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第738回「今日のベトナムニュース解説」ベトナム子会社で横領のインド人に懲役15年

本日の記事:
「インド人幹部、ベトナムで78,000ドルを横領し15年の刑に処せられる」
Title:
" Indian senior executive gets 15 years for embezzling $78,000 in Vietnam "

記事リンク:https://tuoitrenews.vn/news/society/20221130/indian-senior-executive-gets-15-years-for-embezzling-78000-in-vietnam/70255.html


(写真:背中が見えている青シャツの男性がホーチミン市人民裁判所での裁判で、横領の罪で懲役15年の判決を受けたインド人男性、Soumyodiptha Saha氏)


【本日のポイント】

(1)インド子会社のインド人が7万8千ドル(約1000万円)の横領の罪で逮捕、懲役15年の罪の判決を受けた

(2)横領は「ベトナム人の妻の借金返済のため」とのことで、「すぐに返すつもりだった」との答弁も実らず

(3)ベトナムでは企業での横領事件などは「日常茶飯事」と言っても良いくらいに起きており、あまり、それで刑事事件になっているのを見ないイメージもあるのですが、実際にこのような厳しい刑罰もある、ということがわかります。

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【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

先日、ホーチミン市の裁判所はベトナム人妻の借金のためにベトナム子会社から約7万8000米ドル(約1000万円)を横領した同社の財務役員のインド人男性に15年の禁固刑を言い渡した。

一審では無期懲役でしたので、これでも減刑されてますが、15年間、外国人がベトナムの刑務所、、、

キツすぎる、、、

起訴状によると、この男は、インドに本社を置くB9 Beverages Pvt. Ltdという会社に2019年に採用され、、ベトナム子会社の金融業務の重要ポジションおり、1万ドル未満の支払いについては、自分の裁量で承認する権限を与えられていたそうです。

要するに、100万円以下の案件はインド本社の決裁を仰がなくても、ベトナム側で決められちゃうわけですね。
まぁ、当然、外資系なので1年に1度の会計監査があるとはいえ、まぁ、この会社の事業規模が大きければ、1000万円くらいなら、

「コンサルティング費用」
「設備修繕費」
「接待交際費」
そして、
「使途不明金」

などを駆使して、まぁ、「散らす」などは会計に詳しい人なら、やってしまえるかもしれないですね。

まぁ、今回、仕分名義をどうしたかはわからないのですが、結果として、このインド人は2019年8月30日から10月28日の2ヶ月間で27件の取引で上述の7万8千ドルを、妻のベトナム人女性Nguyen Song Anの口座へ振り込んだそうです。

そして、この妻のAnは、全額引き出した後、2020年3月にホーチミンのタンソンニャット空港経由でベトナムを出国したそうです。

ここで「なぜ、ベトナムを出たのか?」なんですが、これはどうも、ベトナム人の妻は当初、「このお金は旦那さんが会社から横領したものだ」という「出所」については、わかっていなかったようです。

ところが、2020年1月に夫婦喧嘩をした際、インド人が妻にこの金の出所を明かしたそうです。

なんで、喧嘩したら、そういう話になるのか、意味不明ですが、もしかしたら、

インド夫
「俺は、会社の金を盗んでまで、お前の借金支払ったりしてるのに、なんやねん、その態度!!」

ベトナム妻
「え?え?ちょっと待って、なんの話??私、お金ちょうだいとは言ったけど、そんなソッコー、バレそうなやばいことしてくれなんて言ってへんやん!!(激怒)」

みたいな話があって、この奥さん、「ヤバい!!」と思って、とりあえず、国外に逃げたのではないでしょうか?

いや、それやったら、1000万円をちゃんと返して、「ダンナがやりました」と言えば、妻は「知らんかった」で押し通せるんでしょうが、借金返済に使って、もう、お金はないし、

「逃げるしかない!」

っとなったんですかねぇ、、、

その後、彼女はどこに行き、今、どこにいるのか、旦那のインド人もわからないようです。


このインド人のサハ氏は法廷で、

「会社の金を横取りするつもりはなく、妻の借金返済のために「借りた」だけだ」


という、

ベトナム人で不正した人間が発覚した時に、非常によく聞く「キラーコメント」もしっかり言っております。

このインド人の実のお母さんが横領した金をすべて返済し、その代わり、裁判所にこの請求を放棄するよう申し立てたそうですが、母の祈りも虚しく、裁判委員会は最終的に15年の懲役を科すことを決定したそうです。

おそらく、ですが、ベトナム人の妻からしたら、

「私名義の会社を作って、そこに発注を出して、お金を落とす、とか、なんぼでもやりようがあるのに、なんで、そんな即バレすることするの??」

みたいな思いもあったんじゃないですかね。

それに1千万円が「ポン」と出てきた時点で「怪しい」と妻も思わんのか?という気もしますが、まぁ、そこは、多少、脳裏を掠めても、自分の借金が返せる、という「欲望」の前に、あえて、問いたださなかったのかもしれないですね。

10年ほど前、ベトナムにいる57歳(当時)の日本人でもベトナム人の愛人に6億円以上を注ぎ込んだ挙句に捕まり禁錮20年と賠償金の罪になった人がいましたね。

(参考)
三洋電機ベトナム子会社横領事件、日本人元財務責任者に禁固20年
https://www.viet-jo.com/news/sanmen/121220094805.html

逮捕後の


「自分のしていることは犯罪だと認識していたが、愛人と別れたくない一心で会社の金を何度も横領してしまった」


という供述が、ベトナムで若き愛人を捕まえた中高年の哀愁を漂わせまくっていましたが、この方、今、どうされてるんでしょうねぇ。。。

以上 豊田英司
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