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Vision Pro「3Dビデオ」の仕組みは?Appleの解説資料から

Apple Vision Proは、映像を立体的に視聴できる3Dビデオに対応しています。どんな仕組みで実現しているのでしょうか。今回はAppleがWWDC23の際に公表した、解説資料の内容を紹介します。

人間は左右の目で風景を見て、奥行きを認識していることが広く知られています。

Appleの資料によると、3Dビデオも左右それぞれの目に、わずかに異なる視点からの映像を表示。左右で生じる視差により、ユーザーが3次元の奥行きを知覚できると解説しています。

左右の目に、微妙に異なる映像を表示(Apple資料より)
Parallaxとは視差のこと
3D表示のイメージ

また、3Dビデオは「MV-HEVC」と呼ばれる方式で記録します。MVとは「マルチビュー」の意味。iPhoneでビデオを撮ったときに使われているHEVCフォーマットの拡張版です。

左右の目に表示する映像を効率的に扱えるほか、3Dビデオに非対応のデバイスでも2Dビデオとして再生でき、すでに広く使われているHEVC再生との下位互換性を持ちます。

Appleの資料(PDF)には、QuickTime MovieファイルやMPEG-4ファイルとして保存できる方式だと書かれています。

両目に表示する映像の差分情報を活用して、効率的に扱える

3Dならではの問題にも対処していて、例えば飛び出した被写体に字幕が干渉しないよう、字幕の位置が前後に自動調整される仕組みもあります。

被写体より手前に字幕が調整されたイメージ

このほか解説動画でAppleの担当者は「3D コンテンツは十分に長い時間、快適に視聴できることが重要」だと指摘。

映像に極端な視差があったり、動きが激しく焦点合わせが困難だったりすると不快さにつながる可能性があると注意喚起しています。

今後、3Dならではの映像作りのコツやノウハウが生まれてくるのかも知れませんね。

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