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第七回こむら川小説大賞結果発表 大賞はぴのこさんの「めんくいさまの御饌」に決定2

第七回こむら川小説大賞 結果発表1_No1~No119まで

▼講評の続きです

120:CHRONICLES/須藤二村

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 萌えが生まれるまでのお話? かな?
 ネコミミ、エルフ、巫女の組み合わせは作者の趣味でしょうか? それとも種付けサイバネティック熟女スパイダープレスが趣味でしょうか? 多分作者さんのパーソナリティが分かっていた方が楽しめそうな作品。
 PTAと戦って萌えが生まれる……のですが、ここら辺をPTAという温い存在よりも尖らせちゃってもよかったかも? ダメかな? ダメかも。
 未来の萌えや性的嗜好のためにがんばったヒロインたち……良いですね。
 がんばってくれてありがとうネコミミ、エルフ、ドジっ子巫女……。
 他の作品の投稿が2019年ということで! リハビリ的に参加してくれたっぽいのがうれしいーーー!
 これをきっかけにまた書き始めてくれたらうれしいですね。レッツ創作!

謎の果実猫:
 未来の萌えのために戦う萌えの話。
 作者と読者では情報量に差があるのでわかりやすさ一番にして説明しすぎなくらい説明していきましょう。敵がPTAなのは未来を潰すにはちょっと弱い気がするのでもっと突き抜けちゃってよかったかもしれないですね。
 ネコミミとエルフとドジっ子巫女はわかりやすく可愛かったです。その他の萌えは尖りすぎていて私にはちょっとそれ自体はよくわからなかったのですが、キャラクターとしては熱くてよかったと思います。
 未来の萌えのために頑張ってくれた萌えたち、熱いバトルでしたね…!
 とてもおもしろかったです! これからも好きなものをたくさん書いていってください!

謎の女子高生:
 過去の世界にいた萌え要素たちが自分たちの存在をかけてPTAと戦う物語。未来の萌え要素たちの導きもあり、かつての萌え要素が光の先へ向かうことで、その先にある萌え要素立ちの礎になる…という、メタ的な冒険譚。「脳接続型VRホモドエムわからせショタ」「種付けサイバネティック熟女スパイダープレス」は未来でも盛り過ぎですよ。笑いました。最初「ちょっと古いノリの作品なのかな?」と思いながら読んでいたのですが、「未来の萌えに向かう過去の萌え」という構造が分かって納得のいくところでした。目の付け所の良い作品だと思います。
 そのため「読者層が高年齢」というのが痛し痒しというところでしょうか、この萌え感を懐かしむところが一種のエンタメになっているので、読者層を広げたい場合は塩梅の難しいところかと思います。
 確かに昔はPTAが敵視されてた感じあるな〜と、そういう細かいところも楽しめる、かつてオタクだった私たちに向けた作品で、楽しく読めました。

121:鏡眼堂へようこそ/鯛谷木

謎の有袋類:
 メガネを掛けたちょっとサイコ気味な男が好きで定評のある鯛谷木さん! こむら川では初めましてですね。参加ありがとうございます。
 良いーーーー! 飄々としてうさんくさい見た目の男ーーー! めっちゃ良い!
 こういうのが好きだ! を全面にお出しされる作品、美味しいですね。わかる。僕もこういう男が好きです。倫理観もふわっふわだといですよね。
 女の子の急変がめちゃくちゃにすごいので、もう少し前半から仕込みというか伏線を入れておくとすんなりとキレる理由とか豹変の理由が飲み込みやすいかもしれないです。
 ブンブンカッターを振り回されるのをひょいひょいにげるところも好きなんですけど、お代を「迷惑料ってことで」とおまけしてあげるのも良い……。とても良い……。
 わたしはコレが好き! を書く力は十二分に備わっていると思います。めちゃくちゃに魅力的なキャラクターなので深掘りをしたり、次の推しキャラを作ったりと創作を楽しんでください! 
 これはシリーズで読みたいかも。僕は店主さんがピンチになってもヘラヘラしている様子が見たいです。いいよね、飄々とした男のピンチ。真顔になっても良いしヘラヘラしたままでも最高。
 最高なのでこれからもガンガン創作をしていきましょう!!!!

謎の果実猫:
 不思議な雑貨屋の話。
 女の子が唐突に激怒しているように見えるのでもう少し伏線があってもよかったのかな?と思います。友人についての深堀りをしたり前半にほのめかしをしておいいたらよかったのかな。
 飄々としている雑貨屋の店主がいい味を出していますね。作者さんがこういうのが好きなんだろうなというのが伝わってきます。宇宙人や妖精とのマッチング仲介屋さんみたいなことをやっていたわけですかね。発想がおもしろいですね。
 雑貨屋にたどり着けた時点でなんらかとのマッチングが成立しているとみていいのでしょうか? 
 最後のシーンの「せっかくラッピングまでしたのにもったいないよ」倒れたままの子供の傍らにそっと袋を置く。「お代は迷惑料ってことで。それじゃ本当に、バイバイ」のところが好きです!
 これからも好きなものをたくさん書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 噂の雑貨店「鏡眼堂」にきた主人公の話。親友の様子がおかしくなったことが雑貨店にあると知り、さらにその雑貨店は外的存在から人間に対して世界救世の役割を与えるためにあると教えられた主人公が、店主へ復讐をしようとする物語。雑貨店が異世界との取り次ぎのようなことをしている、という設定が面白かったです。
 物語としては一幕的で、広い話の一遍という趣だったように思います。今作の主人公は世界観を伝えるためには最適だったかも知れませんが、物語としては「他の役割」の人物の方が面白くなりそうです。
 この世界観から生み出される物語が気になる、広がりを感じる良い作品だったと思います。

122:かげかたち/藤田桜

謎の有袋類:
 第五回ぶりですね。参加ありがとうございます。
 めちゃくちゃに好きな雰囲気の幻想小説的な雰囲気なのですが、多分読み取れていない部分も多いと思います。すみません。
 インカマヤ帝国やアステカあたりのお話だったりするのでしょうか? なんとなくケツァルコアトルの話が出てきたので……間違っていたらすみません。
 一つの国が滅びる直前のお話だと思うのですが、一緒に踊る少女が何者なのか、現実なのかまではわかりませんでした。すみません。
 学校のお友だちでいいのかな。二人の少女が滅びそうな中、楽しそうに踊り、その少女達を幻想的なものが手を伸ばそうとしているラストがすごく好きです。もうすぐ二人もそちらの世界に連れて行かれるという感じなのかなと思いました。
 多分純文学とかきちんと文学をしている人が読むとさらに良さがわかるのだろうなと思いました。あまり読み取れていないものが多すぎたらすみません。
 それでも幻想的な部分がわかるのは、ルビの力も大きそうです。ルビの振り方が親切……。これも元ネタというか現地の言葉に関係したりしているのでしょうか? 解説などがあったら是非読みたいなと思います。
 幻想的で美しくも、残酷な雰囲気も漂う小説をありがとうございました。

謎の果実猫:
 少女が湖のほとりで踊る話。
 私は歴史に疎いのでググった知識と推測になるのですが、アステカの都テノチティトランが滅ぶ間際のお話なのかな?と思いました。読み取れていない部分が多いと思います。すみません。
 幻想的な言葉選びで素敵なお話でした。
 主人公にそっくりな影の女の子は誰だったのでしょうね。本当に存在したのでしょうか。それとも異界のなにかだったのでしょうか。
 主人公の少女が日に日に衰弱していく描写もよかったですし、滅びゆく王都の湖のほとりで楽しそうに踊っていて、火の手が迫っていて…というのも切なくてよかったです。悲しくも切ない美しくて幻想的なお話でした。

謎の女子高生:
 アステカの都市の滅亡を描いた作品。非常に幻想的な雰囲気の作品で、とても引き込まれました。はじめ、少女達を照らしていた神々が、最後は踊る少女達にすがるように、あるいは道連れにするように手を伸ばすという光景が、神を持つ一つの文明の興亡を感じさせ、とても好きでした。
 どうしても知識が必要な作品ではある、と感じます。この雰囲気を壊して欲しくないので説明を増やして欲しい訳ではないのですが、プロローグなどで外的な語り部を出すなど、副次的な読み物があると良いかもな、と思うところではありました。でもそれも野暮ではあるかなあ…難しいところです。
 非常に詩的で美しくも残酷、大変好きな物語でした。素晴らしい作品だったと思います。

123:オモカゲ様/須和田 志温

謎の有袋類:
 第五回ぶりの参加です。参加ありがとうございます。
 オモカゲ様という神様に願掛けをするお話。彼女は恋人のことだと思っていたのですが、よく見ていた配信者かVtuber的な人だったんですね。
 彼女だと誤認させたい発想や、オモカゲ様というアイディアが良い作品でした。
 推しではないと言っていたけど、俗に言う推しなのでは? となったのでここらへんの整合性を付けた方がいいかもしれないです。あっと驚く展開は読者に嘘を付かない方が多分印象が良いので、極力真実や騙すつもりの情報よりも、真実の仄めかしの方がうまく気持ちよく驚かせると思います。
 こういう意外な結末! ってとても難しいものなので、こういう全講評企画で試すのはめちゃくちゃにいいと思います。どんどん試していきましょう!
 オモカゲ様に魅入られた結果、推しがずっと瞼の裏にいるようになった主人公、きっと他の人たちも同じなのでしょう。目の色が変わるのがわかりやすくていいですね。
 最後は変わり果てた推しを見ながらのラストなのですが、実は推しに化けていたオモカゲ様が取り殺しに来たラストという解釈でいいのでしょうか?
 ぞっとするホラーでとてもおもしろかったです。
 まだまだ書けば書くだけ伸びしろがありそうな須和田さん。どんどん作品を書いて楽しく創作をしてくれたらいいなと思います。

謎の果実猫:
 オモカゲ様の話。
 彼女というからには恋人や妻などの近しい間柄の人間かと思いこんでました~! ミスリードさせられました~! まさかお兄さんにとっても推しだったとは…! だ、騙された~! 
 推しではないと言っていたところは主人公がそう思い込んでいたということなんでしょうか? ミスリードはうまく行っていると思うのでそこの整合性をうまくつけましょう!
 訳知り顔の老婆が薄気味悪くてよかったですね。最後のシーンは姿の崩れた彼女だったものが主人公を殺しに来たということでしょうか? オモカゲ様に魅入られると目が色付くのも発想としてわかりやすくていいですね。最後まで老婆が印象深くておもしろかったです。

謎の女子高生:
「推しとずっと居られるようになる神社」にまつわる話。「死んだ彼女」に会いたい男が、神社の言い伝えに従いまぶたの裏に死んだ彼女を焼き付けたと思ったら、それはオモカゲ様という怪異に魅入られていたのだった…という作品。じわじわ来るホラー作品で、「死んだ彼女が実はただの配信者」という叙述トリック的な要素も、人間側の怖さがありとても良かったです。「名前を知るはず無い」というところで気づく、というシーンが好きでした。
オモカゲ様が最終的にどうなる怪異なのか、というのがもう少し示せると良かったでしょうか。現状は噂話で連鎖的に広がっていますが、もっと日本中で取り返しの付かないことになっても良いかもしれません。
設定自体はシンプルながらも怖さの重なりが面白く、大変楽しめました。

124:蟲毒の箱庭/筆開紙閉

謎の有袋類:
 大邪についてを書いてくれた筆開紙閉さんの二作目です。
 クソ強い男と前世からの繋がりがある女とのお話でした。ネットのミームを多用しているところもあるのかな? 脈絡ないようにみえるのですが、何か元ネタがあるものが多いのでしょうか?
 淡泊な文章ということもあり、プロットの印象が強くなっているので短編にする場合はエピソードを取捨選択して過負荷と主人公の心情をガッツリ書くとやりたいことがもっと伝わりやすくなるかもしれません。
 作者である筆開紙閉さんが楽しく書いたのかなと言うのは伝わってきたので、そこはとてもいいところだと思います。 
 これからも好きなことをたくさん詰め込んでどんどん色々と書いていきましょう!

謎の果実猫:
 怪我をした男がホテルに滞在する話。
 ちょっとちらかっていてお話を読み解くのが難しかったです。
 キャラクターもちょっと短編にしては多いかなという感じなので、主人公と過負荷以外は取捨選択して書きたいところだけ集中させてこじんまりさせたほうがいいかもしれません。ネットミームかなにかなのかな?はよくわかりませんでした。万人に通じるものは基本的にはないのでこういった小説賞などの場ではミームネタは控えたほうがいいかもしれません。
 作者さんが好きなものを詰め込んだのだろうなというのは伝わってきたので、これからも好きなものを詰め込んで楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 刺客に狙われ続ける男の話。語尾がのじゃの女と行動を共にする男に、様々な刺客が襲いかかってくるという物語。ごった煮感の強い小説で、節々に流れる言葉の奔流が面白い。一本の物語としての筋よりも、全体の雰囲気や空気感で作品の背骨を形成しているような、不思議な読み味でした。
 プロットと直接関わらないであろう情報や、どこか浮世離れした世界観の表現は、この作品の最も強いところであると同時に、読み手を煙に巻くような弱点にもなりうる気がします。もう少しだけ物語の行き着く先が明示できると良いと感じました。
 総じて、闇鍋感のある作品で、作者の発想を直接流し込まれるような体験のある小説だったと思います。面白かったです。

125:マッシロクッチョ/アオイ・M・M

謎の有袋類:
 それを何と呼ぼうかで参加してくれていたアオイさんです。参加ありがとうございます。
 人の記憶や痕跡を消す怪異のお話。
 手紙から始まり、真鍋くんが女の子にお話をするのですが、結局怪異はなんだったのかわからないままお話が終わります。
 怪異はいるけど、故意に真鍋君を遠ざけたとかなのでしょうか?
 主人公の女の人は多分真鍋君を好きなのかな? かなりドライな話し方なのと、ダダダダダーーーーと主人公が持論を投げつけてきて終わってしまうので全体を通して緩急をつけると飲み込みやすくなると思います。
 怪異の発想と、記憶が消えるのは良いなと思いました。ネット上の何かは消えるけど物理的な記述が消えないのは何故だろうという観点や撒き餌についての考察もおもしろかったです。
 発想と構想力は強いので、あとは読者への親切心を身に付けたらもっともっと強くなれるアオイさん。ガンガン小説の方も書いて行って欲しいなと思います。

謎の果実猫:
 人の記憶を消すなにかの話。
 よくわからないものの話でしたね。よくわからないものの話は好きです。
 主人公の女性が持論を述べているところ、あまりにも一方的なのでもう少し会話があったらよかったかなと思います。真鍋くんと主人公との深堀りもできたら読みたかったですね。
 マッシロクッチョに出会ってしまうと人の記憶や痕跡が消えてしまうという発想はすごくいいと思います。手書きの文字が残るという不思議さもとても怖くて好きです。怪異がなにものかわからないまま終わってしまうのがもったいないと思う反面、想像の余地があっておもしろいとも言えます。
 発想はとてもいいので今後は読者にわかりやすく説明するなどしてみると更に作品の魅力が伝わると思います。
 これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 一人の人間を「消す」怪異、マッシロクッチョにまつわる話。妹がいたことを忘れてしまったという白井勇からのメッセージが書かれたノートを受け取った真鍋が、その白井勇のことを忘れていて、探すべきではないかと考えている……というお話。非常に怖いホラー作品。どうやら自分にとって大切だったろう人を忘れている、という記憶にまつわる不安と、そもそも忘れた人というのは存在していないのでは…?という二つの不安がじわじわと這い寄ってくるような読み心地。大変面白かったです。
 テーマの光に対する回答は少し弱い印象でしたが、非常に頭がぐるぐるとしてくホラー作品として、とても楽しめました。

126:裸電球/がらなが

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 密室からの脱出系か? と思っていたのですが幼馴染みとのブロマンス的なお話でした。
 電球になってしまった幼馴染みと、密室に閉じ込められている自分のシチュエーションから走馬燈みたいになり、自分の現状がわかるというのは面白い発想だなと思います。
 前半からカナタはちょっと自分の状況に気が付いているとか、直前の記憶が曖昧だとかもう少し慌てるとお話に動きがうまれて物語への没入感が深まるかも知れません。
 カナタとツキくんの仲睦まじい様子や、二人の絆、微笑ましい思い出と兄と比較されて自信が無かったけどカナタのお陰で自信が持てた話など良いエピソードがたくさん盛り込まれているのはすごくよかったです。
 文章の方はまだまだ伸びしろがあると思うので、これからもたくさん書いてたくさん強くなりましょう!

謎の果実猫:
 大切な友達の話。
 うわーーーー!!!!! めちゃめちゃによかったです!!!!! 閉じ込められた不思議な部屋に裸電球の幼馴染という発想がめちゃめちゃにおもしろく、ずっとハラハラしてドキドキしてそれでいておもしろかったです!!! これ考えた作者さんすごいな!!! 
 カナタだけが真相に気付いていたのでしょうが、少し唐突なように感じましたのでもう少し小出しにほのめかすなどしていってくれたら読後感がスッキリしたかもしれません。
 ツキとカナタの出会った思い出が走馬灯のようにシアタールームになって映像で流れているというのも目に浮かぶようですごくよかったです。裸電球になっている幼馴染が不安でゆらゆら揺れていたりヘラヘラしているのはなんだかマスコット的で可愛かったです。
 最後のシーン「人生で一番嬉しかった時っていつだった?」のくだりは感動的でしたね。とてもおもしろかったです!!!

謎の女子高生:
 
裸電球になってしまった友人と、知らない部屋に閉じ込められた男の話。どうやっても出られない二人は様々なことを話し合うが、やがて部屋には一つのドアが現れ、そこでは二人の思い出が映像として流れていた。やがて男はこの部屋にくる前の記憶を取り戻し、二人は実は交通事故で死の淵に立たされていた、という物語。男性二人の関係や絆が描かれる良いブロマンス作品でした。何も無い部屋、電球になった友人というギミックで展開していく話が面白い。ある種の心象を写す作品ですが、詩情に頼り過ぎず地に足の付いた筆致で描かれていたところが好きでした。
 裸電球は恐らく命の灯火のようなものを表していたと思うのですが、少し観念的すぎたでしょうか。主人公だけが生身だったのは、主人公の精神世界的なイメージだったのかな?と少し想像が必要な気はします。
 総じて最後まで嫌な読み味にならず、面白く読めた良いブロマンス作品でした。

127:ダイヤモンドの代償/のざわあらし

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 少し落ち目になってきたリアクション芸人さんのお話。
>東京二十三区を爆撃している雨の量は一時間に百ミリを超す勢いらしい
 ここでもう掴みはOK! な感じの素敵な文章が好きでした。
 度々繰り返される先輩芸人の言葉、鼻水を出すためのノウハウ、地球を相方にした必死のボケと切羽詰まった主人公の様子は鬼気迫るものがあって読んでいて楽しかったです。
 後半の客観的に主人公を振り返る手段があるのもすごくよかったです。序盤、スマホのカメラで撮影していることをもっと強調すると更にすっきりした読み心地になったかも知れません。
 ところどころかなり目を引くけれど、浮いてはいない文章があったりと、比喩や文章表現にとても強いものがあるのでどんどん長所を伸ばしていって欲しいなと思いました。
 元カノが連れ帰ってくれて、ここからどうなるのか……余韻を残しつつも知りたいことは知れているのでモヤモヤはしないラストの塩梅もすごくいいなと思いました。
 カクヨムに置いてある作品はまだ少ない作者さんなのですが、これからたくさん作品を書いていって欲しいなと思います。

謎の果実猫:
 リアクション芸人の話。
 鼻水! 鼻水の話ですよ!!! 鼻水をメインに持ってきた話が今までありましたか? いや、ない!(ないと思う!たぶん) 相方は地球!!! 落雷待ち!!! 壮大過ぎる!!! 稼ぎがなくなり追い詰められた頭で考えた苦肉の策が相方を地球にして落雷を待つことだったのがわけがわからないですね! 
 前半で撮影をスマホで行っていることをサラッと終わらせてしまっているのでもったいないように思いました。撮影器具がスマホである理由などを深堀りしていると後半の読後感がスッキリするかもしれません。
 発想がおもしろいです! 深い心の傷の元である彼女との思い出は人間的なエピソードで大変よかったです。彼女は配信を見て駆けつけてきてくれたのですから彼女はとても優しいですね。
 おもしろかったです! これからも楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
「芸人の鼻水はダイヤモンド」という偉大なリアクション芸人の言葉を胸に、自在に鼻水を出せる売れない芸人がリアクション芸に溺れていく話。実は芸人は心の痛みを思い出すことで鼻水を出すことができ、そのために彼女を遠ざけるという選択を取って…という物語。最終的に嵐の中、雷に打たれる瞬間を配信するという自殺行為を取る主人公の情けなさが読んでいて辛い。現在と過去を行き来しながら、どんどん嵐が強くなっていく、彼女の存在を感じるようになってくるような構成も非常に良かったです。
 リアクション芸人を書くにあたって「心の痛みを思い出すことで鼻水を出せる」という設定は、本当に凄いと思いました。それと同時に「残酷…!」と天を仰ぐ心地でもあります。
 この設定を以て書き上がった作品は、素直に素晴らしいの一言です。ありがとうございました。

128:スケルトン・ナイトホークス/木古おうみ

謎の有袋類:
 領怪神犯コミカライズ完結おめでとうございます! おうみさんだーーー!
 男×男のクソデカ感情は最高!
 透明人間のケヴィンと天才のロウの物語。めちゃくちゃによかったです。
 透明人間になってしまう病と、それが太陽の光に長く晒されると消えてしまうという最後に明かされた弱点の悲しさ……。ケヴィン……。
 これはもう難癖のようなものですが、ケヴィンがもう少し日光をヘラヘラしながら嫌がっていたら最後の納得感が強かったかも?
 僕がヘラヘラして弱点を悟られないようにする男が好きなだけなのですが……。
 めちゃくちゃによかったです。普段は軽口を叩いている男の抑えめな口調……自分で罪を被るのめちゃくちゃにかっこよかったです。
 ところどころに挟まれる日本ネタも、舞台が国外であることがさらっとわかるワザマエポイント。
>足跡は増えない。与太話を続ける騒がしい声も聞こえないし、手を伸ばしても温かい体温には触れない。
 ロウーーーー! ケヴィンのことやっぱり大切に思ってたじゃん! と思うラストが本当にめちゃくちゃによかったです。
 うわーーー! 良いブロマンスをありがとうございました。

謎の果実猫:
 透明人間と鍵開けの天才の話。
 やったーーー!!! 透明人間の話大好きーーー!!! インヴィジブルも大好きなんですよ。やったね!!! 
 ケヴィンが日光を嫌がっていなかったのはわざとだったんでしょうか? ロウに気づかせないため? もう少しほのめかしがあってもよかったのかな?と思います。
 ロウとケヴィンの日々は楽しさばかりではないでしょうけど、ケヴィンにとってもロウにとってはかけがえのないものだったのでしょうね。だからケヴィンは自分から罪をかぶってロウを助けたのでしょう。
 最後のシーン「ケヴィンが来たのかもしれない(略)与太話を続ける騒がしい声も聞こえないし、手を伸ばしても温かい体温には触れない。」はとても切なかったです。
 とてもおもしろかったです! 素敵なブロマンスでした!

謎の女子高生:
 透明人間と宝石店泥棒をする男の話。透明人間になったせいで犯罪者の汚名を着せられたケヴィンに、鍵開けの才能を持つロウが復讐を果たそうともちかけ、意気投合した二人だったが、別の強盗事件で交通事故に巻き込まれた二人は離れ離れになり、病院で目を覚ましたしたロウはケヴィンが全ての罪を被ったこと、透明人間が陽の光の下では消えてしまうことを知る。というストーリー。大変面白いクライムバディものでした。二人の空気感、距離感がとても好きです。透明人間が陽の光の下では消えてしまうという設定の妙味がとても効いており、最後は切ない読み味でした。
 透明人間の苦悩のリアルさが表現されており、その点も非常に面白かったのですが、少しリアルすぎた気もします。犯罪への活用方法など「もっと大きなこともできそうじゃ…」「いやでも確かにこうなるよな」と、少し大きな事をやっている透明人間も見てみたい気がしました。
 総じて非常に読み応えのある作品でした。すごく面白かったです。

129:彼方を照らす/八軒

謎の有袋類:
 イマジナリーフレンドを書いてくれた八軒さんの二作目です。
 始祖様と人から呼ばれている何かと、隔絶された元北海道の話。
 三人称視点ではあるのですが、灯台っぽい始祖様の背後にカメラがある感じでした。不思議なお話で、隔絶された北海道の様子と人々の営み、季節の移り変わりが描かれていて幻想的なお話でした。
 始祖様視点に近いので全体像を掴みにくく思いました。作者と読者の情報量はかなり違うので、正体がバレバレかなくらいに詳細に書くかツノの人視点で書くともう少し全体像が掴めるように思います。
 言葉の余り通じない始祖様と人々のゆったりとした交流や、異能が目覚めつつあり、現代日本とは別の文明になりつつある元北海道など興味深い設定の話なので別の人視点で長編や中編にしてもおもしろそう。
 どんどん作品を書いて情報量のチューニングをしつつ、強い短編も中編もたくさん書いて欲しいです。

謎の果実猫:
 灯台の始祖様の話。
 作者と読者では情報量に差があるのでわかりやすさを一番にして説明しすぎなくらい説明していきましょう! 三人称かツノの人視点にしてしまったほうがわかりやすかったかも?
 灯台に棲み着く始祖様と呼ばれる怪異的ななにものかと断絶された元北海道、異能を持ち始めた人々とゆったりした日々の変化の話。  
 ツノの人がどんな立ち位置にいたのかが気になります。ツノの人は異能を持った人々のうちの一人だったのでしょうか? 始祖様は各地に何体もいる総称のようですね。そのあたり詳しく読みたかったです。
 始祖様はなんだか可愛らしかったです。
 これからも好きなものをたくさん書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 隔絶された北海道に住む人々と、始祖と呼ばれる存在たちの営みの話。灯台で生まれた始祖が、他の始祖とう交流したり、人のさえずりを聞いて次第に世界の有り様を理解していく様が描かれる作品。とても幻想的で、隔絶された北海道という特殊な世界観を定点観測的に眺めているような、経過を眺める作品であると読みました。とても面白かったです。人々の会話から分かる世界の状況や、始祖が感じる季節の移ろいなど、読者の中で何かを組み立てるように「世界の一端の輪郭を作り上げていく」ような作品で、非常に興味深く読ませていただきました。
 構成としては非常に特殊だったように思います。物語の明確な進行があるわけではないと思いますので、何か節々で物語の掴みになるものをマイルストーン的に進捗を置いていくような仕組みがないと、読者が置いて行かれるかも、と感じました。
 読み方の難しい小説ではありましたが、幻想的な雰囲気や世界設計、言葉の端々に感じる情感など、とても豊かな小説であると感じます。ありがとうございます。

130:光/帆多 丁

謎の有袋類:
 白狼とナマクビ・ライカ・シューティンスターで前回は参加してくれた帆多 丁さんです。参加ありがとうございます。
 確証はないのですが光が地球に取り込まれ色々と変わってから、もう一度宇宙へ戻ったようなお話でした。
 壮大なお話の二人称小説。読者の知識と教養をかなり試している作品なので僕みたいにちょっと知識に乏しい人が読むと「これで合っているのかな」と不安になってしまうので、その層を取り込むのかそれとも切り離すのかでもう少しどうなったのか明言してもいいのかもしれません。
 宇宙から地球に降り注いだ光が、長い長い年月をかけて海の底から山、動物の中になったり氷河期を迎え、そしてヒトの時代になり宇宙に放たれるという流れは解釈が合っているかは不安になったもののすごく面白かったです。
 作風の幅が広い帆多 丁さん、これからも色々なお話を書いていってください! そろそろゴリラを暴れさせて五億点で着地するチャレンジなどどうでしょうか?
 こういう全講評企画でガンガン核実験しちゃいましょう!

謎の果実猫:
 姿を変えて旅をする物質の話。
 優しい二人称な語り口の不思議なお話でした。サイエンスチックでしたね。私は科学に疎いので読み取れていないところがあると思います。すみません。
 教養のある人向けという感じの文章で、私のように読み取れない人間にはちょっと難しかったですね。これについて説明しすぎなくらい説明するのか、それともわからない読者は切り捨てるのかは難しいところです。
 宇宙から差し込んだ光が、土になりシダになり樹木になり、氷河に覆われ、人によって削り出された時には石炭になり炭素繊維になり、最後には宇宙に打ち出されるという長い旅のお話でした。最後のシーンの「行ってらっしゃい、良い旅を。」は好きです。
 壮大な旅のお話でした。発想がおもしろかったです。

謎の女子高生:
 光の旅路を描く、創世記の一端のような物語。宇宙に現れた光子が地球へ届き、炭素となって、宇宙探査機の一部になり再び宇宙へと旅立つまでを描く。非常に幻想的で、宇宙の連続性を描く物語として、大変好きな作品でした。最初から読むにつれ、遠くへ来たという感覚にさせられるところも良い読み味でした。
 作品自体が無生物の冒険譚となっていますので、その辺りの取っ掛かりは難しいところでしょうか。一度読んでしまえば面白い作品ですので、あらすじなどの工夫が必要かも知れません。ただ幻想的な雰囲気が崩れて欲しくないという気持ちもありますので、痛し痒しと言うところ。
 色んな人に読んで欲しいと思える、悠久を感じさせる良い作品でした。

131:ネヴァーモア/川谷パルテノン

謎の有袋類:
 黙秘を書いてくれた川谷パルテノンさんの二作目です。
 設定をキチンと読み込めていなかったらすみません。人間の真似をするメイドロイドであり修理屋のアンヌの物語。
 かなり設定が立て込んでいたり、同じ名前の人物が出てくるので上限マックスまで使ってしまった方がよかったかもしれないです。それか三万次くらいゆったりと使って話を回した方が良い舞台かもしれません。
 サイバーパンクSFで、サイバネティクス技術が出てきたり、バウンサーのヒューもめちゃくちゃに良いキャラでよかったです。
 アンヌがかつての名で呼ばれて動揺することや、メイドロイドではない方のディートリヒの性格もよかったです。最初の言葉である「君には花の香りがわからないだろう」はディートリヒ(メイドロイドではない方)の言葉なのかな? かっこよくて良いキャラなのでもっと見たかったなと思いました。
 作風の広さが武器でもある川谷パルテノンさん、これからも色々な作品を書いて欲しいです。

謎の果実猫:
 あるメイドロイドの話。
 アンヌがレノアと呼ばれて心が揺れ動くシーン、とてもよかったです! メイドロイドではない方のディートリヒが何者だったのか…死んだと思っていたがサイバネ技術によって生きながらえていたということなんでしょうか? メイドロイドの方のディートリヒは安心感があって好きです!
 バウンサー業についての説明がちょっと目が滑る感じがあって辛かったです。改行などを使ってもうちょっと見やすくしてみると親切かもしれません。
 かつてのアンヌ、レノアだった頃のお話も少し読んでみたかったです。
 キャラクターたちが一人一人みんな魅力的なのでもっと読みたかったです! ヒューとアンヌの思い出も感動的でした。
 とてもおもしろかったです!

謎の女子高生:
 かつてメイドロイドだった主人公がサイバネティクスの技師兼ジャンク屋を営む話。店の馴染みが「ネヴァーモア」と呼ばれる賞金首に殺され、それを討つために主人公が戦いに赴き、過去と対峙する物語。大変読み応えのあるサイバーパンク小説でした。機械オイルや鉄の匂いを感じさせる作品で、全編通して読み応えがあり、面白かったです。
 メイドロイドの名前をディートリヒにしているところが、何の裏があるのだろうとちょっと気になるところでした。世界観も魅力的だったので、この設定で色々読んでみたいような気もします。
 総じて、大変面白く読ませていただきました。主人公とメイドロイのディートリヒのやりとりなんかも好きでした。

132:光を求めて/Enju

謎の有袋類:
前回は「ディオルテンの奇跡と家族の宝」で参加してくれたEnjuさんです。参加ありがとうございます。
 シャム博士とバットくんの二人とエマというAIのお話。
 猫の獣人っぽいシャム博士と、コウモリの獣人であるバットくんのコンビがめちゃくちゃよかったです。エマもかなり人間味のあるAIですごく好きでした。
 古代のスーパーテクノロジーは超ロマン!
 超発光デバイスと暗黒物質の説明がかなり尺を取ってた気がするので、もう少し短いと後半の見せ場がもっと字数を割けて派手に出来るのかもしれないと思いました。
 でも暗黒物質の説明もかっこいいので、ここら辺のバランスが難しいですよね。
 エマとシャム博士の言い合いも、バットくんとの軽口も微笑ましくてとてもよかったです。
 温かみのある児童文学のようなやわらかな表現と、二人が協力して困難を乗り越えるのがとても素敵な作品でした。
 コンスタントに小説を書いていきましょう……!

