噓日記　7/22 偏見を見つめる

私は平等な人間でありたい。
しかし、どうしても抱えてしまう偏見がいくつかある。
それを書き記し、自らを見つめ直していく。

・野球部
最後の夏の大会後に行った祭りで自分の私服が死ぬほどダサいことを知る。
ピタピタのパンツに変な鮮やかなシャツとスニーカーを合わせる魑魅魍魎となる。
基本的にグローブの色の規定くらいしか色に触れることがないため、発色の良いものしか認識できない。
原色と蛍光色に誘蛾灯のように誘われる。
特に効果が高いのは蛍光黄。

・サッカー部
体育の授業のサッカーを一生懸命やる。
誰もその熱量でやってないのに、という周囲の視線もなんのその。
素人のスローインにもケチつける。
その際の頻出単語、ファウルスロー。
文化系男子全員から仄かに嫌われ続けている。

・陸上部
走りすぎてラリってる。
何が楽しくて走ってるのと聞かれても、うめき声をあげるだけで、また走り出す。
自転車も持ってないからずっと走ってる。
フォレスト・ガンプ以外の映画を見ない。
顧問が炭酸とカップ麺、マーガリンを禁止しているため、思想が強くなりがち。

・卓球部
部室に落ちてる卓球雑誌、読まない。
基本的に向上心が欠落しているため、そこから知識を仕入れることはあまりない。
そのくせラバークリーナーで遊ぶことには必死になって知恵を絞るし、ネットも活用する。
部室は汗と粉ミルクの香り。
ラケットとアニメとラノベ、三種の神器を持つもののみが入部可能。

・吹奏楽部
歌は下手。
何故かそんなに上手くない。
一生懸命歌うから嫌いにはならないけど、歌い終わった時に首を傾げる時は普通に嫌いになる。
あと、頻繁に喉をおさえる。
そんなことすんな。
でも採点入れたがる。
採点バーから音が外れるたびに瞼がピクつく。

・新体操部
スケベ。
願いであり、祈り。
女子に限る。
でも元新体操部と言われるとすげぇふしだらな奴かもと身構える。
男子は殆どサル。
身体能力を持て余しているから性欲が旺盛。
クラブでも横っ飛びチンパンジーみたいな動きしかしない。
先祖がチンパンジー。

・写真部
クラスの中心になる時は、盗撮がバレた時だけ。
普段は花や草を慈しむ優しい子。
でも盗撮がバレたら居直る。
盗撮した写真はPCにバックアップをとってあるから僕のカメラやSDカードを壊しても無駄だよ、と言う。
通報してごらんよ、でも僕が捕まる前に君たちの恥ずかしい写真はネットの海にばら撒かれるよ、と言う。
ばら撒かれたくないなら、分かるよね？ と言う。
実家が太い。
文化祭の展示が面白かったことがない。
彼らにしか伝わらない周波数の高音で会話している時がある。

以上、全て偏見。
私はきっと地獄に落ちる。