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【小説】実話?創作?曖昧なショートショート

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著者の実体験なのか?はたまた、妄想なのか?曖昧なショートショート(4,000文字以下の短編小説)シリーズです。 前半は無料、後半の濡れ場は有料記事として公開しています。購入してい…
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#小説

【短編小説】女達は嘘がうますぎて、男達は常に平和である。

「低レベルの相手に対して、同じ土俵に立ったら負けだよ。『これはモルモットだ』とかさ、自分とは違う生き物だって認識して、距離を保たないと」 そう言うと、先輩は背を向けてパソコンに作業を戻した。 彼はいつもそう。合理的かつ、発する言葉も態度も、相手によってカメレオンのように変えている。 なのでトラブルも少なく、周りから慕われすぎず、かつ良い仲間には恵まれていて、生きていて楽しそうだ。 「あくまで、差別ではなく区別。これ、生きるための処世術」 過去にも言われた。ラップかよ……

曖昧シリーズ第2回「それは、反則だよ……」

以前書いた「実話?創作?曖昧なショートショート」の第二弾です。 長編小説の途中ですが、書きたくなったのでブチ込みます。  一ヶ月前、わたしは失恋した。  なぜ別れる必要があるの?問い詰めたら、いちおうは納得のいく理由を説明してくれて、  「でも、二度と会わないとか、そういうんじゃないから」  という、モテる男の常套句のような言葉を吐かれ、じゃあわたしの気持ちはどうしたらいいの?宙ぶらりんになった。  幸い、仕事が順調で、関わっている案件の会社の社長さんにもやんわりと恋

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曖昧シリーズ第3回「まさかこんな場所で、ね?」

 世の中の人の過半数が、きっと、 「渋谷のハロウィンに行く奴らは、馬鹿だ」 と、思っていると思う。  おそらくその感覚は間違ってはいない。ルポライターとして長年、渋ハロを追っている身として、確かに「馬鹿は存在する」と思う。  けれど、そうではない人もいる。わたしのように仕事の人もいれば、この、日本とは思えない混沌とした渋谷を、ただ見学するために来ている人もいるし、この数年は外国人観光客もかなり増えた。  インタビューをしたヒスパニック系の母娘さんは、  「日本のハロウィン