謎の果実猫:
 獣人たちの発掘調査の話。
 欠人(旧人類)と獣人(現行人類)の発想はとてもおもしろかったです。遺跡発掘ものと獣人の合せ技は新鮮に感じました! 欠人のテクノロジーが壮大で、エマージェンシープロトコルのどこか人間味のあるキャラクター性もよかったです! コウモリ獣人のバット君と猫獣人のシャム博士も良いコンビでした!
 暗黒物質の説明がちょっと長くて辛かったので、もっと簡潔にわかりやすく噛み砕いてしまってもよかったかもしれません。
 児童文学のようなおもしろさがあってハラハラドキドキもあり爽快感もあって大変よかったです! バット君とシャム博士とエマ君の軽口や掛け合いが楽しかったです。初めは軽く対立している者同士が種族の壁を超えて協力して物事を解決するところがいいですね! とてもおもしろかったです!

謎の女子高生:
 動物の因子をもったヒトが栄えている世界で地下遺跡を発掘する博士と助手の話。地下遺跡にはかつて「暗黒物質」を閉じ込めたエマージェンシープロトコルが眠っており、二人はプロトコルの呼び声に従い、再び暗黒物質を封印するという物語。凝った設定のSF小説で、かつてのヒトがいなくなり「欠人」と呼ばれていたり、動物の因子を持った現代の人類が動物の能力を会得していたりと、読んでいて色んな物語が想像できて良かったです。物語の解決と助手の能力などがきちんとハマり、設定を上手く使っているのも良いポイントでした。

133:団地の変態/梅緒連寸

謎の有袋類:
 前回はファミレスで忍者殺すとゴブリンズパーティで参加してくれた梅緒連寸さんです。参加ありがとうございます。
 おっさんの迫力がもの凄い作品でした。おっさんは怪異ではないのですが、下手したら怪異より怖い。ヒトコワホラーかな?
 ホラーって種明かしをどこまでするか難しいですよね。ソフビ人形の正体が結局わからなすぎたので、もう少しだけ書いてもいいかな? とも思うのですが、ホラーっぽいか良いよりもおっさんの迫力がすごすぎて怪異はそこまで怖くないので、何を怖くするか決めて書くとより照準が定まって、ホラーっぽいホラーになるのではないでしょうか。
 認識ハック系のホラーは怖いですし、不気味な様子の描写も雰囲気がたっぷりとあって良かったように思います。
 こういう全講評企画などで他の人の講評なども参考にして情報開示の塩梅も調整してどんどん強くなっていきましょう!

謎の果実猫:
 団地の話。
 おもしろ団地ホラーだ~~~!!!!! 変態を期待したらそういう変態じゃなかった…!!! 前半からずっと主人公と話をしていた少年が実は怪異で変態じみたおっさんが主人公を助けてくれて…近所のお助けキャラ的存在がこのおっさんなのはおもしろいですね。おっさんは怪異ではなかったけれども、一歩間違えたらヒトコワになりかねない紙一重のところにいますね! 
 怪異よりもおっさんの存在が勝ってしまっているので、それが意図したものならいいんですが、怪異を際立たせたかったのなら白い少年やソフビ人形をもう少し深堀りしてもよかったのかなと思います。
 おっさんと主人公の日常パートもよかったです。こうして日々を育んでいくのか~と思うと少しおもしろいですね。とてもおもしろかったです!!! 団地の薄気味悪さが出たホラーでした!!!

謎の女子高生:
 団地に住む少年と、白い友人と、人工の光を嫌うオッサンの話。少年は白い友人と懇意にしていたが実はそれは団地に住む怪異で、オッサンはその怪異を追っ払うことができ、オッサンと少年の交流が始まる…という物語。一応ホラー作品ではあるのですが、ホラーの枠を越えた読み味の作品であるように思いました。変なオッサンとの交流の様子が面白く、クセになる読み味です。ホラーとしても、作り物の光が悪い物を呼び寄せるという解釈が好きでした。
 そういった作品ですので、ホラーとして読むと少し面食らうところがあるのかなと思います。でもまあタイトルが「団地の変態」ですからね。こちらが身構える猶予はある。
 一風変わったホラーとして、大変面白く読ませていただきました。ツンデレのオッサンも良かったです。

134:外から開けやすくて中から開け難いものなーんだ?/味付きゾンビ

謎の有袋類:
 ぞんにきだーーー! 概要欄は見ないと言っていたのですが、日焼け岡田以蔵というどうしても目に入る単語を配置するテロを見ました。五億点です。
 あああーーーーギャンカス日焼け日焼け岡田以蔵標準語かわいいねかわいいね。これ、最後は捕まっちゃったのかな。可哀想な岡田(岡田ではない)テロですよ。
 追い込まれているときにやたらデートのことを考えるのもカス! バカとカスの愉快なお話でした。
 女受けのために伸ばした髪! こら! 僕が黒髪長髪イケメンでチャラくてカスが好きということを知っている人間の犯行です。冷静な判断を失わせるのはやめませんか? とてもよかったです。はーーーー。チャラくてカスが情けない姿なのが最高でした。ちゃんとした講評は他の人に任せます。ズルい!

謎の果実猫:
 トランクに閉じ込められる話。
 トランク~~~!!! ということでゾンビさんのお話だ~~~!!! 闇カジノで法外な借金を作ったバカ3人に追い詰められた主人公は自分の車のトランクに逃げ込んでそのまま出られなくなってしまいます。試行錯誤の末に闇カジノのヤクザに助けを求めますが、助けに来たのはなんと暴対の刑事さんでした。
 闇カジノのヤクザに助けを求めて、助けに来たのは刑事だったのつながりがよくわかりませんでした。どこでどうなってそうなったのかの種明かしをどこかでして欲しかったです。
 トランクに閉じ込められて絶体絶命の危機の中でもデートのことを考えている楽観的なところや、動画を見たらいいんだとなるところはおもしろかったです。日焼けしたヘラヘラしてる黒髪の男はいいですよね。
 読みやすくまとまっていて良い文章でした。追われている時・閉じ込められている時はハラハラ・ドキドキして、脱出できた時には爽快感もあるいいお話でした。

謎の女子高生:
 闇カジノを紹介した男たちに追われてトランクに逃げ込んだ青年の話。治安の悪い世界観で、好きな小説です。主人公、良い車に乗ってるからめちゃくちゃ儲けてんなと思いました。闇カジノの元締めヤクザっぽい人に助けを求めたら、マル暴の刑事が助けにくるのが面白かったです。これ元締めヤクザが呼んだ「下のやつ」ではなくて、借金トリオが匿名で呼んだりした感じですかね?
 物語の進行としては、少し細切れで分かりにくかったところがあるでしょうか。もう少し章立てをまとめて展開を繋げても良いかもしれません。
 主人公がしっかりちゃんとしたクズなところも、非常に好きなポイントでした。面白かったです。

135:闇の中の友人/アイアンたらばがに

謎の有袋類:
 前回は、古城に響く悲鳴で参加してくれたアイアンたらばがにさんです。参加ありがとうございます。
 今回は闇に魅入られた友人を救うために怪異を調査する人ががんばるお話でした。
 怪異の設定や、怪異に名付け、定義を当てはめて倒すという発想はかっこよくて大好きです。
 設定を勝手に決めて相手もそれを受け入れて解決てしまう部分はかなり力技かもしれない? もう少し何か世界の理屈を描くなにかがあると作中の出来事の説得力が増して、物語への没入感も高まると思います。
 白藤くんと巴さんの仲良しな感じがすごく好きでした。
 シリーズ物としても展開できそうな設定なのでこのまま中編や長編にしてもいいかもしれない。チャレンジして見るのはどうでしょうか?
 コンスタントに作品を書いてどんどん強くなっていって欲しいなと思います!

謎の果実猫:
 駅ビルにいる不思議な友人が怪異で罠を張って人を食べようとしていたというホラーな話ですね。雰囲気があるお話です。
 ふわふわしている部分が多いので主人公がどういう人間でどういう目的があって駅ビルに通っているかや友人・巴のことなど深堀りして書いたほうがよかったかもしれません。
 本当の友人・巴が偶然やって来て彼は超常現象の調査をしている職業の人間で主人公を追いかけてきて助けてくれました。親切すぎるくらい親切ですね! 職業病でしょうか? それとも友情でしょうか? 私は主人公を子供として読んでいましたが成人男性だったと最後に明かされてびっくりしました。そこらへんもミスリードさせられたのかそれとも意図していないものなのか気になります。ビルに巣食う虫の怪異(仮)が光に弱い設定はいかにもという感じでおもしろかったです。
 これからも楽しく創作をして力をつけていってください。

謎の女子高生:
 古いビルのドアの向こうの友人を訪ねる話。実はドアの向こうの友人は人を糸にして飲み込む怪異で、調査に訪れていた友人に助けられる、という物語。怪異解決もの。怪異の設定がとても面白く、怪異の正体は誰も知らないから、それをでまかせで暴くことで怪異を退けるという、解決方法も非常にユニークで良かったです。
 上記のような設定ですので、面白い反面、少し都合良く感じてしまうところがないこともないかな、と思います。前段階で何か退治方法に布石を打つような描写があると良いかも知れません。
 読後感も良く、同様の設定のまま様々な話に展開できそうなところも好きでした。

136:私の機械人形/武田修一

謎の有袋類:
 第三回ぶりの参加ですね。参加ありがとうございます! 
 機械人形を勇気を出して買った人のお話でした。
 機械人形のキレイな描写が好きです。これをキレイに見せたい! というフックは大切なのでとても良い……。
 おそらく、機械人形はそれなりの値段だと思うので、例えばお給料何ヶ月分だとか、機械人形が具体的にこの世界ではどう使われていて、どんなモデルが今はメジャーなのかなんてことを作中で書いてくれると世界観に奥行きと説得力が生まれて、作者である武田さんが書きたい機械人形が更に映えると思います。
 好きなもの、目立たせたいもの、メインにしたいものを目立たせるために色々なものを使ってみましょう!
 事故物件の霊も払えるキレイで完璧な機械人形と、事故物件の原因を無事に祓えてキレイな家に住むことが出来る主人公……これからも幸せに暮らして欲しいと思いました。
 まずは執筆の体力作りが大切! どんどん書いて執筆の体力を付けてたくさん作品を書いてくれたらうれしいなって思います。

謎の果実猫:
 機械人形と暮らす女性の話。
 頼もしすぎる美しい機械人形!!! 除霊もできちゃう機械人形!!! すごい!!!
 除霊シーンがあまりにもサラッと終わっていたので、もったいなかったです。文字数的に余裕があるので除霊シーンをガッツリ書いてもよかったかも? それからメインである機械人形の深堀りも。お話のメインですからもう少し具体的にメーカーやブランドを作ったりなどすると奥行きが出てよかったかもしれません。
 アサのキャラクターが頼もしすぎてとてもよかったです。ヨルの一大決心でアサを迎え入れて大正解でしたね。アサとヨルはこれからも幸せに暮らせますように!
 これからも好きなものをたくさん書いてどんどん力をつけてください。応援しています!

謎の女子高生:
 なるほど、百合作品。ありがとうございます。憧れの機械人形を手に入れて一緒に暮らし始めた女性の話。等身大ドールと一緒に暮らし始めたが、一人暮らしの部屋は手狭で引っ越しを考えていたところ、格安の一軒家を紹介される。しかしその一軒家は曰く付きの物件だったという物語。
 憧れのドールと暮らし始めた女性の心情がよく表れており、こちらも良い気分になる作品でした。こういうのは勢いが大事ですからね。オタクなのでよく分かります。ドールが幽霊を退治できるという設定も面白かったです。
 プロットの組み立てとしては、幽霊がいる→ドールが退治するという流れに至るまでが少し強引に感じました。例えばドール購入時にそういう仄めかしをするとか、説明書に抜け落ちた記述があるとかで、布石を打つのが良いと思います。
全体を通して、二人のこれからの幸せを感じさせる良い作品だったと思います。

137:べあうちふる/ムラサキハルカ

謎の有袋類:
 前回は楽園で参加してくれたムラサキハルカさんです。うんこ!うんこの話で7000字は正気の沙汰ではないです。これは必ずきっちり読まなければいけない闇の評議員へのテロのような作品。
 最後に答え合わせがあるのですが、美しいと思っている場合ではどう考えてもない。体と心の病院どっちにも行った方がいい主人公でしょう。
 話はずっとうんこを盛らした犯人が自分のしたことを誤魔化したくてずっと理屈を述べているので動きはないのですがうんこの話でここまで出来るのはとにかくすごい。様々な可能性を考えるけど、本当は脚立を使って乗せましたというパワープレイだったのオチがよかったです。でもうんこで7000字、長すぎるので3000字くらいでまとめてもよかったかもしれない。とにかくすごい。
 初っぱなからうんこの話とわかるのも親切でよかったです。
 派手に光るうんこではないですが、ファーストシャイニングうんこおめでとうございます。ぶりっと特大のうんこを捻り出してくださってありがとうございます。

謎の果実猫:
 うんこについての考察の話。
 セカンドうんこだ~!!! 第七回セカンドうんこですよこれは!!! しかし光るうんこはあなたが初めてです!!! おめでとうございます!!!
 うんこで7000文字台は筆が乗りに乗ったんでしょうね。楽しく書けましたか? よかったですね。
 想像の部分が長すぎてちょっと冗長に感じてしまうのでもう少し簡潔にまとめたらよかったかもしれません。筆が乗って楽しく書けたのだろうなとは思いますが…。
 主人公は自分の人糞を手づかみで脚立を使い扉の上に乗せるという奇行をやってのけたと後半に明らかになるわけですが、前半の長い考察も明らかに奇行なので現実逃避をしてないで、最悪人糞はそのままでいいので手を洗って帰路へつくなりしたらいいと思います。うんこを漏らしたくらいで人生は終わらないので強く生きてほしいですね。
 初めからうんこの話とわかるのが潔くてよかったです。
 読みやすくおもしろかったです! 

謎の女子高生:
 超高密度な脱糞に関する考察。男性用公衆便所に残されたあまりにも見事なうんこは、いかにしてこの便所に残されるに至ったのか、その謎を考える物語。そう、物語です。全てのうんこには物語がありますので。実際はうんこを漏らした主人公が現実逃避のために理屈をこね回してるというどんでん返しがあり、妙な納得感があります。うん、こうでないと。大変面白かったです。
 面白かったです? ちょっと混乱してます。面白いって言っていいのかなこれ。でも人がうんこを漏らす話が結局一番面白いですからね。やっぱり大変面白かったです。
 理屈っぽいのに妙な勢いを感じる、素晴らしいうんこ考察小説でした。ありがとうございます。

138:スポットライト/大塚

謎の有袋類:
 去年は演劇の話で参加してくれた大塚さん。今年は俳優さんと元監督のお話で参加してくれました。ありがとうございます。
 申さんのキャラクターがめちゃ良い。ヘラヘラして軽口をいうけど、実は情に厚かったり重い男、好き。
 墓が増えるということなのでホラーか? と怪しみながら実は申も幽霊とか? と怪しんでいたのですが、そうではなく、二人が色々な人と出会って支えられていたよというお話でした。
 墓参りをして終わるので、もう少し話に動きがあったり主人公達の何かが変わるとエンタメ短編! って感じで盛り上がると思います。大塚さんはそういうことも出来ると思うので期待をしています。
 十年前に映画監督をしていて、もう足を洗った主人公をもう一度華やかな世界に連れ戻したい申くんと、そのつもりはない主人公の切ない関係性の話でもありました。
 クソデカ感情はとても美味しい。
 大塚さんの武器は、人間関係やくそでか感情の取り扱いだと思っているので、その武器を活かしながら今後も色々なチャレンジをしていってほしいなと思います。

謎の果実猫:
 墓参りする男たちの話。
 複数の墓参りをしながら故人たちとの思い出を振り返って語りあったり、現在について語り合ったりする話。
 墓参りをするだけでも情緒があっていいのですが、なにかトラブルや事件など盛り上がりがあったほうがよかったかもしれません。
 申が軽薄そうに見えて実は芯を持っていて熱い男というのがよかったです。砥我さんは面倒見がいい人なんだろうなというのが見て取れてよかったです。
 故人たちとの思い出を振り返っていると魅力的なキャラクターたちだとわかります! 作者さんはキャラクター同士の人間関係を作るのがうまいですね! ラストの申と砥我さんの感情のやり取りもなんだか切なく、とてもよかったです!
 読みやすくまとまっていておもしろかったです。キャラクターたちの心情を描くのがとてもうまいと思いました。 

謎の女子高生:
 売れっ子俳優と映画監督が墓参りをする話。これまでお世話になった俳優や映画監督、俳優の母親の墓参りをするうちに二人の現在の状況や気持ちが詳らかになっていく物語。大変好きな作品です。元映画監督だったという主人公の砥我さんの視点で進む物語ですが、「砥我さん、もう映画撮らないですか」という台詞に、読んでるこちらもドキッとさせられました。繰り返しのシチュエーションから描写と情報を重ねていく構成も素晴らしかったと思います。映画をもう撮らないという主人公の答えに、少しだけ明るい未来を見たいような気持ちにさせられました。
 墓参りという、書き方によっては湿っぽくなりすぎるシチュエーションでありながら、どこかさらさらとした読み味だったのも好きなところでした。

139:デートを妨害しただけなのに/虎渓理紗

謎の有袋類:
 前回は絶対にシリアスになる世界で参加してくれた虎渓理紗さんです。参加ありがとうございます。
 双子入れ替わりもののちょっとコミカルなお話。暁斗くんとのやりとりがコミカルでおもしろく読めました。
 服がダサいという理由を服がダサいではないけれど仄めかす形で書くなどするともっと気持ちがいい伏線回収とどんでん返しになると思います。
 かなりヘヴィな家庭環境のようですが、愛する双子の片割れを置いてきたにしてはかなり軽いノリじゃない? と思っていたら、命を取り留めて本当によかった。そして顔もうり二つなのに学校でモテないっぽい明莉ちゃんに、暁斗くんが粘着してるのもめちゃくちゃによかったです。ファッションオタクで原石磨きオタクのイケメン、とても良いキャラクターだと思います。
 軽快なやりとりや、魅力的なキャラクターを作るセンスは抜群だと思います。これからも長所を活かしてガンガン書いて行きましょう!

謎の果実猫:
 双子のデートを妨害した話。
 服がダサいという話がちょっと唐突だったので前半にほのめかしや伏線などがあったら読後感がスッキリしたかな?と思いました。
 これはラブコメかな? 入学式、一目惚れで好きになった人はなんと自分の双子の片割れと付き合っちゃった! デートを妨害しなくちゃ! という話…と思いきや、気付いたら自分と好きになった人が幽霊になっていて…? 初め、死んでしまったのは光莉ちゃんのほうかと思っていたのですが、明莉ちゃんのほうだったんですね(仮死状態?だったようですが) 
 幽霊状態になっている二人が喫茶店に向かい合って座っているという状況はおもしろかったです。いつも話しかけてくる店長もこのときばかりは静かだというのも納得ですね。
 暁斗くんのキャラが濃いのもよかったです。光莉ちゃんは彼氏と別れてしまって残念でしたが明莉ちゃんと暁斗くんの命が助かってハッピーエンドですね!
 とてもおもしろかったです! 好きなものを書いて力をつけていきましょう!

謎の女子高生:
 双子の女子高生の入れ替わりラブコメ。片思い相手が双子の妹とデートしようとしたことを妨害した姉が、片思い相手と共にトラックにひかれて死んでしまう話。死を扱った作品でありますが、終始くらい雰囲気にはならず、明るく読めるコメディとして面白い作品でした。暁斗のファッションオタクさが最悪な一方、物語上ではなぜか憎めず、私は結構好きです。
 物語の帰結としては、少し文脈が無理矢理なところはあるでしょうか。しかしその分、勢いで乗り切っているところがこの作品の魅力にも繋がっていたと思います。
 気負わず読める双子入れ替わりラブコメ、大変面白い作品でした。ありがとうございます。

140:プラズマに走れ、声/祐里(猫部)

謎の有袋類:
 糾正の燐寸を書いてくれた祐里(猫部)さんの二作目です。
 二歳年下の妹と付き合っている開業医の息子を好きな主人公のお話でした。
 めちゃくちゃに可愛くてめちゃくちゃにキュンだったのですが、妹も松下くんのことを好きっぽいので「大丈夫?修羅場にならない?」と真っ先に思いましたが……二人はどうなったのでしょうか?
 妹は「お姉ちゃんとの方がお似合いなのに」みたいに言ってくれていたら気持ちよく読めたと思います。狙いがない場合なのですが、すっきり読むためにもノイズになる情報は少ない方がいいかも?
 小さな声で大好きと伝えて、雷の音に負けてしまう描写や、松下君の告白シーンなどキュンとしたり主人公を好きにさせる文章力はバッチリでした。
 梨花ちゃんみたいな女の子すごく好きです。松下君の方も、気を使って梨花ちゃんを名字呼びしていたけど名前で呼びたいんだろうなーって感じがすごくよかったです。
 ほっこりしたやりとりや、人の心の柔らかいところを描くのが得意なように見える作者さんなので、これからもそういう特技をたくさん伸ばして色々と頑張って欲しいです。

謎の果実猫:
 不思議ちゃんと妹の婚約者の話。
 妹の婚約者のことが好きな主人公のお話、婚約者も妹ではなく姉である主人公のことを気にかけてくれて…? 
 主人公と松下くんにとってはハッピーエンドだけど、妹ちゃんの気持ちを考えるとなんだか切ないですね…。別れてきてしまってこのあと大丈夫なのか心配になってしまいました。
 特にこだわりがないのであれば妹ちゃん側に主人公を応援する言葉や態度などがあればよかったかなと思います。
 落雷のシーンで「だ、い……、すき」の声を紛れ込ませるところ大好きです! とても可愛らしいです! ベンチのシーンで松下くんと手を重ねるところも好きです。とても胸キュンですね。可愛らしく胸があったかくなります。
 しっとりとして柔らかい文章で読み心地がとてもよかったです。これからも好きなものをどんどん書いて力をつけていってください。

謎の女子高生:
 妹の婚約者に恋をした少女と、その婚約者とが心を通わせる話。非常にかわいらしい略奪愛を描く作品だったと思います。光の解釈としては、プラズマの理論を以て「思い」が届かないか、という考えに至るという風に読みました。ここも詩情的で良かったです。
 妹の姿や気持ちがあまり見えないところは、少し世界が閉じた印象に読めました。作中の二人にとっては気持ちよく終わる話な反面、外が見えない分、余計な想像をしてしまうところはあるかも知れません。
 とは言え空気感や柔らかさが気持ちいい、小さくも固い恋の話として、とても良い読み味の作品でした。

141:シネマライト/衣純糖度

謎の有袋類:
 二度と開けないを書いてくれた衣純糖度さんの二作目です。人の人生を映画にして上映できる世界になったお話でした。
 モノローグがずっと続くので展開は動かないのですが、最後の主人公に秘密で撮られたシーンがめちゃくちゃに破壊力が強くてよかったです。大切な人に当てられた大切な本音の演出はすごく良いですね。
 最初から「技術が進んで個人の人生を映画化出来るようになった世界」のように開示すると何の話かわかりやすくてとっつきやすいのかもしれないなと思いました。
 他人が監修した人生と、そうではない本音……どちらも主人公にとっては大切なものになるのだろうなと思いました。
 主人公は自分が監修したから自分の部分を自制してる少なくしていたっぽいけど、本当はめちゃくちゃに支えになっていたのもよかった。
 じーんとする良いお話でした。

謎の果実猫:
 友達の映画を観る話。
 うわーーーー!!!! めちゃめちゃによかったーーー!!!! 泣いちゃった!!!! 
 映画を観る話なので展開がしばらくないため盛り上がりに欠けるかもしれません。初めからこれはある人の人生を映画にしたものですと教えてしまったほうがよかったかも?
 彼が古賀へ向けた最後のメッセージのところが最高に良くて涙腺が刺激されて泣いてしまいました。私はそういった感情に疎いので古賀から彼への友達以上の気持ちを読み取ることができなかったのですが、親切すぎるくらい親切だったのはそういうことだったのでしょうか。
 二人の感情のやり取りが素敵ないいお話でした。とってもよかったです!

謎の女子高生:
 AIで人の人生を映画化する事業を始めた男が、親友の映画を見る話。めちゃくちゃ良かったです。元々映画を見る友人として始まった二人の関係、家庭の事情から映画とは離れた友人と、映像に関する事業を始めた主人公などの対比、それでも関係を持ち続けた二人の友情が描かれる。設定、プロットの組み立て共に非常に良く、映画を通じた絆の描き方が非常に心を打つ作品でした。
「映画を見ている」という雰囲気が感じられる映画でしたので、わずかに取っつきづらさはあったかも知れませんが、読む内に引き込まれる組み立ててで、良い空気感が出ていたと思います。
 非常に素晴らしい作品で、切なく悲しい結末ですが、それでも光を感じる作品で、最後まで面白く読むことができました。ありがとうございます。

142:鳴かぬ蛍/津島沙霧

謎の有袋類:
 こむら川でははじめまして!津島沙霧さんの参加です。ありがとうございます。
 三人の中の恋愛! という感じでした。
 ヒカリはトモカが好きでよかったのかな? 物語の助走の途中で終わってしまった印象なので、もう少しトラブルがあって何かの答えを出すところまで書いた方が短編としては収まりが良いのかもしれないと思いました。
 ヒカリとトモカとハルヒ、三人のやりとりや、関係性はすごくよかったです。三人とも男性でよかったのでしょうか? 僕は三人とも男性のつもりで読みました。蛍は雄だけが光るというのもあって、色々なことを思わせる良い組み合わせだなと思います。
 めちゃくちゃ久し振りに小説を描いてくれたとのことで本当にうれしいです! まずは完結させただけで五億点!
 普段はお絵描きをしている津島沙霧さんが小説をまた描いてくれたのはすごくうれしいです!三人のイメージイラストとか見たいな……講評を見た後とかに描いてくれたら僕が個人的に喜びます。

謎の果実猫:
 友達と蛍祭りへ行く話。
 3人の会話が続くとちょっと誰が誰なのか分かりづらくなってしまうので語尾をつけたり地の文を間に挟んだりしましょう。ヒカルはトモカが好きなのかな? もっとバレバレなくらいはっきり書いてしまってもいいかも? 文字数に余裕があるのでトラブルや事件などを起こしてなにかのゴールまで到達するところまで書いてもよかったかも?
 昔からの友達3人組で2人が付き合ってしまうと気まずいですよね。その上ヒカルも2人のうちの誰かに恋心を持っているなんて甘酸っぱい展開です。ヒカルとトモカとハルヒの性別が描かれていないのが気になります。名前だけだとどちらとも取れます。私はヒカルとトモカが男の子でハルヒが女の子かなと思って読みました。
 可愛らしい雰囲気のお話でした。3人の関係性がとてもよかったです。

謎の女子高生:
 三人の幼馴染みの夏を描く青春小説。幼馴染みの二人が付き合い始め、二人との関係や距離感を思い悩む主人公の心情を描く作品。自分の気持ちを蛍に重ね合わせたり、ことあるごとに二人の仲を邪魔しないように行動するなど、主人公の心の有り様が優しく、どこか切ない気持ちにさせられました。青春小説の雰囲気がよく出た作品だったと思います。
 一夏の出来事を切り取った作品であるため、物語としても感情としても帰結がないところが、少し気になるところでしょうか。都々逸の引用などがありますので、それをフックにして頭と締めを組み立てるような構成にすると、作品パッケージの完成度がより高まるかも知れません。
 終始雰囲気の良い作品でした。主人公たち三人の性別を正確に読み取れないように書かれていると感じましたが、その点も好きなところでした。

143:超新星達のコントルダンス/黒井咲夜

謎の有袋類:
 前回は逆境は人を○○○○○で参加してくれた黒井咲夜さんです。
 F1レースのお話でした。
 茉莉花の日本語での祈りと、ディーのラブコールがめちゃくちゃによかったです!
 多分、日本のアニメが好きあたりで伏線があったと思うのですが、ディーくんが日本語をわかることをもう少し派手にアピールした方が茉莉花の祈りを聞き取れる部分のエモが気持ちよくなるのかなと思いました。
 社長との玉の輿はどうなったの? とかも気になるのですが、やっぱり良い男がラブコールを世界中に響かせてしまうエモの良さにかき消されてどうでもよくなりますね。魔女の引退を伸ばした超新星。いつか勝てるといいね。
 おもしろいお話でした! 基本的にはお絵描きをしている黒井咲夜さんが小説を描いてくれるのはうれしいので今後もたくさんお話を書いて欲しいなと思います。

謎の果実猫:
 近未来のF1レーサーたちの話。
 魅力的なキャラクターたちのとてもいいお話でした!!! 茉莉花がすごくかっこよかった!!! 最後のシーンのディーくんも茉莉花を抱き上げて熱いラブコールを投げていたのがとてもよかったです!!! ディーくん可愛いね。ディーくんが勝つまで茉莉花の引退は先延ばしになって、表彰台でのプロポーズが約束されているなんてハッピーエンドですね! 
 日本語での茉莉花の祈りをディーくんだけが聞き届けて、全世界に「最っ高だよマツリカ!我が愛しの魔女!」と返したシーンとてもよかったです! 最高に盛り上がりました!
 胸が熱くなる素敵なお話でした! 

