星屑の街

星が瞬く夜、その街はいつもと違う輝きを放っていた。街の名は「星屑の街」。人々はその名の由来を知らずに暮らしていたが、街の古い伝承によると、空から降る星屑が街の運命を決めるという。

エリスはこの街に生まれ育った少女だった。彼女は幼い頃から、夜になると街の広場に出て、空を見上げる習慣があった。彼女の心は、いつも何かを求めているようで、それが何なのかは分からなかった。ある夜、いつものように広場で星を見上げていると、一つの星がエリスの目の前に落ちてきた。

「星屑の精霊…？」

それは小さな光のかたまりで、彼女にだけ見えるかのように、ふわりと宙に浮かんでいた。精霊はエリスに語りかけた。

「この街に降り注ぐ星屑は、街の未来を描くための絵の具なんだ。君にはその力がある。星屑を集めて、未来を描いてみないか？」

エリスは驚きながらも、その提案を受け入れた。精霊の導きで、彼女は街中を巡り、星屑を集め始めた。星屑は夜ごとに少しずつ降り、エリスの手の中で輝きを増していった。

そしてある日、精霊が言った。

「さあ、今夜がその時だ。君が集めた星屑で、この街の未来を描くんだ。」

エリスは広場の真ん中に立ち、集めた星屑を宙に放った。星屑は空に広がり、やがて一つの大きな絵を描き始めた。その絵は、希望に満ちた街の姿だった。人々が笑顔で暮らし、街全体が輝いている様子が描かれていた。

翌朝、エリスが目を覚ますと、街はまさにその絵の通りに変わっていた。人々はお互いに優しさを分け合い、街は新しい時代を迎えていた。エリスはその中心で、街の未来を描いた自分の役割に気づいた。

星屑の街は、今もなお夜空に星が降る街として知られている。そしてその輝きは、エリスが描いた未来を映し続けている。