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【マーベルスナップ】現状の分析と批評

1 はじめに

こんにちは、ViruSです。10月18日にリリースされたMarvelSnapなんですが、そろそろ3週間が経過しシーズンも移り変わるということなので、現状感じていることについてまとめたいと思います。まだまだ発展途上なゲームですし、それこそロードマップで今後の展望も確認できますからネガティブキャンペーンをするつもりはありません。ただ改善が必要だと感じている部分はガッツリと書きますし、推奨される改善案についても考えたいです。

2 自己紹介

本記事をどういったプレイヤーがどのような視点で見ているのかを明確にお伝えするために、簡潔な自己紹介をさせていただきます。まずはカードゲーム遍歴についてですがシャドバ・LoR・MTGA等の有名どころは一通り遊びました。競技的に取り組んでいたのがTEPPENというDCGで、自己満ではありますがランクマで最終1位取得経験があります。

そしてMCUのファンでもあり、各ロケーションにどのような背景があるのか、原作設定がどこまでキャラクターに落とし込まれているのかがザックリではありますが分かります。ただ、コンテンツのすべてに目を通しているわけではないのでコア層ではないです。ですので、自分にとってのマーベルスナップはMCUとDCGの2つの入り口から入ったことになり、好きなコンテンツが好きなジャンルでゲーム化されたものとして捉えています。

3 独自システムの不自由性

結論から述べると、マーベルスナップは良くできたゲームだが、既存の常識に当てはめた時に違和感を感じるゲームだと考えます。良くも悪くも、その理由は主に不自由性・不完全性から来ています。

3ー1 「不自由」をどこまで受け入れるか

あまり詳しくは覚えていないのですが、インフィニティに到達した際にはサービス開始からすでに一週間が経過しており、その時点ではプール2に突入して少し経過した程度でした。プール3に突入したのは11月に入ってからのことなので、多少の個人差はあれど1週間でプール1が揃い、2週間でプール2が大方揃うということが分かります。課金はウェルカムバンドルと安い方のシーズンパスのみで、ゴールドはミッション更新に使用しておりました。

カードのバリュエーション=できることの多さなので、徐々にカードが集まってくる過程の中でこまめに構築を改変し、都度デッキを最適化していくという作業が堪らなく楽しかったです。「〇〇のコンセプトでデッキを組むにはあのカードが軸になるけど持ってないな、じゃあこのカードを軸にして別デッキを組むか」とか「新カードが手に入ったことによって既存のデッキに新たな可能性が出てきたぞ」などの試行錯誤の機会が段階的に与えられており、それによって毎日違ったゲーム体験を堪能していました。

リセマラやクラフトによって狙ったカードを収集して、既に誰かが作った最適なデッキ作成するという流れはどのDCGにも存在して、正直それをモッタイナイと感じていた自分にとってはマーベルスナップの仕様はハマりましたし、制限されていたからこそ良さに気づいたカードだってあります。ストレスフリーでスタートダッシュを切りたい、他人に擦られたデッキでもいいから早くランクを上げたいと考えているプレイヤーからすると合わないかもしれません。

3ー2 プール3以降は個人差がある

プール3ではカードの入手が不確定

また、この制限というものがCLを上げるごとに強化されていく傾向にあり、プール2までは一定の間隔でランダムカードを入手できていましたが、プール3に突入してしばらくするとランダムカードからクレートへと変更され、カードの入手が確定ではなくなります。さらに言えば、プール3で入手できるカードは性能的に尖ったカードが多く、それ1枚でそのデッキの方向性を決定してしまうようなカードが多いです。

自壊デッキや踏み倒しでないと使えない

デスは実際使用してみてかなり強いカードだと感じたのですが、要求するシナジーカードが多いとも感じました。実際にプール2で使用されている自壊デッキにデスを組み込んだとしても、安定して6以下にすることは難しかったですし、プール3で同シナジーを持つカードを複数集めなければなりません。即ち、単体で仕事をするカードでない限り大きな変化は生まない可能性が高いです。

このことをもとに考えると、プール3突入初期の段階で引いたカードというのがプール3以降のゲーム体験を大きく決定づけるのではないかという仮説が立ちます。実際セラとか引いた人がうらやましかったりします。いやいや、さっき兄ちゃん不完全性がどうのこうのいってたやないの!と突っ込まれそうなのですが、プール2での話とプール3での話は全く別物なんです。有志で分かりやすくまとめてくれた方がいるので、次の項ではその情報とともに解説していきますね。