謎の女子高生:
 EV時代のF1レースを描く作品。F1レース界に現れた超新星カゲツと、彼が敬愛する日本人の女性F1レーサー「テラス」との戦いが描かれる。手に汗握るレース小説、大変面白く読ませていただきました。詳しいわけではないのですが、モータースポーツを見るのが好きなので、こちらも非常に好きな作品でした。
 最初読み始めた時は「かなり難しいことをやろうとしてない!?」と思って読んでいたのですが、そんなものはもちろん杞憂で、レース場の雰囲気が伝わってくるようで、非常に素晴らしい作品だったと思います。カゲツとテラスの関係も良いですね。大好きです。
 非常に読み応えのあるモータースポーツ小説、最高でした。ありがとうございます。

144:あの日、あなたの光になった/鍔木小春

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。 
 体が光ってしまう奇病が流行している世界のお話でした。
 偶然だったのか何かそういう条件があるのかはわからないけれど、アイドルを精一杯応援したら光が消えてハッピーエンドという幸せな結末がよかったです。
 遮光スーツ的なものを着るとどのくらい光が抑えられて、着ないとどのくらい眩しいのかの差を具体的に書いてあると、作中の世界が更に想像しやすかったかもしれません。
 読者と作者では持っている情報量が違うので物語のコアとなる大切な情報は描きすぎかな? ってくらい書いてしまった方がちょうどよくなりがちだと思います。
 奇病の地味に大変なところや、苦労が細々と書いてある様子はすごくよかったです。小さなストレスが積み重なって辛くなってきたところに出会うアイドルや、心優しい同じアイドルのファン達、そしてありのままの自分でライブを楽しむ様子などの開放感は読んでいて楽しかったです。
 これからまだまだたくさん作品を書いてみて欲しいなと思いました。

謎の果実猫:
 発光症の女の子が地下アイドルを応援する話。
 作者と読者では情報量に差があるのでわかりやすさ一番にして説明しすぎなくらい説明していきましょう! 具体的に主人公のことを説明したり発光症について深堀りできたら物語に奥行きが出てよかったかも?
 とてもよかったです!!! 地下アイドルの推しの誕生日をお祝いするために自分を光らせて全身でお祝いする姿は胸熱でした!!! 偶然か必然かそのおかげで発光症が落ち着いて日常に戻ることができてハッピーエンドだったのが更によかったです。
 とてもおもしろかったです! これからも楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
「発光症」という奇病に悩まされる女性の話。自分自身が光ることで周りに気を遣い、どこか息苦しい生活を送る女性が、女性アイドルの追っかけを始めて前向きに過ごすようになり、いつの間にか発光症が治っている、というお話。光を追いかけることで、自分がその人を照らすことができたとしたら、という自身の心情の変化が、自身への救いになっているお話だと感じました。存在しない病気ですが、少し実際のエッセイみたいな読み味もあり、好きな雰囲気の作品でした。
 物語としては、「実際にあったろう出来事」を書いたようなリアリティがある反面、少し展開は弱かったような気はします。アイドルとの出会いなどをもう少しドラマチックにするなど、ちょっとだけ大げさにするなど、誇張していく手もあるかなと思いますが……この作品だったらこのままの方がいいですね。すみません。次回作の参考にしてみてください。
 最後まで優しい読み味で、感情豊かな作品だったと思います。とても面白く読ませていただきました。

145:一風変わった性癖持ち俺、突然現れた女神から異世界転移の打診を受けるも全力でこれを拒否/尾八原ジュージ

謎の有袋類:
 ジュージさんの光るうんこだ!光るうんこだ!
 あのキレイな月とドラゴンの話を捨ててまで出したかったゲーミングうんこだ!
 というわけで中盤以降でうんこを漏らすのが好きなジュージさんの二作目です。
 開幕殺人。スピーディーでいいですね。流れるようにカニバリストだと開陳していきさらに、食べたい肉にも好みがあることが明かされるのがめちゃくちゃにキレイな流れでした。
 痩せている大食漢を狙っていることや、それはそれとしてサービス精神旺盛に色々振る舞う姿、女神様の苦労、そして顔がイケメンなのに仲間にドン引きされる自慰方法……お前! お前自分のオナニー姿も嫌われおっさんたちに見せてあげたいものなのか! いいぞ! おっさんへの深いねじくれ曲がった愛情が良い!
 良いうんこでした。僕は最初に漏らすうんこがいいと思っていたのですが、中盤で漏らされたうんこ、うんこから蘇る女神という怒濤の展開はすごかったです。
 商業作家のシャイニングうんこ……めちゃくちゃによかったです。ナイスうんこ!

謎の果実猫:
 シャイニングうんこの話。
 シャイニングうんこですねこれは。プロの犯行ですよこれは…!!! これはひどい(褒め言葉)!!! 安心して読めました!!! 内容は安心できなかったけど!!! 
 出オチで女神が殺害され、なんでカレー作ってて鉈を持っているのかと思ったら食人が趣味か~じゃあしょうがないか~!ってなりました。隣の大食漢もいい味を出していますね。よく食べるいい子だ。いずれ自分も食べられるとは知らずに…。シャイニングうんこが出て慌てふためく大食漢の横で主人公が「流そ」という例のシーンは冷静で好きでした。そしてうんこから蘇る女神はめちゃめちゃ恐怖でした。主人公による嫌われおじさんへの深い愛情がよかったですね。異世界へ行ってもその強い気持ちは変わらず、戻ってきても変わらず。大食漢の運命やいかに…。
 とてもおもしろかったです!!! とにかく怒涛の勢いがありずっとそれが止まらないのがすごかったです。さすが商業作家!!! さすがジュージさんでした!!!

謎の女子高生:
 うわーーーー(絶句)!! 大好き! 最高でした。カレーを作っていたら転生の女神が現れて魔王を倒せ的な事を言ってきたからぶっ殺し、五十歳以上の孤独おじさんを殺して食う癖の男がその女神を隣人の孤独おじさん予備軍に食わせて、光るうんこになった女神の度重なる説得でやっぱり魔王を倒すことにする話。なに? 最高でしたね。想像を絶する性癖を一風変わった性癖としているタイトルも良すぎますね。めちゃくちゃ面白かったです。
 さすがに読む人を選ぶ作品でしょうか。描写的にはPG12くらいです。12歳に読ませたら歪みそうなので、大人になってから読んで欲しい作品です。ごはんたべながら自慰はちょっとお行儀が悪いですね。
 最初から最後までチョコたっぷりという趣で、非常に楽しく読ませていただきました。ありがとうございます。

146:ゲーミング・プラネタリウム/本庄 照

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 新任の女の人が、ゲーミングプラネタリウムを作りたいと言いだし、実行する話でした。
 父親を亡くした茅原さんの想いがプラネタリウムをゲーミングにする……! キャッチーなタイトルとは反対にしんみりした読み口になるのがおもしろかったです。
 主人公がかなり淡々としているのがめちゃくちゃに味なのですが、淡々としているので全体的に淡々としてしまうので喜怒哀楽も大きそうな茅原さんの視点だとハラハラ感が強まって短編としての動きも出たかも?
 ここら辺は好みなので、選択肢の一つとしてこっちの視点も良いかも程度のもので軽く受け取って貰えればな……と思います。
 何度も出される人は死んだら星になるという茅原さんの哲学や、星を平等に光らせたいという希望もわかりやすくてよかったなと思います。
 最終的にゲーミングプラネタリウムを実際に動かすところまで来た時に、主人公である北浦さんがちょっと涙ぐんだのもよかった。
 どこかにいるであろう、茅原さんと似た喪失感を持つ人をプラネタリウムで元気付けられたらいいなと思うラストでした。
 おもしろかったです! キャッチーなタイトルや単語のセンスが光る作者さんだと思いました。これからも長所を活かして色々な創作をしてくれたら良いなと思います。 

謎の果実猫:
 田舎の小さなプラネタリウムの話。
 ゲーミングプラネタリウム!!! 眩しい!!!
 淡々とした語り口の文章なのですが、茅原さん視点にしてしまったほうが臨場感が出ていっそよかったかも?
 父との思い出から星を平等に光らせることを思いついてそれを実行してしまうお話。「こんなに星が明るく輝いていたら、どんなに暗い話をしても明るくなってしまいそうだった。(略)眼が感光するかと思った。」というこの最後のシーン、とても好きです。昼のように眩しくなったプラネタリウム、企画は成功したのでしょうか? なんだか微笑ましいですね。 
 とてもおもしろかったです! これからも好きなものを詰め込んで楽しく創作をしていってください。 

謎の女子高生:
 プラネタリウムの管理担当職員の男性と、新しく担当として入ってきた女性の話。新担当者はプラネタリウムの夜空を七色に光らせ「ゲーミング・プラネタリウム」を作りたいと言い出して…という物語。ゲーミング・プラネタリウムということでかなりキャッチーな言葉になっていますが、その実七色というのは「ハーバード分類」の恒星の光のスペクトル七色ということなので、実際にいわゆるゲーミング的発光ではないというのが面白いところ。プラネタリウムの設定なども細かく描かれており、それをめぐる二人の話がとても良かったです。
 あらゆる星を平等に光らせたい、という幹を持った話の組み立てもとても面白かったです。大きな起伏のある物語ではありませんが、プロットの構成が良く、最後まで面白く読むことができました。ありがとうございます。

147:裏側ホテル/白河夜船

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 地元で有名な廃ホテルへみんなで肝試しに行ったら帰れなくなった話でした。
 自殺を繰り返し続ける自分と、それを見るしか無い自分、それ以外にすることはないという閉鎖空間怖くてよかったです。
 多分冒頭と最後で同じ内容を繰り返すかっこいいやつをやりたかったんだと思いますし、めちゃくちゃにキレイにキマっていたのですがキレイにキマっていた分ちょっと怖さ的には下がってしまったのかなと言う印象でした。
 怖さやハラハラ感を優先させたいのか、格好良さを優先させたいのか作者さんの目的にもよるのですが、前者を優先させたい場合はオチを冒頭に持ってこない方がいいのかも?
 徐々にいなくなっていく仲間、認識が狂っていたことに気が付いた時、ずっと出られない8階などなどホラーとして怖い部分もたくさんあっておもしろかったです。
 文章力や構成はめちゃくちゃに上手い作者さんだと思います。自分の作品を読んで読者にどんな気持ちになって欲しいのかを考えると更に強くなると思うので、講評を踏み台にしてもっともっと強くなっていって欲しいです。

謎の果実猫:
 友達と肝試しをする話。
 おもしろかったです! 友達の誰も名前が出てこないと思ったらわざとだったんですね。廃墟を探索する中で次々にいつのまにかいなくなる友達が怖かったです。
 始めと終わりが繋がる構成はうまくいくと気持ちがいいですね。ただ繰り返しを何度も見てしまうと冗長に感じてしまう可能性があるので簡潔にしたほうがよかったかもしれません。
 裏側ホテルの魔力か何かに取り憑かれてしまった主人公は死に際の行動を繰り返し続けているということでいいのでしょうか? ホラーなのでどこまで種明かしをするかは難しいところなのですが、このあたり詳しく読みたかったです。
 読みやすくおもしろかったです。これからも楽しく創作をしていってください!

謎の女子高生:
 肝試しに入った廃ホテルで、世界の裏側へ行ってしまった少年の話。複数の友人と入った廃ホテルで、次々と友人達が消えていき、最後の一人になってしまった少年はどうにかこのホテルから抜け出したいと「8階」よりも上の階へ向かうが、自らの死を観測するループに囚われて抜け出せなくなる…というホラー作品。上編の「何か」から逃げ惑う切迫感のある描写から、下編の「抜け出せない世界」の表現など終始恐ろしい読み心地の作品でした。
 なぜこうなってしまったのか、という説明は不要なので良いのですが、ループに入ったのは何がトリガーになったのだろうと、展開としては少しだけ気になるところではありました。
 少年の心情で物語が進んで行く、ジワジワと感情を触られるような怖さも魅力的です。大変面白かったです。

148:ゾンビ・イン・ヒートアイランド/笹 慎

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 地球がめちゃくちゃに暑くなってゾンビがはびこるお話でした。
 コミカルだったりしつつも結末はちょっと切ないお話で読んでいて面白かったです。
 説明がダダダダーっと続くターンがあるので勢い良くゾンビを駆除するシーンか朝陽くんと出会うシーンから始めて物語を動かしてから説明だと、こういう作品ですよ! というのが飲み込みやすいのかなと思いました。
 まさかの坊主の利用とそのせいでの事故のギャップがすごい。
 大変なお仕事を懸命にしている朝陽くんの人格者っぷりがめちゃくちゃによかったです。ゾンビの設定も個人的には好きでした。
 設定の面白さや登場人物の魅力が目立つ作品でした。
>私は、やっぱり、ゾンビが嫌い
 この締めもめちゃくちゃに綺麗。
 面白い作品をありがとうございました!これからも創作を続けて言ってくれるとうれしいです。

謎の果実猫:
 ゾンビのいる世界で暮らして結婚した話。
 トラブルの解決があまりにもサクッと解決されすぎていたので(それが味なのかもしれませんが)もう少し文字数を割いてもよかったかもしれません。
 シンプルな語り口と文章でとてもおもしろかったです。暗くなりがちなシーンもどこかコミカルでよかったですね。脳を白子に例えるシーン、好きです。
 世界観の設定やゾンビの設定がおもしろかったです。朝陽くんのキャラクター性がとても好きです。面倒見がよく優しくて親切でいい人だったんでしょうね。ラストは悲しく切ない終わりになってしまいましたがとてもいいお話でした。
「私は、ゾンビが嫌い。」から始まり、「私は、やっぱり、ゾンビが嫌い。」でしめくくられているところ、とてもキマっていていいですね。かっこいいです。

謎の女子高生:
 地球上がゾンビだらけになった世界で生きている人々の話。庭に入り込んだゾンビ駆除の保健所職員が実は主人公の元クラスメイトで、再会した二人はやがて結婚するが、しかし彼もまたゾンビになり亡くなってしまう、という物語。ゾンビがいる世界の設定や、ゾンビ駆除のための仕組みなど、とても面白かったです。コミカルでありつつもシビアな世界観で生きる人々の営みがよく表現されているところが、好きなところでした。
 朝陽くんがスパダリすぎて主人公がちょっとアレに見えてしまうのはご愛敬でしょうか。それでもその気持ちだけは本物だった、という終わり方は少し切なかったです。
 非常によく練られたアポカリプス日常もので、面白く読ませていただきました。ありがとうございます。

149:悟りを開くまで出られない部屋/こくまろ

謎の有袋類:
 深海の姫、光に焦がれてを書いてくれたこくまろさんの二作目。
 賢者タイムじゃねーか!
 ちんぽが光るBLです。
>こんな汚い星図は見たくなかった。
 ここで笑ってしまったw 酷すぎるw
 個人的になのですが、やはりこういうトンチキな小説は一行目の掴みから「トンチキですよ」と大々的に示した方が親切だと思うのでなるべく早めに光るちんぽを出した方がいいのかなと思いました。
 マジメっぽい掴みで出すちんぽもいいのですが、短編は初速が全てだと思っている流派なので、流派の違いかもしれない。あくまでも他流派の人が思ったこととして軽く覚えておいてくれるといいなと思います。
 もうトンチキな小説なので「どんな修行なんだよ」なんてツッコミはナンセンス。師匠と同じ修行をして性感帯がまばゆく光る主人公……師匠と二人で修行をするための場所に入ってからが酷くて好きです。ケツの真ん中が光っている師匠が受けであることは明白!
 悟りを開いた時点でもうそれ賢者タイムってやつなだけだろと笑ったのですが
>私達はくすくすと笑い合って、光を重ねた。
 じゃあないよw マジメに悟ろうとしろ! めちゃくちゃにいいラストでした。ちょっといい話風にしても誤魔化しきれないw
 こういうコミカルなものから、一作目のような作品まで作風が幅広いこくまろさん。やっぱり中長編チャレンジをしてしかるべき賞に応募してでっかく羽ばたきましょう! 君ならいける!

謎の果実猫:
 煩悩を出しきらないと出られない部屋の話。
 光るちんぽとセックスしないと出られない部屋の話!!! 
 最初から光るちんぽを出しましょう! 短編はスピードが大事! 潔くいきましょう!
 師匠と同じ修行をして自分もピカピカに光る恵心。部屋にこもる師匠を追って部屋へ。何をするのかと思ったら熱い修行でしたね! 私達は何を読まされているんですかね?!?  
「私達はくすくすと笑い合って、光を重ねた。」最後のシーンのここ、好きです。いい話のようなふりをしてもダメですよ!
 確かな技術と安定感とおもしろさのある文章でした。これからも長所を活かしておもしろい創作をどんどん書いていってください。とてもおもしろかったです!

謎の女子高生:
 悟りを開くまで出られない部屋で悟りを開けなかった坊主たちのラブ。正直めちゃくちゃ笑いました。カクヨム掲載ギリギリラインの修行描写が光る、素晴らしい作品をありがとうございます。悟りではないのよ。
 ちょっとめちゃくちゃ面白かったので講評が短くなってすみません。作者様が仏教関係者に怒られませんように!
 坊主達のラブを描く作品として、これ以上の過不足はないと思います。大好きでした。

150:久留島零寿の怪異事件ファイル/黒月水羽

謎の有袋類:
 アンステーブルを書いてくれた黒月水羽さんの二作目です。
 何かの作品のスピンオフだったりするのでしょうか? 双月くんがめちゃくちゃに良いキャラをしていましたね。僕は、不老の呪われた男が大好きなので。具体的にどういう見た目なのか知りたかった双月くん……個人的には黒髪短髪ちょっとつり目で赤眼だと嬉しいのですが。
 双月くんと新人くんのお話は面白かったです。長編の掴みの一話だと良いバランスかもしれないのですが、読み切りの短編として考えると少し展開がゆっくりで平坦な印象を受けるのでメリハリを付けるためにも後半の石の下りに字数を使うとグッと小説の内容が引き締まるのかなと思いました。
 双月くんの性格がとにかく良い! 何か重いものを抱えつつも基本的にノリは軽く、そして長生きをしているので諸説術のための嘘も得意。最高。
 これからも好きな作品をガンガン書いていってください!

謎の果実猫:
 光る石を調査する話。
 すごくよかったです!!! これシリーズものにならないかな? もしくはもうシリーズものになっていたりするんでしょうか? そうだったら是非読みたいですね!!! 
 二人の外見情報があまり出てこなかったのが気になりました。早めに外見情報を出してしまったほうが想像がしやすくて助かりますね。石のくだりも少し駆け足だったのでもう少し文字数を割いてもよかったかもしれません。
 双月くんと久留島くんのコンビがよかったですね。特に双月くんのキャラクターが好きでした。人間でなくなってしまったという双月くん、見た目は男子高校生で年齢はもっと年重で、影のある過去があって、怪異に対して対抗手段を持っているという設定とても美味しいです。
 とてもおもしろかったです!!! これからも好きなものをたくさん書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 怪異について調査する組織の二人が、ある地域の神社にある「光る石」についてを調べにいく話。ベテランの先輩と、特異体質の新米のバディもの。触るだけでご利益があるという石は噂になっていたが、どうやら地元の人々しか知らない事情があるらしく…という物語。短編として非常に豪華な設定の作品で、連続シリーズ物の一遍といった趣のお話でした。バディの描き方が非常に良く、キャラクター小説としてもオカルト小説としても魅力的な作品です。
 怪異の設定自体は怖かったのですが、バディものとしての解決プロットに軸足があったようなので、少し「ホラー」的な怖さは抑えめだったでしょうか。もっと読者をぐっと怖がらせても作品の魅力が上がりそうです。
 総じて1本の作品として完成度の高い、作品の広がりを感じさせる良い作品だったと思います。

151:耀濤錦/再生

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 耀濤錦という織物のお話でした。正確に読み取れていない部分があったらすみません。
 耀濤錦という織物は七色に輝いたり、光を反射しても扇形の波線は出ないものしか残っていないので、実在を疑われた様子などが描かれていました。
 確固たる信念的なものがあるのかもしれないのと、僕にこういった物語を読む消化酵素がないのでちょっと難しいのですが、もしマスに読まれたいという欲求がある場合は文体や作品の玄関をもう少しキャッチーにするなどの方法があります。
 今のままで好きなものを書いていくんだ! という場合は、このままで良いと思います。
 最後の虹色の蛇龍の様子などは幻想的でよかったです。
 好きなものをたくさん書いてこれからも創作を続けていきましょう!

謎の果実猫:
 耀濤錦という織物の話。
 こういった物語を読む知識がないものでよくわかりませんでした。読み取ることができた範囲での感想となります。
 耀濤錦という織物は、朝陽に光って七色に輝いたと伝えられている。窓にかけて光の波線の照る様を楽しまれ多くは仏閣に収められたという…。七色と呼ばれた織物が事実どう見えていたのかは定かではなく、伝承に語られた耀濤錦が実在していたかどうかはわからないのだそうです。
 申し訳ないのですが、まず文体が読みにくいです。こだわりがあるならこのままでもいいのですが、多くの人に読んでほしい場合は現代語や噛み砕いた言葉を使った方がいいかもしれません。
 最後のシーンの無角の蛇龍が飛んでいくところは幻想的な光景でよかったと思います。これからも好きなものをたくさん書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 七色に光る耀濤錦と呼ばれる架空の織物にまつわる物語。耀濤錦がどのように伝承され、どのように歴史から消えていったのか、緻密な歴史小説のような筆致で描かれた作品。難しい題材でしたが、非常に興味深く読ませていただきました。歴史書を紐解くような構成で、実在感を感じる説得力を感じます。
 一方、やはり学術的な読み物や歴史書を読み慣れた人でなければ、かなり尻込みしてしまう作風であるようにも感じました。この作品が目指すところは「実在っぽさ」だったと思うのですが、それは読み慣れた人へ向けたリアリティであるように思います。
 この作品に描かれた内容は非常に面白いと思いましたので、登場人物などを立てた長編の歴史ロマン小説にしても、面白く読めそうだと感じました。

152:忘れ去られる者達/筋肉痛

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 子供の無邪気な質問についつい真剣に考え込んでしまうお父さんのお話……。
 めちゃくちゃに考えた結果「いろんな人が自分のお仕事をちゃんとしているからなんだよ」という子供想いのパパさん……好き。
 そしてまた子供の無邪気な質問で締められるという構成が綺麗で微笑ましいお話でした。
 パパの考えなのはわかるのですがダダダダダーっとパパの持論展開のターンがあるのでそこで何か子供が答えを急かすみたいなことがあると緩急が少し付くとか、考えてるよっていうのが少しわかりやすくなるかもしれない?
 全体的にはパパの生真面目さが伝わってくる良い作品でした。説教臭くなりそうかな? と身構えていたのですが、そんなことはなく臭み抜きも上手ですごい。
 次の「ごはんは何でおいしいの?」にも真剣に色々考えるパパさんが想像出来る良いラストでした。
 かなり文章を書き慣れている印象です。カクヨムに置いてある作品は少ない方だと思うのですが、今後も楽しく創作をしてくれたらいいなと思います。
 こういう登場人物が考えを述べる系で説教臭くならないのはめちゃくちゃに強みだと思うので強みを活かしてどんどん作品を書いてくれるといいなと思います。

謎の果実猫:
 娘の何気ない質問に深く考え込む父親の話。
 この父親、真面目過ぎる…!!! 物事に真摯過ぎる…!!! 
 説明がダーッと続いて展開が少ないので合間に娘さんの言葉を差し込んでもよかったかもしれません。
 深く長く考え込んだ結果、娘さんにも分かる言葉で教えてあげる父親にやさしさを感じました。矢継ぎ早に「じゃあさ、ごはんは何でおいしいの?」と次の質問が来てしまい、父親は再び考え込むことに…。おもしろいですね。それから娘さんがとても可愛らしいです。
 とてもおもしろかったです! これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
「どうして、でんきはあかるいの?」
という娘からの問いに思いふける父親の思案を描く作品。電気という発明がいかにして生み出され、今その技術がどういった人々の手を経て綿々と広まり受け継がれているのかということを考えていくお話。タイトルと内容が秀逸で、非常に胸の熱くなる作品だったと思います。今ある電気を誰がどう作り、維持しているのか、つい忘れがちなことを見つめ直すことのできる良い作品でした。父親の「いろんな人が自分のお仕事をちゃんとしているから」という答えも好きです。
 小説と呼ぶには詩的な作品ではあるように思いますが、非常に映像的で、ドキュメンタリーを追っているような読み心地に感じました。
「光」をテーマにした作品のなかでも、最も真摯な回答の作品であるように思います。

153:音の魔眼と迷彩の光鱗龍/こむらさき

謎の有袋類:
 グレンラガンの亜種

謎の果実猫:
 魔法使いたちが巨大な龍と戦う話。
 些細なことなのですが主人公の名前が出てくるのが遅かったのが気になりました。主人公の一人称で物語が進むのでそこまで必要ではないとも言えるのですが、名前を呼び合うシーンなどあったらよかったかもしれません。
 うわーーー!!! めちゃめちゃによかったーーー!!! 
 ジュジちゃん可愛いね!!! 「お前が自分をどう評価するかは勝手だが、なんかとかなんてって言葉でてめーの可能性を勝手に決めつけるな。めんどくさい」フリソスさんめっちゃいい人!!! 魔眼の子の名前はリックでいいのかな? 自分に自信のないリックが最後には頑張って自分を奮い立たせて困難に打ち勝ったところ最高によかったです!!! 迷彩の光鱗龍の正体が小さなトカゲだったのも可愛い!
 最高にエンタメしてて最高におもしろかったです!!! 講評をつけながら2作目を書くってすごいな!?! 

謎の女子高生:
 主催・こむらさきさんの2作目の作品。音の魔眼を持つ研究者リックと、光鱗龍の実地調査の護衛についた二人の魔法使いとの冒険小説。少し卑屈さのあるリックだったが、二人と調査を続けるうちに、自分の殻を打ち破って冒険者の二人の役に立とうと奮起するというお話。キャラクターが非常に魅力的で、三人が立ち回るだけで非常に読み応えのある良いファンタジー小説でした。龍の設定や魔眼の使い方など、無駄のない作りも非常に良いポイントだと思います。
 ジュジさんのキャラクターが個人的に好みだったので、ちょっと影が薄いのが残念だったでしょうか。……ほーん、なるほど、関連作品で読める感じですねこれは。ありがとうございます。
 対ドラゴンのバトルも迫力があり、非常に面白いエンタメファンタジーでした。

154:カクテル・バディ/あきかん

謎の有袋類:
 一行目から作品にケンカを売られたので0点です(おっぱい強火教)
 誰が読むかわかっているので作品とは言えいきなり他人にケンカを売る作品を書くとムッとされやすいので社会をやっていきましょう。
 というのは置いておいて、あきかんさんの作品です。
 小さな胸のレイたんとの思い出話。ありますよね、なんか急にフッと何かが冷めるとき。そんな思い出をお酒のレシピと共に思い出すお話でした。 
 マジで謎の巨乳ディスがなければエモで良いお話なのではないでしょうか!
 思い出話になってしまうのですが、レイたんのキャラが良くて何をしでかすかわからないので話に動きもありますし、淡々とした主人公の語り口が退廃的で自堕落的で刹那的な日々とマッチしていて良いと思います。
 個人的な心情は置いておいて、最初からレイたんの話にズバッと入った方が多分スッキリと話に入りやすいようにも思います。
 かなりお話を書けるようになってきて、今回はめちゃくちゃにわかりやすい話なのですごくよかったです。
 着実に小説がうまくなってませんか? 素直にすごい。これからも色々書いてくれたらいいなと思います。

謎の果実猫:
 アルコールととある女性の話。
 誰が読むかわかっているのに喧嘩を売るようなことを書くのはやめましょうね。どうして冒頭からおっぱいのdisを…? 好きなものを語るためにそれ以外のものを貶す必要はありませんよ。
 最初からレイたんの話に入ってしまったほうが短編としてスピード感があってよかったかもしれません。本題に入るのは早いほうがいいですからね。
 お酒のことは全然詳しくないので雰囲気でそうなんだな~と読みました。淡々とした語り口の文章です。レイたんとの思い出をアルコールのレシピと共に思い出すのはなんだかよかったです。とにかく控えめなおっぱいが好きな主人公なんだなというのはわかりました。
 これからも好きなものを書いて力をつけていってください。

謎の女子高生:
 痩せ型の女性とカクテルが繋いだ、ただれた日々。これ冒頭大丈夫ですか?とだけ、まず心配しておきます。物語としては、レイたんという女性との思い出と共にカクテルのレシピを思い出していくという組み立て。最終的には、レイたんはステージという光の下に立てる女性で、自分はそうではないという感情からレイたんから離れてしまった…というお話だったと読みました。二人の日々の描き方や、主人公の淡々としながらも饒舌な語り口が魅力的です。
 饒舌な語り口が魅力な一方、少し語りすぎかも?と思うところもありました。もう少しさらっと流して緩急を入れても読みやすくなりそうです。
 描きたいことや主題のはっきりした作品で、非常に面白く読ませていただきました。

155:精霊王の宿罪/IS

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 転生もので、一つの属性以外を使えなくしてくださいというチートを求めた人のお話でした。 
 前世球、他の人が持つとどうなるんだろうとかなんのためのアイテムなのかはわかりにくいのですが、精霊王が主人公の罪を教えてあげるために用意したとかだったりしたらロマンがあるよねって思いながら読みました。
 デュエマの話からスタートするので、デュエマの話がわからない人を一気に振り落としちゃうかもしれない? 別にデュエマの話ではないので基本的には話を読んでも問題はないのですが、玄関にデカデカとデュエマって書いてあると、知らない人は撤退しやすいのでたくさんの人に読んで欲しい場合は玄関に「誰でもウェルカム」って感じの飾りを付けておくといいのかもしれません。 僕も昔ちょっとだけバイクが暴れている時代にデュエマをしていました。ロックとハンデスは悪。
 この主人公の悲劇は、前世の記憶がないままそれなりの地位についてしまい、善良に育ってしまったことなのでしょう。クソ野郎だったら別に心を痛めないですからね。
 読みやすい文章の悲劇的でおもしろいお話でした。まだまだカクヨムに置いてある作品は少ないのですが、どんどん創作してくれたらうれしいなと思います。

謎の果実猫:
 誰も光以外の呪文が唱えられない話。
 デュエマがわからない人には難しく感じてしまうかもしれませんが、その後の説明はわかりやすくてよかったです。
 前世を知らずに生きてきた団長がとにかく不憫過ぎる。
 現代で選択肢を選んだ側と異世界転生したあとの団長のお話。異世界転生というと大抵は既知で記憶を持ったままの転生が多いのですが、この場合は記憶を失って全くの無知の状態で転生して前世球で前世を知るまで自分が何者かを知らずに生きてきたということなのでしょう。珍しいですね! 思い出すのではなく全くの別人に近い状態ですね。本当に前世として描かれていますね。
 団長の自己犠牲で果たして世界は変わるのでしょうか? ラスト以降の世界が気になりますね。団長の来世は今度こそ幸せになってほしいですね。
 とてもおもしろかったです!

謎の女子高生:
 チート能力を貰って転生した主人公が転生先の世界で活躍するも、不意に転生時のことを思い出してしまうという物語。転生先の世界では「光」以外の魔法はなく、光の魔法が使える主人公が重用されているが、その光以外の魔法がない世界こそ、転生時の自分だったという物語。前世の自分を知らない、というのが転生ものでは珍しく感じましたが、それ故の絶望感というものが表現されており、良かったです。
 ただ上記の設定なので「前世球」が「誰がなんのために用意したのか、このために用意されたものなのか?」という都合の良さそうなアイテムに見えたので、これが何かのトリガーになっているんだという描写が欲しかったような気がします。
 転生ものとして一風変わった作品で、大変面白く読めました。ありがとうございます。

156:散り際に光る/中村ハル

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 ちょっとクズさがある主人公が、視えることを使ってお金を荒稼ぎするお話。
 読み違えていたら申し訳ないのですが、笹山くん、クズなのか? とギリギリまで思っていたけれど本当に主人公のためっぽくてよかったです。
 大志くんの能力的なもの、多分最初に会った鈴の音でなんとかするやつなのでしょうか? キーポイントっぽいので詳しく書いても良い気はします。
 読者と作者では情報量が圧倒的に違うので、重要な情報やあとで伏線にしたい要素はかなりはっきりと書いておくくらいでちょうど良い場合が多いように思います。
 何かの一話っぽい導入なので、このままシリーズ物として続けても良さそうな完成度でした。ここからの大志くんと笹山くんの活躍がすごく楽しみです。
 幽霊の描写や、光を放つ仏手的なものなどの描写が嫌で怖くてすごく良い作品だったと思います。
 これからも面白いホラーをたくさん書いて欲しいなと思いました。

謎の果実猫:
 除霊の真似事をする話。
 とてもいいホラーでした。視えるだけの主人公は除霊の真似事をして荒稼ぎをしていたが、ある日疑似餌をちらつかせるヤバいものを見てしまう。そこを助けてくれた謎の男…。 
 「君が片付けた案件の中に、自然消滅じゃないものが数件混じっていた」ということは主人公は何らかの能力を持っていたのでしょうか? 小道具で持っていた鈴が役に立っていたのか、それとも話を聞くことが良い作用をもたらしていたのでしょうか…? 
 作者と読者では情報量に差があるので伏線やほのめかし等は説明しすぎなくらい説明したほうが読後感がスッキリすると思います。
 豊かな表現力と描写がとても素敵でした。安定感のある文章でとてもおもしろかったです。楽しく読めました。幽霊の描写が気持ち悪くて光の描写は美しくて魅力的なお話でした! 

