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Lies of P、1週目クリアレビュー 



ボスナーフ前のパッチ1.1.2.0の状態です。
(シモンマヌス許さん)

34時間ほどで一周目をクリアしました!

結論から言うと
本家からの要素を幅広く取り込んでいて見覚えのある部分も非常に多い
けれど、童話「ピノッキオの冒険」を題材にしたストーリーと世界観は、唯一無二であり、ソウルライク作品の中でも群を抜いて完成度の高い良作でした。

以下レビューはガッツリネタバレ有りです


■良かった点


綿密に作り込まれた世界観とストーリー

童話「ピノッキオの冒険」を題材に嘘を付くのか真実を伝えるのかで、ストーリーが分岐していく仕様
これが凄く斬新で、ピノキオの嘘というテーマを上手くゲームの仕様として落とし込んでいて、独創的で面白い
作中で嘘か真実か、選択肢を選ぶ際にも思わずどちらがピノキオにとってベストな答えなんだろうって考え込んでしまうぐらいには没入してしまいました。

今回の舞台であるクラットという街も、今や人形達の反乱によって、人間達はほぼ息絶えていて。
じゃあ敵は人形だけなのかな?と思いきや
クラットに繁栄をもたらした錬金術師、彼の手で生み出された石化病は、街中に蔓延し市民たちは化け物と化していて…。
というあまりにも救われなさすぎる世界観も自分好みでした。
過去に何が起きたのか、各地に落ちている手記やフレーバーテキストで考察できる作りだが、比較的分かりやすかったのも◎

プレイヤーによって好きな武器を生み出せる武器調合

各地で入手できる通常武器は、ブレードと柄で構成されている。
このブレードと柄は好きなタイミングで何度でも分解することが可能で、他のブレードや柄と組み合わせが出来るようになっている。

例を挙げると、ブレードは大剣、柄は曲刀 という組み合わせにすることで
大剣特有の威力が高く、リーチも長い、更にモーションは柄依存となるので
曲刀の使いやすい動きで大剣を振り回せる!という良いこと尽くめな武器の出来上がり!


横に振るせいで狭い通路だと壁にガキンガキンするんだが・・・

このように、プレイヤーそれぞれの好みと立ち回りで武器×武器を組み合わせ、厄介な敵やボスによって使い分け、試行錯誤できるシステムがめちゃくちゃ面白い。ステータスリセットも気軽に出来る点も◎
本作で一番気に入ってる要素です。


痒いところに手が届く、洗練されたUI

所持しているエルゴでレベルを上げられるようになったら、青色表記に変わったり、
会話が追加されたNPCや入手したクエストアイテムを渡す相手など、
スターゲイザー(本家でいう篝火)のファストトラベル一覧でアイコン付で教えてくれる点

数々のソウルライク作品を遊んでいて、こういう仕様だったら良かったのにな~を漏れ無く叶えてくれていて親切な作りでした

UIとは違うけど、拠点だとスタミナを消費しない仕様も良かったですね
行ったり来たりを繰り返すことが多い場所なので・・。
細かい点まで気を配ってるなという印象を受けました

基本的にレベル上げがソフィアからしか出来ない仕様だが、ストーリー展開の兼ね合いで、スターゲイザーからレベル上げが可能となるので、
最初からどちらで出来るようにしてても良かったのでは.…?と思います。

回復が枯渇しても逆転のチャンスがある

本作ではパルス電池(本家でいうエスト瓶)を使い切り0個になっても、しばらく戦い続けると(厳密にはダメージを与えると)最後のパルス電池が1個だけ回復するという仕様になっている。

これが凄く秀逸で、回復がなくなったしもう無理だな・・と諦めるのではなく、もう少しで回復できるしここは攻めてみよう!だとか
ギリギリ回復できたおかげで撃破できた!というようにプレイフィールに大きく影響を与えてくれました。

■気になった点

ジャストガードの難しさ


巷でよく言われてる部分としてはやっぱりこのジャスガの難しさかなと思います。
体感だから何ともだけど、フレーム数が少ないというよりは、相手の攻撃に置きにいく仕様に癖があって難易度の高さに拍車を掛けている印象