3ー3 全カードを集めるのに必要な期間

先行リリース時からプレイしている海外のストリーマーからの情報だと、全174種のカードを集めるのに必要とされるCLは平均して3354Lvであり、そこに無課金で到達するのには6か月以上かかると言われています。また、ゴールド→クレジットを毎日の上限MAXで変換している人でさえ2か月近くかかり、シーズンパス購入者だと5か月程度必要です。

イメージが湧きやすいように計算式を補足すると、毎週の無料配布クレジットが約5000であり、それをCLに換算すると100lvになります。3350CLに到達するのには約33.5週間必要で、これは8ヵ月に相当します。そこに一定のCLを上げることでバックされるクレジットとクレートから排出されるクレジットの期待値を差し引くとおよそ6か月以上かかるという計算です。

これって実際問題長すぎませんか?例えば僕はデストロイヤーを軸にしたデッキを組みたいのですが、運が悪ければ5ヵ月も先になってしまいます。それも毎日デイリーミッションをこなしてやっとのレベルですし、そんなペースじゃそこまでモチベを保てるか怪しいです。プール2までの不自由さはその期間とのバランスを楽しめたのですが、さすがに月単位となってくると話は変わってきます。

3ー4 課金の優位性

では、課金が実際にどの程度影響するのかについて述べていきます。結論から述べると、PaytoWinを嫌って開発されたゲームの割には影響度が高いと感じます。実際に、上の項で述べたように毎日上限までブーストをかけると4か月以上短縮して環境理解を深めることが出来ますし、そもそもそこまでカードが揃っている層はアーリーアクセス勢か重課金者に限られるため、ボットのマッチング率が上がりランクが盛りやすくなると推測されます。

しかし、ゲーム内通貨の値段設定はかなり高めに設定されており、8000円支払ってクレジット返還したとしてもおよそ5000クレジットしか得られません。即ち、8000円払って1週間差をつけることしかできないのです。かなりの額をつぎ込まないと差が生まれないので、比較的PaytoWinになりにくく設計されているとは感じます。

ただ、これだとすべてのカードが最初からクラフトできて、ある程度まとまったデッキを自由に作成できる既存のDCGの方がよっぽどPaytoWinになりにくくないか?と感じてしまいます。シャドバは大量にパック配布してますし、3年続けたTEPPENに至ってはウェルカムバンドルへの課金だけで不自由なく環境デッキを握れました。

もちろん筆者は課金によって優位性が生まれること自体は批判しません。むしろコンテンツにお金を落としてくれる層がいるからこそ遊戯できる一面があるので優遇してしかるべきです。ただ、言ってることとその現状に差異があるのが気に食わないだけです。

4 競技性について

では実際にこのゲームでラダーを行いランキング上位を狙ったり、大会出場を目指す価値を感じているかと問われると、現状だとそこまでリソースを割く価値は感じておりません。理由は主にゲーム性と運要素の2点です。

4ー1 競技化に向いていないかも

これはあくまで既存のDCGでのやり方に当てはめた場合なんですが、あくまでも撤退ありきのゲームのように感じてしまっていて、BO3やBO5ではとても実力要素を計り切れないような気がしています。そもそもカードゲームに限らず大会は多少の運は絡みますが、ことマーベルスナップにおいては大会というフィルターを通して抽出できる実力要素の純度が低く感じます

ではマーベルスナップのどこで実力の差が出ているのか、ランクを上げれている人とそうでない人の差は何なのかというと、それはスナップシステムに対する理解と適切な撤退判断だと考えます。あとはメタを読んで読まれにくいデッキを構築する能力も当てはまりますが、割合としては低いです。このスキルによる上手い下手の数値化は勝率というよりはポイント増減によって表され、また長期的なものだと考えます。

だから大会が開かれても興味がないというか、撤退合戦とか見たくないしなあという感じです。あくまでも既存のフォーマットでやっても盛り上がらないのかなと予想しています。ポーカーみたいに対面でやるわけでもないでしょうしね。

4-2 分岐を洗いにくい

僕は練度を磨く過程で行う「プレイングの分岐点」を洗う作業が大好きなんですが、マーベルスナップは撤退の数が多すぎて自身の判断が正しかったのかを確認する機会が乏しいです。リプレイ機能だってないですし、サレンダーした際にハンドが公開される機能もありません。それ故に特定の対面に対する最適解や安定択の判断、一番重要な最終ターンでのやり取りに関する情報が集めにくいんですよね。