謎の女子高生:
 除霊のフリをしながらお金を稼ぐ男の話。本当はただ消えそうな幽霊が「視える」だけの青年が、消える瞬間を見届けることで除霊の嘘事をやっていたら、結果的に悪い怪異を招いてしまった話。体の良い稼ぎをしていたはずがいつの間にか自分の身を危険にさらしていたというホラー作品。設定の作り方などが面白く、これからの広がりを感じさせてくれる物語だったと思います。
 情報の開示については、少し分かりにくいところがあったように感じました。話の筋を読者に掴んで貰うための描写をもう少し増やすと良いかなと思いますが、節々の情景の描写は細かく、良かったと思います。
 この作品をきっかけにバディものなどにも展開できそうな、設定のしっかりした良いホラー作品でした

157:グルグルとアム/鍋島小骨

謎の有袋類:
 魂のシスター鍋島さんの二作目です。
 はーーーー。よかった。よかった。名前に意味が付与される物語最高です。ありがとうございます。
 突如現れた惑星食いに少しだけゴリラの波動を感じたのですが、アレはゴリラだったのでしょうか?
 次回はゴリラをもっと暴れさせましょう!
 最初に出てきた歌とか口上を最後に使うのも大好きーーー! それにグルグルの見た目も好み……鱗が薄ら生えているのとしましま褐色の美青年(決めつけ)いいですね……。
 二人の文化交流、緩やかな自殺、地球の滅亡、人類はくそ等などなど好き要素が山盛り入っているSFめっちゃよかったです。
 ウミウシくんたちが名前の由来を聞いてくれることもナイス! アムの死後の旅が幸せの多いものでありますように。よかったーーーー!

謎の果実猫:
 侵略者と宇宙旅行する話。
 宗教に疎くても雰囲気で読めました。よかったです。
 星喰いが金魚や熱帯魚っぽくて可愛かったです。地球を食べちゃうなんてすごいですね。大きくて可愛い! グルグルとアムの冒険はこれからも続いていくんだという余地があってすごくいいラストでした。二人の行く先がこれからも幸せでありますようにと願わずにはいられません! グルグルもアムもとても魅力的なキャラクターで読んでいて楽しかったです。
 「ひとりぼっちになったグルグルが異星人を拾った時に神話に倣って光って名付けたんじゃないかと思ったんだろうね。」のシーンはとても好きです。名前に意味をもたせるシーン最高です! 出会うべくして出会ったみたい…!
 とてもおもしろかったです!!! 確かな筆致と豊かな表現力に彩られた素敵なお話でした!!! さすが鍋島さん!!! 最高の物語をありがとうございました!!!

謎の女子高生:
 宇宙からの黒船来航。宇宙の宗教の伝道師が宇宙船に乗って地球へやってきたが、宇宙船はほとんど墜落して地球も伝道師も大変なことになるなか、たまたま助かった主人公と宇宙人が交流を深めていくという物語。宗教の伝道を題に取った壮大なSFロマン小説。他星の文化の描き方や、宗教的な類似点などを描き出す世界観が非常に好きでした。星喰いなどの巨大で手に負えない感じなど、宇宙規模に広がって行く展開も素晴らしかったです。
 物語や設定が緻密で、詰め込んでいるという印象は少々ありましたが、全て面白く読めたのは文章の読みやすさなどがあるのだと思います。この点も非常に良かったです。
 最後の名前の下りや、結末の運び方も大変良かったと思います。素晴らしい作品でした。

158:あなたの涙に嘘をつく/@ Deed

謎の有袋類:
 こむら川でははじめまして。コミックポルカで連載中の「僕は何人殺しましたか?」の原作担当のDeedさんが参加してくれました。ありがとうございます。
 めちゃくちゃに出来る姉と、そんな姉に劣等感のある妹のお話でした。
 姉に反発するように素行が悪くなっていく妹でしたが、姉の泣き顔を見てSNSを見るとそこには誹謗中傷のようなコメントがあり……そこで姉との約束を思い出すというお話でした。
 顔が腫れているのは多分、泣いて顔が浮腫んだということですよね。察しが悪いタイプの僕がギリギリ読み取れた情報なのですが、多分話のコアになる情報なので察しが悪いタイプでも拾いやすいように「泣いたから」的なわかりやすい一言を入れても良いのかもしれないなと思いました。
 最後の「だからお姉ちゃんは嫌いなんだ」は多分タイトルにもある通り「あなたの涙に嘘をつく」なので嘘だと思いたいのですが……そうだったらいいなと思いながら読みました。
 お姉ちゃんが最初は自分に自信がなかったこと、ずっと妹のことが大好きで妹のためにがんばっていたこと、お姉ちゃん約束守ったよ!の尊さなどすごくグッとくるお話でした。
 これが3000字台でまとまっているのがすごい……!
 読み取れているか自信がないところもありますが、じんわりとする良いお話でした。参加ありがとうございます!

謎の果実猫:
 何でもできる姉と比較されてきた妹のお話。
 何でもできる光の姉と比較されてきた素直じゃない妹のお話。
 妹の性格が共感されにくいかもしれません。共感してほしい場合はもう少し性格を丸くしたほうがいいかも? 嫌な女としてみてほしい場合はこのままでも大丈夫です。姉妹とも心情の描写が少しふわふわしているので説明しすぎなくらい説明してもいいと思います。
 素直じゃない妹の「だからお姉ちゃんは大嫌いなんだ」の言葉、とても好きですね。涙で視界が歪んでしまっているのもとても好きです。 自信のない姉が妹のために頑張っていたこと、今も妹との約束のために頑張っていることなどとてもよかったです。
 姉妹の感情のやり取りが素敵な、胸があったかくなるお話でした。

謎の女子高生:
 姉妹ものですね。ありがとうございます。大好きです。何をやらせても完璧で天才と呼んで差し支えない姉に劣等感を覚え、それを疎ましく思っていた妹が、オリンピックで負けてしまい涙を流す姉と、SNSへの書き込まれた心ない言葉を見て、姉への塞いでいた気持ちに気づくという話。シンプルな組み立てのお話ながら、姉妹の感情や関係の機微を緻密に描いており、非常に良い作品でした。良かったねお姉ちゃん……。
 この作品はこれ以上足し引きしない方が良いと感じます。一方、ちょっとお姉ちゃん側の話も読みてえよなあ…という読者の欲望を感じているところです。
 姉妹の関係を描いた良い作品でした。ありがとうございます。

159:星掘りの雪モグラ/五三六P・二四三・渡

謎の有袋類:
 第五回では個室DVD店の死神を書いてくれた五三六P・二四三・渡さんが参加してくれました。ありがとうございます。
 一話と三話に描かれている人たちが探していたものを、雪モグラは先輩に売ったということでいいのでしょうか? 時系列が読めていなくて間違っていたらすみません。
 人間に騙されていたはずの雪モグラが、実は本当に星を見つけてくれていたらいいなと思いました。隊長が、二話の視点人物だったのかな?
 読んでいる中で、先輩がなんで生き残っていたのかなどは読み取れませんでした。どこかで読み落としていたらすみません。
 全体像が掴みきれていないのですが、雪が色々なものを覆い尽くした世界で、人々がまだ生きていること、何年か毎に移住を繰り返している部分が寂しくもあり幻想的でよかったなと思います。
 幻想的だったり、文学的な作品をたくさん書いてくれている五三六P・二四三・渡さん、参加してくださってありがとうございました!

謎の果実猫:
 雪モグラと星の話。
 藤崎先輩と隊長は同一人物で、1話目と3話目の隊長の話は後の話だったのでしょうか? 
 藤崎先輩の死体を埋めた話はなんだったのでしょうか? お話が複雑でよくわかりませんでした。すみません。
 3話では雪モグラが星を見つけていたのでしょうか? あの空洞は雪モグラが星を見つけた痕跡だったのでしょうか? だったら夢があるなと思いました。雪に覆われた世界観や設定が幻想的ですね。
 これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。 

謎の女子高生:
 宇宙空間を埋め尽くす雪の中、新天地を求めて進んでゆく調査隊の話。ごめんなさい、ちょっと頑張って読んだのですが、うまくプロットを咀嚼できませんでした。並行世界や多元宇宙的なお話なんですかね? 1話と3話で世界A、2話は世界B、世界Bの先輩は何かしら多元宇宙や並行世界へコンタクトを取る方法があり、世界Aのモグラから星を買った。そのせいで調査隊は星を見つけることができなかった…というお話なのかなと思いました。全然違ってたらすみません。
 そういうことなので、非常に難解な作品であると感じます。幻想に寄せた作品かとも読めるのですが、読む限り「明確な答えがある」ような書かれ方をしていますので、こちらの読解力が試されているような作品でした。
 宇宙を埋め尽くす雪と、それを掘って進む雪モグラの話、ビジュアルは非常に幻想的で、映像の美しさを感じる作品でした。

160:"発光仮面"参上!!/真狩海斗

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 光るちんぽのヒーロー物でした。文体がかなり独特なのとネットミームらしきものが大量にあるのでネタが分かる人にはより楽しいのかもしれないと思いました。
 ライバルの登場も、ライバルと戦う時に光るちんぽの戦隊もので最後に全員集合! となるのはめちゃくちゃにアツいのですが、初めて作品を読むと誰が誰だかよくわからなくなりがちなのでもう中長編の中盤のラストくらいにこの展開が有ればアツいのかなと思いました。
 1万字の規模、かなり難しいのですが、多分発光仮面が最初の大きめの事件を解決するあたりがいいのかなと思います。
 全体的にハイテンションで光るちんぽがたくさん出てくるし、各属性も楽しいものなので面白かったです。動く犬の伏線もナイス回収!
 楽しく創作をしているのは伝わってきたので是非これからも楽しく好きなものを書いて行ってくれるとうれしいなと思います。

謎の果実猫:
光るちんぽのヒーローの話。
 光るちんぽで9998文字は頑張りましたね。筆が乗りに乗ったんでしょうね。そんなに頑張らなくていいんですよ。
 光るちんぽだけでそんなに長い文章を読むのは一般人にはきついということを覚えて帰りましょう。おもしろいですが、あれもこれもと手を出して散らかっているイメージがありました。短編向きではなかったのかもしれません。
 ルビ芸はおもしろかったです! 言葉選びもおもしろくスルスル読めました。ネタが分かる人にはもっとおもしろく読めるんじゃないでしょうか。 
 これからも好きなものをたくさん書いて楽しく創作をしていってください。おもしろかったです!

謎の女子高生:
 ちんぽ発光ヒーロー見参! ちんぽが発光することで特殊能力を発現できる世界で、光のヒーローと闇のヒーローが対峙する話。ちんぽが発光する激下ネタ作品ながら、最後の能力バトルは圧巻でした。やはりヒーローが集まり正義を成し遂げる姿は胸が熱くなりますね。
 ちょっとノリが熱くなりすぎ、表現は悪いインターネットが出ているところではあります。スラングやパロディに頼らずともこの作品の面白さは損なわれなさそうなので、もっと加減して下ネタモリモリにしても良さそうな気がします。
 総じてハイテンションな作品で、最後までノリ良く読むことの出来る作品でした。面白かったです。

161:緋星の君/月餠

謎の有袋類:
 前回はのけもの達の晩餐で参加してくれたもちうささんです。参加ありがとうございます。
 さいこーーーーーーーー! 人造兵器再生能力持ち青い血の黒髪長髪褐色イケメンはサイコーーーーーーー! しかも大切な人を殺している! いひひひ! とめちゃくちゃに悪い笑顔が出ました。
 そしてスピネルちゃんも可愛くていいですね&街中の様子や魔導機関車もめちゃくちゃにロマンがあって良い!
 お話的には初めての執刀! と小ぶりのエピソードだったのでもう少し大きなトラブルを乗り越えると短編小説っぽさが増すのかなと思いました。スピネルちゃんとヨダカさんのお話は結構のびのびと6万字くらい使って書いて欲しいなと思いました。ヨダカさんの最初のお仕事の様子を知りたい知りたい知りたい!
 昔は感情もあまりなさそうだったヨダカさんが、スピネルちゃんの隣で穏やかに笑っていたり胡散臭く笑っているはとても良いですね。兵器時代のヨダカさんの顔も見たいなと思いました。
 めちゃくちゃによかったです! お絵描きを普段している人が書く小説からしか得られないものがある……ありがとうございました! これからもたのしく創作をしていって欲しいです。

謎の果実猫:
 魔術医療師の話。
 ええ~~~!!! 続きが読みたい!!! 続きはどこですか??? シリーズ化などしてくれたらぜひ読みに行きたいと思います!
 めちゃめちゃによかったーーーー!!!! 魔造人間のヨダカさんと魔術医療師のローズさんのコンピめちゃめちゃに好きーーー!!! ツイートのイメージイラストもめちゃめちゃによかった…!!!
 ストーリー的にスルッと終わってしまった感があるのでもう少しトラブルや事件があってもよかったのかな?と思います。
 安心して読める安定感のある文章で、描写も素晴らしく豊かな表現力でとっても素敵なお話でした。ヨダカさんの暗い過去の話も悲しくて切なくてやるせなくてよかったです…!!! ヒスイさんも気になります。 うおおお王許せないぜー!!! 魅力的なキャラクターたちに奥行きのあるストーリーが最っ高でした!!!
 これからも好きなものをたくさん書いて楽しく創作をしていってください! 応援しています! 大好きです! 

謎の女子高生:
 魔術医療師女性とその助手の話。助手のヨダカはかつて王命で動く不死の魔造人間だったが、王が死んだことで封印されていた。しかし前向きで、救えるものは救いたいという思想を持った医者のローズに封印を解かれ、彼女を助けられるような人間でありたいと願う…という物語。キャラクターが魅力的な作品で、呼んでいて非常に楽しかったです。ローズが非常に好みのキャラクターでした。
 物語としては過去の回想が主題となっており、読んでいて面白くはあるのですが、物語の前提を開示されただけで終わってしまった印象です。もっと読んでみたい!というのが正直なところです。
 このまま連載にできそうな設定とキャラクターで、内容も面白く、非常に先の気になる作品でした。

162:砂に輝く君、繋がる希望/棚尾

謎の有袋類:
 前回はサイトウさんは肉食獣で参加してくれた棚尾さんです。参加ありがとうございます。
 タカシマくんがすごく好きでした。レイトウミカンちゃんって馬のことを呼んだり、お馬さんって馬たちのことを呼んでいるのがすごく良い。最後もラルキーちゃんが勝って良かったー!
 競馬のことはわからないのですが、とっても楽しく読めました。競馬がわかるともっと楽しいんだろうなとは思うのですが、それでも十分楽しいし、説明的すぎる部分が目立つわけでもなく、なにもわからないタカシマくんのキャラと、主人公であるトダさんの掛け合いがすごく上手かったのだなと思います。
 光というお題の回収だけ少し弱かったかなと思うのですが、それくらいしか何か言うことがないとても良い作品だったとも言えます。
 ラルキーちゃんの闘志に溢れた一面や、最後の大きい馬が体を当てにいったところなどのハラハラポイントがあったのもすごくよかったです。
 毎年、こむら川だけをカクヨムに投稿してくれている棚尾さん……毎年に一本か二本書く中でもおもしろい作品を繰りだしてくるのがすごい……。
 これからも創作を楽しんでくれたらうれしいです。

謎の果実猫:
 競馬にのめり込む話。
 テーマである光感はちょっと薄かったかなと思います。
 私は競馬に疎いのですが競馬がわからなくても楽しめました。競馬がわかるともっと楽しめたのかなと思います。
 タカシマとトダのやり取りがおもしろかったです。ギャンブルにのめり込んで生活費をほとんどすってしまうトダにあきれるタカシマの図がおもしろかったです。結果的にトダはマイナス1万円に収まってよかったですが、まだこりてない様子。ラルキーちゃんが可愛かったです。タカシマがレイトウミカンちゃんを推しているのもなんだか可愛かったです。
 おもしろかったです!

謎の女子高生:
 
競馬にめちゃくちゃのめり込んだ男が、ある日のレースで負け越しそうなところ、ファンの馬であるスンダルラルキー号に賭ける話。手に汗握る競馬小説でした。 私は競馬のことはあまり分かりませんが、競馬にはまる人の気持ちがよく分かる物語で、楽しく読むことができました。賭け事はほどほどに!
 競馬に特化した小説でありますので、完全に入り口で読む人を選ぶものかなとは思います。読めば競馬が分からなくても面白いんですけどね、その辺はジャンル小説の難しいところです。

競馬への愛が伝わってくる、良い作品だったと思います。

163:夏将軍討伐日記/ハルカ

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 夏将軍が見える不登校の男の子が主役のお話でした。
 夏将軍を撃退するために色々なことを試してみる男の子が微笑ましたかったです。SNSで冬将軍に呼び掛ける発想と、実際に来てなにもしないで撃退されてしまった冬将軍が可愛いなと思いました。
 タイトルは冬将軍討伐日記で、確かに冬将軍はある意味討伐されたのですが、間違いとかじゃないですか? と読んでいる途中で気になっていました。講評発表の頃には直ったりしているかな? それとも冬将軍討伐日記が正しいタイトルなのでしょうか。タイトルは作品内容とバッチリ合った方がわかりやすいので、もし誤字ならなるべく投稿前に確認する方が良いと思います。
 叔父さんと主人公の関わりも良く、最後は夏将軍に一抹の寂しさを覚えている主人公……学校にも再び通えそうでよかったというラストがよかったです。
 現実は十月くらいまで暑いとの噂なので現実の夏将軍にも弱って欲しいな……。
 おもしろい作品をありがとうございました!
 これからも創作を楽しんでください!ここまで書いて夏将軍に直っていたので講評はこのままですがエントリーのタイトルは修正しておきますね……!

謎の果実猫:
 夏将軍を倒そうと頑張る話。
 夏将軍を倒そうと様々な手を尽くして頑張った結果、対抗手段として呼び出した冬将軍が夏将軍によって討伐されてしまった話。夏将軍が見えたときはちょっとホラーな感じでハラハラしましたが、コミカルで可愛らしく楽しいお話でした。
 タイトルが冬将軍討伐日記になっているのはなんででしょうか? 夏将軍は自然消滅だったからかな? どちらかというと夏将軍を倒すために頑張ったお話のように思うのでタイトルが合っていないような気がしてしまいます。そこは作者さんのこだわりがあるのかもしれないので難しいところですね。
 主人公と叔父さんの関係性がよかったですね。夏将軍が見えていたり信じてもらえたり理解者なのもすごくよかったです。熱中症で倒れた先輩も回復して、不登校からも復帰できてハッピーエンドでよかったです! とてもおもしろかったです!

謎の女子高生:
 サッカー部の先輩が熱中症で倒れて搬送されたことをきっかけに、不登校になってしまった少年が、なぜか彼にだけ視える「夏将軍」を消そうと奔走する話。打ち水をしたりぶぶ漬けを出したりついには冬将軍まで現れたりと、様々な策を講じるもどうにもならず、結局秋を間近に普通に弱っており、しかしそれにとどめは刺せなかった、という終わり方は少しの無力感がありつつも、一夏を可視化したような物語で面白かったです。叔父さんの存在も主人公にとっての理解者としてあり、そのまま物語の救済になっていて好きでした。
 主人公が学校に復帰しなくては、と思い直すところは、一種の抗議的な不登校であるように読んでいたため、直接何かが解決したわけではなく、少しきっかけになる部分が掴みにくいような気がしました。
 総じて、一夏の少年の青春を描く良い物語だったと思います。清涼感のあるラストも好きなシーンでした。

164:月光にたゆたう/武田修一

謎の有袋類:
 私の機械人形を書いてくれた武田修一さんの二作目です。
 海で泳いでいる女性を見つけて仲良くなり、彼女になったけれど実は……というお話でした。
 ヤンデレや執着はとても良いものですね。月の光が海中に差し込むシーンも幻想的でとてもよかったです。
 作者と読者は情報量が違うので、あっと驚くどんでん返しをするのって作者が読者を騙そうと思えば簡単なのですが、気持ちの良い裏切り方じゃないと齟齬があってモヤモヤしたり、良い読書経験と遠くなってしまうことがあります。
 全てを隠すのではなく、主人公の旭ちゃんに対する執着や好きの感情を前半から仄めかしたり、気持ち悪いくらい地の文で発揮していた方が気持ちよくどんでん返しが出来るように思います。
 ヤンデレとタグにもあるのでガッツリ手加減無しで病ませて執着させちゃいましょう!
 眠剤を飲ませて二人で心中エンドもキレイな百合という感じで絵になって素敵ですね。
 せっかくの自主企画でお祭りですし、好きなものをかげんなく思いっきり書いちゃいましょう! これからも好きを山盛りにした作品をたくさん書いて欲しいです!

謎の果実猫:
 二人の女の子の話。
 可愛らしい百合の話かと思ったら狂気的な百合の話でした。
 前の話でも言ったかもしれないのですが、作者と読者では情報量に差があるのでわかりやすさを一番にして説明しすぎなくらい説明していきましょう。最初から夜乃の気持ちをほのめかしたり伏線として小出しにしていくと読後感がスッキリするかもしれません。
 ストーカーの夜乃と着衣水泳していた旭という不思議なカップルです。執着とこじれた愛着の話はいくらあってもいいですね。半年前から旭をストーキングしていて海で偶然を装って出会ったという夜乃。いいですね~! 最後は旭に睡眠薬を飲ませて一緒に海で無理心中エンドでした。 美しくきれいにまとめるのもいいのですが、せっかくなので容赦なく突き抜けていきましょう!
 これからも好きなものをたくさん詰め込んで楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 おっと百合小説ですね。ありがとうございます。海で出会った二人の少女が関係を深める話。夜乃が旭は偶然出会ったようだったが、実は夜乃は旭のことを以前から知っており、彼女に近づいたのは二人での心中を企てていたからだった——という組み立ての物語。心中百合小説ですね、こういうのは大好きです。
 夜乃の本当の感情が明らかになるまでの描写は、少し突飛な様子です。この組み立てだと冒頭の出会いなどに矛盾が生まれるため、書きながら展開していったように読めました。冒頭はいわゆる叙述トリック的な文章運びを意識すると良いかと思います。
 二人の少女のはかない恋愛を描く、詩情豊かな良い百合作品だったと思います。

165:とめ、はね、はらい、ーきみがすきー/瀬島蛍(せじま ほた)

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 見る目がないちょっと残念な男の人と一人の子供のお話でした。
 良い話でした。お爺ちゃんの字かと誤解をしていた主人公と、自分の字だとなかなか言わない光さんのすれ違いや交流が微笑ましくてとてもよかったです。
 なんとなく話し方や、冒頭でわかってしまうので、モノローグ形式よりもリアルタイム描写の方がハラハラ感や物語の動きなどは出たのかな? と思います。 
 多分結婚をしたか、同棲をしている主人公と光さんの仲も睦まじい感じがわずかな描写からわかってすごくよかったです。
 少年だったと思い込んでいたのがバレた後に、無礼千万と書かれていたのもすごく好きです。
 とても心温まるお話でした。誰かのために何かを作るというのはとてもいいものですね。
 カクヨムにはこの一作しかない作者さんなのですが、別の場所で色々書いている方なのでしょうか? 文章がとても読みやすくて素敵でした。
 これからカクヨムでもたくさんお話を書いてくれたらいいなと思います。

謎の果実猫:
 書道を介して友達になった話。
 序盤から光ちゃんが書いていることは薄々感づかれそうなので展開を出すのが難しいですね。
 民家の掲示板の文字に一目惚れした主人公。書道との出会い、少年との奇縁。見る目のない主人公と自分が書いていると言い出せない光ちゃんの微笑ましいお話。少年ではなかったとわかってからの「無礼千万」の文字が好きです。友達になれてよかったね。光ちゃんとは今も親交が続いているとわかるラストがよかったです。家に押しかけてご飯を食べるとはだいぶ仲が良さそうですね。
 「君の字を見てここで足を止め、それをきっかけにして君と話をする間柄になった。(略)僕は、君とこれっきりになりたくない。これからも君と仲良くしたい、どうか、どうか友達になってほしい」この言葉、とても好きです! こんな熱烈な言葉をかけられてみたいものです。
 とてもおもしろかったです!

謎の女子高生:
 掲示板に掲げられていた書に一目惚れした男性と、少年との交流を描いた作品。見る目がないと言われてしまうほど見る目がない主人公と、光くんとの会話が微笑ましい。少年少年と言っているが実は…というオチも、ベタながら作品を彩るエッセンスとして、また主人公のキャラの味付けとしてもうまく効いていたと思います。
「さすがに気づくだろ」と思わず言ってしまいそうな主人公の鈍さは、作品としての良さでもありつつ、少し現実味が薄いところだったかも知れません。物語としては正しい設定だったと思いますが、この辺のリアリティは難しい塩梅だったかと思います。
 作者の方のTwitterを読むとほとんど処女作とのことでしたが、文章が非常に読みやすく、物語も非常に分かりやすかったです。

166:輝け! シャイニングTimpoチャンバラ!~オリンピック編~/海野しぃる

謎の有袋類:
 愛した女を埋めに行くを書いてくれたしぃるくんの二作目です。
 短編はロケットスタートが命だと思っているのですが、この作品はロケットスタートだったのでしょうか?
 多分なのですがちんぽチャンバラというアイディアで1万字よりも、試合シーンを四千字で書いた方が勢いがあって良いのでは……。
 ねっちょりとした女師匠と少年の絡みを見せつけられるとして、キャラ造形をしっかり出してからがよかったな……。
 自信作とのことですが、商業作家は面白くて当然からスタート! 自己満足じゃなくてしっかりエンタメを決めてくれーーーーー!
 エースウォンバット~蒼穹の社畜戦士~の頃を思い出して欲しいよ。

謎の果実猫:
 光るちんぽで戦う話。
 光るちんぽで10000字はきつい!!! しぃるさん川何回目ですか??? 短編ではスピード感が命では??? 10000字も書くな!!! 半分にしなさい!!! 
 最初から熱い修行が行われていますが、まずはキャラクターの外見や名前を出しましょう。 修行内容がセクハラみたいでなんかこう…くすぐったいといいますか…。何を読まされているんでしょうね私達は…。サクッと試合シーンから始めて欲しかったというのが正直な気持ちです。
 一応性犯罪者の認識はあったんですね。よかったです。
 ちんぽチャンバラのアイデアはよかったと思います。かつての教え子に倒されるシーンも胸熱でした。その後悪霊としてちゃっかり生き延びて(?)いるのもおもしろかったです。作者さんが楽しく書いたことだけは伝わりました。
 これからも基本を忘れずに、好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 発光ちんぽ競技枠。ちんぽチャンバラの逸材を見いだした師匠から、少年が稽古をつけてもらう話。師匠がしっかり変態で好きでしたね。ダークサイド落ちも宜なるかな。いや元々ダークサイドだったんですかね。ちんぽのみぞ知るところ……。
 競技小説だと思っていたので、ほとんど全部寄り道だったのは意図したものだったのか勢い故だったのか、全体的に冗長ではと感じたところがあり、ちょっと判別しかねるところではありました。このタイプの物語はじっくり読ませるより、ぎゅっと圧縮して勢いで読ませた方が読者的にもスッキリ読めそうです。
 Timpoが実は叙述でちんぽではない別の何かなのか?と思いながら読んでいたのですが、どうやらしっかりちんぽっぽかったので安心しました。ちんぽを光らせていただきありがとうございます。

167:大輪の花/うた🪄︎︎◝✩

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 大切な誰かに捧げる愛や感謝の言葉という感じのお話でした。
 お話と言うよりは、手紙に近いような気持ちがします。
 小説的には、具体的にどんなことがあったのかや、どういうことがあって親友に何があったのか教えてくれると更に主人公の気持ちに共感や物語に集中出来る宇野かなと思いました。
 親友に対して理想を押し付けてしまった後悔、どれだけ好きなのかということや、親友のために長年頑張ってきたことなどを瑞々しい言葉で語りかけているとても温かい作品だと思います。
 カクヨムにはまだ10作しかない作者さんなので、これからどんどん物語を書いていくと思います。
 好きなものをもっともっとたくさん書いて強くなってくれるとうれしいです。

謎の果実猫:
 大切な人に贈る言葉の話。
 小説というよりは詩や手紙なのかなという印象です。すごく思春期という感じがしてよかったです。わかります! こういう時期ありますよね…! 私にもありましたし、皆さんにもありましたよね。
 小説として書くなら、具体的に何があったのか説明すると読者が想像しやすくわかりやすくていいのかなと思います。 
 大好きで、憧れていて、依存して盲目的に愛していて、相手を神格化して、相手の弱さや人間的なところを認められずにいたところ、そしてその後悔…頑張った気持ち、そしてまた季節は巡り…大切な人に大好きだと伝えたい。とっても共感できました。
 とても素敵なお話でした!
 これからも好きなものをたくさん書いて楽しく創作をしていってください!

謎の女子高生:
 私から「君」へのメッセージのような詩編的な短編小説。学校生活を通して「君」に救われたという内容を綴った作品だと読みました。ジャンルが現代ドラマの短編であるとされていますので、あくまで小説として講評させていただきます。表現としては情感をたっぷり乗せた文章で、主人公の「君」に伝えたいという気持ちや、その思い出を振り返る感情が十二分に伝わってくるものだったと思います。思いを書く、という点においてはしっかり表現されており良かったです。
 一方、エピソードの具体性がないことから、どうしても情感に訴えかける「詩作」的な面が強く出ており、小説として読むと面食らう内容になっているように感じます。この辺りは、「実際に何があったのか」など、読んだ人が想像できるような「ストーリー」を追加すると、より作中の人物の気持ちが伝わりやすくなるのではと思います。
 好きだった友人と離れ、居場所を失ってしまったという主人公の思いが切なく表現されており、その再会を見るエピローグは、暖かい気持ちになるもので、大変良かったです。

168:光の残響/大根初華

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 宇宙ステーションで働いていた男が地球で仕事をするように言われて、大切なものを置いてきてしまうお話でした。
 ハコとマルが可愛くて健気でめちゃくちゃよかったです! ずっとご主人を待ち続けているハコとマル……気遣いからハコを喋れなくしてしまったマル……学習をして賢くなってしまったからこそ気が付いて閉まった記憶があることについての苦痛。
 偶然とは言え最後にご主人様が回収してくれた結末がすごくよかったです。
 文章をまだ書き慣れていないのか、ところどころ引っかかる表現があったので朗読や読み上げソフトを使って推敲すると表現がグッと良くなると思うので試してみて欲しいです。
 感情表現の描写や、切なさを描くのがうまい作者さんだと思います。今は書けば書くほどぐんぐん伸びる期間だと思うので好きなものや好きなシチュエーションをたくさん書いてどんどん強くなってくれるとうれしいなと思います!

謎の果実猫:
 宇宙に置いていかれた二体のロボット、マルとハコの話。
 宇宙で働いていた男が急な呼び出しを受けて宇宙船に戻らずにそのまま地球に降下しろと命令されて、宇宙船に置き去りにしてしまった二体のロボット・マルとハコ。
 男が地球へ降りてから数十年経ったある日の作業中、宇宙デブリの仕分けをしていたらあの宇宙船が! 中にはマルとハコも! データを復元すると主人を待ち続けるマルとハコの健気な姿が…!
 マルとハコ、やりとりがとにかく可愛らしい! ご主人が帰ってくるのをひたむきに信じて待ち続けていたところや、マルがハコの知能の部品を抜いてしまうところや、マルが自分の知能の部品をおそらく抜いてしまうところはとても切なかったです。
 文章を書き慣れていないのか、少しわかりにくいところが何箇所かありましたが、とてもよかったです!!! 書けば書くほど伸びる時期だと思います。たくさん書いて書き慣れましょう! これからも好きなものをたくさん書いて楽しく創作をしていってください。応援しています!

