投資系インフルエンサーの見分け方

投資で成功するための絶対条件は知識をつけること(勉強)です。何も知識がない状態で相場に挑めば、カモにされて負けるだけです。
基本的には書籍などの伝統的なメディアを参考にするのが安全なのですが、とはいえ「◯億円儲けた方法を教えます」みたいなのは再現性が低く、たまたまその人がその時代の流れに乗れただけで誰でも億り人になれるなら苦労はしません。また最新の情報は入りづらかったり、証券会社の人みたいな大してトレードの経験のない人(会社によりますが、証券会社の社員は会社の承認がなければ売買できないなどの内部規則があります)が書いた本がどれだけ役に立つのかは疑問です。
場合によってはSNSなどで情報発信をしている個人の投資系インフルエンサーの情報の方がはるかに役に立つかもしれません。
しかし投資系インフルエンサーの中には、中身の薄い高額な情報商材を販売している人とか、フォロワーに自分の保有銘柄を買わせて自分だけ高値で売り抜ける(仕手)ような人など、悪質な人も多いです。
ネット上の公開情報ではそういったことをしていなくても、中にはクローズドなコミュニティに誘導して、外からはあまり分からないように投資詐欺やそれ まがい のことをやっている連中も多いです。
そこでこの記事では「こういうことをしていたら要注意」というのを5選、紹介します。

派手にカネを使うアピール

TikTokとかInstagramとかで何千万円もするランボルギーニやフェラーリなどの高級車、ロレックスやオメガなどの高級腕時計を買って自慢している人がいます。
自慢することで承認欲求を満たすことを目標としているアカウントはいいのですが、金持ちアピールをすることで「自分はこんだけ投資で儲かっている。オレのようになりたければこの有料サロンに入れ」みたいな感じで高価な情報商材に誘導するケースも散見されます。
そもそも投資でコンスタントに利益を積み上げられているのであれば、わざわざ有料コンテンツを販売するメリットはありません。面倒くさいだけです。しかも、自分の投資手法を教えてしまったら競争相手が増えることになり、自分の投資益が減少する可能性が高いです。
ハイブランドの製品は中古でも新品と同じくらいの価格で売却できますし、最近はレンタルで借りることもできます。本当に投資で儲かっていて、その手法を教えてくれるのかは大いに疑問です。
一応いっておくと、僕も情報商材屋です(特大ブーメラン)。DeFIRE (https://defire.jp/) というサロンで、ブロックチェーン上のDeFiと呼ばれるプラットフォームでの投資情報を月額課金制で提供しています。記事を書くのは正直クソ面倒くさいですし、あまり手の内を公開すると自分の収益が減るのですが、投資以外の事業収益源を作ることでリスク分散を図っています。
少なくともいただいている金額よりは多くの価値のある情報を提供できているという自負はありますが、まぁポジショントークだと思ってもらっても構いません。自分の目で判断してください。

カネ配りおじさん

ZOZOTOWN創業者の前澤さんがTwitterでやっていたやつですね。あれはガチで貰えたみたいですが、最近のカネ配り系のツイートは基本的には嘘だと思います。そもそもTwitterでカネを配るメリットはありません。企業のキャンペーンなどで商品券とかが貰えるのは宣伝なのでメリットがありますが、個人が単にカネを配るだけでは何のメリットもないでしょう。
ではなぜそんな嘘のツイートをするのでしょうか?
ひとつは詐欺師の使うカモリストの作成です。嘘のカネ配りツイートに反応してしまうような人たちは騙しやすく、詐欺師の優良顧客です。送金するための個人情報や銀行口座情報などを集めることができますので、極めて良質なカモリストを作成することができます。実際に1,000円とか少額を支払ったとしても、反社組織にそれ以上の単価で販売できれば利益となります。
あと最近開発された手口は特殊詐欺の「受け子」として利用する方法です。詳細はこちらの記事を参照してください。知らない間に詐欺の片棒を担がされていたというのはなんとも恐ろしい話ですが、現実に起こっている事件ですので十分注意してください。

