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噓日記 11/24 飛び石連休

飛び石連休は悪魔の文化だ。
中日休ませんかい。
中日(なかび)と書くと猛烈な連戦にリリーフを心配するドラゴンズファンみたいに見えて面白い、というライフハックをたった今手に入れた。
話を戻そう。
中日休ませんかい。
今日が丁度それだった。
勤労感謝の日で昨日を満喫したと思ったら土日休みの前にこの金曜日である。
正直この間の一日は無駄だ。
皆が皆、呆けた顔をしていた。
連休の中日はもう消化試合のような雰囲気が社内を支配していた。
中日はもう消化試合と書くと対戦相手の相性が悪い先発投手にぶつかったチームを憂うドラゴンズファンみたいで面白い、というライフハックをたった今手に入れた。
話を戻そう。
人間は休みの前にがむしゃらになれるか、なれないか、二つに大別できる。
今週のうちに終わらせておけば来週少し楽ができるぞと頑張る人間か、週明けの自分に頑張ってもらうことを前提に週末に力を抜く人間、その二種類しかいない。
俺は抜く。
社内のみんなも抜く。
力なんてなんぼ抜いてもいいですからね。
それが飛び石連休の中日だったらもう当たり前のように抜く。
なんなら今回の飛び石連休に限っては水曜から抜いてた。
それくらい祝日が楽しみだったから。
それでいざ祝日を通り越したら翌日また仕事。
脱力感が全身を襲う。
今日は絶対にまともに仕事をしないぞという熱い決意だけが俺の体を動かした。
普段は資料が山のように積んであるデスクの上を整理してみたり、使っている棚を拭いてみたり、社内をうろうろ回ってウォーキングしてみたり。
直接的に金銭を一切生まない労働未満の行動だけで今日一日をやり過ごした。
飛び石連休は俺のような勤勉で真面目な労働者さえも怠惰な無能社員に変貌させる。
俺が言いたいことはただ一つ、飛び石連休の中日はもう会社も休みにしようよってことだけ。
そんで経営陣、何今日有給取ってんねん。
たこコラ。
経営陣が決めた年間計画に従って俺たちは労働している。
なのに、てめぇやってくれたのう。
おめぇ四連休にしとるやないか。
俺たちプランテーションの労働者たちが休みの翌日に汗水垂らして働いてる間にバカンスかい。
家族サービスで美味しい鉄板焼きとか食べにいったんやろうな。
まあ、今日の俺は全然働いてないんですけどね。
なんか会社の敷地に咲いてた触れると種を飛ばす植物とかを蹴って遊んでただけだし。
お前らが観光地でバカンスするならこっちにも考えがある。
俺は飛び石連休がある度に、社内をバカンスに変える。
来年の今頃、俺が蹴った植物の花が咲くだろう。
叛逆の花が。

どりゃあ!