「ジョブ型」で会社を変える際のポイント

結局、「ジョブ型の導入」というのは、ここで有沢さんがおっしゃる、以前のカゴメにあった「みんな、揃って同じ評価=頑張る人に報いない」をいかに打破するか、の一つの「武器」なのでしょうね。

ですので、「ジョブ型導入」と言って評価基準を職務内容ベースに変更したとしても、それが

1:逃げ道がいくらでもある(なんとでも解釈できてしまう)

2:実情に合っていない(職務の内容やランク感が実情と合っていない)

3:誤解を生む表現(読む人によって理解が異なる表現。文章が難解。)

というようになっていては意味がないので、この逆の

1:何を評価すれば良いかが一意に理解でき

2:現場の実情に内容・レベル感、共に会っていて

3:シンプルな記述で、読みやすい

こういう職務基準をまず作成できるかどうかが「キモ」なのだろうと思いました。

あと、人事改革をするなら「上から、外から」という考え方もとても参考になりました。

有沢氏は、それまでの他社での経験から、改革は「外から、上から」行うべしというポリシーを持っていた。「会社反発の下のレイヤーの組合員の人たち(の人事制度)から手を付けるのは、一番たちが悪くて、ひきょうなやり方です。『隗(かい)より始めよ』というように、まず上から変えなきゃいけない」 「外から」の取り組みとして海外企業の人事制度を改革し、「上から」は役員報酬の算出方法を変えたたほか、ジョブ型雇用制度をまず役員に導入し、翌年に部長職、さらに次の年に課長職に拡大した。一般社員には導入していない。 一般社員には適用しなかったのは、「いろいろな経験をして、チャンスにつなげていってほしい」との思いからだ。さまざまな業務を担当して将来の糧とするうえで、仕事の内容を明確に定める職務記述書は邪魔になってしまうと考えた。


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