Xデザイン学校 ビギナーコース#01


ペインをなくすのではなく、得たい未来と現状のギャップを埋める

Xデザイン

レッスンが終わった後でも、先生のこの言葉が心に響いている。

「ユーザーにとって、何がベストかを考えればいい」

私、今までSEやプロダクトマネージャーのような役割で色々なクライアントのAppやWebサイトのリニューアル設計に携わってきた。

当時は、常にエンジニア、デザイナー、社内のチームリーダー、クライアント、いろんな立場の人からいろんな意見をもらい、その中から決断したり、プロダクトの方向を決めないといけなかった。

「いろんな人から、いろんな意見があるけど、結局誰の意見を聞けばいいでしょうか?」
この状況に悩んだ私が先輩にこういうふうに聞いた。

「ユーザーにとって、何がベストかを考えればいい。」
当時もらった答えは今でも覚えている。

そっか。
結局プロダクトを使うのはユーザーだから、
ユーザー体験が悪い→クライアントの利益が出ない(そうでないケースもあるが)→請負側と契約を続けない→請負側の社員の給料やボーナスが減る

という悪循環を急に意識した。
つまり、ユーザーを第一に考えれば、ステークホルダー全員がハッピーになるのではないか、という結論に至った。

そこから、私はユーザーのペインはなんなのか?どう解決すればいいのか?を仕事上できるだけ大事にしてきた。

ペインだけだと何も決まらない、と気づいたある日

ずっとクライアントのためにプロダクトを設計してきたが、自分でもサービスを作ってみたい、という強い思いがだんだん湧いてきた。

とはいえ、一人でサービスを0から考えるのは初めてで、どこから着手すればいいか全くわからなかった。何個か思いついたアイデアを周りの友達に話してみたら、全て否定された。

そこから、失敗の続きが始まった。

失敗1 アイデアの検証がないままサービスを作りこむ

色々なアイデアから、やっと一個良さげのに絞り込むことができ、そこからすぐ画面仕様書とワイヤーを作り始めた。さらにプログラミングを独学して、アイデアを元に簡単なWebサイトを作って、ユーザビリティテストを実施した。
すると、すぐにこの進め方は完全に間違えたことに気づいた。
プログラミング初心者かつデザイナーでもない自分が作ったWebサービスは、ユーザー体験どころか、コア機能も半分しかできていない状態のため、テスト結果はほとんど参考できなかった。

今回の失敗を通して、気づいたこと二つある:
① 一人で全てやろうとするのは一番効率が悪いこと。人を巻き込んで、一緒にやらないとうまくいかない
② 要件定義の前に、まずアイデアの検証が大事。
とはいえ、どうしたらいいのか全くわからない。会社ではいつも要件定義から担当していて、要件定義前の段階ー 何を作るのか?誰がターゲットなのか?ビジネスモデルどうするのか?どうやってアイデアを検証するのか?といった構想策定フェーズの経験が少なかった。

そこで、初めて「UXデザイン」「UXリサーチ」といった言葉を知った。

失敗2 ペインはわかったけど、そして?

ネットや本で「UXデザイン」、「UXリサーチ」、「デザインシンキング」等を色々調れば調べるほど、面白く感じたと共に、わからないことも増えてきた。
それで、「UXデザイナーに転職して、ここのスキルをしっかりつけたい」という決意に至った。
転職の準備とともに、サービスの修正も続けていた。
アイデア検証の重要性に気づいたので、一旦0に戻ってペインの検証からやり直した。簡単なインタビューと300人のアンケート結果を通じて、ペインの検証ができた。

すると、違和感を感じた。
「なんか、このペインが当たり前すぎて、ユーザーテストは果たして意味あるのか?」
「ペインがわかったって、ソリューションはどうするか?今のアイデアどう検証するか?」

ペインはわかったけど、そして?

現在 

2022年6月、無事にUXデザイナーに転職することができた。次の仕事が始まるまでに時間の余裕があったので、サービスの構想を再開して「ソリューションどうするか」の答えを探し続けた。

今度は創業センターの創業者たちに相談することにした。すると、下記のような具体的なアドバイスをもらうことができた。

ペルソナを作成(5パターン)
→ペルソナを元に5人の調査協力者にデプスインタビュー
→ペルソナを2パターンに絞って、比較
→1パターンのみ残す
→シナリオ、カスタマージャーニーの作成
→UIと機能の修正

この進め方を参考して2ヶ月ほどサービスを再設計したところ、不思議なことに、

私が元々解決しようとするペインは、ユーザーが一番感じているペインではなかった。とはいえ、得たい未来は一緒。そしたら、その未来を作ればいい。その未来から逆算してソリューションを考えればいい。

ということに気づいた。
その得たい未来をサービスのコンセプトにし、先にユーザーが常に感じたペインを解消すれば、私が元々解消しようとした他のペインも自然にある程度解消できる、ということさえわかった。

この進め方は、以前自分の進め方との一番大きな違いは、
先にいくつかのペルソナを作成してから、ユーザー調査を通してそれを検証して選定するところです。ペルソナを作成する=ターゲットを決める=得たい未来にいる住民を選定する ことではないかと思います。

得たい未来もターゲットも何もないまま、いきなりペインから始まっても、大海原を漂流する船のように、方向性を失いやすく、誰のためのサービスかがわからなくなってしまう。

結局、一周回って、私は一番最初に周りの人に否定されたアイデアを実現することにした。なぜなら、ペルソナに沿った調査協力者にインタビューしたところ、意外と想定したニーズ、得たい未来に強く同感してくれる人もいたことがわかったからだ。

今、やっとαバージョンの開発が始まるところだが、この先、ユーザーテスト、修正、まだ長い道がある。それに対して、自分自身がUXデザインやUXリサーチへの理解はまだまだ足りない。これからもトライアンドエラーをしつつ、UXデザインやリサーチの知識、経験をどんどん学んで積んでいきたいと思う。

#Xデザイン学校2022年ビギナーコース
#01ブートキャンプ

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