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Vision Proどう売る? Appleがレンズ販売で特許

Appleがまた、気になる特許を取得しました。VRヘッドセット向けレンズの販売システムです。当然Vision Pro向けが想定されます。

特許は実用化されず「お蔵入り」する場合も多いですが、この販売システム、Vison Proをめぐる状況と合わせて考えると興味深さが増します。

レンズ販売システムの特許資料

Vision Proは眼鏡をかけて使えず、裸眼でも見えるように着脱可能な度付きレンズが販売されます。特許資料によると、この販売システムはユーザーに対して、それぞれの視力に合った矯正レンズを判定して提供できます。

資料によるとレンズを販売するスペースには、さまざまな度付きレンズの在庫を用意。ユーザーが視力情報を入力できるほか、視力情報が分からない人でも着けている眼鏡の度数などを、その場で分析する設備を置いて購入可能にすることが例として挙げられている。

レンズ販売スペースの概念図、右上にあるのが販売機(特許資料より)

そうしてユーザーに合ったレンズが判定できたら「販売機」の出番。

たくさんあるサンプルレンズのうちどれが合うかを表示したり、自動的に適切なレンズを選び出して受け渡せると言います。

レンズはヘッドセットに装着して試用が可能。また、販売機ではヘッドセットのアクセサリ類も扱えると書かれています。

Vision Pro販売、手間が課題

この販売システムがもしも実用化されれば、眼鏡利用者がスムーズに購入しやすくなるとともに、店舗側の「手間」も減らせそうです。

7月には、こうした「手間」に関する記事が、Bloombergに掲載されています。

この記事は以下のように書いています。

関係者によると(Vision Proは)Appleにとってこれまでで、最も複雑な商品デビューとなるだろう。扱いにくいサプライチェーンの物流を整理し、販売員にデバイスのセットアップ方法をトレーニングし、顧客に使い方を教える必要がある。


アップルストアは数百から数千のレンズを、在庫しておく必要がある。ユーザーが両眼で異なる度数の場合、その対応はより複雑になる。

こうした複雑さに対して、今回の販売システムのような効率化アイデアが出てきたことは、納得できるように感じます。

Vision Proはまず、米国のNYやロサンゼルスなど大都市で、店舗に専用スペースを設けて販売を始めるとのこと。

しかしその後、販売を世界に広げていくには、運用を洗練させていく必要があるのでしょう。

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