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いい人である、ということ


わたしの家では、朝日新聞を購読している。

母は
「そろそろ解約しようかな」
と言っているが、あくまで【そろそろ】。
具体的には何も決まっていない。


新聞を読むのは、家族の中でも両親だけ。

10年くらい前には、
番組表を見たくて新聞を手に取ることもあったが
最近はテレビで見られるので
手に取ることすら無くなった。


ただ、毎週土曜日の新聞は思わず開いてしまう。

土曜日は、『be』という少し薄い新聞も届く。
その中の『悩みのるつぼ』というコーナーを楽しみにしているから。


相談者の投稿に、社会学者や美輪明宏さんなどが
回答をくれるコーナー。

悩み事の内容は自分と合わなくとも、
回答してくださる方の言葉は
相談者でない自分にもグサリと来るものもある。


先日は、

「友人の相談に応えられない自分が、薄情な人間と思える」

と心配する相談で、
回答者は上野千鶴子さんだった。


手元の新聞は破棄してしまったが、
ざっくりとした回答内容は覚えている。

上野さんは、

友人であっても相談の全てに応えられなくて
当然と考えている。
あくまで、相談者自身のできうるかぎりで
友人を支えていくことで十分だと。
感謝されることの喜びだけでは、
助けるエネルギーにならないときもある。


概ね、このようなことを言っていたと思う。


該当記事は こちらからも読むことができる。
(ただし有料)

友人に「薄情かな」と悩む女性 上野千鶴子さんが考えた本当の問題


相談者は、これを見てどのように感じたのだろうか。
相談時には抱えていたであろう、
罪悪感や心のしこり、
友人関係を続けていけるかという不安などは
少しでも解消されれば…と思う。


わたしは、肩の荷がおりた気がした。
なぜなら、誰かを助けることは疲れる。
相手が家族や友達、第三者の誰であっても。

友達であれば、感謝こそされるし
お互い様と思うことの方が多い。
しかし、初対面の第三者はそうとは限らない。
親切を仇で返されたり
思ってもない反応をされたりと、
驚きや傷つくこともある。

友達だから、と毎回助けるというのも
自分が疲れていたり、悩んでいたりすると
優しくなれない自分もいる。

上野さんは、この予想外の対応に
心が追いつかないと感じる時には、
できないことがあっても仕方ない
と言っているのだと解釈している。


人の生死がかかっている時など、
最優先すべき事項でない限りは
このマインドもありなんだ。



記事を読み終えたら
過去に、良かれと思って行動した時に
ことごとく裏目に出たことばかりが
頭に浮かんでは消えた。

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