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フットボールとパブ、の話①

イングランドでは、つい先日まで、ヨーロッパのサッカーチャンピオンシップ(正式名称:The UEFA Europian Football Championship)の開催に湧き上がっていた。

開催国はドイツ。1ヶ月ほどの試合期間を経て、イングランドは決勝戦まで駒を進めたものの、スペインに2対1で敗れ、準優勝という形で大会の幕は閉じた。

ぶっちゃけると、私はサッカー観戦にさして興味がない。サッカーの(特に)国際試合独特の「試合を見ていない」=(自動的に)マイノリティとされるあの感じが好きじゃない(特にイングランドみたいなフットボールが盛んな国では、ね)。そして、オフサイドはきっと一生わからない。

しかし、フラットメイトと、同居している大家さんの奥さんはかなりのスポーツ観戦好きで、仕事から帰宅するとほぼ毎日リビングのテレビで2人は試合を見ていた。
私の住んでいる家は、キッチンとリビングとダイニングテーブルが同じフロアにあるので、食事の準備をしていれば自ずと試合の様子が視界に入ってくる。
最初はそれがストレスであったが、ちらちらと見ていると、なるほど、強いチームは1回1回のパスが速くて、それでいてパスの距離が長い=できるだけ少ないパス数でゴール前まで持っていくんだな、とか、素人なりにそれぞれの国のプレイスタイルの違いを少し楽しめるようにはなってきた。

そんなこんなで迎えたセミファイナル&ファイナル。
試合をパブで見ないか、と大家さんの奥さんにお誘いいただいた。

フットボールとパブ。それは私にとって、なんともイギリス的で、そして同時になんとも疎外感を感じさせる組み合わせである。
これまでパブに行った際、イングランドのフットボールリーグ戦がテレビで放映されていて、あまりに男すぎるその雰囲気に店を後にした経験はごまんとある。パブは大好きなのに、その日だけは入りたくない。入れない。

さあどうする。あの中に飛び込んでみるか、適当に理由をつけて断るか。

そして考え抜いて出した結論が「まあどうせなら1回経験してから、意外と悪くないなと思えるか、もうこれっきりでいいやと思うかを判断しよう」である。
何事も批判するには実感が必要だ。
あと、普通にビール飲みたいし。
イングランドが勝ったらドリンクのサービスとかあるかもしれないし。

よし、行ってみよう。

そんなこんなで、ロンドンに来て初めて、パブでフットボールの試合を見たのだった。

続く。

#ロンドン暮らし





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