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【小説】アラフォー女が初めてマッチングアプリを使ってみたら。

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純文学を目指した、恋愛小説です。 いつの間にかオムニバス形式になっていました。 陳腐な文章でお恥ずかしいですが、読んでいただけたら嬉しいです。 スキがもらえると励みになります。
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#官能小説

【第9話】アリア 35歳 カニバリズムは究極の愛

 「古い家ですが、いちおう毎日家事はしてるから。どうぞ、あがって」  「とんでもない。素敵なお家だよ。お邪魔します」  招き入れられて、まるで自分のおばあちゃんの家に行ったときみたいに、懐かしい匂いや空気感に癒やされた。 ふと、柱を見ると、子供の頃によくやった背比べの、線と名前が刻まれている。  「うわあ、素敵。なんだかもう、胸がいっぱいになっちゃうよ」  「ぎゃー、見ないで、恥ずかしいって」  「これ、タカだよね?こんなに小さかったのに、今はこんなに大きくなるって、不思議だ

【第10話】タカヒロ 27歳 気になった、薬指のアレ。

 アリアと初めてセックスした日、俺は感動していた。 同時進行で常に5〜6人はヤレる女がいるけれど、あんなに感度が良くて、愛くるしい顔を歪めて悶える女は、他にいない。  歳を重ねているからだろうか?過去に、子持ちの40代としたこともあるが、それは最悪なセックスだったと記憶しているから、そういうわけでもないのか。  ピロートークで、  「ねえ、なんでそんなに開発されてるの?戦場ジャーナリスト的な、とっておきの秘密がある?」  「もう、それはイジらないでって言ったじゃん!別に、特

【第12話】アリア 36歳 Happy Birthday

 タカと出会って3ヶ月。月に2〜3回は逢瀬を重ねる、セフレの関係が続いている。  もちろん夫は気付いてない……というか、わたしの生活に興味すら無いようで、自分の仕事や趣味に没入している。 無邪気に、趣味のウンチクを語り、晩酌に付き合ってくれよお〜と駄々をこねる、おじさんのぶりっ子もかわいく思える。  そんな夫を、家族、親友として近くで眺めているのが好き。失いたくない、大切な時間だ。  タカと初めて結ばれた日、どうしてそんなに開発されてるの?と聞かれ、どきっとした。 抱かれた

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