要するに突き詰めて考える際のデータが集まりにくく、それによりプレイングの基盤が形成されにくいんですよね。さらにはカードを集めるのに時間がかかるため、実際の使用感から逆算するということもしにくいんです。感覚的ではなく理論的にプレイしたい自分にとってはかなり気になる点です。

4-3 運要素の占める割合が高い

カードゲームなのである程度の運は絡んで当然ですし、そこに対する許容はあるのですが、このゲームは撤退システムを免罪符にして少しだけやりすぎているところがあるように思います。


特に気になるのがこの2つです。ランダム性を味わうという点においては非常にクレイジーでバカで良いと思うんですが、真面目にラダーしているときにこういったことが頻発するとふつうに萎えるんですよ。通常運転の際は敵にエモート送りながら初手スナップして、お互いの運比べで遊んだりすると楽しいんですけどね。撤退ポイントも積もると結構痛いですからね。

4ー4 BOTとのエンカウント率

インフィニティ以後でランクを盛るコツはBOTとの戦闘を確実に勝ち取ることだと断言しても過言ではない現状なのですが、BOTとのエンカウント率には明確な個人差があると考えています。実際これを読んでいるプレイヤーの多くがボリューム層で対人戦を繰り返しながら数ポイントの奪い合いに苦戦しているのではないでしょうか。


開始1週間前後での統計
開始3週間前後での統計

海外のストリーマーが自身のコミュニティ内で行ったアンケートの推移を参考にして解説していきます。サービス開始から1週間前後の時点ではプール2に到達しているプレイヤーが25%しかおらず、プール3に至っては4%しかいない。自身の所属しているプールがランク帯よりも優先されるマッチングシステムの仕様上、早期に課金してボリューム層から抜け出したプレイヤーはBOTばかりのブルーオーシャンでぬくぬくとランクを上げていたことになります。自分はプール2に若干入っていた程度だったのでまだまだ層が厚く、特にヴィブラニウム帯で2日ほど停滞したのを覚えています。

では最近の統計を見てみましょう。プール1の層がプール2へと移行し、プール3へ突入する人の割合も増えてきました。自身は現在プール2.5と呼ばれるガチガチのプール3コンセプトのデッキとは当たらないがプール2勢とも当たらない、なんともアンニュイな世界線にいるのですが、この頃BOTとの戦闘が露骨に行われるようになってきました。実際インフィニティランク到達後からはランクを盛るのが容易になっていることを実感しています。

このように自身が所属している層の厚さ・人口によってポイントの盛りやすさというものが大幅に変わってくるので、現在ランクを駆け上がれなくて嘆いている人はそんなに気にしなくてもいいと思います。実力的には大差ありませんから。ただ、アーリーアクセス勢という希少なポジションにいるプレイヤーや、重課金によって大幅にブーストしているプレイヤーとランキングを競い合うということはあまりにも馬鹿らしいので、差がある程度縮まるまでは現実的ではないのかなと思います。

5 今後の予測や改善案

ここまで列挙してきた気になる点は主に以下の3点です。

  • プール3以後の不自由さ

  • 競技性に欠ける

  • BOTとのエンカウント率

アーリーアクセス勢からの情報だと、不評だったロケーションは削除されるそうですし、競技性に関しては実際に大会が開催されるまで何とも言えないところがあります。特別なフォーマットや独自ルールで楽しめる可能性だって大いにあります

BOTとのエンカウント率についてなのですが、これは時間が経つにつれてプール3に移行する人の割合が増え、緩やかに解消されていくのではないかと思います。隙間時間に3分で!を売りにしていたのである程度仕方ない部分はあると思います。

プール3以後の不自由さに関しては、何かしら好きなカードを生成できるワイルドカードを、希少価値を高めたうえでランク報酬やシーズン報酬の最後の方に追加するだけでかなり救われるプレイヤーはいるのかなと思います。好きなデッキが1つできるだけで楽しみ方の幅がガラリとかわりますからね。

6 まとめ

今回はかなり辛口で自身が気になる点について書いたのですが、僕自身はこのゲームをすごく気に入っています。まずマーベルという神コンテンツをカードゲームという様式で遊ばせていただけるだけで謝謝という感じです。

しかもスキンの満足感も高く、原作を知っているファンならニヤつく要素もたくさんありますし、ベン・ブロード関連の小ネタだってありますしね。ただ、遊び方としてはよりカジュアルに、エンジョイ志向になっていくのかなとも思いますね。自分は現在主要パーツのレアリティ統一に精を出しています。それでは皆さん、楽しいスナップライフを👋


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