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嘘日記

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全部嘘で日記を書いています。 日記をまともに書いてこなかったので、体裁として日記になっていない部分が弱点です。 1000文字程度の短いストーリー集としてお楽しみ下さい。
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2024年3月の記事一覧

噓日記 結 あとがき

噓日記 結 あとがき

あとがきどうも、噓日記最終回です。

昨年の3/8に書き始めた噓日記ですが、昨日ついに一年間の更新が完了しました。
毎日嘘でしかない日記を書き始めたら面白いんじゃないかという思いだけで始めた日記でしたが、どうにかやりきりました。
誰にやれって言われたわけでもないので、やりきるも何も自己満足ですけどね。
結果として366本、約1000字の日記を毎日書いたということで、新書にしたら4冊分くらい書いてい

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噓日記 3/7 夜の店に通う理由

噓日記 3/7 夜の店に通う理由

SNSを見ていたら女性がいるような夜の店に通う男性の孤独について語られていた。
その投稿を見てみると、そういった男性は寂しさを埋めるために夜の店に通うのだ、という考察。
投稿には、そんな店に通うんじゃなくて家族や友人と過ごす時間を大切にしたらいいのにという皮肉めいたコメントも。
はっきり書いておきます。
夜の店に行ったことねーやつのくだらない考察にくだらないコメントです。
ガキは家で小便して寝てろ

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噓日記 3/6 やる気うどん

噓日記 3/6 やる気うどん

今日は朝からやる気が湧かなかった。
普段のやる気が湧かないとは比にならない、全くのガス欠。
空っぽからのスタートだった。
そんな日っていうのは目が覚めた瞬間から分かるものだ。
いつも設定している目覚ましよりも一時間近く早く目が覚めて、「あっ、今日ダメだ」とすぐに悟る。
枕元に転がっているスマートフォンで上司に病欠の連絡を入れて、返事も待たぬまま、また眠りにつく。
設定を解除し忘れた目覚ましが、けた

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噓日記 3/5 自由律鳩

噓日記 3/5 自由律鳩

今日も今日とていつもと同じ、一週間後なら思い出せても十年後には記憶から消え失せてしまうような、そんな一日を過ごした。
それでもそんな一日が消えないように、せめて記録に残すべく今日も日記をつけていく。
まず朝七時、起きて窓を開け放つ。
太陽光は直で浴びないとビタミンDが生成されないとかどうとか。
ネットの記事で読んでからこれが毎朝のルーティンになっている。
そして窓の外でポゥポゥと鳴いているキジバト

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噓日記 3/4 牛乳・乳酸菌・普通

噓日記 3/4 牛乳・乳酸菌・普通

『銃・病原菌・鉄』、読んだことない。
なんか名著として知られているけど全然読んだことない。
タイトルだけ知っている状態では何故か虐殺器官みたいなSFだと思い込んでいた。
調べてみると先進国と新興国が分たれた原因を考える本らしい。
ちなみに虐殺器官も読んだことない。
想像していたよりもずっと真面目そうな内容だ。
こうして本の大まかな内容を知った上で、今それを読みたいか? と問われると別に読みたくはな

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噓日記 3/3 自作で楽しむ雛祭り

噓日記 3/3 自作で楽しむ雛祭り

今日は三月三日、雛祭りだ。
雛祭りを楽しんだことが人生で一度たりともない。
女児が楽しむ日なんだから俺が楽しめる道理が一切無いのは理解できるが、楽しんじゃいけないわけではないだろう。
ということで人生で初めて雛祭りを楽しむことを決意し、朝から行動を開始した。
雛祭りといえば雛人形をイメージする人がほとんどだろう。
実際俺がイメージしたのも雛人形。
ただ女児でもないし女児がこれから誕生する予定もない

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噓日記 3/2 セルフレジ

噓日記 3/2 セルフレジ

セルフレジでさえまごついてるやつはもう何の役にも立てない。
いきなり強い言葉から始まりました本日の日記。
今日は土曜日だってこともありまして、昼から家を出て大きめのショッピングセンターに向かったんです。
そうしたら不運なことにポイント5倍デーなんてものをやってるもんですから、店内には人がごった返しているんです。
右を見ても人、左を見ても人、前を向いたらさらに人、下を向いたらキモいガキ。
入店後あっ

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噓日記 3/1 革靴履いて

噓日記 3/1 革靴履いて

月の初めの一日は何と言うかやはり気が引き締まるものだ。
襟を正すというか、一度真人間に自分をリセットしようとする感覚。
そんな感覚をより実感として得るために、今日は俺にしては珍しく、しっかりとした革靴を履いて外出してみた。
俺の中で、革靴というものは大人の記号であり、真人間の記号、そして社会との迎合を表す記号である。
それを履いて出歩くことで、社会の中での自分の立ち位置を踏み固めるのだ。
結果とし

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