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噓日記 10/30 台パン

ゲーマーの中ではゲームで失敗をした時、もしくは不都合なことが起きた時に机を力一杯叩く者がいる。
それを世間では台パンと呼ぶそうだ。
酷い者になると机を叩くだけじゃ飽き足らず、モニターを破壊したり、コントローラーを壁に投げつけるような不届きな輩もいるらしい。
俺にはそれが理解できない。
俺が彼らほどの熱量を持ってゲームに臨んでいないと言ってしまえばそれまでだが、それでも彼らの習性に理解が及ばない。
不都合を物にぶつける虚しさは子どもの頃に普通の大人は学んでいる物だと思っていた。
自分が上手くできない、味方が思った通りに動かない、それに苛立ちを隠せない彼らはどんなぬるい人生を送ってきたのかと問いたくなる。
幼稚な万能感に支配された人間は自分の能力を過信するし、他人への要求も大きくなる。
だが、ある程度大人になっていく過程の中で身の程を知るというか、達観するというか。
自身にも他人にもそこまで大きな期待をしなくなるのが大抵の人間だ。
俺もそうだ。
だが、彼らはその貧弱なもやしが如き体で、机を叩けば折れてしまうような細腕で、モニターを殴れば爪が剥がれるような不健康な指先で、コントローラーを投げれば遠投6メートル程度の心許ない肩で、今日も誰かに期待している。
自分にも、味方にも。
無邪気とも思える信頼を無遠慮に振り撒き続けている。
大人になる前のその時間だけ、世界を信じている。
と、綺麗に褒めてやったが正直あいつら頭がおかしい。
だって机も、モニターも、コントローラーも壊れるかもしれないから。
普通に損。
アンガーマネジメントした方が絶対いい。
俺も昔、格闘ゲームをやっていた時はゲーム中よく怒っていたがその怒りをぶつけるのはいつだって自分自身。
振り上げた右腕を力一杯、右足の腿に叩きつけていた。
ゲーム機や家具にあたることは一切なかった。
足が青く内出血しても俺は自身を殴って気合いを入れた。
俺の期待を裏切るのはいつだって俺自身だから。
つまり、台パンするゲーマーはみんなちょっとイっちゃってる。
損得勘定とかその時の気持ちを抑える能力とか、全部全部普通の人間が子どもの頃に身につける能力が全然備わってないってことの証左だもの。
恐ろしいことだ。
そんな奴らが人間のふりをして往来を跋扈していると思ったら恐ろしくてたまらない。
俺が言いたいことはただ一つ。
ゲームを早くやめるように
特に音楽のゲームはダメです
音楽ゲームにくるっている人をココエで見ました
顔まで変な人になっていました
ぜつたいゲームから足を洗ってください
ばあちゃんからのお願いです
お母さんがかわいそうです

どりゃあ!