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コロナ禍の影響をイラストレーターさん達にアンケートした結果

イラストレーターのコロナ禍の仕事への影響について調査をするべく、ヴィジョントラックの所属イラストレーターさん、ヴィジョントラックがフィーチャーするイラストレーターさんを対象にアンケートを実施。51名のイラストレーターさんから返答をいただき、その結果を受けてオンラインミーティングで現状のヒアリングとアフターコロナに向けたディスカッションを行いました。アンケート結果を一部抜粋してご紹介させていただきます。

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Q. コロナ禍のイラストの仕事で減っていることを教えてください。

●集客が主目的となるイベント関連の広告物
●旅行関係の仕事のほか、クライアントのテレワーク導入によるスケジュール調整がつかず、いくつかの案件がストップしています。
●3月あたりから新規案件のお問い合わせが少なくなりました。
●コロナ前と比べ全体的に仕事の発注が鈍いような気がします。
●雑誌全般
●広告全般はまったく無くなりました。特にショッピングモールや交通機関系など。
●エンタメ系、イベント系の仕事が中止や延期になっています。
●クライアントの経営状況次第になっているので全て今はステイです。
●直近のイベントはほぼすべてが延期または中止になり、新規のイベントの依頼は0です。
●教育関係の絵を納品後、学習がスケジュール通りに進んでいないとの事で使用が保留になった。広告関係ではコピー(商品)が今の世の中と合わない(贅沢すぎる)との事でリリースが保留になった。
●グループ展や中国でのイベントがなくなったり延期になったりしています。ホテルの広告の仕事も延期になっています。

Q. コロナ禍のイラストの仕事で逆に増えていることを教えてください。

●コロナ関連(啓蒙・対策支援)の制作物、アマビエ
●企業系・ビジネス系が増えている気がします。
●SNSで認知されて依頼される機会が増えました。
●オンラインコンテンツのイラスト依頼が増えています。または時期かと思いますが学会からの依頼も増えています。
●本来写真を使う予定だった雑誌のページ、外国の風景イラストなど
●テレワークPR系の仕事が増えました。(商品紹介など)
●パズル作ってくださいとリクエストがあったり通販したい方が増えているように思います。
●健康や教育などの商業活動的ではない広報誌などは横ばいではないかと感じています。
●来年以降展開予定の案件(パッケージ関連)などは増えている。
●自宅で楽しめる塗り絵の依頼なども数件いただいております。
●個人事業主からの依頼(webイラスト、ロゴなど)WEBSTOREの売り上げ増えている。
●イラスト制作のインタビュー記事など。
●雜誌の挿絵や公共機関のお仕事などは変わらずいただいている状況です。
●壁画、印刷物(デジタル作品)、内装
●アメリカのウィルスに関しての記事の仕事増えてます
●雑誌の仕事、本の装丁
●オンライン英会話のキャンペーンイラストの依頼がありました。
●グッズの売り上げ(若干)

Q. イラストの仕事面で困っていることがあれば教えてください

●(子どもが毎日いる中での)自宅作業の限界を感じることも。
●展示をしても人が来れないのでどうしようかなと思っております。
●企業の新規の案件が今後減ると思うので、仕事を続けていけるかどうかが心配です。
●新型コロナとは関係ないのですが、昨年くらいから見積金額が見合わなくて断られることが多くなったように感じます。
●今後の見通しが立たない。
●自分で新しくGOODS作るにしてもこんな時に物を売るのが不謹慎じゃないかとか、配送業社の負担や配送作業時にウィルスがついたりと気にし始めたら何もできないなと感じています。
●イベントや展示のスケジュールがほぼ皆無になってしまった点ですが、直接打ち合わせができず、顔合わせから打ち合わせまで全てをオンライン会議やお電話で行っていることで、細かなニュアンスのすり合わせが若干難しくなった点も悩みです。
●イベント自粛で、広告のお仕事が激減している。イベントや展示に参加することは、営業にもなっていたので、作品をみてもらう場所や裾野が広がらない。SNS頼みになっていしまうが、Twitterは拡散力はあるが好まれるのは漫画系のイラスト、Instagramは幅広いジャンルのイラストが好まれるが拡散力が弱い、とメリットデメリットがあり、個人の力で拡散していくことが難しく感じている。
●通常のような営業や売り込みができないこと。
●4月よりフリーで活動しようと思っていた矢先でしたので少し不安です
●以前はデジタル制作の場所としてよく喫茶店などを利用していたのですが、それも控えたため、制作はずっと家に篭りっぱなしで同じ姿勢なのでリフレッシュしづらいです。

