も  お涙頂戴な展開も  それすらないもんな

相当に笑えない  コメディのワンシーンもままならない
相当に笑えない  ユーモアを感じる瞬間が少しもない

冷めたチャウダーを  ただ混ぜ合わした  さもそんな人生さ
代わり映えしない状況を ただ過ごしていく  さもそんな人生さ

掛け違えたボタンの身なりを  いつのいつまで見ぬ振りしようか
目に見えて誤っている条理を  いつのいつまで見ぬ振りしようか

そうかい  抗弁のしようもないな
そうかい  反対意見を述べようもないな

たまたま火事場に逃げ込んで  善かれと油を放り込んで
たまたま火事場に逃げ込んで  善かれと火に油を注いで

生活も  計画も  全部がpotatoになっていく
生活も  計画も  全部がおかしくなっていく

ぐつぐつ明日が泡吹いて  白目のままに茹で上がって
勢いよく明日が変化して  驚き慌てふためいて

将来像  成功法  全部がpotatoになっていく
将来のイメージ  成功のメソッド 全部が可笑しくなっていく

このままみんなで浸り散らかして  どろどろに未来を溶かして
このままみんなで浸り散らかして  どろどろに未来を溶かして

そんな暮らしのままでKUSHA  KUSHAになっていこうぜ
そんな暮らしのままでめちゃくちゃになっていこうぜ

もう時間がない  我等に見下す権利などない
「もう時間がない」「我等に見下す権利などない」

有象無象が発した  ブーイングも  今なら勲章さ
有象無象からの  価値の押し付けも  今なら勲章さ

相当に笑えない  誰だってそう言わざるを得ない
相当に笑えない  誰だってそう言わざるを得ない

バカの一つ覚えのように  空回って  ただバターになっている
バカの一つ覚えのように  空回って  ただ周りに合わせている

始めはこんなつもりじゃなかった  誰か信じてくれやしないか
始めはこんなつもりじゃなかった  誰か信じてくれやしないか

一切、反証の余地はないが
一切、証拠を示す余地すらないが

あたかも何も知らぬ顔で  ここぞと薪を投げ込んで
あたかも何も知らぬ顔で  ここぞと燃料を投げ込んで

生活も  計画も  全部がpotatoになっていく
生活も  計画も  全部が異端になっていく

こんがり明日が煮え切って  姿見えぬほど燃え上がって
ほどよく明日が熱を帯びて  予測できないほど燃え上がって

将来像 成功法 全部がpotatoになっていく
将来のイメージ  成功のメソッド 全部が異端になっていく

このままみんなで浸り散らかして  どろどろに未来を溶かして
このままみんなで浸り散らかして  どろどろに未来を溶かして

そんなボウルの中で憂さ晴らしだとかしようぜ
そんな世界の中で憂さ晴らしだとかしようぜ

そんな暮らしのままでKUSHA KUSHAになっていこうぜ
そんな暮らしのままで泣いたり笑ったりしようぜ


結論

『怠惰』『失望』を想起させる言葉がちりばめられているものの、サビの『potatoになっていく』はネガティブな表現ではないと予想する。
1番の序盤において、洗練された様子や冷たい様子をこれでもかと否定した上で、サビの前にドタバタした様子や熱い様子が描写されている。
また、『将来像』『成功法』は将来や成功そのものではなく、従来の価値観を指すと思われる。
では、『怠惰』や『失望』を想起させる言葉は一体何なのか?
それは周りからの評価ではないだろうか。
新しい価値観とは、しばしばダメなものとして評価されるもの。
それはそれとして過ごしていこうぜ。みたいな感じだろうか。
『potato』とは、『ユーモア』と『異端』の象徴。
じゃがいもは見た目や毒性によって、当初はヨーロッパ諸国で忌避されていた。しかし、一転して広く普及した数奇な植物であることから。
『potatoになっていく』とは、従来の価値観に囚われずに新しいものを創造していくこと。
ニーチェが『ツァラトゥストラはこう語った』において記した『精神の三段変化』。従来の価値観に従う『ラクダ』→従来の価値観に反抗する『獅子』→遊ぶように新しい価値を創造する『幼子』。特に『幼子』の部分が強調されていると思われる。
これらのことから、『potatoになっていく』という作品は、むしろ『遊び』と『肯定』を表現した応援歌である。
そう、僕は解釈しています。


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