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DICOMアプリケーション開発編:XML変換

この解説は、「DICOMアプリケーション開発編:開発環境を整える」の読者を対象とした記事です。dcm4cheライブラリを用いて、解説を試みます。

サンプルDICOMファイルは、JIRA DICOMサンプル画像を利用しています。ここでは、いつものCT画像を用いています。事前にダウンロードをお願いします。

DICOM規格は、タグとデータをバイトデータで繋いで表現するという分かりやすいアプローチでデータを表現しています。このようなデータ表現は、XML ( Extensible Markup Language ) やHTML ( HyperText Markup Language ) でも採用されており、現在のソフトウェア開発にはなくてはならない技術となっています。

XMLは、任意のデータを定義するルールを提供するマークアップ言語です。プログラミング言語のように、単独で計算処理を実行するようなファイルではありません。単に、構造化データファイルです。一般的に普及しているデータフォーマットですので、任意のプログラミング言語またはソフトウェアから利用できます。この理由から、XMLは、DICOMファイルのデバッグや、非DICOMなデータとしてのシステム間のやり取りなどで利便性が高いのです。

XMLは、データを定義するために、タグと呼ばれるマークアップ記号を使用します。例えば、書店のデータを表すために、<book>、<title>、<author> などのタグを作成したとしましょう。1 冊の書籍を説明するメタデータとしてのXMLは、次のような内容を書き込めます。

<book>
<title> DICOMを学ぶ </title>
<author> VIS_TATSUAKI </author>
</book>

このように、タグで内容を挟み、データを表現することができます。

特に、XMLとDICOM規格の親和性は高く、DICOMファイルをXMLにする、あるいは、XMLをDICOMファイルにするという相互変換が技術的に可能です。

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