【「労働生産性」についての誤解】
ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です
ベトナムにおいて、「周辺諸国に比べて労働生産性が低い」ということが話題になることがあります。
(参考記事)ベトナムの労働生産性、日本の4分の1・シンガポールの10分の1 統計総局報告
これをもって、「あれ?ベトナム人てそんなに働かないの?」とか「ん?手先が器用なんじゃなかったっけ?」というようなことを言う方がいます。
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「物的労働生産性」は、一定の期間で「サービスや製品」をどのくらい産み出したか、です。
一方、「付加価値労働生産性」は一定の期間で「付加価値」をどのくらい産み出したか、で、これは活動によって新しく生まれる金銭的な価値のことで、個人や会社単位でいうと粗利益、国単位ではGDPを元に計算されることが多いです。
で、一般に「労働生産性」としてニュースになるのは、後者の「付加価値労働生産性」です。
で、業界的にいうと、概ね以下の順で付加価値が高くなります。
ですので、上記のニュースで「ベトナムの労働生産性はシンガポールの10分の1」だとありますが、商業や金融業が多いシンガポールと農業・工業中心のベトナムでは、粗利益が違うよね。」という話をしている感じです。
なので、これは
「ベトナム人とシンガポール人が、全く同じ製品をヨーイドン!で作ったら、ベトナム人が1個作ってる間にシンガポール人が10個作れる」
という話ではないわけです。
ベトナムとシンガポールくらいかけ離れていると、これがわかりやすいんですが、他の東南アジア諸国との比較なんかで、微妙な差だと
「あれ?ベトナム人て、手先が器用で勤勉とかいうけど、そうでもないの?」
という誤解しがちですのでご注意ください。
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