利回りが尋常じゃない

「FXのシステムトレードで月利10%!」みたいな、非常に高い利回りを謳っているものはほぼ間違いなく嘘です。
そんな利回りを出せるのであれば自分で消費者金融などで借りれるだけ借りてきて、自分で運用すればいいでしょう。一方で実際に数年で資産を数百倍に増やした人も多数存在し、月利換算では10%とかになりますが、継続的にそんな利回りを出すのは無理です。
月利10%で10年運用したら約93,000倍になります。元手100万円でも930億円に増えます。20年間なら約8,600兆円(億円ではありません)になります。Forbesの長者番付リストによると、最もお金持ちの日本人はユニクロの柳井さんやキーエンスの滝沢さん、ソフトバンクの孫さんですが、それでも数兆円のオーダーです。世界で最も金持ちのテスラ・Twitterのイーロン・マスクですら30兆円くらいです。日本人全員の金融資産をすべて足し合わせても2,000兆円くらいです。
それに比べたら8,600兆円というのはなんとも夢のある話ですね。本当に月利10%を叩き出せる投資手法があるのであれば、ぜひ教えてもらいたいところです。
一方で、FXのシステムトレードなどで過去の値動きを用いてシミュレーションする(バックテスト)と本当に月利10%より遥かに高いパフォーマンスを発揮するプログラムも存在します。これなら信用できそうですね。
ところが数学の定理として「10個の内部パラメータがあれば、10個の点を正確に表現できる(※分かりやすいように敢えて表現の正確性は無視していますが、だいたいこんな感じ)」というものがあります。つまり、内部パラーメタをたくさん用意すれば過去の値動きにフィットしたトレードをするプログラムはいくらでも作れます。しかしこれから運用を開始して形成される、未知で不確定な将来の値動きに対してはこれでは何の意味もありません。過去の値動きにただフィッティングさせることで、成績を水増ししただけです。
もちろんすべてがそうというわけではありませんが、システムトレードのプログラムを購入する際には、過去の価格データを用いた成績がよかったとしても未来の価格データに対してもそうであるとは限らない、ということは覚えていたほうがよいでしょう。

誰でも簡単にできます

「毎日5分、スマホで操作するだけ」とか「ほったらかしで月◯万円の安定収入」とかいうやつです。
投資の世界はそんなに甘くありません。そんな投資手法があればみんなやっています。機関投資家やヘッジファンドなど24時間365日ずっと投資のことを考えている金融のスペシャリストがいる市場で、ろくに勉強もせずに勝ち続けられる投資手法など存在しません
せどりなどの情報商材で、実際にそれを実行すれば確かに稼げるものも存在しますが、ある程度の労力(市場調査など)は絶対に必要です。高級情報商材屋をやっていると顧客から「頑張ったけど全然稼げないじゃないか!」という文句が来ます。それを回避するために、情報商材の中のマニュアルに実行するのが難しい(時間のかかる)ことをしれっと仕込んでおき、そういったクレームが来たら「でもお前、これできてないでしょ?」と言って逃げる、というのが典型パターンです。「それっておかしくね?誰でも簡単って言ってたじゃん。」

あなただけに教えます

「あなただから教えてあげるんです」とか「非公開の極秘情報で、普通の人には教えません」みたいに言われたら、誰でも気になりますよね。はい、カモ確定です。
上場企業の社長だとか、政府の重要ポストについてるとか、そういう特別な地位にない、一般人のあなたになぜわざわざそんなオイシイ情報を教えるのでしょうか?本当にオイシイ情報は誰にも教えません。教えたとしても親しい友人とか、家族とかにだけです。だってそれが知れ渡ってしまったら、せっかく見つけた自分だけが知るオイシイ儲け方が取り合いになり、なくなってしまいますから。
向こうからやってくるオイシイ話はすべて詐欺かボッタクリです。例外はないと考えていいでしょう。あなたがベンチャーキャピタルのファンドマネージャーなら未上場の有望企業への投資話が来るかもしれません。しかし、一般人にそんな話をするメリットは一ミリもありません。
これは銀行や郵便局で待っている間に勧められる金融商品や保険なども同様です。大手の銀行、証券会社が勧める商品だから間違いはない、なんてのは嘘です。彼らは顧客から販売手数料を取ることをビジネスとしており、なるべく手数料の高い商品を勧めます。その投資商品が儲かるかどうかに彼らは興味がありません。もちろん顧客が儲かり追加で金融商品を購入してくれれば嬉しいですが、投資経験もろくにないただの営業マンがそんな銘柄を目利きできるはずもありません。そもそも金融商品の目利きできるのであれば、営業マンではなく投資家になっています
本当に優良な投資商品は自分で調べて見つける必要があります。


本当に親切心で投資情報の発信を行っている方も大勢いますが、大抵の場合には裏があると考えていいでしょう。「なぜこの人は、こんな情報を教えてくれるのか」と、相手の立場に立って考えることが重要です。そうすることで相手の本心が窺える可能性があります。
練習として、なぜ僕がこんな長文をわざわざ時間をかけて書いているのか考えてみてください。そういったことも考えようとしないようでは、あなたは絶好のカモです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?