Q. コロナ対策でオンラインやリモートで出来るアイデアがあれば教えてください。

<営業面>                             ●オンラインイラスト相談窓口(クライアント向け)Zoomか何かを営業時間内は開放して、クライアントからの相談をオンラインで受ける。
●web上でいかにファンを増やしていくかを考える時期かなーとは思っております。
●ウェブポートフォリオの充実、メール営業。
●GoogleやSNSの有料広告はやってみてました。
●遠隔でできる営業方法 / 例えばイラストレーターを起用する方(デザイナー、アートディレクター等)を10名、イラストレーターを10名の計20名でオンラインで同時接続し、イラストレーターが持ち時間内で作品を見せ自己PRし質問などに答える。というようなマッチング、出会いの場を設ける。
●Adobeストックに登録しているので空いた時間を使って制作を進めています。時風に合わせたテーマでイラストが描いていければと思います。
●アメリカのギャラリーは逆にすぐ作品売れてるらしい(みんな暇でサイトですぐ買うので)日本もそこを利用できるのでは?
●仕事の他に別枠でイラスト(キャラクター)とデザインを売る方向性がないか模索中です。
●個人やWEBメディアからも気軽に依頼してもらえるように自身のWEBサイトのフォームをわかりやすく変えておこうかな?
●ネットでの展示やBase等での原画、グッズ販売。
●手紙や贈りものによる物理的なコミュニケーション。
<with コロナに合わせた動き>                ●Pictures For Elmhurstという写真家のプリント作品を購入して医療従事者に寄付できるというものは、選ぶのが楽しかったです。
●接触を控えるためにいわゆる「置き配」が増える中、配業者への感謝を伝えるイラスト(玄関に貼って使用する)を公開&データを無料で配布しているイラストレーターの方がいました。殺伐とする空気をイラストで変化させられる、素敵な取り組みだなと感じました。
●「stay home」や医療従事者への励ましなどのメッセージの発信を通じて何かできないか考えています。Tシャツなどでしょうか。
●SNS上で、手洗いイラストポスター提供、など..
●アーティスト柄の布マスク / 各メゾンやアパレルがマスクを制作していますので・・・。アーティストのイラストがプリントされたマスクの販売など。
●「おうち時間」を想定して何か出来ることがないか探っています。電子作品集、シルクスクリーンキット、ポスターダウンロード(コンビニコピー)、オンライン授業など。
●おうち時間で活躍するものを、イラストでPRする仕事が増えてきたので(私は基本ビール系のPRですが)、個人でも何か製品など発信していきたいと思っています。
●SNSで医療従事者や世の中を励ます為にイラストを募集してシェアしている企業やブランドのアカウントもあるので、そういったものに絵を提供することは自分にとっても拡散のチャンスになりそうです!
●コロナ時期に連載していたイラストをまとめてZINEとして製作予定。
●コロナ期間中は資金繰りで粘りつつ、ライブや動画の配信でファン獲得と作品点数を貯めながら、アフターコロナで全国行脚でガツンとマネタイズ。
<オンラインコンテンツ>                      ●オンラインで子供向けの紙で遊べるもの作りを教えるとかのワークショップみたいなもの。
写真と切り絵コラボを夫婦でできるのでやり方とか教えたり切り絵の型紙を提供するとか。
●自宅で楽しめる、学べるコンテンツの提供、オンラインスクール、動画・音声配信
●作品のグッズ等のオンラインショップ
●ZOOMを使ったライブドローイング、ワークショップ等のオンラインイベントの開催。
●イラストレーターの一つの仕事の作業の流れを紹介。(ラフ制作〜着色・作業場の紹介など)
●インスタ、youtube等でライブペインティング(ファッションブランドのクライアント様であれば新作を自由に着せて描いたり?)
●ECサイトとのコラボレーション企画 / 母の日や父の日などでの似顔絵提供など。(ECサイトで購入した)プレゼントと同じストールを身につけたお母さんの似顔絵など。
●オンライン会議用背景壁紙の提供 / 室内カモフラージュ用壁紙。
●YouTubeチャンネルで紙芝居的なものの配信 / オリジナル紙芝居を配信(休園・休校中のお子さん向け)週替わりで違うアーティストさんが担当。
●タイの話ですが、タイ企業ではまずコンテンツを作成しまくり多くのシェア数を狙います。例えばインスタやfacebookでイラストレーターを紹介する、2019年皆が描いた人物のイラストをまとめたコンテンツなどなど。作品をただ軽く貼り付けるだけでもみんなシェアしてしまいます。タイはSNS人口が世界TOP5に入っています。
●オンラインでの展示会や原画の販売。ヒグチユウコさんが展示予定だった原画をオンラインで販売して即完売しており、普段遠方で行けない方にも喜ばれているようでした。
●もともと自宅勤務をしていたであろうクリエイターの皆様がどのように自宅で過ごし作業されているのか、過ごし方のコツ等を紹介してくれるメディアやコンテンツがあれば是非見てみたいです。
●オンラインプラットフォームを使ったイラストレーター同士のコラボレーション。
●見かけて面白いなと思ったのがオンラインZINE。クリエイターが各々ページを作っていくというもの。また、今まで以上にオンラインに時間を費やす人が増えたので、ある意味ボーダレスになったとこでしょうか。
●VRを利用したイベントを開催したい。
●オンラインで似顔絵を描いたとの事で、それの変則版で、描かれる側も描く!というのはいかがでしょうか?参加者は基本的に絵描きではないと思うのですが、普段絵を描かない人が好きなアーティストと一緒に絵を描くのは楽しいんじゃないかなと思いました。アーティストの似顔絵を見ながら真似して描くとかも楽しそうだなと思いました。
●Instagramストーリーでお題に答えて描くことはやってみたい。