謎の女子高生:
 ああ〜〜〜〜〜っっ(心が壊れる音)! すみません、ロボットが感情を持ってしまう話に本当に弱くて狂ってしまいました。ちょっと感情だけで書くので乱文で失礼します。まずマルとハコがかわいすぎますね。それをゴシュジンと言う従順な姿で既に1泣き、どんどん人工知能が賢くなっていく描写で2泣き、賢くなった二人が健気にご主人の帰りを待つところで10泣き、マルがハコの知能を取り出したところで発狂し、マルが自分の人工知能を取り外したところで全てが終わってしまいました。私はもう主人公です。二人とも本当にすまない、すまない……。
 ちょっと狂いすぎてしまって急に冷静になられても困ると思いますが、講評ですので気になった点も記させていただきます。文章表現や言葉選びについては、少し引っかかりを感じるところがありました。すでに文章としては読みやすく感じますが、文章のリズム感に合わせた言葉尻の選び方などを意識すると、さらなるクオリティアップに繋がりそうです。
 他は何も言うことはありません。本当に素晴らしい作品でした。1000泣き。

169:未来完了進行形/ひさと

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 はじめて小説を書いたとのことで! すごい! まずはちょっと高いハードルである3000字を書いて物語にピリオドを打ったことがすごい。
 お話は、不老不死的な方が主人公で合ってるのでしょうか? 昔捕まった人が比較的近代的な世界に放り出されるというようなお話でした。
 犯した罪は歌が好きだった大切な人を傷付けたり、様々な破壊を行ったことらしいということが断片的にわかり、昔と比べてとても暑くなった日本で歩き出すという最後でした。
 書きたいことはなんとなくわかるので、ここからさらに踏み込んで具体的に起きたことをリアルタイム描写していくと更に小説っぽくなります。
 でもまずは、作品を書いて完結させたことがなによりもすごい!
 色々と伝えたいことをガンガン文章に載せて、自分の物語をこれからも発表していって欲しいなと思います。良い創作ライフを送ってくれるとうれしいです。

謎の果実猫:
 幽閉されていた男が久々に外へ出る話。
 作者と読者では情報量に差があるのでわかりやすさ一番にして説明し過ぎなくらい説明していきましょう!
 長い間幽閉されていた男が半生を振り返ったりしながら夢か現かわからないふわふわした時間を過ごしていると、突然研究調査のための一時処置だと言われて釈放されることになる。外の世界へ出るとそこは現代の日本だった…? というお話。
 初めて小説を書いたんですか? 初めてでこれを? すごいですね~~~!!! 初めての小説でこんなに意味の通っているものはなかなか書けないですよ! 初めてのチャレンジおめでとうございます! うれしいですね!
 これからも好きなものを書いて次の創作をしていってくれたらと思います。ありがとうございました!

謎の女子高生:
 何らかの罪を背負って独居房のような暗い場所に閉じ込められていた主人公の罪の独白と陳述、そして何らかの「被験者」に選ばれ、外に出ることができた、というお話。非常に観念的な物語であると感じました。
 冒頭からの描写の限った文章運びは少しつかみ所がない印象ではありましたが、明かりの無い独房に長い間閉じ込められていた男の心情の機微をうまく表現できていたように思います。後半部分の描写がしっかりしていたので、おそらくそれらも意図したものだったのではと感じますので、前半ももう少しだけ読者に状況を開示すると、さらに伝わりやすくなるかと思います。
 初めて小説を書かれたとのことで、3000字はそれなりに大変だったのではないかと思います。非常に観念描写が良いと感じましたので、これからも頑張って創作を続けていただけると嬉しいです。

170:光子の泥沼で/事後和人

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 戦争をしていると思っていて殺していた敵は同族だったし、地球は敵だったというようなお話だと思います。読み取れていない部分があったらすみません。
 慣れない用語が多かったのですが、ルビが付いていたお陰で比較的スムーズに読めました。
 インプラントを通して対話が出来るミートゥーと主人公のやりとりが魅力的です。
 設定も作者の人に見えている映像も全部書きたいという熱意と情熱に溢れた作品! なんとなくですが、字数がかなりキツかったんじゃないでしょうか? 結末がかなり駆け足だった気がします。なんとなくですが三万字から五万字くらいでのびのび書くとよさそうなスケールのお話かなと思いました。
 結末は、地球から打たれたすごく強いレーザーに反撃するためにミートゥーの補助を借りて精密射撃を行ったで終わっているように思います。
 一話にあった「だがトリガーは、それだけは俺が引かなきゃならない。人間の俺が。」の伏線回収としてすごくキレイな終わりで、これがやりたいんだなと作者の方のやりたかったことが見えてよかったです。
 カクヨムには一作しかないのですが、文章を書き慣れている気配はするのでどこかで何かコンスタントに書いたりしているのでしょうか?
 カクヨムにも今後色々とお話を書いて欲しいなと思いました。

謎の果実猫:
 同族たちと戦わせられていた話。
 別種族と戦争をしていたはずが同族と戦わせられていたと判明する話。
 結末がちょっと駆け足のように感じました。文字数がきつかったのかな? 取捨選択をしてどうしてもやりたいシーンをメインに持ってくるとよかったかもしれません。
 バトル描写がとてもうまいですね~~~!!! インプラントを通してのミートゥーとのやり取りがおもしろかったです。相棒感があってよかったですね。なにか大きな陰謀のようなものがあってそれに踊らされていたのでしょうか。
 1話目の「だがトリガーは、それだけは俺が引かなきゃならない。人間の俺が。」という言葉が最後のシーンに効いてきてとてもよかったです。
 とてもおもしろかったです!!! これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 異種族戦争を描くSF小説。救難信号を受けて向かった謎の施設で、違う種族との宇宙戦争をしていたと思っていたら、どうやら同族との殺し合いをさせられていたらしいという真実が分かるという物語。設定の非常に豪勢なSFで、終始重厚な雰囲気や、戦闘描写の迫力がとても良かったです。
 この物語の規模だと、1万字は少し不足気味でしょうか。少し駆け足で納めた印象がありましたので、そもそもの物語を救難信号受信から始めても良かったような気がします。
 非常に読み応えがあり、結末までノンストップで読める素晴らしい作品でした。

171:神曰く「あ! 光わすれてた!!」/外清内ダク

謎の有袋類:
 意気込んでこむら川参加を表明してくれていたダクさんです。参加ありがとうございます。
 聖書に擬えた話なのですが、僕が聖書に疎いので拾いきれないところがあったらすみません。
 神様が世界を創造する6日間で、最初に光あれをいうはずがそれを忘れてしまっていたというお話。コミカルなやりとりが終始続いていて楽しく読むことが出来ました。
 光が無いということが物語のコアな部分だと思うのですが、マグマや炎があるのはどういうことなんだろう? となったので光がどんなものかもっと明確に定義をしてくれるとノイズが少なくて済んだのかなと思います。
 寓話的な感じで悪魔に唆され、人間は光を手に入れますが長らく光を知らなかったし、それに適応してしまった人間にはその良さがわからずに終わってしまい、世界の崩壊も始まっているというラストでした。
 神様が作る次の世界はきっと良い世界であるといいですね。
 コンパクトにまとまっていて、テンポも良いお話でした。
 これからも、ダクさん自信が納得いく作品をたくさん作っていけるといいなと思います。参加ありがとうございました!

謎の果実猫:
 光あれと言い忘れた神様の話。 
 聖書を元にしたお話のようですが、私は聖書に疎いので読み取れる範囲での感想となります。神は6日かけて森羅万象を作り、光あれと言ったはずだったのですが言い忘れていたことを7日目に思い出して…というお話なのかな? 
 単純に読みづらいので改行等を入れて読みやすくしましょう。炎やマグマも光では? となるので設定をある程度詰めてからやってみるとよかったと思います。
 悪魔にそそのかされた人間たちは神と天使に反乱し光を奪い取りますが、光のない世界に適応してしまっていた人間たちにはその良さがわからず、無理やり導入したため世界は端から順に滅び始めていて…。というラストもおもしろかったですね。
 どこかコミカルで可愛らしく描かれていてよかったです。
 これからも好きなものをたくさん書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 創世の神さまが「光あれ」を忘れてた話。良いですね、これはSF小説ですね。神が光を忘れていたら世界はどうなっていたのかをシミュレーションした小説として、大変面白く読ませていただきました。そういうのはファンタジーだしジャンルもファンタジーで指定しているだろというところではありますが、読み味がSF的ということですね。こういう作品は大好きです。初めから光を持たない者達は、光を得てもそれをありがたいとは感じない、という落ちも好きでした。
 文明の発達の仕方は、少し「光を持つもの」の視点が入っているなと感じるところがありました。もっと際々までシミュレーションしてもいいんですよと言いたいところですが、そうなると本当にSFなので、この作品の塩梅としては正解だったと思います。
 神話を再解釈するような筆致、分かりやすくもウィットに富んだ落とし方など、非常に面白い作品でした。

172:「やあ、少年」ってのが口癖の俺の先輩は昨日亡くなったらしい/床の下

謎の有袋類:
 はじめましてです!ニート先生がこむら川に来てくれました。
 田舎でちょっと変わった先輩が死んだお話でした。
 ちゃんと読み取れたのかはわからないのですが、主人公がこの先輩も含めてたくさん人を食べていますというオチでいいのでしょうか?
 先輩との様々な思い出が光の中にいるような日々だったということや、先輩が段々と疲れて行ってしまったことのちょっとした切なさの描写や、田舎の噂話が好きなことに対する嫌悪感の描写がよかったです。
 最後の血の繋がらない姉のくだりなどが良い引きだとも思うのですが、全体的にオチに対してのフックというか布石をたくさん置いてくれるとオチを開示したときの気持ちよさや「この読みで合っているのかな」という懸念を抱く人を減らせるのかなと思いました。
 分かる人にだけわかればいい! というスタイルならこのままでも特に問題はなさっそう。
 3000字台でカチッと意外性のあるオチと魅力的なキャラクターを出してくる手腕は流石だと思います。
 これからも小説をがんばって書いて欲しいなと思います! デビューしたら祖母面をさせてください。

謎の果実猫:
 亡くなった先輩の話。
 現在と回想を繰り返し亡くなった先輩と俺について思い出す話。
 作者と読者では情報量に差があるのでわかりやすさを一番にして、伏線やほのめかしは強調しておくと読後感がスッキリするかもしれません。
 顔見知りの葬儀屋や体のパーツが少ない棺桶や続いている肉料理など違和感が多い話でした。これはもしかして先輩のことを主人公は食べちゃったという話でいいのかな? 顔見知りの葬儀屋がまたかという顔をしたのはパーツが少ない状態の棺桶が運び込まれることが初めてではないからなのかな?
 この短さでよくまとまっていてすごいですね。キャラクターも魅力的でよかったです。おもしろかったです!
 これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 再会した文芸部の先輩が死んでしまう話。昔は文芸部で輝いていた先輩は社会に出て腐っており、そんな先輩と再会した主人公は二人で酒を飲んでいた…という桃語り。先輩の葬儀のシーン、文芸部での話、飲んでいる時の話が交互に繰り返され、よくよく読み込んで行くとラストの意味が分かってくる、という組み付けのホラー作品。要所要所で死や人肉食をほのめかすような描写が好きでした。
 オチは少し唐突感があった気がしますので、少しだけ主人公が一人で何かやってる描写を増やしたり、誰かとの会話で何かを思いふけるなど、そういった不穏なほのめかしを増やすのもありかなと思います。
 総じて、後味の気持ち悪い、良い読み心地のホラー作品だったと思います。

173:アンインストール/クニシマ

謎の有袋類:
 私はあなたが好き、あなたも私が好きを書いてくれたクニシマさんの二作目です。
 桐呼さんという謎の寸胴鍋を被る謎の男性を親しくなったような気がした主人公のお話でした。
 卒論に使う本をきっかけに仲良くなったものの、桐呼さんは米澤さんが帰ってくるとどこかへ消えてしまったというお話……。
 どこか切ないお話でよかったです。
 かなり色々想像の余地があるので純文学などが好きな人は更に楽しめるのだろうなと思いました。
 分からない人にも親切に書くのか、それとも同じ物が好きな人に向けて書くのかって難しいですよね。
 桐呼さんの光るサンダルを回収した主人公は、そのサンダルを履いて母親から言われたように歩いて光らせるのかな……などと考えながら読み終えました。
 これからも好きな作品をたくさん書いて楽しく創作をしてくれるとうれしいです。

謎の果実猫:
 不思議な隣人の話。
 えーーー!!! すごいよかったです!!! 寸胴鍋を被った不思議な隣人桐呼さんと主人公の出会いと別れのお話。
 読者に親切に説明するとこのお話の良さである不思議さが消えちゃうような気もするし塩梅が難しいところですね。
 キャラクターとしてインパクト大です!!! 寸胴鍋を被った男性という不思議なキャラクターなのに文字通り地に足をつけている実体感もあっておもしろかったです。いいなあ~! 米澤さんと名前を間違えられて切ない気持ちになったり、米澤さんが帰ってきた途端会うのが気まずくなって会わずにいたらいつの間にかいなくなってしまったりと不思議なお話でしたね。
 とてもおもしろかったです! これからは主人公は足を引きずらず桐呼さんのように踏みしめて歩くのかな? 想像の余地が気持ちいいですね。

謎の女子高生:
 寸胴鍋を被った謎の隣人と少し仲良くなる話。米澤さんという本来の隣人の部屋にいる謎の男性と少し仲良くなっていたと思っていたが、その男性は米澤さんにだけ心を開いていたらしく、結局いつの間にか米澤さんと共にいなくなってしまっていた…という話。全体にまとわりつく「自分は自分の思い通りに生きていない」というような心地と、もしかしたらそれを打破してくれるはずと期待した隣人への期待、それに勝手に裏切られた自分についての物語だと読みました。
 奇妙な隣人との邂逅というところで、自らが心を許していく様を「インストール」に見立て、それがいなくなる喪失感を「アンインストール」と表したのかな、という風に読みました。インストールもアンインストールも本来は勝手に行われることではなく、「自分で行わなくてはならない」能動的な行為であることから、主人公がその喪失感を「自分でそうしたのだ」と言い聞かせているような切なさを感じます。非常に素晴らしい作品でした。

174:パラレル泥酔/菊池ノボル

謎の有袋類:
 前回はCR FEVER生命を書いてくれた麻雀カス酒カスのノボルです!
 今回はパラレル酒カスの話。
>どんな世界でも俺は飲み続けてるし、俺だとすぐ分かる。
 じゃあないんだよwww
 めちゃくちゃおもしろかったです。光の回収が若干雑な気もするけど酒に酔ってるから仕方ねえよ! がはは!
 最後にチンポから金が出て夢じゃなかった的な感じだったらもっと好きだったかもしれない。
 最初のノボルが酒をどんなに飲んでも酔い潰れない能力の持ち主なのが、後半に判明する流れもおもしろかったです。
 次からは計画的に執筆しようね! でもマッサポさんよりも早く書けたので五億点です。
 話の構成の基礎とか、布石の仕込み方はめちゃくちゃにうまいし、リアリティラインの設定や思い切り方はめちゃくちゃにうまいので、マジメに話を書いても十分通じそう! いつかガッツリ腰を据えたフィクションを書いてくれるといいなと思います!

謎の果実猫:
 別次元の自分たちと酒を飲む話。
 光感がちょっと薄かったかなと思いました。
 わーーー!!! めちゃめちゃおもしろかったです!!! 
 ちんぽから金が出る能力笑いました! 大魔道士俺有能過ぎる~! どんな俺達も羨む「どれだけ飲んでも酔いつぶれない能力」の持ち主だった主人公! やったー! いっぱいお酒が飲めるぞー! 全部俺なのにキャラクターがみんなそれぞれに魅力的で素敵でした~~~!!!
 お酒を飲んでいるシーンが本当に美味しそうかつ楽しそうで、とても楽しく読めました。ファンタジーとしてもおもしろく、表現力も豊かでとても素敵なお話でした。
 これからも好きなものを詰め込んで楽しく創作を続けていってください! 応援しています!

謎の女子高生:
 酒を飲む俺と並行世界の酒を飲む俺の話。めちゃくちゃ面白かったです。最高でした。酒を飲む並行世界の俺たちはみんな何かしら秀でた能力があるが、自分にはないなと感じていた現実世界の俺は、どうやら「全く酒に潰れない」という能力を持っており、並行世界の俺たちは「それが一番の能力じゃねえか」と、現実世界の俺に収束していく話。タイトルがその通りすぎて素晴らしいです。とにかく勢いの良い作品で、楽しく読むことができました。
 物語としては本当に酒を飲む話に帰結するところが最高でありつつ、この勢いなら世界を救ったりできるんじゃねえか…?と少しもったいなさを感じるところでした。中編くらいにして飲酒で世界を救ってみても面白いかも知れません。
 こっちまで楽しく飲んでるような気持ちにさせられる、良いドランクファンタジー作品でした。

175:ベガとネオンとアルタイル/佐倉島こみかん

謎の有袋類:
 第五回の時はL'Ultima Cenaというレストランの話で参加してくれました佐倉島こみかんさんです。参加ありがとうございます。
 今回は一等星に例えられて告白した女の子と、その女の子を密かに好きな主人公のお話でした。
 ちょっとキザな告白をされて付き合ったのに、遠恋の末に振られてしまった琴音ちゃん。ベガがネオンに負けてしまった……。
 光の回収もキレイなのと、最序盤で人間の目とカメラの話をしてから「気持ちの昂ぶりが、虹彩を開かせているんだな」と後半で持ってくるのめちゃくちゃに気持ちが良いですね。
 とっても楽しく読むことが出来ました。良いお話で構成も良くて、お題もしっかり組み込まれている良いお話でよかったです。
 お話作りの基礎はばっちりなので賞レースも余裕で狙える水準。もし何か一つ言うことがあるとしたら、もう少し規模の大きい話を取り扱ってみると更に人の心を大きく動かせるのかな? とも思います。
 とはいっても今のままでも十分高水準なお話で、読みやすくて、面白いお話でした。
 チョコを作ってるところや、鷲田へのネガティブな気持ちを隠しながら琴音ちゃんを心配する様子もめちゃくちゃによかったです。
 これからも創作を楽しみながら続けてくれたらいいなと思います!

謎の果実猫:
 友達と友達を好きな子の話。
 主人公である嘉乃ちゃんは琴音ちゃんの強火勢、琴音ちゃんのことが好きな嘉乃ちゃんは琴音ちゃんのことをいつも心配しています。鷲田くんに「僕のベガになってください」気障な告白をされて付き合い出した琴音ちゃん。遠距離恋愛しているうちに肝心の鷲田くんが他に好きな人ができたと琴音ちゃんは振られてしまう。「東京では、一等星もほとんど見えないんだって。街の光が、明るすぎるから」「同じ距離だったら、一等星の方が街の灯りよりずっと明るいのに」なんてまた気障なセリフで…。
 鷲田くんの言葉選びがおもしろかったです! 好きな人ができたから別れてほしいという時にこんなことを言えるのって相当…ですよね。琴音ちゃんが冷めてみたらあの告白をちょっとアレだなと感じていたことなどがわかって、当事者の琴音ちゃんでさえ冷めたらそうなんだなという納得がありました。
 嘉乃ちゃんは琴音ちゃんとこれからもいい友達を続けるのでしょう。楽しそうなラストでした。とても楽しく読めました~! 

謎の女子高生:
 へえ、百合小説じゃん。本当にありがとうございます。幼馴染みが天文部の同級生と付き合いだし、主人公は二人を応援するしか無かったが、二人は遠距離恋愛の末に破局して…というお話。いや良かったですね。気持ちを伝えることができない主人公の心情、それでもなお「幼馴染み」でありつづける二人の関係がとても好きです。主人公の気持ちがめちゃくちゃ重いのが最高でした。やっぱり幼馴染みなんですよね。
 物語としては気持ちよく納まる反面、百合作品としては少しベタなシチュエーションに納め過ぎている気もします。もう少し何か冒険がある展開でも面白くなりそうです。
 総じて非常に良い百合小説でした。本当にありがとうございます。最高でした。

176:「人魚とプール、楽しい」と放流 新宿の中3女子4人を書類送検/しのびかに黒髪の子の泣く音きこゆる

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 めちゃくちゃに怖くてキレイでおもしろかったーーー!
 光の中でしか生きられない人魚、ツギハギという言葉の面白さ、よかったです。
 めちゃくちゃにおもしろかったー! 実際にあったニュースを組み合わせて書いているのもすごくうまい組み合わせでした。
 新宿という場面設定も、人魚を作る女の人もめちゃくちゃによかったです。
 ボクという一人称の女、好きなのですがそこだけ多分文章だと混乱するのでもう少し地の文で補強してもよかったのかもしれないなと思いました。
 でもそんなことは些末なこと! ギミックも含めてすごくおもしろかったです。
 徐々に明かされる謎も、人魚だと思っていたけれど彼女たちは金魚になりたかったことも、筆者が最後、人魚を作ったこともよかったです。
 暗闇の中、バックライトのみで講評を書いてるのでバチバチッと演出もキマっていました。
 おもしろかったー! 良質なホラーをありがとうございます。
 これからも好きな作品をたくさん書いてくれるとうれしいです。

謎の果実猫:
 人魚と金魚の話。
 最後のシーン、鳥肌が立ちました。とても楽しく読めました。怖くておもしろかったです!!! 人魚すくいのキャラクターがとても立ってますね~!!! 
 人魚すくいの一人称がボクで女性なところがちょっと混乱するので女性であることをもっと強調できていればと思いました。
 金魚が泳ぐプールを想像して涼やかできれいだな~と思う反面、掃除しても掃除しても出てくる金魚の鱗と髪の毛はめちゃくちゃ怖いなと思う要素でした。
 「少女が、少女達が無数の金魚となって空中に拡散していく。その金魚一匹一匹がキンキラに輝き、少女達の姿が透けて見えた。」このシーンもとても好きです! 映像として目に浮かぶようでした。とても美しい描写です!
 とてもよいホラーをありがとうございました!

謎の女子高生:
「人魚と一緒に泳げば楽しいと思った」という理由からプールに金魚を放流した少女達のニュース記事から始まるモキュメンタリー作品。様々な記事やインタビュー、SNSへの投稿や散文などをつぎはぎにちりばめた構成が面白い。最後、人魚を作るのではなく「金魚になろうとしていた」と判明するところはゾクゾクする読み心地で、とても怖く、良かったです。
 構成を追うのが少し大変な小説ではありましたが、それが読んでいてハマる瞬間がとても気持ちよく、素晴らしかったと思います。
 最後、読者を巻き込むような脈絡で終わるところも好きなところです。ホラー好きの人に是非読んで欲しい作品だと思います。

177:黎明の筋肉/ナナシマイ

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 光あれの代わりに筋肉あれというお話で……いいんでしょうか?
 とにかく作者さんが楽しく書いていることが伝わってくる作品でした。
 楽しく書いていることは伝わってきたのですが、もう少しだけ読んでいる人の次元に合わせてくれるといいかもしれない。
 思っているよりも作者さんが筋肉を何に代替して語っているかは伝わらない可能性があるので、丁寧に説明をしてくれると色々な想像がしやすくて助かるなと思いました。
 筋肉が哲学に派生したり、色々なものを生んだり元気付けている様子はとてもおもしろかったです。
 明るい文体と、とにかく高いテンションで繰り広げられる筋肉の世界はとても楽しそうでいいなと思います。
 楽しいことや、好きなことを書くのは才能の一つだと思うので、好きなものを好きなように書いてあることはめちゃくちゃにすごいと思います。
 これからも好きなことを楽しく書いていってください!

謎の果実猫:
 筋肉神話の話。
 「そう、筋肉太陽の登場です。」と堂々と当たり前のことみたいに断言する…! なにもわからなかった……。筋肉ってすごいね。
 作者さんが楽しく書いていることだけは伝わってきました。筆が乗ったのでしょうね。そういう時ってありますよね~。急に出てきたサボテンも筋肉っぽいから出てきたということでいいんでしょうか。
 筋肉が筋肉すぎてすべて筋肉に置き換わっているので何が何やらになっており、作者と読者では情報量に差があるのでわかりやすさ一番にして筋肉は控えめにしたほうがよかったかもしれません。でも筋肉が書きたかったんだもんね…仕方ないよね。
 勢いとパワーはありました! パワーーー! 勢いとパワーで書ききるのもとても大事です。完結させて出したらそれで満点ですからね!
 これからも好きなものを詰め込んで楽しく創作を続けていってください!

謎の女子高生:
 筋肉創世記。筋肉が世界を作り、どんどんその存在が概念化していく様が物語として面白い。一体何を読んでいるのかという混乱と、やっぱり筋肉なんだよなという納得。二つの気持ちがアンビバレントするような読み味の作品です。「筋肉には刺激が大事なのです。刺激があれば、もっと強くなれますから」のように、時々ジムのトレーナーが語りかけてくるような口調になるのが大好きでした。
 とにかく勢いで乗り切っている作品だ、という印象です。その勢いがこの作品のパワーでありつつ、筋肉だけに頼らずもう少し親切に何が起きているかを描写しても良いかもしれません。
 終始パワフルな作品で、非常に面白く読ませていただきました。宇宙と筋肉の収縮を重ねているところなど、もっとSF的に組み立てても面白そうな題材だと思います。

178:流れ星症候群/mafork(真安 一)

謎の有袋類:
『ひかり』に乗ってを書いてくれたmafork(真安 一)さんの二作目です。
 うわーー! めちゃくちゃにいい話でした。
 何かに打ち込んでいる人が光って見えるという症状を持つ先輩の話。
 手紙を読んでいる後輩は、どういう気持ちになったのでしょうか。余韻がとっても素敵なお話でした。
 技術についても別紙にまとめてくれているのがすごく優しい……。
 先輩が出会った保健室の先生もすごく良い人で、先輩にとってすごく救いになったのだろうなと思いました。
 これは野暮になるのかもしれないのですが、これで手紙を受け取った側がどう思ったのかも知りたい! ってなりました。
 自分が光っているか気にしていたけれど、いつの間にか光っているか気にならなくなったと言いながら、後輩は光っているのかもとか、光が見えるかもと元気付けてくれる先輩の人格がじんわり伝わってくるのもめちゃくちゃによかったです。
 素敵なお話をありがとうございました。

謎の果実猫:
 流れ星症候群についての話。
 先輩写真家からの手紙の中で流れ星症候群について語られる。なにかに強く打ち込んでいる人は体が光っているのが見える。それは死ぬ前に強く輝くこともありそのことで悩みもしたが、それだけでなくなにかに一生懸命打ち込むことで人は誰しも光るんだというお話。先輩は自分自身が光ることはなかったが人の光を追い続けているうちにそんなことはどうでもよくなったという。
 手紙を受け取った側の後輩の気持ちも欲を言えば知りたかったです。
 先輩が子供の頃に出会った保健室の先生のお陰で流れ星症候群について知ることができたと考えるととてもいい出会いでしたね。先輩から後輩へ技術的な助言やよい撮影場所や頼りになる人脈などをまとめた別紙が贈られたことからもわかるように先輩は本当に後輩思いの親切ないい人なんだなあと思いました。
 胸があたたかくなる素敵なお話でした。とてもおもしろかったです!

謎の女子高生:
「何かに打ち込んでいる人は光って見える」という症状「流れ星症候群」の写真家が、病床にて後輩に当てた手紙の体を取った物語。非常に良い作品でした。「人の輝きが見える」ということに自分がどう向き合ったのか、写真家としての半生が綴られるのは胸を打つところでした。
 手紙の体を取った作品なので、少し独白チックなところもあるでしょうか。前後に手紙を受けた人のモノローグを挟んで、他の人から見た先輩の人となりを表現するのもありだったかも知れません。
 死の際の人が最も強烈に光る、という設定も好きでした。この手紙を軸にして、アスリートの話などを絡めた話なども読んでみたいような気がしました。

179:あやかし/くろかわ

謎の有袋類:
 燃えなよ世界、と僕は謳うで前回は参加してくれたくろかわさんです。
 めちゃくちゃにかっこいいー! あやかしの正体はわからなかったのですが、めちゃくちゃにかっこよかったです。
 刀を出す下りがめちゃくちゃに好き。左手から刀をずずずって出すの描写が嫌いな人などいないのではないでしょうか(クソデカ主語)
 多分文体の相性なので、ここは好みの問題なのですがたまにセリフと地の文が混ざっているので一瞬だけ混乱はするかも? これは僕に消化酵素が足りないという問題なので慣れない人がいるんだな程度で流しても大丈夫です。
 なんらかの決まりがあり、そのルールに則って動くあやかしの黒い男、謎に包まれたまま終わるのがめちゃくちゃにツボでした。
 仇討ちが成功した主人公は、この先もあやかしに会うのか、どうなるのか……家族でなんとか暮らせていけたらいいなと思います。
 参加ありがとうございました! 新作が読めて嬉しいー!

謎の果実猫:
 仇討ちと助太刀の話。
 不思議な琵琶弾きと出会い、瓜をやり取りした縁で仇討ちに助太刀してもらうことになった話。
 欲を言えば琵琶弾きについてもっと知りたかったです。琵琶弾きの正体についての深堀りがあったら読みたかったなと思いました。
「ぞぶりと、左の手のひらに右手を突っ込む男。波打つように左腕から柄が、頭が、目打ちが、縁に鍔に、そして刃がずるりと引きずり出された」のシーンはかっこよかったですね~! 刀が黒いのもかっこいい! ハチャメチャに強いのもすごかった! 一刀両断! 
 琵琶弾きの正体は謎のままわからないまま終わるのですが、それも想像の余地があってよかったです。主人公たちがこれを機に幸せに暮らせるといいですね。 
 おもしろかったです!!!

謎の女子高生:
 元服もしていない侍の子が、仇討ちを行う話。殿様の前である侍の袴を踏んで転ばせたことから無礼打ちにされた武士の子が仇討ちを行おうとするが、その組み合いに、ある時であった琵琶の男が助太刀乱入して…という話。非常に面白い剣客時代劇でした。琵琶の男のキャラクターがとても好きです。時代劇としても、当時の死生観や倫理観が出ているようで、非常に読み応えもありました。
 少しですが、場面転換が分かりにくい点があった気がします。地の文と会話文の続き方によるものかなと思いますので、場面転換時は思い切って章立てを区切るなどしても問題はないかも知れません。
 全編通して非常に格好いい作品でした。侍の子と最後の門下生の下りなども大変好きなシーンです。

180:隣の天使/ももも

謎の有袋類:
 前回は勇者の従者と夢のカケラで参加してくれたもももさんです。
 羽根が生える病気があり、それが予防接種で防げたり、断翼でどうにかなる世界のお話でした。
 有名になりたいユイちゃんと、主人公が再会するまでのお話。
 主人公の夢の中で……という言葉がチラッと出てきただけなので、もう少し強い布石があれば「実は昔あったことがある」が分かったときに気持ちよかったかもしれません。
 羽根の細かい描写や、血管が通っていること、換羽などの話はもももさんらしさがあってめちゃくちゃに楽しく読めました。
 天使病、羽根の生え方にも個性があるっていうのもよかったなと思います。
 字数がかなりキツそうではあるのですが、良い再会と病気との向き合い方の物語で面白かったです。講評が終わったらのびのび字数制限無しで書き直してもいいんですよ? 書き直したら教えてね……。
 生き物の話とファンタジーを合体させて実在性を高くするのが得意なもももさん、これからも強みを活かして創作を続けていってください。

謎の果実猫:
 翼が生えて天使になる話。
 とてもおもしろかったです!!! ある日腰から白い翼が生えて天使病になってしまう話。
 主人公が以前ユイと出会っているということをもっと伏線やほのめかしとして強調できていたほうが読後感がスッキリすると思います。
 お飾りの翼ではなく生きた人間についた血の通った翼の描写には目を見張る物がありました。動物に詳しい作者さんらしい一面が出ていると思いました。緻密な描写が素晴らしかったです! 天使病がワクチンで抑えられるということや歴史が深いこと、以前は偏見があったことなど世界観に奥行きがあって大変よかったです。翼の生え方に個人差があるのもよかったですね。バリエーションがあって想像の余地がある…! 結末がちょっと駆け足のように感じたので、もしかしたら文字数がきつかったのかな?
 楽しく読めました。とても素敵な物語でした~! これからもどんどん創作をしていってください!

