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BOOK OFF information

・栄にディスクユニオンができたので行ってきた。

・ユニオンってあんま行ったことなくて、3年くらい前に東京行った時になんかちらっと寄ったような…くらいの印象だった。感想としてはけっこう安いんだな、というのと、エモの棚やサイコビリーの棚があるのにオルタナ・インディーはロック・ポップスと一緒くただったりしてその辺ってどうなってるんだろう、とか。パンクの棚にSuicide Machinesのこの↓アルバムがあって、中学生の時ジャケ買いしたものだったので当時を思い出してエモくなり、意味なく2000円分ほどCDを買い退店した。

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・中学高校の頃は本当によくブックオフに通っていて、500円の棚と250円(途中で増税の煽りを受け280円に値上がりした)の棚を死ぬほど漁っており、店員並みに在庫を記憶していたほどだった。アヴリル・ラヴィーンの一番有名なアルバムが常に5枚くらい並んでいるのを確認して悦に入ったものである。その建物は現在ドラッグストアになっており、アヴリルたちが腕組みして勢揃いした棚には今マミーポコが積まれている。

・基本的に当時ブックオフに並んでいたのは90年代〜00年代前半のリリースがメインだった。これは00年代後半以降、CDの売り上げが減少の一途を辿っているためであり、よって当時のラインナップと2021年のラインナップには実はそこまで違いがない。AKBが乃木坂に変わったりとかはある。

・そんなブックオフで僕が中学〜高校の間に購入した物の中きら、思い入れ深い作品をいくつか紹介したいと思います。ちなみにすべて全くレアではないです。

Weezer / Weezer(Green album)

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・Weezerの名盤3rd。これは記念すべき最初に自分のお金で買ったCDのうちの一枚であり、当時父親の影響でハードロックを聴いており、ぎりぎりニルヴァーナとグリーンデイの違いがわかるくらいのガキだった僕は、彼らの元気があるんだかないんだかよくわからない曲調に違和感とそこはかとない親しみを覚え、やがてやみつきになりおばあちゃんの家からかっぱらってきたCDコンボで何度も再生するようになる。リヴァース・クオモの歌声というのは国境を越えて根暗の魂に響く周波数を発しているとしか思えない哀愁に満ちており、今思えば僕の根暗としての運命を暗示していたのかもしれない。1年後にギターを始めたときも名曲Island In The Sunのリフをめちゃくちゃ弾いた。500円。


TILT /  'Till It Kills

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・パンクの名門レーベルFat wreck chords所属の女性ボーカルメロコアバンド。当時ブックオフには死ぬほどメロコアのCDが置いてあり、FatのコンピやPunk-O-Ramaというエピタフのコンピシリーズ、Vans Warped Tourコンピなどを買って聴いていたのだがその中でも異彩を放っていたのがTiltとStrung Outだった。どちらもコンピでしか聞くことがなかったのだが色合いに目を惹かれ手に取ってのがこれで即購入、あんまり上手くないボーカルと絶妙にきしょいキャッチーさが他のメロコアバンドにはない心地よさがあり、時々引っ張り出して聴いていた。PixiesみたいなUSインディー・オルタナバンドがラモーンズやグリーンデイをカバーした、みたいなヴァイブスがなくもない。多分500円。


Short Music for Short People / Fat wreck chords

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・ファットの企画ものコンピ。色んなバンドの30秒以内の曲がなんと100曲近く入っているという悪ふざけのようなアルバムだが、一番の見所は付属の分厚いブックレット。1ページ4バンドほどの狭いスペースに各バンドの写真やロゴ、曲名、歌詞などがあしらわれており、これがなんともパンク的な遊び心に満ちていて素晴らしい。

・要は”CDの内ジャケのツアーやレコーディング中の写真とかをコラージュしたアートワークのやつが100バンド分”、という感じなのだが、拠点も国籍すらも異なるバンドを100個分まとめてしまうデザイナーの労力は果てしなかったことだろう。ちょっとしたカタログみたいになっているので、見かけた人はぜひ手に取ってみてほしい。意外と色んな所で売っているのを目にする。日本からはハイスタやニコチンが参加。500円。これはゲオだったかもしれない。


Oasis / Definitely Maybe

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・これに関しては説明不要の大名盤なのだが、それでもなお紹介したいのはシンプルに死ぬほど聴いたからである。オアシスは結局5thまで全部とB面集のMasterplan(他アルバム未収録の曲がほとんどのため実質のオリジナルアルバム)を同じブックオフで買うほど大好きだった(あと普通にいっぱい売ってた)のだが、なかでも1stは特に思い入れが深い。

・いなたいながらも隠しきれない荒々しさを孕んだリズムセクションの上にじゅわ〜と広がるギターのドライブサウンド、そして吐き捨てるようでいてどこまでも伸びやかなリアムの歌声が織りなすサウンドは本当に美しく、自由そのものを音楽にしたような瑞々しさがなんとかかんとかうんちうんちまんこまんこセックスセックスあ〜〜死にたい死にたいまあ嘘やけどなのだが、デビューアルバムというのもあり音質があまりよくないのと父親にもらった妙にローミッドが出るCDコンボという組み合わせにより、これでしか感じられない周波数が青春の1ページどころか巻頭インタビューくらいのページ数にわたって刻み込まれてしまっている。そのため今配信でリマスターされたOasisの1stを聞いてもそこまでテンションが上がらなかったりする。今もそのコンボは所有してるのでこれを買いてる最中も聞いているのだがまじでかっこいいですねこれ、みんな僕んち来てこれ聞いたほうがいいよ。ジャケットの古びて色落ちしたみたいな色合いは多分元からだと思うのだが、自分の心象風景そのままのオアシスという感じがして本当に美しい。無人島に持ってくならこれです。これとヘリコプターです。あとガムテープと十徳ナイフとどこでもドアです。まじかっけ〜。280円。


・もうオアシスがかっこよすぎてどうでもよくなってきたのでこの辺にします。他にもJane's AddictionのStraysとかBlind Melonの蜂の男の子のやつ、カート・コバーンの死後20周年のカートの好きだった曲を集めたコンピ、あえてこの記事では触れなかったメタラー時代の愛すべきSlayerの6th、PANTERAの2nd、Slipknotの2ndおよびインディー期1st、ジャケ買いしてあたりだったBleeding Through、はずれだったHaste The Day、enhanced cdとかいう裏面がDVDの謎仕様だったSilversteinの水辺のジャケのやつ、ステッカー付きだった銀杏BOYZなど語り出したらキリがない。最終的に新品中古全て含め中高6年間で200枚くらい集めたので、今でも実家の棚はなかなかの壮観である。今思うと昔の自分のチョイスということもありきしょいコレクションだなと思ってしまうところもあるが、ひとつひとつ手にとればどれも思い入れの深い愛すべき一枚である。

・今は配信ですぐに聞けてしまうし、配信になくてもだいたい全部Youtubeにある。ていうか10年前とかって全然Youtube自体の規模が小さくて、検索して聞こうと思っても聞けない曲とか全然あったからジャケ買いするしかなかったんだけど、今ってそういうのないですよね。前見た動画のタイトルを忘れてその時どの動画から渡っていったのかもう一回辿って探したりとかも全然できた。ていうか画質ももっと悪かったと思う。あーー昔話をしてしまった、いや全部昔話か、まあいいや、とにかく私の青春を彩ったCDたち、そして長時間の物色と立ち読みを許してくれたブックオフ、その記憶を思い出させてくれたディスクユニオン栄店、ありがとう。

(おわり)

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