見出し画像

プンゲ反省

https://3punge.wixsite.com/3punge/27

プンゲが終わった。
1位2位は納得だ。個人的に良いなと思ったNice bomb gameが意外と順位低めなのは首を傾げたくなるが、やっぱりちょっとグラフィック面が地味だったんだろうか。

「ウルトラウォーク」は9位だった。んにゃぴ…
苦戦してる配信が多かったので「3分ゲーと思えない」が1票しか入ってなかったのが意外。もうちょっと非難されると思ってた。

そんなわけでプンゲを経て色々反省点があった。


「3分ぐらいで終わる」ではなく「3分で終わらせる」方が良い

それはそう。
プンゲに出る(基準を満たしている)ゲームには2種類の方向性があった。一つは「プレイ時間がだいたい3分ぐらいを想定しているもの」、もう一つは「3分でシステム側がプレイを終わらせるもの」。更に後者には3分で全部終わるものと「1プレイ3分」を延々繰り返すものの2種類に分けられる。

前者を選択しているウルトラウォークは3分という制約を活かしているとは言い難い。滅茶苦茶下手な人がチンタラ遊んで15分経ってもクリアできないゲームよりは、うまくても下手でも3分でリザルト画面に移行するほうがこのコンテストとしてはより正しい流れだ。
そもそもFPSがツクールやアクエディに親しんできたインディーズゲーム層にとってはかなりマイナーで異質な存在であり、見かけた感想の中には酔って断念した人もいたしジャンプが分からなくて詰まった人もいた。
ファミコン版忍者龍剣伝の裏話を「ちゃんと調整しろよ!w」と笑っていながら自分でそれを再現してしまった事実、けっこう驚きである。
もちろん、これぐらいはできるだろ…というハードルを意識していなかったわけではない。しかし、DOOMやQUAKEやDuke Nukem 3DやRedneck Rampageなどが前提の人間が設定した「低い」ハードルは、プンゲ的には別に全然低いわけではなかった。

恐らくもし今後プンゲに出すとして用意すべきゲームは、「3分間生き残る」「3分間得点を稼ぎ続ける」「3分経過までに脱出する」といった、そのゲームがうまくても、若しくはそうでなくとも3分以内にリザルト画面を拝めるゲームだ。
となれば設定などもそれを踏まえて構成することになる。「3分後に爆発する宇宙船から脱出しろ」だの「3分後に完成するカップヌードルを飢えた弟から守れ」だの、そういった設定を考えて次回に臨むのがおそらくは正しいプンゲの遊び方だろう。


なんでも壊せるからって別にそれが正しいわけではない

わかるようでわからなくて、めちゃくちゃ意外だった要素。
ウルトラウォークでは、その辺に置いてあるドラム缶や鉄格子や机がパンチや射撃で破壊できる。これはRise of The Triadにおける窓ガラスやDuke Nukem 3Dにおけるトイレの便座を前提とした要素で、「装飾品を設置するのであれば、その装飾品は破壊できるようにするべき(破壊すると楽しいので)」という意識の元配置されている。


Dollfenstein 3D用のドラム缶の流用…つまりWolfensteinに出てくるアレ。



が、これがあんまり意図したとおりに受け取られてない…というか、「破壊できるからには何かあるのでは?…何もないの?」という落胆を生んでしまっていた。
確かに、例えばゼル伝の壺は放り投げるとたまにルピーが出てくる(=破壊することに意味が生まれる)し、Duke Nukemは破壊可能オブジェクトだらけの緻密なマップなのでそこに破壊可能なゴミ箱が1つ置いてあってもあえて注目されたりはしない。
しかし、ウルトラウォークにおけるドラム缶や机にはゼル伝のような「破壊することによる恩恵を与え、それが破壊可能であることに意味を持たせる」要素はなく、かといって「破壊可能オブジェクトが壊しても意味のないものだと自然に思えるほど目立たない、高密度なマップ」を誇っているわけでもない。