謎の女子高生:
 あらあら、ここにも百合小説が…。もももさんありがとうございます。こちら最高でございました。天使の羽が身体に生える病気「天使病」にまつわる少女たちの出会いの話。ビジュアルも登場人物達の描き方も非常に好きな作品でした。最後、ユイが過去に主人公と出会っていたと分かるシーンを読んだ後に、二人が出会うシーンを読むとなんとも趣深いですね。良いですよこれは……。
 一話と二話の字数差を見るに、少し最後は駆け足で終わらせた感じでしょうか。とは言え第一話だけでも素晴らしく、真に書きたいシーンは概ね書き終わっているようには感じます。
 非常によい百合小説でした。こういうのが本当に大好きです。ありがとうございます。

181:灯り持ちのアリー/五十貝ボタン

謎の有袋類:
 第1回ライトノベル短編アリーナを以前開催していた五十貝ボタンさん!参加ありがとうございます。
 ダンジョンのある世界で、灯り持ちという一番簡単な役割をずっとこなしているアリーという少女のお話。
 迷宮学者と共にダンジョンの謎を解いて真実を知るために二人でダンジョンに潜るのですが、アリーが灯り持ちをずっと続けられる理由が明かされる過程が面白かったです。
 最後がちょっと駆け足気味だったのでちゃんと理解出来ているのか不安なのですが、アリーこそがダンジョンの宝だったので傷付けられなかったが真でいいのでしょうか? 1万字規模だとかなりカツカツでRTA気味になってしまうので中長編でじっくり読みたかった気持ちも少しあります。
 消えずの角灯がミスリードだったのはすごく面白かったです。
 あと、個人的にスピンクスのデザインがとても良い。巨乳人外は最高。
 全ての階層を一度ずつ通って、ゴールにたどり着くというダンジョンの攻略もおもしろかったです。 
 アリーとロジーの関係性、最後のなぞなぞへの答え、そして冒険の様子など見せ場がたくさんある贅沢なファンタジーでした。
 ロジックの組立てやエモい展開の盛り込み方などめちゃくちゃに魅力的な武器があると思うので、今後もそれを活かして楽しく創作をしてくれたらいいなと思います。

謎の果実猫:
 灯持ちのアリーと迷宮学者のロジーと迷宮の話。
 とてもよかったです!!! ダンジョンもの!!! 灯持ちという冒険者見習いのをやっている少女アリーと、迷宮専門に調査している学者のロジーのお話。
 後半がちょっと駆け足に感じましたが文字数が足りなかったのかな? 取捨選択をして一番書きたいシーンを書きましょう!
 消えずの角灯が重要なアイテムになってくるんですが説明が簡潔ながら風情があってとてもよかったです。アリーが幸運である所以が明かされるところも大変よかったですし、スピンクスの登場も迫力がありました! ロジーの謎解きパートもさすが頭脳派という感じでかっこよかったです! アリー自身が迷宮の宝だったのですねー。途中出たスピンクスの娘説もちょっと面白かったですがその場合パパがすごいことになってしまいますね…。
 とてもおもしろかったです! キャラクターたちも魅力的で素敵なお話でした!

謎の女子高生:
 迷宮を研究する男・ロジーが、14歳になっても「灯り持ち」として食い扶持を稼ぐアリーと共に迷宮の謎に挑む話。存在しないと言われている迷宮の第十層を探し出した二人は、やがてアリーの出生の秘密に辿り着く…という迷宮探索冒険小説。世界観がしっかりしていながら、非常にコンパクトにまとめられた良い短編ファンタジーでした。スピンクスという怪物も良い感じのボス感があり好きでした。
 この規模の物語であればいくらでも肉付けできるように感じたので、色々削って生まれた小説なのかな?という印象はありました。もっと設定を深掘りして長編化しても面白そうです。

182:レイジ・オブ・ソード 第25話 空中闘技場の死闘… 決戦!虚光騎士イルミナ/@ mountainstorn

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 架空のお話の25話とのことなのですが、僕は特撮を嗜んでいないのでかなりわからないことが多かったです。
 読み取れていないことばかりだと思いますが、的外れなことを言っていたら済みません。
 多分、宿敵と戦う的な回で、今までの出会いの総決算的なものなのでしょう!
 知らない人たちのアツい戦いで知らない人の名前を呼ばれ、知らない人が助けに来る……特撮を知っている人にはお約束の山盛りで多分楽しいというのと、作者さんが楽しく書いているのだろうなと言うことはめちゃくちゃに伝わってきました!
 有効な武器がなくなったぜ! というときに出るステゴロの攻撃はロマンなのはとてもわかります。
 多分ここはアツい場面なのだろうなぁと思いました。
 とにかく楽しく書いているのはとても良いことですし、期間内に完結させたのもとても良いこと!
 ただわざわざ「賞の色とか完全無視です」と無礼なことを書くのはやめようね! 色は無視していいけど、それなりの時間を使って作品を読んで講評を書いているのは人間なので「無視です」みたいな言葉が目に入るとピキってしまうので……。
 創作をしつつ、自分の何気ない文章がどう受け取られるかも考えよう! お互いに思いやりを持って楽しく創作を出来ると良いですね。

謎の果実猫:
 光騎士イルミナと黒騎士ブルートの決戦の話。
 書きたいところだけ書くのは良いことです。賞の色は完全に無視というのは思っていてもいいけどわざわざ見えるところに書くことではないですね。社会をしましょう。
 作者と読者では情報量に差があるので説明しすぎなくらい説明してください。説明されずに次々に名前を出されても誰が誰なのかわからないまま話が進むので何もわかりません。
 最初から最後まで熱いバトル描写が続きます。合間に過去失った大切な人々の懐かしい姿が差し込まれますが概ねバトル描写ですね。展開が少ないのでちょっと飽きますね。宿敵との戦いなのかな? 読者は完全に置いてきぼりです。作者さんが楽しんで書いていることだけは伝わりました。
 これからも好きなものを好きなだけ書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 2クールアニメの最終話一話前のような雰囲気で描かれたファンタジー小説。虚光騎士イルミナと黒鍛騎士ブルートの死闘が描かれる。アクション、戦闘描写の非常に豪華な小説だったと思います。これで最後の戦いではないというのが恐ろしいところですね。
 おそらく書きたいシーンを書くための「25話」という設定だったと思いますが、物語のトロの部分を味わえる一方で、読者としては急に知らない物語を読むことになる、というのは結構大きなリスクだと感じます。重厚そうな物語であるように感じますが、この組み立てで必要なのは、25話を取り出した理由を読者が感じられる要素かなと思います。少し書き足せば単体でも成立する物語になっていますので、いっそ話数のギミックは無い方がいいかも知れません。
 作者の書きたい内容がよく伝わってくる、良いバトルアクションファンタジーだったと思います。

183:光あれ、と声の限りに。/遊月奈喩多

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 友達の彼氏を片っ端からNTRしていた話です。
 一話と三話が月花ちゃん視点で、二話が光莉ちゃん視点のお話でした。
 ヤンデレの友人が実は恋人を寝取っていたので恋人と長続きをしないというヤンデレ百合の王道展開のように思います。
 月花ちゃんの執着がめちゃくちゃに強くて、光莉ちゃんを溺愛している描写はいい感じに気持ち悪かったです。せっかくのWEB小説なので手加減無しでもっと突き抜けてしまっても良いかも! ガンガン過激なことをやらせてどれだけ月花ちゃんのことを光莉ちゃんが好きなのか読者に叩き付けていきましょう!
 王道展開という感じのお話ですごく面白かったです。月花ちゃんと光莉ちゃんの未来に幸あれ……。
 作品をたくさん書いている作者さんなので、これからも楽しい創作ライフを送って欲しいなと思います。

謎の果実猫:
 二人の女の子の話。
 かわいい光莉ちゃんと狂気的な月花ちゃんの話。光莉ちゃんを好きな月花ちゃんは尋常じゃないほどに光莉ちゃんのことが好き。光莉ちゃんには気取られない程度に抑えているし実際に会ったのは高校以来というから驚きなのですが人知れず光莉ちゃんに変な虫がつくのを排除している様子。1話と3話が月花ちゃん視点で2話が光莉ちゃん視点のお話でした。月花ちゃんの光莉ちゃんへの執着加減が尋常じゃなく狂気的なのでサスペンス感がありひりつく怖さがあります。
 せっかくなので突き抜けて容赦なく月花ちゃんから光莉ちゃんへの愛情を爆発させてしまってもよかったかもしれません。せっかくですしね。こういうのは勢いが大事!
 とても深い愛情のお話でした! おもしろかったです!
 これからも好きなものを好きなだけ詰め込んで楽しく創作をしていってください!

謎の女子高生:
 どうやらこちら百合小説。ありがとうございます。助かります。大人になって久しぶりに出会った親友と飲み明かす話。ただの再会を描く物語かと思いきや、再会した親友は主人公のために裏で様々な意図を引いていて…という物語。いわゆるクソデカ感情百合小説として読ませていただきました。光莉から月花へ向ける感情と、月花から光莉へ向ける感情の大きさの違いがとても良いですね。月花の暗躍振りがヒリヒリします。あと光莉サイドの物語でも、その一端が垣間見れる描写があるのも好きポイントです。久しぶりの生光莉に会って抑えきれなかったんやな…。
 もう少しクソデカ感情を爆発させても良かったかなと思うところですが、月花ちゃんの良い塩梅の過激さは、様々な人をこういうタイプの百合沼に引きずり込めるポテンシャルがあると感じる作品でもあると感じます。非常に良い作品でした。ありがとうございます。

184:クラスで人気のあの子のスマホがダークモードだった件/しいなず

謎の有袋類:
 キュンだーーーー!少なくともこれを読む画面からはブルーライトが出ているを書いてくれたしいなずさんの二作目です。
>夕飯代アプリで送金してもらって『自分で買って』ってしてもらえるから
 ここで「すごい! 現代の若者だから出来る描写……!」となってしまっ
た。最近は便利なことが増えていますね。
 瑞々しい感性で描かれた青春もの! もっと読みたかったーーーー! 付き合うか振られるかまで書いてくれたら更によかったのですが、もうめちゃくちゃにキュンでした。
 出会いから仲良くなるまですごくよかったです。ダークモードを使うという共通点からはじまった恋、いいですね。そういう些細なことで芽生えるんですよね恋って……。
 徐々に仲良くなっていく様子や、明子さんがちょっとした孤立感を感じているところ、お互いの家の事情のちがいを知っていくこと、自分を情けなく思っている夜久くんの葛藤と告白……全部めちゃくちゃによかったです。キュンがたくさん詰まった良い作品でした。
 これからもたくさん色々な話を書いていきましょう! かわいいお話をありがとうございました。 

謎の果実猫:
 クラスの人気者とちょっとしたきっかけで仲良くなる話。
 わーーーー!!! めちゃめちゃによかったーーー!!! 夜久くんよかったねえ!!! 明子ちゃん優しくて親切でいいこすぎる!!!
 欲を言えば付き合うか振られるかなど、どこか到達点があったらもっとよかったなと思いました。 
 ちょっとしたきっかけで出会って仲良くなるまでが描かれていて最高によかったです。胸があったかくなる物語でした。素敵な青春だ! 
 ラストも二人のこれからを感じさせるような想像の余地があってとてもよかったです。夜久くんと明子ちゃんの未来にいいことがありますように!
 とてもおもしろかったです! これからも好きなものを好きなだけ詰め込んで楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 クラスの女子のスマホがダークモードだったことで親近感を覚えたスクールカースト下位の男子が少し勇気を出した話。ダークモードにしててもいいやろ!と少し魂の叫びが出そうになりました。私もダークモード勢だからです。とは言え非常にフックの効いたタイトルで、おそらくこのタイトルだけで読もうと思う人はかなり多いだろうと思えるほど、効果的な題材であると思います。素晴らしいです。作品自体も、非常に読み味の爽やかな胸キュン青春小説だったと思います。かわいらしかったな〜〜〜。
 中長期連載ラブコメの初めの方、という組み立てだったように思うので、短編としてのしっかりした結末があると、より印象に残る話になりやすかったのではないかと思います。
 瑞々しい感性の作品で、非常に楽しく読むことができました。ありがとうございます。

185:魔道士と遡言者/景山八十八

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 魔導師グステルと少年ユリウスの出会いの物語と言った感じのお話でした。
 グステルがカッコいいのと、ユリウスくんが勇敢だったこと、遡言者が手加減無しに悪いやつなのがめちゃくちゃによかったですね。
 言った通りに現実を歪めてしまう能力がめちゃくちゃに悪くてよかったです。悪役は楽しそうに悪事をするやつが一番好き……。
 ユリウスくんの両親を殺し合わせる遡言者……趣味が良くていいなと思いました。
 話が解決するコア部分でもあるので、みずがめ様や神様がなんなのかもう少し知りたかったように思います。あと50000字とか1万字欲しいようなお話の規模感かも。
 全体を通してかなり設定も世界観も作り込んであるハイファンタジーでした。もしかして、スピンオフだったりするのでしょうか?
 そうじゃなければ、この話をプロトタイプにして中長編に組み直してもいいかもしれません。
 奥行きのある世界観に、かっこいい主人公、最低の悪役に健気な弟子ととても完成度の高いファンタジーをありがとうございました。

謎の果実猫:
 魔道士グステルと少年ユリウスの話。
 うわーーーー!!!! めちゃめちゃによかったです!!! 
 欲を言えば水源の村の神様についてもっと知りたかったです。どういう神様で具体的にどうなったおかげで助かったのかがよくわからなかったので…。
 重厚な世界観!!! 遡言者という言ったことを本当のことにしてそれまでのことをなかったことにしてしまう能力者が敵なのですがすごくかっこよかった!!! ダークファンタジーの世界だ!!! 魔道士グステルの剣捌きかっこいい!!! バトル描写も緻密で素晴らしかったです! ユリウスが曽祖父の代から受け継がれるメヂヤ騎士の銃でとどめを刺したのが胸熱展開でした…!!! 魔道士グステルと少年ユリウスの旅がこれから始まるのでしょうか。これは始まりの第一話なのかもしれませんね。
 とてもおもしろかったです!!! 素敵なファンタジーでした!!!

謎の女子高生:
 魔道士と遡言者の邂逅と戦いを描くファンタジー小説。異邦人である魔道士が少年から助けを請われ、過去を変える能力を持つ遡言者を討つ物語。非常に重厚なファンタジー作品でした。素晴らしい完成度だと思います。魔道士のキャラクターや遡言者の設定など、全てを余すところなく作品につぎ込んだ印象で、読んでいて非常に気持ちがよかったです。
 物語としては短編ですが、長編としても広げられるポテンシャルがあったように思います。非常に格好いい作品で、続きを読んでみたいと思わされました。

186:埋まらぬ牙/黒本聖南

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 吸血鬼! 人間を愛玩動物のように思ってる吸血鬼!
 シトリンさんめちゃくちゃに悪いやつで大好きーーー! うわーーーー!
 めちゃくちゃによかったですね。倫理観が人間と違う妖艶で美人で残酷な吸血鬼。
 めちゃくちゃにいい……わざと名前を間違えて反応を楽しむところもすごく良いですし、これだけ興味を持ってるし、殺されてあげてもいいなって思ってるのにマズいからという一点だけで血は飲まない。最高。めちゃくちゃに良い。
 最高過ぎてダメです! めちゃくちゃに良い。語彙が死んでしまいます。タイトルの埋まらない牙というのもすごいよかったです。きっとこれから先もアレクシスの血は飲んであげないのでしょう。
 吸血鬼の涙が赤い結晶で、魔法使いの一族を死守するためにそれを使い続けないといけないこともすごくよかったです。結晶の涙をこぼす人外は最高。
 素敵な物語をありがとうございました。めちゃくちゃに最高でした。

謎の果実猫:
 古い友人の吸血鬼の話。
 わーーー!!! めちゃめちゃによかったーーー!!! 美しい吸血鬼!!! 家に繋ぎ止めなければ家が終わるというところ最高でした!!! 
 父の友人であるシトリンは古くからの家の友人で吸血鬼でした。シトリンは血を飲む代わりに涙の結晶を渡す取引関係にあることを知ったアレクシス。父が死に、自分がその役目を受け継ぐことになりそこで初めて自分の血がまずくシトリンから求められないことを知ります。シトリンに対して愛憎の想いを向けるアレクシス。シトリンはそれをも楽しんで…というお話。シトリンの人間とは違った感性おいしいです! アレクシスの強い気持ちもおいしい…! フェリクスが可愛らしかったです。タイトルの埋まらぬ牙という言葉が最高です。これから先もないんだ、かわいそうなアレクシス!
 とても素敵で魅力的な吸血鬼のお話でした! 

謎の女子高生:
 吸血鬼に生かされる一族の少年の話。父とその友人の部屋での密事を覗くことになった少年が、大人になったときその友人が吸血鬼であると聞かされ、ついに自分もその密事の当事者になれると思ったが、しかし吸血鬼は彼の血を一向に飲むことは無かった、という話。非常に耽美で、良い吸血鬼ファンタジーでした。少年のこじらせた思いが綿々と溜まっていくような描写と、人をおもちゃのように扱う吸血鬼との関係が好きでした。
 一族の勃興ではなく、あくまでアレクシスの話として描いていたのが良いポイントでした。少し周辺の世界観も覗いて見たくなるような、素晴らしい作品だったと思います。

187:灼熱のパイクタウン/蛇ノ目魚ノ目

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 かっこいいSFディストピアもの。
 今年の暑さが原因なのか外がめちゃくちゃに灼熱になった世界が多いですね。こちらも地上が80度近くになってしまった世界のお話でした。
 味覚インストールめちゃくちゃに好きです。聴覚インストールもすごく良い。
 そしてディストピアにはつきもののレジスタンス的な存在! 全体を通してコーポと反コーポの対立がすごく良く描かれていました。
 妹ちゃんがやけに有能だな……と不穏に思っていたのですが、まさかのプログラムだったのもよかったです。一点何かあるとすれば、もう少し違和感の布石を置いておいてくれると判明した時に気持ちがよかったかなという点です。
 これは好みの話なのですがあっと驚く展開、読者を騙してやろうとかではなく、ばら撒いていた違和感を回収・解決して気持ちよくさせよう! の方が気持ちよい読書体験に繋がると思うので……。
 主人公と同世代の企業側の人間とのバトルや、澄んでいる場所の設定、ごちゃごちゃしてそうな場所の描写や地上へ出るまでの最後の描写などすごく良いところがたくさんありました。
 この作品をベースにして中長編も書けそうなので、講評が出てからリライトしても良いのではないでしょうか?
 これからも色々と創作をしてくれるのが楽しみな作者さんでした。

謎の果実猫:
 地上を目指して突き進む話。
 地上が80℃の灼熱になってしまい人々が地下に隠れ住むようになった世界で、太陽を求めて地上を目指して突き進むお話。
 妹ちゃんとの連携プレイがかっこよかったですねー! 味覚インストールいいなー! 妹ちゃんがプログラムだったのはびっくりでした。ディストピアものでした! 地上へ出るまでのモールの描写は素晴らしかったです!
 妹ちゃんの伏線やほのめかしは前半から小出しに強調して入れておいたほうが読後感はスッキリしたと思います。速い反射速度等違和感はありましたが、強調されたものは直前にしか入っていないように見えたので…。
 ラストはとても切なかったです。「妹が僕の手を引く。空想のはずの妹に引っ張られて僕はまた歩き出す。」こことても好きです! 
 とてもおもしろかったです!!! これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 灼熱で地上に人類が住めなくなった地球で、地下都市に住む兄妹が地上を目指す話。元はショッピングモールグループだったらしい組織が行政組織となり、それに刃向かうレジスタンスがいるなど、格好いい設定てんこ盛りの作品。非常に読んでいて楽しかったのです。
 脳アプリが「妹.exe」だったりパッチが「batファイル」だったり、人間をDOS/Vで動かすのはちょっと不安が残るなあと思うところでしたが、この辺は読み手には分かりやすい設定だったと思います。
総じて豪華な作品で、楽しく読ませていただきました。ありがとうございます。

188::淡い灯火/志村麦穂

謎の有袋類:
 ひかりのうたを書いてくれた志村麦穂さんの二作目です。
 真相がわかってから前半を読むと美夕ちゃんのセリフが「うおおお」となる。そんな作品でした。
 事故だと両親は思っているけれど、実は自殺だったお話でした。
 これが初盆とかなのでしょうか? 結構大切なことなのではっきりと書いてしまった方がよかったように思います。
 小夜が抱え続けていた怪しい点をどんどんいって美夕を追い詰めていくシーンが印象に残っています。
 少し感情に素直すぎるところがある美夕が部活での勝利よりも欲を優先し、負ける選択肢を選んだり、友人を辞めるか告白を受けるかの二択をするあたりのエグ味がよかったです。
 美夕ちゃんは数年もして彼女が出来たら死んだ子のことは忘れそうなのも良いなーと思いました。
 少し憂鬱な青春もののお話をありがとうございます。

謎の果実猫:
 友達に線香を手向けに行く話。
 どこかの地方のお盆の話なのでしょうか? 重要なところなので確定的に書いてしまってもよかったかもしれません。
 三人組の一人の同級生が亡くなって友達二人で線香を手向けに行くお話。道すがら色々と思い出話をして、核心的な話へ…明瑠はなぜ死んでしまったのかが明かされ美夕の恋心が明瑠を追い詰めたのだとわかります。そして小夜も口には出しませんでしたが明瑠に対して親友以上の気持ちを抱いていたとわかるのでした。終わってしまったあとにわかる切ない気持ちのやり取りにやるせなくなりました。
 小夜の解決シーンがかっこよかったです。自分の欲に素直な美夕もかわいかったです。一生懸命な明瑠がいつも二人を引っ張っていっていたんでしょうか。
 感情のやり取りがとてもよかったです。少し薄暗い青春のお話でした。

謎の女子高生:
 おや、こちらも百合小説。どうもありがとうございます。盆の送り火に、亡くなった友人を悼む二人の女子高生の話。友人は事故死だと言われているが、実は真相は違うのでは無いか…という話を、事故現場で二人が語り合うという物語。死別百合作品だと思い読んでいましたが、死の真相に迫るという組み立てが非常に印象的でした。一つの恋愛感情が誰かを追い詰めてしまった、という悲しい結末を辿る百合小説だったと思います。良い作品でした。

189:彼女は光の中にいて、僕はここにいる/林きつね

謎の有袋類:
 勇者よ、逆境にて奮い立て!で前回参加してくれた林きつねさん。参加ありがとうございます。
 顔の抜群の良い女に魂を灼かれた男の話でした。
 顔の抜群良い女はぶっとんでいてなにもかもめちゃくちゃなので雷に打たれて消えるのですが、魂を灼かれているのでとにかく主人公はどうにか顔の抜群に良いぶっとんでいる女に会うために色々と試していく様子がよかったです。
 かなり淡々と話が進んでいくのと、或さんが全然何で好きなのかわからない状態で進むので顔が抜群に良いことを結構最初に仄めかしても良い気はしました。
 最後の或さんをある意味振り切って合コンを頼むオチもおもしろかったです。
 或さんは地球上の常識などで縛られない抜群に美人な女なので、よくわからないことになっていてもまあ仕方ないなそういうものなのだろうという説得力が最後にはあったのが不思議な体験でした。
 短編が多い作者さんのようですが、文章も読みやすいですし、魅力的なキャラクターを書くのも上手だと思うので1万字を越えるような規模のお話も書いてみたり中長編チャレンジもしてみたらどうかな? と思います。
 このお話も中長編に出来そうなポテンシャルはあるので或さんとの日々から消えるまでもしっかりと書いた青春ものなどにリライト出来そう。
 長いお話にもチャレンジしてみて、ちゃんとした賞などにも応募チャレンジして見て欲しいです。

謎の果実猫:
 落雷に遭っていなくなった友達を探し続ける話。
 落雷に遭って亡くなった友達を亡くなったと認めることができずに探し続ける話。
 惑さんがとにかく顔がいいと明かされるのがだいぶあとからなので序盤から明かしてしまってもよかったかも? なぜそんなにも追い求めているのかわからないまま淡々とお話が進んでいくのが不思議でした。
 惑さんは顔がとにかく良かったのでそれ一点でどんなにぶっ飛んでいても主人公は追い求め続けていたのですが、追い求め続けた結果ついに次元を超えて会うことができました。よかったですね。会えた途端、吹っ切れたのか合コンを開くように頼むのがおもしろかったです。大家くんにそんなこと頼んで大丈夫なんでしょうか?
 不思議な味わいのお話でした。これからも創作を楽しんでください。 

謎の女子高生:
 雷に打たれて「消えて」しまった友人を探す男の話。一人の女に魅了され、勉強もおぼつかなくなってしまった男が、消えてしまった女に執着し探し続ける話ですが、その変わったところのある女に執着する理由が顔だったり、大家君との友情の話だったりと、真面目な話をやりつつもどこかコミカルで、どこか不思議な読み味の作品でした。非常に好きな雰囲気です。
 情報開示の順番などはもう少し考えても良い気がします。寺岡が上嶋惑に執着する理由など、あまりもったいぶらなくてもいいのではないか、と思いました。
 色々な要素のある作品で、大変面白く読めました。大家くんがとても好きなキャラクターでした。

190:ハルと、フユと。/鳳 繰納(おおとり くろな)

謎の有袋類:
 前回はシャークヘッド社員の有給休暇で参加してくれた鳳 繰納さんです。参加ありがとうございます。
 これは指摘では無くて便利機能の紹介なのですが、カクヨムのサイドバーにある記法と整形から「本文を整形」のところにある「段落先頭文字を字下げ」を押すとカギ括弧以外は自動で一律字下げをしてくれるので、段落下げの統一が難しい場合はそういう機能を使うと楽でオススメです。
 こちらは多分鳳さんの作品のスピンオフなのかな?
 霊力があってモノノ怪を倒せるけれど少し貧乏な人と、卑しい生まれの美人な人との出会いの話。
 キュンも多かったのですが、それぞれの家系や関係性がわからないところがあるので単独作品としてはちょっと難しい内容なのかなと思いました。
 ぼろぼろの状態だった不遇な女性がどんどん健康的になるのは良いですね……。貧しいながら旅行を楽しんだり、二人で外食する様子もめちゃくちゃよかったです。
 まだまだ伸びしろのある鳳さん。初見の人への親切心と情報のバランスを考えると魅力的な作品が更に魅力的になると思います。
 たくさん書いてどんどん強くなりましょう。

謎の果実猫:
 二人が出会って暮らした話。タイトルと最後のシーンと合わせてもしかしてこれは、「ハルと、フユと、アキト」なのでは~?!? となりました。では~?ではない。語感が良すぎて…!
 世界観の元となるお話と独立していますとあったものの、家系についての確執などわからないところがありました。そこを作品内で補足できていればよかったなと思います。
 世界観の元になるお話があってのスピンオフ的な作品だそうですが元の作品も気になりますね。霊力でモノノケを倒せるハルと暗い過去のあるフユとが出会い一緒に暮らし始めます。貧しいながらも仲睦まじく暮らす二人の描写が楽しそうでよかったです! 
 とてもおもしろかったです! 楽しく読めました! これからもどんどん創作をしていってください。

謎の女子高生:
 モノノケを祓う力を持った青年が、何か秘密を抱えた女フユと出会う話。二人の出会い、馴れ初めが描かれる恋愛もの作品でした。二人のキャラクターや関係性が睦まじく、非常に好きな雰囲気でした。
 諸々設定が開示されるものの、あまり作中のプロットには噛んでない印象です。他作品と世界観を同一にしているとのことで、もしかしたらそちらを読まないといけないのかな?と感じました。
 二人が絆を深め合う過程が丁寧に描かれており、恋愛主題の作品として楽しく読むことができました。
 

191:最後の巡礼とその光についての考察/茜あゆむ

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 二人の小説家のお話でした。
 娘だと思っていたら、実は師匠である漣さんの生霊的なものだった! でも束のゲラが置いてある! 
 多分ここら辺のツッコミは野暮だと思うのですが「ゲラ」というものは編集や校正が入ったものだと思うので完成した原稿の誤用かな? とそこだけ少しだけ気になってしまいました。原稿を結局渡さなかったっぽいのですが、原稿を渡さなかった理由も知りたかったかもしれないです。
 全体を通して温かなお話でおもしろかったです。娘に扮した漣さんが真剣に創作に向き合う様子、鬼気迫る思いで執筆する様子などなど……。それを見守る主人公の視線も優しいものでよかったです。
 実際の娘さんは漣さんそっくりではないというのもすごく良いポイントだなと思いました。
 話の構成も文章もとても上手な作者さんでした。これからも作品を楽しく書いて行ってくれるとうれしいです。

謎の果実猫:
 不思議な二週間の話。
 小説の師匠から小説家志望の娘を二週間預かってくれと言われて預かり一緒に執筆作業をしたり息抜きしたりして過ごしていたが、途中で娘としてやってきた子供は本当の娘ではないと明らかになり…? コワーキングスペースに残されたのは師匠の新作の原稿で…? という不思議なお話。
 娘の形をした何者かは師匠の生霊か何かだったのでしょうか? 熱にうなされていた師匠が生霊になって飛んできていたのかな? そこらへん詳しく説明してほしかったところではありますが曖昧にさせておくほうが想像の余地が広がっていいのかもしれません。「久しぶりに見た湊の姿は、想像していたよりずっと大人びていた。師の娘というより、師とタツヒコさんの子どもという感じがして、思ったよりも師には似ていなかった。」ここ好きです。想像とは違っていたということでしょうかね。
 心があたたまるいいお話でした。とてもおもしろかったです!

謎の女子高生:
 小説の師匠の娘を2週間預かることになった話。しかし預かった娘は実は幻として現れていた師匠そのもので、小説の執筆に使っていたコワーキングスペースには小説の原稿が残されていた…という、一夏の不思議を描いた作品。非常に凝った組み立ての作品で、読んでいて面白かったです。二人の創作の様子ややりとりなど、非常に良い雰囲気で進んで行く作品でした。
 種明かし的な要素というか、実際に何が起きていたのかはもう少し詳しく説明して欲しいと感じるところでしたが、物語の組み立て的にそれを説明できる人はいないだろうなというのが難しいところです。確かに、明かさない方が空気感は良いのかなと思います。
 総じて、非常に読み応えのある作品で、とても面白かったです。 

192:虹をかけよう/黒石廉

謎の有袋類:
 約束の地までを前回書いてくれた黒石廉さんです。参加ありがとうございます。
 二連続うんこです。今作はうんこは少ないのですが、良いうんこでした。
 もう話タイトルでうんこということはわかっているので、最初の方にもううんこを出しましょう。KUSO創作はスピードと勢いと潔さが大切。上品ぶっていてははじまりません。
 作中の登場人物達も勇気を出してうんこをばら撒いたんですから、作者である黒石廉さんも変にかっこつけようとせず直接的な単語かもっと酷い単語をルビなどを使って振り切った作品を書いてってもいいと思います。
 次回のうんこも期待しいます。ナイスうんこ!!!! 持たざるもののうんこを使った復讐劇はとても爽快なものでした。
 ちなみに僕は今カレーラーメンを食べながらこの講評を書いています。

謎の果実猫:
 うんこテロの話。
 出落ちうんこがなかなか表に出てこなかったので早く出てこないかな~?ともやもやしてしまいました。一度出したならさっさと出してください。引っ込めないで! 早めに強調して出してしまったほうが潔いです。こういうのは勢いで出してしまいましょう! トンチキ小説は初速が大事! スピード感を大切にしていきましょう!
 うんこテロリスト! ナイスうんこ! うんこを盛大にばらまきましたね。
 せっかくなのでもっと振り切って容赦なく突き抜けたうんこの爆発小説をやってもよかったと思います。せっかくですしね。勢いでガンガンやってしまいましょう!
 次はうんこでないにしても、もっと突き抜けた創作を楽しみにしています! 
 好きなものをどんどん書いて楽しく創作をしていってください! 応援しています!

謎の女子高生:
 うんこをまき散らす話。社会的に弱い立場である感じる三人が集まり、現状を変えたいという思いからあるテロ計画を実行する…というお話。うんこをまき散らす話です。うんこをまき散らすシーンは圧巻のうんこテロ描写でした。
 欲を言えば、うんこをまき散らすまでのスピード感でしょうか。もう少しテンポ良くうんこをまき散らしに行っても良かったような気がします。
 迫力のあるうんこテロ小説、大変面白く読ませていただきました。

193:光の届かぬ愛/犀川 よう

謎の有袋類:
 前回は無明で参加してくれた犀川 ようさんです。参加ありがとうございます。
 今回は義兄と体の関係を結んでいた女性のお話でした。
 ちょっとこういう文体を読み慣れていないので読み間違いがあったらすみません。
 義理の父の連れ子である六歳上の義兄と体の関係を持っていたけれど、兄が結婚をして許せなかったこと、そして兄が結婚相手を失って戻ってきたことで再び体の関係を結べたお話でした。
 多分こういう純文学的な作品にありがちなことで、僕に消化酵素がないだけのことなんだと思いますが、遠回しな表現がとても多かったのでマスに読まれたい場合はもう少しだけ直接的な表現を使っても良いのかな? と思います。
 特にそう思っていない場合、このままでも大丈夫だと思うので気にせず我が道を突き進みましょう。
 しっとりとした言葉で綴られる義兄への感情や、艶めかしい描写など読み応えがあってとてもよかったです。 
 闇へと葬ったとあるので、多分、兄の妻を手に掛けたのだと思いますが、この二人の関係性がいつ破綻してしまうのだろうと思える余韻のあるラストでした。
 素敵な作品をありがとうございました。

謎の果実猫:
 義兄と妹の話。
 こじれた執着の話ですね~~~!!! すごく好きです!!! こういうの!!! 妹から義兄へのクソデカ感情だ~~~!!! 結婚したのか婚約者かはわかりませんが義兄のお相手さんは偶然か必然か誰かの手によってか亡くなってしまって、深い絶望の中にいる義兄は妹からの要求を拒まずに求めるようになってしまった…というお話でしょうか。
 曖昧な書き方をされているので義兄のお相手さんが亡くなった理由については確定的に書いてしまってもよかったかもしれません。
 しっとりした落ち着いた文章で感情の描写がとてもよかったです。義兄との関係性が破綻しないかだけ心配ですね。とても素敵なお話でした!