アンケート結果とオンラインミーティングの様子から、コロナ禍の仕事への影響につきまして、そもそも普段から月によって仕事の波がある為、そこまでの危機感は感じていない。また、仕事の環境自体も普段から在宅にて一人で作業していることが多いため大きな変化がない。という意見が目立ちました。
新規の仕事に関しては全体的に減っている現状はありますが、短期的に判断するのではなく、中長期的に注視していく必要がありそうです。経済全体の影響が出てくるのは当然ながらも、実際には緊急事態宣言を受けてステイしている案件も多いのではという予測もあります。今回のアンケートはGW前に行ったものですが、現にヴィジョントラックではGW明けに、新たなお問い合わせが増えてきている印象があります。

コロナ対策のアイデアついては、様々な面白いアイデアが出てきました。時間と制約がある今だからこそ、本来自分がやりたかったこと、NGだったこと、無理だと思われていたことにチャレンジするには絶好の機会です。

早速、ヴィジョントラックでもイラストレーターさん達とLIVE ART ONLINE(β)というオンラインでの体験イベントの新たな取り組みのトライアルをはじめております。

無駄なことが淘汰され、スタンダードが変化するアフターコロナに向けての準備が大切だと感じました。アンケートにご協力いただきましたイラストレーターの皆さま、どうもありがとうございました!

テキスト:光冨章高

カバーイラスト:Hikaru Matsubara



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