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絵本ができるまでの旅路〜後編〜

こんにちは!VIVITA BOOKS編集部のもっちです。
前回の「絵本ができるまでの旅路〜前編〜」では、原稿づくりの様子までをお届けしました。

今回の「絵本ができるまでの旅路〜後編〜」では、原稿づくり〜絵本完成までの活動の様子をご紹介します!


【⑥原稿づくり〜オンライン編〜】

2月にはいり新型コロナウイルスの感染者数が増えはじめ、原稿づくりの途中で対面での打ち合わせをストップすることになってしまったえほんプロジェクト。

原稿もまだまだ描きたいし、このあとの絵本づくりの活動も続けたい・・・!
でも、直接会っての打ち合わせがむずかしい・・・。

えほんプロジェクト、最大のピンチ・・・?!!

というのも、これまでのえほんプロジェクトでは子ども作家と大学生編集者が対面での打ち合わせを重ねてえほんづくりを進めてきており、この打ち合わせでのコミュニケーションがどのペアにとってもとても大切な時間でした。

その対面での打ち合わせを行うことができないのであれば、えほんづくりの活動自体を止めなければならないだろうか・・・とも考えました。
しかし、原稿づくりもはじまり、絵本完成までの道のりはあと半分というところまできています。

そこで、やはりこの後のえほんづくりも続けていきたいという思いで、
感染対策をしながら行える絵本づくりの活動にチャレンジしてみることにしました。

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子ども作家の保護者のみなさんにも協力していただき、これまで行なっていた対面での打ち合わせは、全ペアがオンラインミーティングツールのZOOMを使った打ち合わせに変更。
大学生編集者も、子ども作家が家で原稿づくりがしやすいようにワークシートを作るなどして、コミュニケーションの取り方を工夫してくれました。
なかには原稿を郵送で送り合うペアも!

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子ども作家、大学生編集者、保護者、VIVITA BOOKS編集部、誰もが先の読めない状況で、今できることを探りながら絵本づくりは進んでいきました。

【⑦入稿データづくり】

オンラインでの打ち合わせは、はじめは少しやりづらいところもありました。
お互いいっしょに絵を描くこともできないし、対面での打ち合わせに慣れていると、パソコン越しのコミュニケーションがやっぱりもどかしくなるのです。

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しかし、続けていくなかでオンラインの良いところも見つかってきました。
凸版印刷さんに提出する入稿データは大学生編集者に作成してもらっています。
これまでは大学生編集者がひとりで行なってくれていた作業ですが、ZOOMの「画面共有」機能を活用すると、この入稿データづくりの作業も子ども作家に簡単に共有することができるのです。
子ども作家も画面越しにこの作業を見ながら、
「色味はもう少し明るい方がいい!」
「文字の大きさはこれくらいでちょうど良さそうだね」
など、編集作業に参加することができて嬉しそうな様子でした。

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【⑧絵本の仕様を決めよう】

VIVITA BOOKS えほんプロジェクトでは、絵本の製本を凸版印刷さんにご協力いただいています。
絵本のサイズや本文に使用する紙もペアごとに決めているため、できあがりの仕様のバリエーションが豊かなのも特徴のひとつです!

本文の紙は、本来ならばペアごとに用紙のサンプルを触りつつ決めてもらいたかったのですが、今回は残念ながら叶わず・・・!
そこで、ペアごとに
「さらさらしていて、あまり光沢がないもの」
「和紙っぽいもの」
などの紙の質感のイメージを出してもらい、それをもとに凸版印刷さんに紙を選んでいただきました!

たくさんある紙の中から、このイメージに合う紙を選ぶのは大変な作業だったと思います・・・。
ご担当いただいた中澤さん、谷口さん、本当にありがとうございました!

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【⑨色校を確認しよう】

あっというまに春は過ぎ、季節は梅雨時の6月に。
子ども作家と大学生編集者が試行錯誤しながらつくった原稿は無事入稿され、色校正の段階にはいりました!
色校正(色校)とは、入稿したデータが意図した通りに刷られているかを確認する作業、もしくはその作業をした印刷物を指します。
VIVITA BOOKS2020の活動では、この色校正の作業を2回行いました。

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自宅で色校を受け取り、オンラインで色校の確認作業を行うペアがほとんどでしたが、この頃は緊急事態宣言も解除されていたため、何組かはVIVISTOPに来て色校の確認を行いました。

色校を確認してみると、原画の色味よりも落ち着いて見えたり、誤字があったりと、いろいろと発見があります。
より理想の色合いになるよう、原画を塗り足し再度入稿データをつくるペアもいました!

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2回目の色校は、プロの編集者である沖本敦子さん、西山雅子さんにチェックを行なっていただき、読みづらいところはないか、誤字脱字がないかの確認作業を行いました。

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プロの編集者の方からいただいた指摘はどれもわかりやすく、自分たちでは発見できなかったポイントもたくさんありました。
色校の作業を通じて、子ども作家も大学生編集者も「読みやすさ」について学ぶことがたくさんあったようです!

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【⑩絵本完成!!!】

2020年7月31日。
ついに、ついに・・・!

10ペアによる、10作品の絵本が完成!!!

はじまりのキャラクターづくりWSから、約8ヶ月の時間が経っていました。

VIVISTOPに届いた絵本を子ども作家と大学生編集者に向けて発送作業をしている時の、あたたかくてほくほくした気持ちを今でも覚えています。

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完成した絵本はオンライン上で子ども作家と大学生編集者、沖本さん、西山さん、中垣さんのみんなで確認し、絵本の完成もみんなでお祝いし合いました。

そして、完成した絵本と活動のことをより多くの方へ知ってもらうための、発表会の準備もはじまりました!

オンラインでの絵本の発表会の様子は、下記のアーカイブからご覧いただけます。
長時間の発表会となっていますが、各ペアの絵本ができるまでの道のりや、子ども作家による絵本の読み聞かせもあり見応え満点です!
こちらもお時間あるときにぜひご覧ください。


【絵本づくりの道のりを振り返って】

長い旅路となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!

今年のえほんプロジェクトはコロナウイルスの影響で誰もが大きな壁にぶつかることとなり、「もっとこうしたかった!」と思う部分が子ども作家にも大学生編集者にもあったかもしれません。

しかし、限られた生活のなかで、自分ひとりでもできることを見つけて作業を進めたり、より良いコミュニケーションを取るために新しいツールを活用してみたりと、
立ちはだかった壁をみんなで助け合いながら登れるよう、一人一人ができることを頑張ってくれていました。

本来の絵本づくりの作業もとってもハードなものですが、状況の変化に対応しつつ、挑戦を重ねてきた子ども作家と大学生編集者の姿は本当にかっこよく、素晴らしいものでした。

「旅するえほんプロジェクト」では、できあがった絵本と共に、この子ども作家と大学生編集者のがんばりもより多くの方へお伝えしたいと思っています。

今後のVIVITA BOOKSの活動もあたたかく見守っていただけるとうれしいです!
また、今後の活動費を集めるためのクラウドファンディング11月末まで挑戦中ですので、応援やシェアをいただけると励みになります。

引き続きVIVITA BOOKSをよろしくお願いいたします!

11月末までクラウドファンディング挑戦中!


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