謎の女子高生:
 義妹の、義兄への執着と偏愛を描く話。好きだった義兄が結婚することになり、その劣情を持て余していたが、どうしてか兄の婚約者は亡くなり、義妹は義兄を支配するように包み込むのだった…という物語。非常に官能的で、エロティックな作品だったと思います。偏愛の描き方がとても鮮やかです。
 少し婉曲的な表現が多く、読みづらいところもありました。全体的な雰囲気は出ているので、情報を出せるところはピシッと決めても良いように感じます。
 二人のただならぬ関係が読んでいてそわそわする、良い作品だったと思います。

194:あなたの願いが叶うなら/不可逆性FIG

謎の有袋類:
 前回は向こうの記憶で参加してくれたFIGさんです。
 今回は病気の女の子と出会って朝陽を見に行った青年のお話。
 読み終わったあとが切なくてよかったです。
 謎の奇病、弱っていく彼女、病院から連れ出して見た朝陽……とめちゃくちゃにエモが詰まった作品なのですが、連れだした女の子が死んでしまったという物事のデカさが気になってしまい、医者の先生などの苦労を考えるとやったことと罪の大きさのバランスが罪の方がデカくない? と焦ったので。お医者さんが「実はもう先は長くない」といったり「最後に願いを叶えてあげられたらいいけど医者にはそういうことはしてあげられないから」みたいな仄めかしがあると連れ出しても仕方ないよねみたいな理屈が出来てきて、罪の重さが大きくなりすぎないのかなと思いました。
 女の子の出会いや、土になった女の子の描写、夜中から朝になってくるまでの景色の描写などがキレイですごく印象的でした。
 切ないお話を書くのと、結構朝焼けなどの描写が好きなFIGさん、これからも長所をガンガン伸ばして好きなお話を書いてくれたらうれしいです!

謎の果実猫:
 病院で出会った少女の話。
 病院で出会った言葉の通じないニーナとの交流の日々、ニーナのお願いを聞いてあげる主人公。ニーナは体のいたるところから植物の芽を生やす奇病だった。太陽の光は寿命を縮めるとわかっていたがニーナはお願いをしたのでしょうか。
 ニーナが太陽の光が自分自身の寿命を縮めるものだとほのめかすシーンや医者や病院側からの伏線を小出しにしていると読後感がスッキリしたかもしれません。勝手に連れ出したことで患者が死ぬのはちょっと病院側もびっくりしてしまうと思うので…。
 太陽の光を浴びたニーナは奇病が一気に進行して瞬く間に息を引き取ってしまいました。植物や花の描写、朝焼けの描写がとても素敵でした。リユービの言葉の意味はなんだったのでしょう? 気になりますね。切なくも素敵な出会いと別れのお話でした。

謎の女子高生:
 地下で難病を治療する少女を連れ出した少年の話。淡い青春の、取り返しのつかない逃避行を描く作品。大人なら絶対にそうしない、彼らなりの本気が結ぶ物語は真っ直ぐで、どこか残酷なように思います。そういった爽やかさや悲しさのある良い物語でした。主題・副題の宇多田ヒカルの作品からの引用も良いですね。
 情感を目指した作品だったと思いますので、設定は少し分からないところも見受けられました。ただ作品に疑問を持つほどのノイズにはならなかったので、この辺りはよい塩梅だったと思います。
キラキラと美しい、輝くような作品で、とても好きでした。ありがとうございます。

195:婚約破棄された悪役令嬢は光魔法で未来を切り開く~ブチギレやけくそソーラービィイイイム!!!!!!~/ジロー=ユビキタス

謎の有袋類:
 小説大賞でははじめまして!大人のイラスト部から参加してくれたジロー=ユビキタスさんです。参加ありがとうございます。
 お嬢様が大量殺人を繰り出すお話。
 ずっとコミカルにお嬢様が自分の理屈でブインブイン人をぶっ殺していくのが痛快で面白かったです。初手王子キルからのロケットスタートなのも最高。
 オチがかなり力技だったのですが、それも味で良いでしょう! 聖女様復活のフラグみたいなものが序盤にあったら更に最高だったように思います。
 このテンションとこの文体で1万字走りきる体力もすごい。ブインブインがクセになるのも途中の脳筋ゴリラとその恋人のやりとりもめちゃくちゃにおもしろかったです。
 テンプレとステレオタイプキャラをうまくつかった面白い作品でした。ブインブイン。

謎の果実猫:
 初手王子殺害からそれを誤魔化すために大量殺戮する話。
 勢いがすごいですわ~!!! ブインブイン!!! 勢いのまま10000字やりきったパワーが凄いです!!! 終始ハイテンションなまま進みますが、読みやすくおもしろかったです。
 聖女の復活は前半にほのめかしや伏線等があったら読後感がスッキリしたかもしれません。
 脳筋ゴリラとの戦いはちょっと苦戦していておもしろかったです。脳筋ゴリラが燃え上がるところ、一瞬何が起きたのかと思いましたが炎の魔法使いが助けてくれたんですね。ラストの聖女との戦いは頂上決戦感があって胸熱展開でしたね。あの状態から復活したところを思うとなかなかにグロいですが…。とにかく思い切りがよく突き抜けていた素敵な作品でした! ブインブイン!  

謎の女子高生:
 ライトセイバーをぶん回して全員ぶっ殺すお嬢様の話。物騒! 大変痛快な作品でした。悪役令嬢ものらしくなんとなく謀略を練ってピンチを回避しようとしてる雰囲気がありつつも、結局ブインブインしてバッタバッタと人を切っていく様子が最高です。
 とにかく勢い、プロットも設定も全て切り裂いていくような作品でしたので、オチは少しやけっぱちに見えるところでしたが、これも味という者かなとおもいます。
 大変面白かったです。

196:黄金に光る糸/叶あぞ

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 さ、最後! 最後の奥さんが可愛いー!
 ハサミでは切れなそうな金の糸、刺繍として全部使ったんですかね?
 奥さん、もう愛は冷めたのかなと思ったけどそうじゃなかった……。よかった。
 めちゃくちゃに凄惨なオチが待っているのかとドキドキしながら読んだけどハッピーエンドでよかったです。
 序盤の緊張感のある戦いの様子もすごくかっこよかったです。
 これは些細なことなのですが、ちょっと名前が昔のものなので毎回ルビが付いていると個人的にはうれしかったかもしれません。
 糸をお腹に巻くまでの伏線もすごいよかったです。興味本位で糸を切ろうとしていたこと、刺客はよく知っている相手であることで糸を使った理由もバチバチッとキマっていて気持ちよかったです。
 めちゃくちゃにかっこいい小説をありがとうございました。カクヨムに置いてある作品はまだ少ないと思うのですが、これからもたくさん色々書いて行って欲しいと思いマます。

謎の果実猫:
 決闘の話。 
 糸を運ぶ仕事を頼まれた主人公・玄城。糸を狙ってやってきたのはかつて同門だった因縁のある貫来だった…。バトル描写がすごくかっこよかったです。何をしても切れない糸を胴に巻き付け斬撃を防いだのはよくできた話ですね。
 何をしても切れない糸を刺繍に使ったというオチは野暮なことですが難しくないですか? ハサミで切れない糸を一度に使い切ったということでいいのでしょうか?
 その糸を奥さんがふんどしの刺繍に使ったのはコミカルな話でおもしろかったです。決闘が決着したあとの、医者を連れてくるくだりもどこかコミカルで笑ってしまいました。仕官とりたての話がなくなってしまったのは主人公にとっては残念でしたね。しかし概ねハッピーエンドでよかったです。
 とても緊張感があっておもしろいお話でした! 

謎の女子高生:
 糸を運ぶ主人公に、糸を狙う視覚が襲いかかる話。非常に迫力のある剣客小説でした。戦闘描写がとてもよく、糸の設定などもうまく使われており、非常によく練られていると感じました。最後のふんどしオチも、緊張感のあった本編とギャップがあって良かったです。
 描写、筆致ともに非常に良い作品でしたが、わずかに冗長に思えるところもあったでしょうか。ただこれ以上コンパクトにするのも難しいところだと思いますので、難しいところです。

197:青春の輝きなんて、はたで見てなきゃわかんない/ラーさん

謎の有袋類:
 夏に眩んだ水の世界で、だからわたしは人魚を殺すを描いてくれたラーさんの二作目です。
 バンドをしている女子が文化祭のライブで告白しようとしてその前に恋が実らないことが確定したお話。
 片想いの歌→告白→ラストソングだった計画を「この二人の未来にこの曲を!」 としたアドリブ力がめちゃくちゃによかったです。
 足立が最後の方で「お、男だったのか」となったので性別が早めにわかるといいかもしれない。僕が見逃してるだけだったらすみません。
 ライブのMCの描写も好きなんですけどタカ兄が「ありがとう!」というのもイケメン! 正確までイケメンなのか貴様! めちゃくちゃによかったです。足立くんとはバンドメンバーで恋などははじまらないんでしょうか?
 青春の良いお話でした。失恋にはブラックコーヒーの苦みがちょうど良いよ。
 素敵なお話をありがとうございました。

謎の果実猫:
 失恋するための話。
 片思いの主人公。ライブで公開告白をやろうと決めていたものの、その当日にその相手であるタカ兄から彼女を紹介されてしまい…?
 足立と磯辺の性別が早めにわかるとよかったかなと思いました。呼び捨てにしていたので両方とも男の子かなと思って読みましたがどうだったんでしょう? 
 青春もの!!! とてもよかったです!!! それでも予定通り決行してアドリブで彼女ができておめでとうと言い換えてタカ兄を祝福した主人公。タカ兄からはありがとうと返事をもらい「みんな! この二人の未来にこの曲を!」ラストナンバーは二人のための歌を! そうして主人公の恋は終りを迎えたのでした。一つの恋が始まる前に終わり、不完全燃焼からのしっかり終わるための物語でした。とっても読み応えのあるお話でした!

謎の女子高生:
 文化祭のライブで告白しようと思っていた片思いの幼馴染みに、ライブ一時間前に彼女がいると報告されて途方に暮れる女子高生の話。非常に青々とした青春小説で、大変好きでした。ラーさんは1作目「夏に眩んだ水の世界で、だからわたしは人魚を殺す」でご投稿されていましたね。作風の幅広さに驚かされます。
 読む人が読めば背筋がうずうずしてくるほどの青春をありありと描いており、読んでいて非常に気持ちがよかったです。バンドメンバーのキャラクターも良いですね。
 大変好きな雰囲気の作品でした。ありがとうございます。

198:月光/292ki

謎の有袋類:
 前回は賢者の声を聞けで参加してくれた292kiさんです。参加ありがとうございます。
 狼男と狂気が欲しかったピアニストのお話。
 こういう男大好き! 狂気に身を任せた後に正気に戻る狼男もめちゃくちゃによかったです!
 一点だけ気になったのはピアニストが後半普通の人間で襲われた後に入院をするような個体という部分でした。二話目を読んだ後に、一話目を読むと「し、死ぬようなケガをどう考えてもしているのでは?」とノイズが乗ってしまうので、ケガをしても平気な理由があると安心して読めたように思えます。
 優男風の悪い男と乱暴のようでいて繊細な男の組合わせはめちゃくちゃに良いーーーー!
 タイトルの月光もピアノの曲名と合わさって良いなと思いました。
 これからも色々な作品を書いていきましょう!

謎の果実猫:
 人狼とピアニストの男の話。
 人狼と人狼の中にある狂気的な部分を追い求めているピアニストの男の話。ピアニストが人狼のことをわんちゃんと呼ぶところとても好きですね。
 2話目を読んだあとだとピアニストはただの人間だとわかるのですが、そうなると1話目で大怪我をしているのでは?と余計な心配をしてしまいます。このへんの話をうまくつけられるといいですね。
 ピアニストは人間で狂気が足りないと言われて狂気さを求めている時に人狼と出会い今のような関係になりました。ピアニストが死ぬまで関係は続くのでしょうか? ピアニストが死んだ時人狼はどうなってしまうのでしょうか? そんな張り詰めた危うさを感じさせる関係ですね。
 おもしろかったです。これからも好きに創作をしていきましょう。

謎の女子高生:
 狼男と、狂気を求めるピアニストの話。自分の才能の中に狂気がないことを思い悩み、探し続けたピアニストが、苦しむ狼男の中にある狂気にその救いを見つけるという物語。人外と人間の少し変わったブロマンス作品。狂気とピアノを通じて、ある意味では愛し合う男達の姿がどこか美しく感じます。
 二人はお互いのことを未だよく知らないというのも良いところですが、もう少しだけ関係の深まりを見たい心地でもあります。
 非常に良い世界観のブロマンス作品でした。ありがとうございます。

199:がらすの人形/平鹿累波

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 不思議な体質を持つ婚約者とその先祖達のお話でした。
 婚約者の実家に帰り、義父が魅せてくれたのは義母の「がらす」となった姿。がらすとなった義母を見たあとに婚約者が変わってしまったのがすごく良かったです。甘い香りも、がらす化したらそういう香りになるということなのかな? と思っていいなと思いました。
 とてもおもしろかったのですが、三人称視点だけれど、慣れていないのか時々視点がぶれていて「誰がどう思ってるのか」と読んでて混乱しました。一人称視点にしてしまうか推敲の時にカメラワークに気をつけてみるといいかもしれません。
 美しくて魅力的なおもしろいホラーでした。山の中、怪しい湖の舞台も素敵ですし、朗らかで素朴な義父が魅せるアメにとって異様な一面の演出など見ていてとてもおもしろかったです。最後はアメさんも魅せられてしまったのがすごくよかった……。
 小説がまだ二作しか無いので、カクヨム以外で色々書いたりしている方でしょうか? カクヨムでもたくさん色々な作品を書いて欲しいです。

謎の果実猫:
 婚約者の実家に行く話。
 婚約者ヨウとともにヨウの実家に行くアメ。そこで不思議なものを見せられる。それは結晶化した婚約者の母親の遺体だった。婚約者の家系は体が結晶化するのだという。それをがらすと言うのだと。それをひと目見たヨウはがらすの虜になってしまう。アメはヨウと距離を取るが…?
 ヨウが生きながらにしてがらすの手を持っていたのはどうしてなんでしょうか? 死ぬとがらす化するというだけではなくなんらかの条件下でがらす化するということだったのでしょうか? そのへんが詳しく読みたかったです。
 アメがヨウとともに湖に沈んだ際に見た光景はきっと息を呑むほど美しかったのでしょうね。 アメもそれでがらすの虜になってしまった。アメは死にものぐるいで元いる場所へ戻るも、虜になってしまったためにまた湖に戻るのでしょうね。
 幻想的なホラーでした。おもしろかったです!

謎の女子高生:
 婚約者の家に行き、がらすになった母親を見せられる話。めちゃくちゃ怖いホラー作品でした。婚約者は「がらす」という特異体質を持つ一族で、母親はがらすの身体になり、その姿を永遠のものにしたまま死んでいた。そしてそのがらすは人を虜にする魔性があり…という話。「実家訪問」という少し気の重たくなるシチュエーションに、行った旦那の実家がヤバかったという組み付けで、そのヤバさに怖さが混ざり合ってくる非常にヒリヒリしたムードを感じる作品でした。めちゃくちゃ面白かったです。
 最後には主人公までもが…というオチもとても怖くて最高でした。

200:見るより速く/佐藤ぶそあ

謎の有袋類:
 お久振りのぶそあさん!
 二人の魔法使い姉妹の話。
 セタちゃんが無邪気天才で可愛いし、お姉ちゃんも落ち着いたしっかりものという正反対の仲良し姉妹という感じでよかったです。
 いずれ来る危機のためにずっと速度の研究をしていたらしい妹が、危機に駆けつけて魔物を全部焼き払ったのはめちゃくちゃにかっこよかったです。
 結局どうやって速度の問題を解決したのかも知りたかったよーーーーーーーー! そこがトロじゃないですか? ぶそあさん!!!
 トロをしっかり書けるように余裕を持って執筆しましょう! 講評が終わったら続きを書いてくれてもいいんですよ!
 めちゃくちゃにかっこよくて魔法の理屈とかも色々垣間見えてすごくおもしろかったです。やはり剣と魔法のファンタジーは良い物ですね。
 ぜひ!小説を!コンスタントに色々と書いて欲しいです。

謎の果実猫:
 天才の妹と姉の話。
 妹・セタちゃんは音速の研究をしている天才で物語はセタちゃんが大怪我をしているところから始まります。お姉ちゃんは治療魔法の達人で王都の治療士も全治二ヶ月にしか縮められなかった怪我を瞬く間に治してしまいました。
 セタちゃんはいずれくる危機のためにひたすら研究と鍛錬を怠らずついにその時が来て、お姉ちゃんの危機に間に合います!
 セタちゃんはなぜその危機を知っていたのでしょうか? 欲を言えば種明かしをして欲しかったです。音速を超えた決定的ななにかがあったならそれの深堀りも読みたかったです。
「巨狼も牙鬼も凶鳥も、おびただしい数の魔物が、なんなら森の木々まで、黒焦げになって吹き飛んでいた。」このシーン好きです!かっこいいですねー! ファンタジーものはいいですねー! 個人的にセタちゃんはどこか違う世界から異世界転生してきたのかな?という印象。違ったらすみません! とてもおもしろかったです!

謎の女子高生:
 魔法の力で音速を超え、光を越え、瞬間移動を目指す妹と、その姉の話。その魔法の速さを求める姿勢に少し理解が追いつかない姉だったが、のびのびやらせていたらちゃんと魔法が完成していた、という物語。こちら非常に面白く大好きでした。姉妹ものの作品が大好きということもあります。良いですね。本当に。
 組み立ての面白い小説でしたが、魔法の完成のプロセスも読んでみたいような気がしました。そこまで描けると、ファンタジーとしての読み味もグッと深まりそうです。
 非常に読み心地がよく、続きが読んでみたくなる作品でした。

201:勘違いのアルビレオ/十余一

謎の有袋類:
  前回は晩夏に棄てるで参加してくれた十余一さんです。参加ありがとうございます。
 嫉妬と負い目から友人を遠ざけてしまったけれど、友情が復活しそうなお話。
 アルビレオの意味を調べたら恒星とのことなので、主人公のことを指しているのかな? と思いました。
 奨学生制度の表彰でいきなり狂ってしまった主人公だと思うのですが、ここら辺から既に鬱か何かが発症しはじめていたみたいな伏線だったりするのでしょうか?
 あまりにも急に主人公が豹変してしまうので、もう少し主人公の変化がわかるような布石があると飲み込みやすいかもしれないと思いました。
 卒業してからの忙しい日々、元々気弱で他人に頼れない正確でどんどん病気が悪化してしまう主人公の傷ましい様子の表現と、突然来てくれた親友の人の良さというか、完璧な光の人感が出ていてよかったです。
 この後の二人の友情が以前のように戻るといいなと思える素敵なお話でした。
 小説をたくさん書いている作者さんなので、これからも楽しく創作を続けていけたらいいなと思います。

謎の果実猫:
 友達の話。
 3話でいきなり鬱になるのでびっくりしてしまいました。こうなる性格的なほのめかしや生い立ちの伏線などがあったほうがいいかもしれません。急な豹変だと読者は置き去りで驚いてしまいます。
 時系列が複雑なので少し混乱しますが、仲のいい友達だった主人公と柑奈は奨学生制度をきっかけに気まずくなってしまいます。卒業後は教師になりましたが主人公は重圧に耐えきれず休職。そんな時訪ねてきてくれた柑奈の優しさに救われ…。
 柑奈がひたすらに親切で良い子ですね~! 柑奈の人の良さに引っ張られて主人公も病状が上向きになるといいですね。二人の友情が前のように戻ることを願っています。
 これからも創作を楽しんで続けていってください。

謎の女子高生:
 関係の良かったはずの友人への理不尽な嫉妬から距離を取っていたが、自身のうつ病をきっかけにその友人との関係が少しずつ戻りそう…という話。基本的には主人公と友人との関係の変化について描かれており、その辺りの描写の緻密さが光る作品でした。
 文章の運びが少しもたつく感じがあるでしょうか。主題は二人の関係と主人公の変化にあると思いますが、周辺描写も緻密であることから、その辺りが少しぼやけてしまった印象です。
 女性二人の友情を描く作品で、非常に読み応えがあったと思います。

202:朝顔/ムラサキハルカ

謎の有袋類:
 べあうちふるを書いてくれたムラサキハルカさんの二作目です。温度差がもの凄い。
 少し繊細な心臓が止まる日が近付いてくることを怖がる小さな夜という名前の女の子が、日向という男性と出会うお話。
 このままでもしっとりとしてかなり良い作品なのですが、短編小説としては日向と出会ってからリアルタイム描写で小夜の一人称視点で書いてもドラマティックというか読んでいる人の感情を動かせそうな気はします。
 しっとりゆったりした文章が好きなのか、エンタメが好きなのかという好みの差っぽいお話なので、同じ題材でもエンタメとしても書けそうなんだな程度に流して貰って大丈夫です。
 夜が好きな小夜が辿り着いたレイトショーでの映画鑑賞でたまたま出会った正反対の好みを持つ日向との仲の深め方も良かったです。日向くんはハピエンが好きなのに素直じゃ無いっぽいのもとても良い。
 冒頭と最後の二人の関係性で温かい気持ちになる素敵な作品でした。

謎の果実猫:
 心臓の音と朝の話。
 第一印象最悪のところから仲良くなるくだり大好き~! 主人公・小夜は心臓の音と朝に恐怖を抱いている。朝から逃げるように昼以降に生活し夜に親しみを持っている。そんな中レイトショーでの日向との出会いで少しずつ変わっていく小夜。日向と同居するようになり…?
 短編なので日向との出会いから書いてもよかったかもしれません。書きたいところがどこかにもよるのですが…。小夜の気持ちに視点を当てるとよかったかも?と思いました。
 しっとりと落ち着いた文章なのが雰囲気があってとてもよかったです!
 とてもおもしろかったです! 素敵な作品でした! 
 一作目との温度差がすごい…!!! 作品の幅よ…!?! これからも好きなものを好きなだけ詰め込んで楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 朝が嫌いな女と、レイトショーの映画館で出会った男の話。映画の好みの問題でことあるごとに喧嘩していた二人だったが、やがて約束をせずともレイトショーで顔を合わせるようになる。しかし就職後に会った時、主人公は神経を磨り減らしており、青年はそれを心配していて…という物語。二人の関係の機微が描かれる、非常に良い恋愛小説でした。
 シーンは短く切られていましたが、少し章立てが多く、ダイジェスト的になっているのが惜しく感じます。シーンの分配的には、前半よりも後半の二人の話に重きを置いても良さそうです。
 結果的に喧嘩ばかりしていた二人がくっつくエンドも幸せそうでよかったです。非常に良い作品でした。

203:もっと話そうよ、目前の明日のことも/清泪(せいな)

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
>見上げれば眩い光
 この一言で語り手が変わっているんですね?! 途中で気が付きました。
 それぞれの語り手にとっての光が語られていく面白いお話でした。
 語り手が変わっていることにパッと気が付かないのでページを変えて話タイトルで「話してる人が変わっていますよ」アピールをすると、清泪さんのやりたいことがより読んでいる人に伝わるんじゃないかなと思います。
 流行病で様々なことが変わったあと、少しずつ人のつながりや行事が戻ってくる様子を素朴な視点から眺めた興味深いお話でした。
 少しホームを見て見たのですが、掌編や短編が得意な作者さんっぽいですね。これからも面白い短編をたくさん楽しく書いてくれるといいなと思います。

謎の果実猫:
 複数主人公の何気ない日常の話。
 「見上げれば眩い光。」という言葉で主人公が切り替わっているのですね。察しが悪いので初めに読んだときはよくわからなくて混乱しました。もっと強調したり改行等でここからは別の主人公ですよとアピールしたほうが混乱しないかと思います。
 仕事終わりに電車の車窓から花火を見ていた主人公、いつもなら通り過ぎる駅だが今日は降りてみようかとそんな気に…。
 在宅勤務が終わり出社するようになった主人公、昔野球部だったこと、懐かしいバッティングセンターのことを思い出し…。
 コロナ禍になってから親の介護を理由に働かなくなっていた主人公、それでも社会復帰した。街の灯りに淋しさを覚えて…。
 真っ暗な部屋の中、世の中との関係を断ち切ろうとしている主人公。そんな自分を繋ぎ止めようとしてくれる友人からスマホに着信があった。友人の言葉で物語は終わる。
 様々な主人公の日常の光景に寄り添う光ということでしょうか? おもしろかったです。描写一つ一つが目に浮かぶようでした。

謎の女子高生:
 様々な人物が夜空を見上げ、人生を振り返るオムニバス形式の短編、という風に読みましたが、合っていますかね? 振り返りの半生の中で、最後は少し前向きな様子で終わるのがとても良かったです。
 内容は小説ですが、構成的には詩編に近いように思います。この構成である方が世界の地続き感が出て良い反面、シーンの切り替えは少し分かりにくくなっているように感じました。
 心情に訴えかけてくるような作品で、読んでいて少し明るい気持ちになるような読み味だったと思います。

204:乳首を虹色に光らせたトナカイさん/春海水亭

謎の有袋類:
 致死率十割怪談の致死率十割怪談さんです。参加ありがとうございます!
 乳首もちんぽも肛門も光る欲張りセット! サンタさんだけが正気!
 三択労すじゃあないんだよw
 オチはすごくまともにサンタさんの額がゲーミングになって終わったのですが、あいつらは任意の場所を光らせるのにちんぽと乳首と肛門をそれぞれ選んだのか? という恐ろしい疑問が襲ってきますね。
 サラッと読めてめちゃくちゃにおもしろいのは流石です。もうここまで光らせたら金玉もうんこも光らせましょう。御下品エレクトリカルパレードをしよう! 疲れた頭で僕はそう思いました。
 春海水亭さんは児童文学みたいな作品もしっとりした作品もギャグも書ける天才だと思っているのですが、これからも爆速進捗モンスターとしてカクヨムの輝く星でいて欲しいですね。

謎の果実猫:
 体を虹色に光らせた変態たちのお話。
 12/24、サンタクロースがプレゼントを配る前の日、トナカイが風を引いて欠席。穴を埋める為現れたのは乳首を七色に光らせた変態でした…。そこへ股間を光らせた変態や肛門を光らせた変態まで参戦してきて…最後にはサンタクロース本人が額と服の下で乳首と股間を光らせてソリを走らせたのでした。三択苦労す。
 一応ソリを引かせるという名目があったのに、サンタが自力でソリを走らせるのはいいのでしょうか? トンチキ小説にこういう事を言うのは野暮ですがなんでもありになってしまいます。まあいいか…。おもしろいもんな。
 勢いがあっておもしろかったです! 服を着なさい! 死ぬぞ! サンタさんだけが正気だったのに! 最終的に全員変態になってしまいました。変態に挟まれたら変態になってしまうんだ。 楽しいお話でしたね。お祭りにふさわしい欲張りセットでした。

謎の女子高生:
 サンタクロースのピンチに、かつてサンタクロースからプレゼントを貰ったことのある青年達がいろんな所を光らせて駆けつける作品。爆笑しました。夏に「トナカイの鼻が光る」を改編した短編を思いつくのはさすが作家だと思いました。青白い光を浴びながら、季節感なんてゴミ箱に捨てていきましょう。
 サンタクロースの額を光らせて解決しているのに、ちゃんと乳首と股間も光っているところが良かったです。サンタの肛門も光らせて良かったのでは?
 メリークリスマス!

205:翳す人/電楽サロン

謎の有袋類:
 第五回振りの参加かな? 参加ありがとうございます!
 めちゃくちゃに怖いホラーでした。
 寺田さんが一気に雰囲気が変わってしまっていたことがすっっっっっごく嫌な感じで怖かったです。
 何が寺田さんに起こってしまったのか……。
 めちゃくちゃに怖いのと、ホラーって説明しすぎるのも良くないとは思うのですが、お札に関する良くない噂や何かフックみたいなものがあるとよりどうなるか想像の余地があって怖くなるかも? と思いました。
 最初のなんとなくの話題から始まるホラー、すごくよかったです。
 これから後、主人公も何かを発見してしまいそうなラストもすごく好みでした。
 また企画に参加して下さってうれしいです!これからも創作を色々していきましょう!

謎の果実猫:
 千円札を光に翳す人の話。
 寺田さんに起こったなにかがなんであれ短期間で老人のように様変わりしてしまったことが怖くて気持ち悪くてすごく嫌ですね。
 ホラーなのでどこまで種明かしをするかは難しいのですが、ほのめかしや伏線などはあったほうがよかったかも。突然過ぎる豹変もいいのですが読後感をスッキリさせるためにはある程度伏線などはあるといいですね。
 千円札に透かしがないことで持論を述べていた寺田さんだったが主人公は取り合わず、しばらく会わないうちに寺田さんは恐ろしく様変わりしてしまっていた。再び千円札を光に翳し主人公に話しかけるが…? 千円札に映った透かしは見知ったものではなくなにか恐ろしいもので…というお話。身近なものを使ったホラーは怖いですね。お札って身近でよく使うものだし見ずにはいられないものじゃないですか。主人公もこれから使う機会だって何度もあるんですよね。そのうちになにか見てしまうんじゃないかってそんな恐怖が刺激されます。とても怖い作品でした。

謎の女子高生:
 エラー紙幣にテンションが上がってる寺田さんと、その話を聞く主人公の話。すーごく怖かったです。私があまり知らないだけかも知れませんが、紙幣を題に取ったホラーは珍しく、確かに透かしって少し怖いな…と思いました。寺田さんがトレーニング中も紙幣をずっと持っているような描写も地味に怖く、少しドキドキしながら読んでいました。
 紙幣のすかしをかざすことは滅多に有りませんが、怖さの種を受け付けられたような、良いホラー作品だったと思います。

206:オシャレとラスク/高橋 白蔵主

謎の有袋類:
 白蔵主さんだ!こむら川に参加だー! ありがとうございます!
 ピアスを空けたら、人の本音が声に乗って聞こえるようになった女の子と、殺人光線が目から出る家系の女の子の友情物語!
 こういう能力、真剣なことになりそうなのにどこまでも軽いノリの主人公がめちゃくちゃによかったです。
 ほっこりいい話だったのですが、なんとなく導入で終わったという印象があったのでお話の起伏的なものがあってもいいのかなと思いました。
 家出したお兄ちゃんの行方などはわからないままだけど、あまり深刻になってないのも好きです。お兄ちゃん、無事だといいな。
 ラスクで耳つながりなのは、流石にないかというほっこりとしたところで終わるのですが、この後ピアスを二つ空けようかなって相談されたお母さんの反応は超気になる。
 はちゃめちゃに明るい主人公と、ノリが良くていい子の単ちゃんのやりとりが軽快で楽しい短編でした! 祭りに参加ありがとうございます!