何もない殺風景な廊下にドラム缶が置いてあったら、人はそこに何かあるのではないかとまず疑ってしまう。それはだいたいゼル伝のせいで、そう思われるのであれば素直にドラム缶の中に弾薬を入れるか、大爆発を起こしてそいつを木っ端みじんに爆殺するかしなければならない。

Duke Nukem系Build engineタイトルやその先祖であるところのRise of The Triadになんで破壊可能オブジェクトが多いかと言えば、確かに「壊れた方が楽しいから」ではある。
しかし、それは機関銃で敵を粉みじんにしたりロケットランチャーで辺り一面吹き飛ばす時にそれを賑やかすためという目的があり、したがって機関銃もロケットランチャーもないウルトラウォークにおいては、ドラム缶や机の存在価値は没入感以外にはない。

QUAKEやそのフォロワー(DUSKやHROT)の如何にも迷路然としたあまりリアルでないマップが個人的にはそんなに好きではないのだが、それにはそれでちゃんと情報量の強弱としては優れた利点があるのだと再確認した点。
プレイヤーに道を進んで敵を倒して欲しいと思った時、敵より目立つ破壊可能オブジェクトをその辺の廊下に置いてはいけない。



FPSの当たり前は別にゲームの当たり前ではない

主に操作方法における問題。
Easy FPS editorは一般的なFPSと同様にWASD移動、数字キーおよびマウスホイールによる武器選択が可能だが、武器が無くなっても自動的に切り替わる機能がないので「武器を変えられなかった」という感想を頂いてしまった。マウスホイールや数字キーによる武器変更はFPSとしては当たり前だが、そもそもFPSをやらない層はゲーム遊ぶのにあんまりマウスなど使わない。

一応起動するとチュートリアルが視界に入る仕様ではあったので基本操作に関して苦情が入ることはなかったが、そこに入れそびれたことで「スペースキーでジャンプできることに気付かなかった」という感想も頂いてしまった。
これもFPSでは当たり前で、まぁ分かるだろうという思い込みから記入を忘れた部分。またWを押して前進しながらスペースでジャンプしてアスレチックを攻略していくというのも想定以上に難しい操作を要求していたので、落ちたら死ぬ系のギミックは初心者向けFPS作品では導入してはいけないという知見を得た。
あくまでFPSにおけるWASD操作というものはプロゲーマーThreshが生んだ競技用キーボード配列に過ぎず、知らん人にとってそれはプレステコントローラーのAC持ちとだいたい同義だ。


モチーフの混ぜすぎ

ウルトラウォークの主となるモチーフはナムコの傑作ACT「ローリングサンダー」で、マップの雰囲気は初代のステージ1をもろにパクっている。悪の組織ということで主人公は改造された元人間…という仮面ライダーのパクりなのだが、手を抜くために線画と単色で塗っただけで済ませた画風が意図せずカートゥーンというかゴールデンエイジのアメリカンコミックっぽい感じになってしまったためなんか変な感じになってしまった。


雑魚カルティスト。
ローリングサンダー自体が60年代娯楽アクション映画のパロディ調のゲームなので、一応ゴールデンエイジのアメコミとも源流は近いとも言える。


アメコミキャラ風なんだしいっそコミックスゾーンめいたPow!とかKabooooom!とかの擬音を挿入すべき、画止まりになってる、という風なことを言われたりしたが、そもそもそういうパロディのつもりではなかったのでそういう方向性にするアイデアも浮かばなかった。
伝わりづらいならもっとあからさまに赤い服のスパイにしておくべきだったかなと思いつつ、そもそもそういうことしてもローリングサンダー知らなきゃ意味ないだろという気持ちもあり、パロディの程度と画風の扱いについて悩めそうな点。根幹の世界観をパロディに頼ってちゃ駄目だ。


日本フリーゲーム(インディーゲーム)界隈におけるFPSの受け入れ難さ、FPSというジャンルのハードルの高さというのも感じつつも、そういう視点からの感想を経て色々な発見を得ることの出来た有意義なコンテストだった。
次参加する時はこれらの反省点を活かして作品を仕上げたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?