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zoomのコツ

zoomを使ってオンラインのワークショップや研修を何回かやってみて、気がついたことがあるので書いてみようと思います。zoomの使い方を教える目的ではないので、不親切ですみませんが、わからない用語があったら検索してみてください。

zoomの使い方はzoomでは教えられない

zoomの画面共有の機能はとても便利です。こちらのマウスカーソルもそのまま送られるので、これを見せながら説明すると、大抵のツールの説明はできます。しかし、zoomのアプリ自体を画面共有で送ることはできないのです。画面共有を選ぶとzoomアプリが透明な扱いになります。2台のPCを用意して、1台のPC画面をもう1台で画面キャプチャしてから送ることも考えました。しかし、zoomの画面の内側にzoomの画面が無限に埋め込まれ、合わせ鏡で映像が無限に続くような表示になってしまいます。これではさらに相手を混乱させてしまいます。

zoomの使い方だけは、事前に使っている様子を画面キャプチャして、プレゼン資料として作るのがよいです。またPCとスマホ・タブレットではボタンの位置や機能が違う点も注意してください。

zoomの標準的な画面構成を決める

zoomは全画面表示やビューなど、いくつかの表示オプションがあります。このなかでお勧めの設定を最初に伝えます。一人でも画面操作で迷子になってしまうと、そこで全体の進行を止めてしまいます。迷子になる原因はいろいろとありますが、最初にzoomの画面設定を決めてしまって、参加者はできるだけ内容に専念できるようにしましょう。

僕がお勧めしている画面構成は次の2パターンです。まず全画面表示はやめます。

全員で会話だけをしているとき

ギャラリービューを使用します。スピーカービューは話す人が入れ替わるたびに画面が大きく変化するので、見ている人が酔ってしまうようです。ギャラリービューは話す人が切り替わっても画面は変化しません。

講師の画面を共有しているとき
左右表示モードを使用し、中央の境界線を移動させ共有している画面を小さくし、他の参加者がたくさん表示されるようにします。

ミュートはしない

これは意外かもしれません。家庭の環境音が気になったり聞かれたくない場合以外は、極力ミュートは外しましょう。話を聞いているときについ口走ってしまう「うーむ」「なるほど」「あはは」そういう声が講師や他の参加者にも伝わることが非常に大事です。そして、できるだけ大袈裟な反応をするように心がけましょう。一緒の部屋にいる空気感を出すのが大事だということなのでしょうね。

zoomのチャットはつかわない

参加者間のコミュニケーション用に別チャンネルを用意する


Google Docsの共有文書でもよいですし、slackやfacebookのメッセージでもよいです。zoomが突然切れた場合の復帰方法、講義中のメモの共有など、使い道はいろいろとあります。zoomを開始する前にこちらのチャンネルを確立しておいたほうが良いかもしれません。このチャンネルを用意すればzoomのチャットは必要ありません。

ブレイクアウトルーム(分室)の活用


これはなかなか便利な機能ですが、気を付けたい部分もあるのでまとめて書きます。

名前がピンとこないので「分室」と呼びましょう(間違えてアウトブレイクルームと言ってしまったら洒落になりません)。

分室への移動には数秒かかります。ホストと共同ホストは自由に各部屋を行き来できますが手軽ではありません。

ワークショップでよくある「テーブルごとで話し合ってください」に使えますが、「あのテーブルだけ盛り上がりに欠ける」という情報は伝わりません。他のグループの様子がまったくわからないため、イメージとしては「会議室に分かれて話し合ってください」に近いです。

グループ全体へメッセージを送ることができますが、グループの様子がわからないので、時間決め打ちで(普段リアルでワークショップをやっているときのタイミングを参考にして)送ることになります。

分室の行き来は参加者に操作させないようにします。分室からメインルームへ戻るボタンが、ミーティングの退出ボタンと同じ位置にあるので、参加者が誤操作する恐れがあります。ホストが強制的に分室に送ったり、戻したりできるので、それのみでやって問題ありません。

分室に分かれてしまってから指示を出すのは難しいので、分かれる前に全ての指示を終わらせるようにします。

分室では画面共有はできません。正確に言うと、各分室ごとで共有できるみたいですが、メインセッションの講師の画面を全ての分室に送るということはできません。

もしそういうことをやりたいなら、そもそも最初の前提としてzoomの画面共有は使わずに、他のツール(たとえばyoutube liveなど)を使う手がありますが、音声がループする可能性など、さらに考慮しなければならないことが増えますね。別の方法としては、PCを分室の数だけ用意しておいて、それぞれには予め入室しておくとか。

参加者を分室に分けるには、ランダムに選ぶことが可能ですが、各部屋にスタッフが一人ずつ入るなど特別な部屋割りをするには結構不便です。部屋割りを複数の設定持つことができて、それらを瞬時に呼び出せるような機能があると便利ですが、そういう機能はありません。現状では、講師の他に部屋割りを担当するスタッフを用意しておき、裏で設定してもらうことしかありません。

分室の使い方の例

参加者がお互いに仲良くなってもらうため、講習の最初の時間帯でやった方法です。

参加者同士の自己紹介を2回に分けて実施しました。
 1)4人ずつ分室に入り一人30秒ずつ話します。少ない人数で慣れてもらいます。
 2)6人ずつ分室に入り違う内容で一人30秒ずつ話します。もう少し人数を増やします。

分室に分かれる前に「どの順番で話始めるか」を指示します。zoomのギャラリービューは見ている人によってレイアウトが異なるので右上から順番ということができません。そこで「誕生日順」「名前の50音順」といったプライバシーの範囲内で順番が明確に決まる方法を指示しました。全国から参加者が集まる場合は「北から順」というのも面白いかもしれませんね。

この後も何度かグループワークをやりましたが、その都度ランダムに違うグループになるようにし、もし初めての人がいる場合は最初に軽く自己紹介をしてから始めるようにしました。

分室からメインセッションに戻すのは、最初に指定した時間よりすこし長めで強制的に行っても問題はないと思います。カウントダウンの機能があるようですが、使わなくてもいいんじゃないかな。

講師のコツ

一番大事なことは参加者からのフィードバックをどのように得るかです。

講師用のパソコンは複数のディスプレイを用意します。ノートパソコンの画面は参加者の一覧を表示させるようにします。

参加者にはミュートを外してもらって、参加者の生の反応を観察しながら話すと、話しやすくなります。できれば講師のカメラ目線を考慮して、ウインドウをレイアウトした方がよいでしょう。

もう一つの画面はプレゼンの資料などを表示させる画面です。講師が画面共有する際には、ウインドウごとの共有ではなく、ディスプレイ全体を共有するようにします。そのディスプレイの中でデスクトップの切り替え(macだと3本指でシャッとやるやつ)をして共有する資料(スライド、動画、タブレット)を切り替えます。

iPadの画面をairplay経由で送信することができるようですが、接続に時間がかかるので、その機能は使わずにiPad とmacを有線でつないで QuickTime Player でiPadの画面を表示させ、それを共有します。

複数の講師で切り替える際には、共同ホストになって、次に話す人が共有画面を奪う形で切り替えるのがスムーズです。

別のPCやタブレットを用意して、参加者として会議に参加します。zoomアプリでサインインせずに部屋番号を入力して「ミーティングに参加」することで、複数台参加できます。これで他の参加者からどう見えているかを確認しながら行うとよいでしょう。

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