見出し画像

噓日記 12/25 ファッション鉢巻

メリークリスマス!
聖夜だが知ったこっちゃない。
この世の聖夜を祝うアベックに呪いを。
俺のように一人で過ごす男に祝福を。
さて、本日は鉢巻の巻き方について考えていきたい。
学生時代、体育祭で鉢巻をおしゃれに巻いていた奴らがいただろう。
俺はそいつらが嫌いなんだが皆はどうだろうか。
皆の記憶を辿るとファッションリーダーを気取って頭の上あたりでリボン結びにしてた奴らが必ずいたはずだ。
きもいよね。
鉢巻でおしゃれになるはずなんてないのにね。
アイツら何故か鉢巻の巻き方で偉そうにファッション性を出してて今考えるとめちゃくちゃダサい。
そいつら皆、最後は骸になるのにと思うと馬鹿らしく思える。
当時の俺は額に真一文字に走るように鉢巻を結んでいた。
ストリートファイターのリュウに憧れていたから。
チャラついて奇抜な巻き方をする阿呆どもが地獄に落ちることを祈りながら、鉢巻の両端を強く握ってギュッと引き絞っていた。
そんなふうに強い言葉で彼らを批判している俺だが、成長していく上で考え方の変化が少なからず起きている。
高校生の頃はそんな奴らが馬鹿らしく思えて、少し時が経ち大学生になった頃にはそうやって青春を謳歌することが間違いじゃないと思うようになった。
ただ、そこからまた時が経ち、そんなやつらがまた馬鹿らしく思えてくる。
ダサくないですか?
アイツら。
ファッションリーダーを気取って格好良くもない鉢巻を格好つけて結んで。
まるで馬鹿じゃないですか。
当時のアイツらと今の俺を比較すれば必ず俺の方がお洒落だと言い切れる。
当時のような部活みたいなわけの分からん下駄を履いていないなら評価は公平だ。
俺のような軽音部という文化系とサッカー部のような運動部。
公平に評価されていなかっただろう。
サッカー部、今思えばちゃんとダサい。
スポーツ系の服を着て、早弁して、女性と出会って。
アイツらがっつきすぎでは?
大人になって思うとダサい奴らしかいない。
がっつく奴はめちゃくちゃダサいのだ。
俺はがっつかない。
餌を垂らしてじっと待つ。
それがかっこいい大人の第一歩なのだ。
そんで、全然かからない。
ふざけんなよ。
一匹はかかれよ。
何のために餌をぶら下げてるか分かんねぇじゃん。
俺はね、女の子とクリスマスを過ごしたかったよ。
なのに何だいこの体たらくは。
一人でワインを空けて、カツオのたたきを食べてさ。
寂しいよ。
俺もサッカー部に入ればよかったかな。
今からトラップの練習しようかな。

どりゃあ!