成功した際のリターンが適正なのかどうか、というところでいうと
敵のスタッガー蓄積値の増加と、敵の武器を破壊できることの2点で十分じゃない?とは思います。

どっちかというと問題なのは、スタッガーが溜まっても、強攻撃を入れないとダウンしないという仕様の部分ですかね
せめてスタッガーが溜まった時点で、(強攻撃無しで)ダウンさせて、致命を入れられる仕様であればもう少し遊びやすい難易度だったんじゃないかなと
スタッガーという仕様を取り入れるならHPとは別にゲージで可視化しても良かったかもしれないですね。

また、後半になるにつれ、敵に強攻撃を入れダウンさせても追加の攻撃を出してきたり範囲攻撃をしてくるボスが出てきたのは、お、そうきたか!って逆に楽しめましたね。
初見殺しという点では理不尽だ!と感じる人もいるかもしれませんが、
結局のところダウン前の攻撃はどのボスも固定なので、対処としてはそこまで難しくはないですし。


そして本作の敵達は厄介なことに、ジャストガードでしか防げない赤いオーラをまとった技まで繰り出してくる
しかし実際のところ、ジャスガが必須というのは一部嘘で一部真実、
相手に密着して横移動するだけで軸をずらして対処することも可能だし、大きく距離を離して回避することも出来る。

もちろんジャスガじゃないと厳しい局面があるのも確かですけどね。

ゲーム後半にはなるものの、赤オーラを普通に回避することもできるアミュレットも存在しているので、ジャスガだけでなく幅広い選択肢は割と用意されているんだよ!ってことは伝えたいですね。
個人的にはジャスガと回避の使い分けを相手の技毎に見極める過程を楽しめた口です。

若干詰めの甘いローカライズ

しっかりストーリーの内容だったり、言わんとすることの意味を理解することは出来るものの、誤字脱字が若干目立つかな
例えば「カーカス」が「カーかス」になっていたり・・。
もう少しその辺りは頑張って欲しかったかな

強モブを倒すメリットの薄さ

各エリアに配置されている、めちゃくちゃ硬い強モブを倒した際の報酬がしょっぱいことが多々ある。
ピノキオの防具パーツだったり、強化素材であるクォーツが貰える場合もあるけど、大体星の破片(ボスで助霊を呼ぶための救済処置アイテム)だったりするので、パルス電池を消耗してまで倒す必要性をあまり感じられなかった

基本どいつもこいつも結構強いので結局スルーで良いんじゃない?となりがちではあった

■まとめ

私個人としては上達していく感覚も得られて、凄く楽しめた作品でしたし、巷で言われてるほど酷いことだらけなゲームではないよ!というのがこのレビューで伝えたかったことです。
数多くあるソウルライクの中でも正直過去一ぐらい好きになれました。
(ちなみにThymesiaもいいぞ)

ただソウルライクの中でもかなりの難易度だとは思うし、まぁ間違いなく入門編のタイトルではないですし、人は選ぶ作品だと思います。

DLCも作成中ということなので、のんびり実績コンプを目指しつつ期待して待とうと思います。おわり

■余談

ソウルライクは本家を超えられるのか議論


そんなのはもちろん、超えられるわけがない。
ソウルライクはソウルではないので。

言ってしまえばソウルを模した作品達と、本家を比較すること自体が私はどうなんだろうねといった気持ちがあります。
端からソウルライクを遊ぶ時点で、本家同等のクオリティを期待して手を出してるわけではないというのもある。

もちろん大元があって、そこから派生した作品達なので私も過去に比較してたこともあったし、理解はできる
ただ、それぞれのソウルライク作品にはオマージュをした上で独自の要素があって、そういった部分を主に楽しんでいくほうがプレイヤーにとっても有意義じゃない?と思い始めた。

それ自体が俺は合わねえよ!って人はそれこそ本家を遊び続ければ、その人にとってもベストでしょうし
オマージュしかしてなくて、このゲームらしい独自要素薄いなぁってタイトルもあるよね

ゲームを選ぶのはユーザーの自由なので、ずっと本家を遊び続けるのもよし、まだ見ぬソウルライクに手を出していくのもよし、それぞれにとって一番良い楽しみ方をしましょうねってこと


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