奥多摩合宿ー3

合宿は参加経験者が何名かいるためか、各人各場所で各人が選択した教材題材を使って「能力開発的学習」を行う。
「能力開発的学習」とは、学校や塾での勉強とは異なり、自分の時間を使って自分で能力を意識的伸ばすように学習することで、与えられた課題の作業的学習ではない。
作業的学習を「勉強」と思い込む親も教師も多いが、それでは学習そのものに潜む能力開発の機会を捨象してしまっていることになる。
また、この訓練は、毎日連続的に行おうとすることによってアタマが良くなることを習慣化することであるから、こうした合宿はまたとない機会であることになる。
4時30分、ウルトラマン起床(=ウルトラマンの音楽と声の目覚まし時計で起きる)。
野菜、果物、ヨーグルト、パンの朝食。
瞑想とカタカムナ音読後、各人自己学習に入る。
スタッフがまるで座禅の指導者のように生徒の間を回り、学習法をアドバイスする。
こうした間に、他のスタッフは昼食の準備をし、全ての洗濯物を干し、買い出しに出かける。
今日時点で9名の男子生徒の参加であるが、大きな問題を起こす生徒はいない。
ゆえに各人にちょっとした大切なことを細かに教える「場」が生まれる。
ここに参加している者の何人かは、元「問題児」である。現在「不登校」「問題児」もいるが、彼らの「先輩」がこのように落ち着いて勉強する姿を見れば、やがて彼らもそうなることがわかる。
子どもを型にはめる。言うことを聞かせようとする。言う通りにさせようとする。
こうした意識に自覚的である大人は少ない。
しかし、それでは子どもが本当に賢くなるようには育たない。
既成の大人と同じような人間を育てるだけ。
テキストをただ読むのではなく、絶えずダイアローグをぶつけながらクリティカルに読む。
できるできないではなく、できない原因を考える。何ができないことが問題であるのかを考えさせる。
覚える覚えられないではない。どうアタマを使うとよく覚えることができるようになるのかを考える。
そこには、ああしなさい、こうしなさいと言う教師も母親もいない。
アタマの使い方を教える指導者と自然環境がある。

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