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28節(A)サガン鳥栖

青赤浪人予備軍です。今回は1試合を通して個人的に気になったピッチ上の事象について取り上げ、分析していきます!

両チームスターティングメンバー

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まずは前半、東京の攻撃の中で特に印象に残ったシーンを取り上げて行く。

東京の狙い①〜牽制を回避した先に見えるもの〜

前節松本山雅の守備ブロックを90分通して攻略できずにいた東京だったが、今節は鳥栖相手にどんな工夫を見せたのか。前半29分東京ボール保持時のシーン。それまで2FWの高い位置からのプレスによって東京のボールホルダーから時間とスペースを奪っていた鳥栖だったが東京に一瞬の隙を見せてしまう。

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FWの牽制を回避した東はハーフスペースに位置取りフリーでボールを持つ。黄色の線で示したラインとラインの間(=ライン間)に位置取ったディエゴに東から縦パスが入ると、鳥栖のDFの性質であるボールホルダーへの寄せを逆手に取る形でディエゴから青の円で示したスペースにボールが送られる。そのスペースを突いた永井だったが得点には至らず。東京が見せたボール保持時の崩しの形だった。

東京の狙い②〜ニアゾーンを狙って〜

あまり聞き慣れないフレーズの「ニアゾーン」これがどこのスペースを指す言葉なのか、まず下の図で簡単に表す。

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この青の円で示した場所、簡単に言えばCBとSBの間のスペースといった感じだろうか。このニアゾーンを上手く攻略出来ていたのが今節の東京だった。何故このスペースを攻略することが相手のブロックに対して有効な手段であるかを考えていきたい。ニアゾーンを攻略したシーンは何度も見受けられたが、今回は前半16分のシーンを例に挙げる。

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青で示したニアゾーンに侵入した永井、そしてボックス内には2人東京の選手が位置取る。永井がこのスペースに侵入した際、鳥栖のDFはボール保持者(永井)と自分のマーカーを確認しなければならない。これが間接視野で同時に視界に入るのであればニアゾーンの攻略に脅威を感じることがないのだが、赤い線で鳥栖のDFが確認しなければならない方向を示したようにボールとマーカーを同時に確認することはほぼ不可能なのだ。このように相手にとって不利な状況を強いることが出来るのがニアゾーンの攻略であり、東京はこの試合で4回程この形を見せていた。(16分・36分・38分・54分)このスペースの攻略は東京の再現性のある攻撃の形と捉えることができるが結果得点には至らなかった。

対して、この試合における鳥栖の狙いの対策について

徹底されたリスク管理

今節、鳥栖を率いる金明輝監督は4-4-2の「2」に豊田陽平と金崎夢生を起用してきた。代表経験もあるこの2人はJ屈指の点取り屋で共に体を張れるタイプのストライカーだ。その2人のストロングを活かした攻撃がこの試合を通して幾度となく見られた。
鳥栖のボール保持時、後方或いはサイドから中央に位置する豊田・金崎へとラフなボールが送られる。このFWの質を活かして起点を作りフィニッシュまで持ち込もうとする動きが鳥栖の狙いのうちの1つだった。また、鳥栖はFWにボールが入った際多くても5人で攻撃を完結させていた。この際、東京が鳥栖からボールを奪取しても、マイボールにした時点で5人の鳥栖DFが東京のアタッカー陣の前に立ちはだかるのだった。これによって東京のストロングである奪ってから縦に速いサッカーは鳥栖のリスク管理によって封じられ、遅攻を強いられる展開と変わっていった。前線は2枚のFWの質を活かして少ない人数で勝負させ、東京のカウンターを残った何枚ものDFで処理するという鳥栖のリスク管理には脱帽だった。

〜ハイプレスを凌ぐ構造〜

この試合、東京の十八番であるハイプレスが機能しない場面が多かったのには訳があった。自分が確認できた鳥栖の対策は2つ。1つは鳥栖のFWの質を活かしたプレス回避だ。マーカーの確保と連動した動きでハイプレスを仕掛け、敵のスペースや時間そしてボールの逃げ道を無くしてきた東京だったが、この試合に関してはどうしても逃げ道を塞ぐことができなかった。鳥栖のフィールドプレイヤーは東京のプレスに追われると最後方に位置するGK(高岳)へのバックパスを選択する。この場合、普段の東京はGKから苦し紛れに放たれたボールを咄嗟に回収して高い位置からの攻撃を展開するのだが、今節においては高さと強さを兼ね備えた鳥栖のFWによって出来ないはずの逃げ道が新たに生まれていたのだ。
プレスが機能しなかった原因の2つ目は鳥栖のビルドアップの構造にある。35分に見られたシーンを例に挙げる。

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鳥栖がバックパスをしたシーンから東京のハイプレスが始まる。プレス1と記載したようにパスの受け手に対してディエゴがプレスをかける。これに連動した形で永井がプレス2を仕掛けるのだが、ボールを受けた鳥栖の選手は永井のマーカーを経由せずに東のマーカーへとボールを進めた。この予期していないビルドアップによって東のプレスが遅れ連動性が失われた。結果、鳥栖の右サイドの選手がボールをフリーで受ける形となってしまった。これが鳥栖の見せた2つ目のハイプレス回避だった。

これまで個人的に気になった事象について取り上げてきたが、最後に失点について考えていきたい。

失点に目を向ける

ここで注目したいのは1失点目のシーン。CBの高橋祐治が前線に上がり鳥栖がパワープレーへと移行した直後の失点だった。後方からのロングフィードに競り負ける形で自陣深くに攻め込まれた東京。

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左サイドにボールが流れジェソクとアンヨンウの1vs1の局面が生まれる。セットプレー直後ということもあって組織としての戦いづらさはあったが本来なら2vs1で対応しなくてはいけない局面だった。東京の左SH(=この局面で2vs1を作り出す役割)にはナサンホが置かれていたが、このシーンを見るとジョキングで戻りつつ戦況を伺うのみで監督から任されたタスクを遂行できいなかった。結局アンヨンウの得意の位置からクロスが入り、中での競り合いの末試合終盤での失点となった。勝ち点3が目の前に迫っていただけに悔やんでも悔やみきれない失点だった...。

振り返り

今節は1-0で試合を終える難しさを痛感させられた試合になった。5節のアウェイ浦和戦では試合終了間際の失点で3ポイントを取り損ね試合運びの難しさを実感したが、この一戦で自分たちがまだ未熟であることやシャーレを掲げることの難しさを改めて感じさせられた。しかし、ここで優勝の可能性が閉ざされた訳ではない。リーグ戦残り6試合、難しい戦いが続くと予想されるが選手サポーター一丸となって戦い新たな歴史を築きたい。

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