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横前征史作品集 「やさしく、らしく、つよく。」

この度、横前征史さんの作品集 
「やさしく、らしく、つよく。」
が発売となりました。

横前さんから「油絵の作品集のデザインをして欲しい」という1通のメールをいただいたとき、
正直「油絵の画集」ということはつまり巷によくある作品が引き立つ、「正しく美しく綺麗な本のデザイン」を真っ先に想像したので、

「じゃあなぜわたしなの??????」

と正直なった。(特に癖がない「正しい」デザインが必要なんだと思ったので。)
横前さんからのメールを読み進めていくと、

「いろんな方に見てもらいたい」

というワード。そして横前さんの作品を拝見する。

モチーフに特に驚きはなく、人物だったり風景だったり...
なのに、何だこれは、何と表現していいかわからない見たことがない
その辺には絶対落ちてない色の世界が広がっていて、

何より筆の運びに全魂を感じで一瞬固まった。

世界の超有名美術館ですら早歩きなわたしが、固まった!!笑
そして横前さんの言葉、

「いろんな方に見てもらいたい」。

なんとかしなければと思った。

まずは「絵画など興味がない」人が大半を占めるであろうこの世界で、
「画集を買ってね!」
では1000パーセント買ってもらえないことは間違いないし、
ましてや「めっちゃおもしろい」絵でもないので一瞬でもいいからと、
簡単に気を引くこともできない。

そして横前さんとメールでしばらくやり取りをさせていただいていると、
横前さんがどうしてこういう絵を描くようになったのか、
何を思い、何を考え、何をぶつけてこの色や筆の運び、構成になっているのかが
少しずつ見えてきた。
これらの絵は、横前さんのいろいろな感情や魂の叫びが凝縮されて爆誕している。

横前さんはとても苦労をされている。
人生でなんどもポキポキ心が折れて、たくさん傷ついて、泣いて、
途方にくれているときに絵を描くことで夢を持つことができたそうだ。

「自分が苦しんできたからこそ、自分の作品を通して同じように苦しむ方達に寄り添うことができるのではないか。」

そう考えて作品を生み出しているそうだ。
それを多くの人に伝えるには、作品を貼り付けるだけでは悲しいかな、
多分あまりみんなの心にメッセージは届いてくれない。

そこで横前さんに提案をしてみた。

「それぞれの絵に、横前さんが何を思って描いたのかでもいいし、
 何かメッセージを添えてくれませんか?」

そして横前さんの優しく柔らかい言葉で全作品にメッセージをつけて送ってくださった。
それをひとつひとつわたしの中で自分なりの解釈も交えながら一生懸命理解しようと試み(ご本人にしかわらない思いもたくさんある)、

もっと多くの人に伝わりやすい言葉を選び、組み直し、
横前さんの思いとの行き違いはないかどうかを何度も何度もやりとりした。

わたしはデザイナーだけど、
文章を綴ることは小学生のころから割と得意らしいということは自覚していた。
なので、文章のプロではないものの、
こういう形でお手伝いさせていただくことができるのは光栄だった。

そして出来上がった全作品への詩たち。
ちょっと不完全な日本語なところもかえって横前さんらしいと、
そのままにしたところもある。
計算が全くなく紡がれた言葉は愛おしい。

そうして生まれた詩とメインである横前さんの作品が生み出す世界を見開きで、
一瞬で、そしてどっぷりと感じて欲しい、そう思うと
ページデザインもサクサク進んだ。
真っ白の美しい地に、絵が生きるように美しく配置する、

それは絶対に違う。

この画集は「画集」じゃない。
ジャンルはなんなのかわからない、新しい何か。

嬉しい時、悲しい時、どちらの状態でもこの本を開いて浸ってほしい、
「心のサプリ」のような本。
いつも座るソファの横に無造作に置いておいてほしい。
オフィスのデスクのすぐ手に取れるところに置いておいてほしい。
一番落ち着くなら、そこがトイレでも全然いい。
あなたのすぐそばに置いておいてほしい。

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そんな不思議な本が出来上がりました。
全21作品分の世界が広がります。
Amazonで発売中です。
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