謎の果実猫:
 ピアスを開けたことで能力が開花した話。
 ピアスを開けたことで能力が開花してしまった、人の内心が聞こえるようになった主人公と、それとは別に殺人ビームが出るかもしれない能力が開花した友達の話。
 欲を言えばなにか盛り上がりやゴールや到達点のようなものがあるとよかったなと思います。それがピアス2つ目について聞くことだったりしたのかな?まだ文字数にも余裕があるのでもう少しお話を続けてもよかったかもと思います。
 終始ノリが軽くスイスイ話が進むので重くなりすぎずよかったです。ノイローゼになって耳たぶをちぎった兄の行方が気になりますが今も元気だといいですね。母親と主人公とのやり取りはほっこりしてとてもよかったです。友達とのやり取りも微笑ましかったです。とても楽しく読めました。おもしろかったです!
 これからも楽しく創作をしていってください!

謎の女子高生:
 
耳たぶが傷つくことで周囲の心の声が聞こえるようになってしまった主人公が、それは一族の呪い的な体質であると知りつつも、おしゃれのためにピアスは諦めないと決める話。すごく新鮮な読み味の作品で大好きです。この設定だと絶対に暗くなるのに、ギャルが我が道を行くだけでこんなに知らない読み味の作品になるのだと、ちょっと驚きでした。友人のギャルにも特異体質があるのが良いですね。そして心を読まれても動じない真っ直ぐさもいい。(勝手にギャル百合を感じてます)
 話については何も解決していないので、少し読み方が迷子になる気持ちではありましたが、それにしても非常に面白い作品だったと思います。明確な答えがないほうがこの作品は良さそうです。

207:光の残響/めいき~

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 演出の才能はあるけれど、ピアノの才能は無い女性と、その女性に魅せられた一人のピアニストのお話でした。
 誰にも見て貰えなくても続けることの尊さや、それが誰かの夢を叶えることもあるという素敵なお話でした。
 多分、女性は若いと見せかけて老婦人でしたということをビックリポイントにしたかったのかな? と思うのですが、おどろくところをサラッと描写しているのでもう少し「ここは驚くところですよ」と演出したり、少し序盤にひっかかりを作っておくと更に良いかもしれません。
 続けることを選び、諦めなかった一人の女性と、誰にも見られていなかったとしても自分だけはその女性を覚えていて、アドバイスを守り続けたかつて少年だった青年の美しい物語でした。
 参加ありがとうございました!

謎の果実猫:
 一人のピアニストの話。
 演出のプロだがピアニストとしての腕はいまいちだった主人公。いつか自分もピアニストとして羽ばたきたいとそれだけを思って毎日練習していた。ある日、観客に少年がやってきて…?
 野暮なことなのですがどざえもん長生き過ぎませんか? 主人公は老婦人だったのでしょうか? それにしても少年が青年に成長しているので猫の寿命的に厳しいような気がします。別の猫だったのでしょうか。
 少年だった青年は最後のシーンで涙していたのかな? 元少年だけは主人公のことを忘れていない、ずっと覚えていてくれる。とても切ないながら素敵なお話でした。

謎の女子高生:
 ピアノステージの演出家であり、才能がないピアニストの話。ピアノ演出家として、観客のいないステージで試奏することはあるが、ピアニストとしては表舞台に立てないで居たが、ある日その試奏を聞いていた少年がおり、彼のリクエストで一曲奏でることになった…という話。主人公のピアニストとしてのキャリアを、大人になった少年だけが覚えているという、どこか切ない話。最後に鳴いた猫はどざえもんだったんですかね? ちょっと気になるところです。
 文章が観念的で、少し情景を掴みにくかったように思います。この辺りは描写するところと、情感を書く部分にしっかりメリハリをつけると良い気がします。
 一人の女性の生涯やプライドを描く作品で、とても良かったです。

208:4手のための幽奏幻想曲/とりにく

謎の有袋類:
 とりにくさんが来てくれたー!ありがとうございます。
 幽霊の少年との友情のお話でした。
 ツンデレヤンキーとちょっと自惚れ屋の美少年の組合わせはとっても美味しいもの!
 ゲームとか音声作品っぽくエンドが分かれているのもサービス精神が旺盛だなと思いました。
 多分このお話のポイントは祖父の友人が律くんだったというところなので、律くんの格好や話し方を少し古めかしい的な違和感を入れておくと、いい感じの伏線に出来るような気がします。それかもう律くんに長くここにいるんだよねってもっと言わせてみてもいいかもしれない。
 真中くんが徐々に心を開いていく様子や、グレた経緯などのエモいシーンもめちゃよかったです。
 個人的には永遠の友情ルートを選びたいなと思いました。
 最近小説を書き始めたらしい創作に色々チャレンジ中のとりにくさん! これからも色々チャレンジをしてくれるのを楽しみにしています!

謎の果実猫:
 不良と幽霊の出会いと別れの話。
 うわ~~~!!! めちゃめちゃによかったですね~~~!!! どっちの選択肢もあるなんて欲張りセット!!! 両方見たかったから両方あってお得でした!!!
 主人公の祖父と幽霊の律くんが友達だったことのほのめかしや伏線があったほうが読後感がスッキリするかと思います。
 ツンデレ不良の主人公と天才美少年律くんの組み合わせはとてもいいものがありました! 主人公が徐々に律くんに心を開いていく様子は微笑ましかったです。 児童文学のような良さがあり、おもしろく最後まで楽しく読めました!
 とてもおもしろかったです! 個人的には永遠の友情ルートがよかったです。切なくて悲しくてでもバッドエンドが好きなので…。律くんも一人にならないですしね。

謎の女子高生:
 夏休みに校内掃除を命じられていた不良少年が、音楽室の幽霊との連弾に挑む作品。その音楽室の幽霊は実は少年の祖父の連弾相手で…という物語。非常に組み立ての良い、少年と幽霊の一夏の物語でした。情景が目に浮かぶ作品で、読んでいて非常に気持ちが良かったです。
 幽霊と祖父の関係については、薄々感づいていたところもありますが、文章としてはもう少し伏線が必要だったように思います。この辺りは読者へのサプライズ要素にするか、演出で驚かせるためのものにするか、選択が悩ましいところです。
 ルート分岐についてはすみません、この作品がIFを組み込むための設定になっているなら別ですが、私はあくまで小説として読みたいと感じました。なので、できれば結末は作者が明示するべきだと思います。
 非常に読み味の爽やかな作品で、大変良かったです。

209:磨けば光るのに/筋肉痛

謎の有袋類:
 忘れ去られる者達を書いてくれた筋肉痛さんの二作目です。
 ソロキャンプ用のロープを買いに言っただけなのに……。
 磨くことが心底好きだった同級生が悪い金持ちに才能を見出されて、楽しくお仕事をするお話でした。
 途中から薄々わかっていたのですが、誤解をされているすれ違いがすごくおもしろかったです。
 ただ、小林くんが勘違いした過程が省かれている気がしたので、何か誤解をしている小林くんの様子か、種明かしの布石的なことをもっと入れてしまった方が気持ちよくなりそうだなと思いました。
 タワマンに入っていくあたりの違和感からのすれ違いのモヤモヤがすごく気持ちよいので、どこまで布石を入れるのかはとても難しいのですが、書いている側が思っているよりも読んでいる側は情報を拾えていないので「バレちゃうかな?」のギリギリを攻めてもいいと思います。
 小林くんの泥団子、自転車の掃除のエピソードも好きなのですが、カーリングの選手をして、ホームセンターの販売員をしているという多様な人生もすごくよかったです。
 倫理観の希薄な男と丁寧にしゃべる怪しい男の組合わせもすごく良い。難波さんがユート君と親しげに読んでいても小林くん側はマジでなにも思っていないんだろうなという説得力が作中で出来ているのも好きです。
 楽しい作品と魅力的なキャラクターをありがとうございました。

謎の果実猫:
 磨いて綺麗にするのが好きな同級生の話。
 突然のサスペンス展開にびっくりしました。突然過ぎるのでもう少しほのめかしや伏線等あったほうが読後感がスッキリするかと思います。
 すれ違いのやり取りが怖いと同時におもしろいですね。主人公はどこで間違ってしまったんでしょうね。通常とは違う思考回路の持ち主に話しかけたところから間違いだったのでしょうか…。磨くことが大好きな小林くん。その行為はエスカレートし、最終的に人の血肉や脂に汚れた床を磨くことにメリットを見出したのでしょうか? 薄ら寒い倫理観の持ち主と手を組んでしまった小林くんはもう日の当たるところへは出てこられないような気がします。そんなことは些細なことなのでしょう。
 とても怖いヒトコワホラーでした。おもしろかったです!

謎の女子高生:
 クラスメイトの「変な奴」と再会した主人公が、死ぬのを手伝ってもらう話。もちろん死にたいのは勘違いで、変な奴はマジのサイコパスだったという物語。ソロキャン男子が泣きますよこれ。ロープを買っただけなのに…。小林君のキャラクターも好きでした。カーリング、確かに磨きますもんね。彼はハミガキ屋なんかをビジネスにしたら天職だったかも知れません。
 最後のすれ違いから、バッドエンドに入っていく流れも好きでしたが、もう少しほのめかしがあっても良い気がしました。この辺はどれくらい情報を出すか、見極めが大変なところではあります。
 非常にドキドキ感のあるサスペンス作品で、読んでいてハラハラさせられました。

210:蛍に願いを/武州人也

謎の有袋類:
 美少年か鮫!の武州さんです!参加ありがとうございます。
 今回は美少年! 武州さんの書く美少年はとても良いですね……。今回は怪しげな美少年では無くいじめられているお兄ちゃんとお兄ちゃん想いの弟のお話。
 謎の祠に願ったら、蛍がお兄ちゃんをいじめるやつらを助けてくれたところまではよかったのですが、弟は魅入られてしまった……というのをお兄ちゃんが見抜いているっぽいラストでした。
 具体的に弟がどうおかしいのか実際にセリフとかでも描写すると更によかったように思います。
 このあと、弟はどうなってしまうのかが不安になる洋画のホラーっぽいエンドはすごく好きです。
 お兄ちゃんのイジメが悪化する前に終わってよかった……ともいえないラスト……ホラーのこういうところがいいですよね。
 ホラー×美少年には定評のある武州さん。これからも美少年をたくさん書いてくれると嬉しいです。

謎の果実猫:
 兄弟と祠の話。
 弟が乗っ取られるに至るきっかけや、ほのめかしや伏線などあったほうが読後感がスッキリすると思います。
 兄がいじめられていることを知った弟は神頼みとして古い祠にお願いした。勇気を見せろと夢で見た弟が追い詰められた時に祠から光の玉が現れて助けてくれた。しかし代償もなく助けてくれるわけもなく弟は日に日に様子がおかしくなってしまうのだった…というお話。すべて解決ハッピーエンドではないところが良いですね! 怪しげなものに頼ったらそれなりの代償があるということがリアリティがあって大変好みです! おもしろかったです!
 これからも好きなものを好きなだけ詰め込んで楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 いじめられている兄ちゃんを助けたい弟の話。小さなほこらにお願いをしたら、いじめっ子三人を蛍が懲らしめてくれたという、弟の小さな勇気が光る優しい作品かと思いきや、最後に急転直下の展開が…という話。思わず「ここで終わってくれないのかよ…」とつぶやいてしまいました。殺生すぎる。しかしホラー作品としてこれ以上の読後感はないでしょう。素晴らしかったです。
 武州の作品だったので、弟は美少年なのかな?と思いながら読んでいました。最後の雰囲気が変わる弟の描写を考えると、結構順当な予測ではないでしょうか。

211:高き空より虹の降る/悠井すみれ

謎の有袋類:
 すみれさん? すみれさんの虹色のキレイなうんこだ!!!!
 虹色のうんこの話なのにうんこを漏らしたやつはかっこよくてかわいいし、うんこをもらしたやつの嫁はかわいくて聡明! どうなっているんですか?
 なんとなくなのですが、うんこを漏らしそうなところからスタートするとギリギリ限界感があってよかったかもしれません。
 恐らく長髪イケメン天使であろう人が窓からケツを丸出しにして虹色のうんこ(緩め)をする小説を! 読めるなんて! ありがとう汚い方の光小説大賞!
 僕はすみれさんのファンに吊るし上げられたりしませんか?
 めちゃくちゃにおもしろくて素敵できれいなうんこ小説でした。うんこ小説でキュンって出来るんですね。すげえや。小説の可能性を見ました。

謎の果実猫:
 うんこから始まる出会いの話。
 うんこから始まるのにこんないいお話なことあります!?!? しかもすみれさんなことにめちゃめちゃびっくりしました!!! すみれさんがシャイニングうんこを!?!? とてもいいお話でした…! 確かな筆致と豊かな表現力に彩られた素敵なお話でした。うんこから始まるし所々にうんこが挟まるけど…。
 短編なのでうんこを漏らしそうなところから始まったらハラハラ感にスピード感もプラスされてよかったかもしれません。
 虹色のうんこを漏らした天使は美しいし、手助けした人間は親切でいい子だしその出会いを元に深いお付き合いに発展しているしですごく素敵なお話ですね。うんこ小説でこんな素敵なお話になることってあるんだ。おもしろかったです! 大好き!

謎の女子高生:
 最高のうんこ、ありがとう。魔力を貯蔵し、人間達から渇望される「虹色鉱」と呼ばれる鉱物は、七色に輝く天使のうんこでしたというお話。天使と人間に交流があり、その大使として呼ばれた主人公が、このうんこの秘密を守るために招かれた飛行船でうんこをめちゃくちゃ我慢する物語。非常に素晴らしい作品でした。排泄行為さえ秘匿にしていた天使と、それを目撃した女性が最終的には婚姻するという、うんこが繋いだ絆が美しい。非常に読み味も爽やかで、楽しめる作品でした。
 この馴れ初めが歴史に残るという、子孫を思うと中々思うところのあるオチも好きです。虹色鉱の悲惨な出来事、少し気になりました

212:それにしてもあの子の笑顔は/@ DigArmor

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 ちょっと難しい内容で読み取れていない部分があるかもしれません。的外れなJことを言っていたらすみません。
 とある家に行って影絵を見つけるお話でした。
 これは僕が察しが悪いせいでよくわかっていないだけだと思うのですが、多分作者の方はわかっていると思うのですが、どういう理由でわざわざデザイナーである主人公に用事を頼んで回りくどいメッセンジャー役にしたのかが一度読んだだけではわかりませんでした。
 作者が思っているよりも、読者に伝えたいことが伝わっていないことは多いので重要なことなどはある程度はっきり書いておくと良いかもしれません。
 影絵を見つけるまでのギミックの数々は謎解きのようでとても面白かったです。最後の決め手が車だということを娘さんがわかったところなどもとても良いなと思いました。
 何か確執のあるらしき父と娘のわだかまりが今後解けそうなラストの読後感もよかったように思います。
 まだカクヨムには二作だけしかない作者さんなのですが、これからたくさんカクヨムに作品を置いてくれるといいなと思います。

謎の果実猫:
 影絵の家の話。
 作者と読者では情報量に差があるので説明しすぎなくらい説明したほうがいいかもしれません。
 影絵の家に住むのは雇い主の娘さんの一人でした。回りくどい伝え方をした理由はわかりませんが、直接伝えるのが照れくさかったとかそういうことだったのかな? 主人公が部屋を開けて探索して謎を解明していくところはおもしろかったです。最初はめんどくさそうにしていた娘さんも途中で熱が入ってきていたのが大変よかったです。これを機に雇い主と娘さんが今からでも仲良くなれるといいですね。 
 おもしろかったです! これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。 

謎の女子高生:
「影絵の見られるはずの家」の影絵を見られるように奔走するデザイナーの男の話。ある館に住む管理人とともに、家主から頼まれた影絵の仕掛けを解くが、実はそれは「管理人」である実の娘への言づてのようなもので…という物語。非常に読み良い、純ミステリであると感じます。大変面白かったです。
 読者に推理させるというタイプのミステリではありませんが、作品の組み立てや読後感がよく、とても良い作品でした。

213:残光/くろかわ

謎の有袋類:
 あやかしを書いてくれたくろかわさんの二作目です。
 最終日で脳が疲弊している時間に読むにはかなり重い内容!
 主人公を残して死んだ先輩の観測についてのお話でした。
 先輩の先輩なりの哲学に救われた主人公と、先輩の残した光を追い求める世に星を観測する主人公の関係性がとても良いなと思いました。
 僕はエンタメ系が好きなので何か事件が起きて欲しいなと思うのですが、多分静かな自分と向き合う純文学系のお話が好きな人にはグッとくる部分が多そうな作品です。余裕があるときに読み直したいなと思いました。
 SFから和風なものから文体と作風が幅広くてすごいなと思います。これからも色々な作品を読みたいのでまた企画などに参加してくれると嬉しいです。

謎の果実猫:
 山を登る話。
 山を登りながら合間に回想をする。不思議な先輩との出会いと別れ。その先輩との出会いが主人公を確かに変えてくれた。だから今も山に登り続ける。先輩がいなくなった今も先輩の影を追って足跡を探して山に登る…というお話。
 先輩が亡くなるのが突然だったのでほのめかしや伏線等あったほうが読後感がスッキリするかと思います。
 先輩との哲学じみたやり取りはちょっと難しかったです。最後は前向きなラストでよかったです。「そこにあの人の足跡が残っている気がして。そんなことは無いと解っていて。」ここ好きです! とても切ないながら素敵なお話でした

謎の女子高生:
  先輩との山登りをして天体観測をする話。居なくなった先輩が見えていたものを探すように、もらい受けた遺品の天体望遠鏡で星を見つめる主人公の物語。二人の関係性の描き方がとても好きでした。どこか浮世離れした調子の先輩のキャラクターも良いですね。
 物語としては、先輩が唐突に亡くなってしまったように見えるところが気になりました。なんとなく先輩らしくはありますが、少し伏線などが欲しかった気がします。
総じて文学的で、非常に読み解きがいのある作品だったと思います。

214:ひかりを閉じ込めた日/@ east_h

謎の有袋類:
 第五回振りの参加です。参加ありがとうございます。
 多分、あーちゃんと咲輝の視点がすごい勢いで入れ替わってるんでしょうか?
 何度も読み直したのですが、ちょっと間違えているところがあったらすみません。
 裁縫をやめたことを気にして欲しい子と、そうじゃない子のお話でした。両片想いの百合はめちゃくちゃにエモい!
 視点が頻繁に入れ替わるよりは、どっちかの視点で書いた方が感情移入出来るしわかりやすいと思うので一度視点を固定してリライとしてみてもいいかもしれません。せっかくのエモでキュンな感じが「今どっちが話しているんだろう」と混乱してしまうのは勿体ないので。
 両片想いで、実際はドキドキしている様子が初々しい素敵なお話でした。お揃いの巾着や、小物入れの名前を赤い糸で縫った理由などなど気になることもたくさんあるとても良い百合だと思います。これからもガンガン創作をしていきましょう。

謎の果実猫:
 仲の良い友達同士の話。
 灯里と咲輝は仲の良い友達同士。
 咲輝視点と灯里視点が入り乱れているのでちょっと混乱します。視点をはっきり分けて改行などで強調できたらよかったかもしれませんね。
 二人共お互いのことが好きで、咲輝は裁縫をやめてまで灯里に気にして欲しがっているところがかわいいですね。灯里は裁縫をやめてしまった咲輝に対して自分の言葉のせいだったのではないかと罪悪感を抱いていました。赤い糸で縫った理由は明かされませんでしたが気になりますね。運命の赤い糸でしょうか? それとも灯里の赤かな? もっと読みたかったですね。おもしろかったです!
 これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 あーちゃんと咲輝の話。こちら百合作品ですね。ありがとうございます。両片思いの二人の話だと読みました。小学生の頃、自分の言葉で裁縫をやめた友人にへの罪悪感と、裁縫をやめることで気を引きたかった少女の気持ちと、二人の裏腹な思いが交錯する良い作品でした。
 視点がころころ入れ替わるところは、少し読みづらく感じます。もう少し視点を固定しても、物語の読み味は損なわれないのでは?と感じます。
 幼馴染み二人の百合小説、大変楽しませていただきました。

215:メイベ砦の陥落/ささやか

謎の有袋類:
 ささやかさん参加ありがとうございます!
 灯台を守ろうとして守れなかったお話。
 陥落と書いてあるので陥落するのだろうなと思っていたのですが、グイグイ人が出てどんどん人が死ぬのもあってRTAを見ている感じに近かったかもしれないです。
 仲間を犠牲にして進むシーンや、ジャンのために兵士達が蛮勇を振り絞るシーンはめちゃくちゃによかったのでもっとのびのびした字数で書くと更によかったかもしれないなと思いました。
 残念ながら陥落してしまったメイベ砦と光の灯ることの無かった灯台、悲しくも散っていったジャン達の悲しいお話でした。
 今回は難産だったらしいのですが、これからもお話を色々書いて欲しいなと思います!

謎の果実猫:
 メイベ砦の話。
 タイトルに陥落とあるので陥落するのだろうなと思って読んでしまいました。タイトルにオチを持ってこないほうがいいかもしれませんね。
 すごい勢いで人が死ぬので無双ゲームを見ているかのようでした。
 仲間の命を犠牲にして進むシーンや、ジャンが最後の力を振り絞って灯した灯台の輝きのお陰で村民の命が守られた話は感動的でした。ジャン自身は灯台の輝きを目にすることはできなかったけれどもそのおかげでたくさんの命が救われたのでしょう。メイベ砦の生き残りは一人もいなかったというラストの言葉、とても切なく悲しいお話でした。
 これからもたくさん創作をしていってください。

謎の女子高生:
 おぞましい大森林の守りの要である「メイベ砦」で陥落する話。年々魔物の数が減っており、戦力を減らされているメイベ砦に、森の魔物が襲い来る森撃が発生して…という物語。タワーディフェンス的小説ですが、タイトルにもある通り戦力を減らされたメイベ砦は、抵抗むなしく陥落していく。陥落までのスピード感が非常にゲーム的に感じる作品でした。灯台の下りなどがとてももの悲しく、ファンタジー戦記の一遍として面白く読むことができました。
「メイベ砦の陥落」というタイトルはネタバレであると同時に、読者に「覚悟」を求めるようでもあったかと思います。このネタバレが功を奏していたかどうかはなんとも言えないところです。非常に面白い戦記ファンタジー小説でした。

216:トアル王国第一回光使い最強決定戦/@ dekai3

謎の有袋類:
 でかいさん!
 最後だけ駆け足だったから字数が足りなかったのかな?
 乳首が光る異世界ファンタジーで1万字を書こうという胆力はすごい。
 様々な光使い(偽物含む)で魔王を倒す王道ファンタジーだったのですが、途中でカードゲームになったりの好きなもの欲張りセットでよかったです。
 カケルくんのゲーミングバイクが割と役に立っていたのとかめちゃくちゃに好き。
 ティクビよりもアテムくんの方が主人公じゃん! と思いながら楽しく読めました。
 執筆は!!!!計画的に!!!!!!!!!!
 おもしろかったです。コンスタントに長編などにも挑戦していきましょう。

謎の果実猫:
 乳首が光る能力者であることを隠したい話。
 光る乳首で10000文字も書かないでください! 目が滑る滑る! もう頑張れないよ!
 乳首が光る能力者であることを隠したい主人公が光使い最強決定戦で闇使いと戦う話。主人公を助けてくれるアテムのほうが目立っていておもしろかったです。アテムのほうが主人公っぽいぞ! 今まで失格になったみんなたちと協力して魔王を倒すシーンは胸熱展開でしたね! ちょっと苦戦してから倒せたところもハラハラ感があってよかったです!
 おもしろかったです! これからも好きなものを好きなだけ詰め込んで楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 王国一の光使いを決める大会で、乳首が光ること隠して光使いとなったことを隠し続けるティクビ団長が、他の光使いに難癖を付けていくが、最終的に闇使いと戦ってみんなでどうにかする話。忙しい! 展開ごった煮で、非常にお祭り感の強い作品でした。発光乳首で1万字、さすがの胆力であるとお見受けします。
 さすがにごった煮感が強く、とにかく勢いで書かれているという印象の作品でした。投稿時間的にも実際そうだと思います。勢い乳首で1万字、お見事でした。
 オチのティクビ団長の乳首の話が好きでした。ありますよね、そういう銅像。

217:魔王軍追放~光属性以外のあらゆる属性攻撃を防げる最強の盾なのに、私を追放しちゃって大丈夫?~/椎名ロビン

謎の有袋類:
 第五回振りの参加! 今回は不戦勝にならなくてよかったねそださん!
 というわけで追放ものでした。朗読映えしそうでめちゃ良いーーー
 残っている古参幹部は一人称オデのやつでなにもかもつたわってきちゃって笑っちゃったw
 そださんの長所でもある会話劇がかなり活きる作品でした。LED普及してる世界なんだ! ってのも軽く流せる緩いノリが良い。
 チンポと言えない魔王様可愛いね。
>Q.光属性以外のあらゆる属性攻撃を防げる最強の盾なのに、私を追放しちゃって大丈夫?
>A.大丈夫ではない(追放される側が)

 これが入るのちょっとかっこよくてズルい! めちゃ良いお話でした!
 次の目標は早めの執筆です! 執筆は!!!!計画的に!!!!!!!!!!!!!

謎の果実猫:
 魔王軍幹部なのに光属性に弱すぎて追放される闇の王の話。
 追放ものだ~~~!!! 会話のノリが軽くて読んでておもしろかったです! 幼さの残る10歳相当の魔王、可愛いですね。「残った古参幹部は一人称オデですし」そうなの!? 大丈夫か魔王軍!? 「世界を滅ぼす魔王のくせに、チンポと口に出すのは恥ずかしいらしい。」めっちゃかわいいですね。
「Q.光属性以外のあらゆる属性攻撃を防げる最強の盾なのに、私を追放しちゃって大丈夫?」「A.大丈夫ではない(追放される側が)」ここめっちゃ好きです!
 とてもおもしろかったです!!! これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください!

謎の女子高生:
光属性に引くほど弱いせいで追放された魔王幹部の話。追放を宣言されてもモノローグで動揺してるだけで魔王が心配になるところでめっちゃ笑いました。ベタな笑いに弱すぎる。勢いの良い会話劇で、終始面白く読めました。言葉のセンスや会話のセンスが大好きです。魔王のキャラクターも闇の王のキャラクターも最高でした。
 たっぷり一万字、終始テンションが高く息切れしながら読んでしまいましたが、勢いも良く、楽しかったです。

218:視覚ドラッグ/立談百景

謎の有袋類:
 暴力と百合! タチバナさんの作品です。
 >ウルカはセフレだし、わたしのタトゥーの彫り師だし、元々は高校からの同級生だし、ドラッグの仕入れ先でもあるので、わたしたちは旅行トリップ友達でもある
 暴力の欲張りバイキングセットみたいな組合わせの友達、好き。
 サイバーパンク2077に出てくるBD的なものをイメージしました。似たような映像が見えるハズレ電子ドラッグイベントがあって金を毟られるやつだったので一瞬だけ心配したのですが、視覚ドラッグがバッチリ決まっていてめちゃよかったです。
 最初からある程度、SF的な世界だよーって書いてくれると多分もっと親切なのかもしれない。
 暴力! 百合! セックス! ドラッグ! タトゥー! とタチバナさんの好きなもの全盛りセットという感じでめちゃくちゃによかったです。
 これだけ暴力の香りが漂っているのに最後の無防備な寝顔を保存するの好き。
 自作投稿のノルマ達成おめでとうございます!!!!!!!

謎の果実猫:
 視覚ドラッグを試す話。
 講評で忙しい中自作投稿お疲れさまです。暴力と百合! 
「ウルカはセフレだし、わたしのタトゥーの彫り師だし、元々は高校からの同級生だし、ドラッグの仕入れ先でもあるので、わたしたちは旅行友達でもある。」全部盛りの欲張りセットみたいな友達ですね! すごい! 視覚ドラッグがキマりすぎて気持ちはいいが相性が悪いと次はないということになったのが残念でしたね。近未来のSFな世界観もよかったです! 最後のシーンで消したメモリーの代わりに寝顔を保存するところが微笑ましくて可愛かったです。 

謎の女子高生:
 
好きなんですよね、セフレ百合。

219:レッド逮捕/プラナリア

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 戦隊もの? のレッドが殺人罪で逮捕されたことについてのルポ風のお話でした。
 結末も真相もわからないのですが、多分戦隊ものが好きな人だとより楽しめるのかもしれません。
 地下人的な人たちが差別をされていて、正義に味方たちにも対立や汚い部分があるというヒーロー物へのメタの王道的な展開のように思います。
 作者の方は多分楽しく書いているのかな? と思いました。こういうものがわからないのですが合体するロボはわかる! とわからない人にもなんとなく分かる小ネタが挟んであるのはとてもよかったと思います。
 読者に結論を投げかける系のスタイルの興味深いお話でした。
 ニチ朝的な作品が今回は多かったので、多分、趣味が近い人には届きやすいと思います。
 これからも好きな要素をたくさん詰め込んだ作品やメタを楽しんで創作をしてくれるとうれしいです。

謎の果実猫:
 ヒカレッドのお話。
 ヒカレンガーのヒカレッドが危険運転致死傷罪で逮捕された。そのことについて他のメンバーに話を聞くと様々なことが明らかになっていき…? 
 作者と読者では情報量に差があるのでわかりやすさを一番にして説明しすぎなくらい説明したほうがよかったかもしれません。
 作者さんが楽しく書かれたのだろうなということだけは伝わってきました。結局のところ真相はわからず、有耶無耶になっているように思いました。ヒカレッドを養護する声は上がれどなぜその行いをしたのかには触れられませんでした。
 私はこういったものには疎いのですが、こういうものに詳しい人ならもっと楽しめたのだろうなと思います。趣味の近い人が読んでくれるといいですね。これからも好きなものを好きなだけ詰め込んで楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 いわゆる戦隊ものを再解釈するタイプの作品で、戦隊のレッドが危険運転で逮捕されたことの真相を追うルポルタージュもの。すみません、ちょっと頑張って読んだのですが、ちょっと情報量が多く、全体像を掴みかねる作品でした。ヒーロー物を揶揄するルポという試みや、いわゆるスーパー戦隊もののあるあるを踏襲した設定の凝り方など、拘りの見える部分は読んでいて非常に楽しかったです。

220:日陰者/鈴界リコ

謎の有袋類:
 
はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 体を売る海外の方のお話でした。
 何度か読んだのですがちょっと文学的すぎてわからないところが多かったです。すみません。
 体を売る女の光と影のようなお話でした。多分文学的なことが好きな方や純文学が好きな方、海外の文化が好きな方にはおもしろさが更にわかるんだろうなと思います。
 これは好みの話なのですが、もしより広いタイプの読者に読まれたい場合は、話にメリハリを大きく付けて必要なことをガツンと書いた方が伝わるのかもしれません。
 日本とは違う環境で、どうにか生きていく一人の女性のお話をありがとうございました。

謎の果実猫:
 マリア・フアナの話。
 すみません! 何度か読んだのですがよく理解できないところがありました。
 しっとりした落ち着いた文章で進んでいく物語でした。
 短編なので取捨選択をして書きたいところだけ書くのもいいかもしれません。盛り上がりや山場のようなものがあるといいですね。
 左団扇で暮らしているというからには暮らしに余裕がありゆったり過ごしていると見ていいのですよね。マリアがラパラ夫人だったのですか? ザック・ラパラはマリアの夫でしょうか。なにも理解できていなかったら本当に申し訳ないのですが…。
 ロリィとシレンシオが可愛らしいですね。文学的な話には疎いもので、こういうものが分かる人にはもっと楽しめると思います。

謎の女子高生:
  売春婦のマリア・フアナの物語。『ザック・ラパラのドンキー・ハウス』でラパラ夫人として生活するマリアと、そこを訪れてきた子供達の話。申し訳ありません、こちら何度か読んでいたのですが、私の読解力がなく、どういう話なのかが読み取れませんでした。海外舞台の作品で、おそらく異国の生活文化や雰囲気に詳しい方には、よく読み取れる作品だったのではないかとお見受けします。登場人物の多さや、会話の文脈の取り留めのなさが難しく感じたポイントです。台詞の端々から感じられるラパラと子供達の雰囲気など、空気感はとても好きな作品でした。

221:異世界アウトサイダーズ/しゅげんじゃ

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。シャヘルめちゃくちゃにかっこいいーーー!
 これ終わるのかな? と心配していたのですが、終わらなかった……。
 小説の冒頭や導入という感じのお話でした。
 帝銀事件を模した異世界での事件に、同郷の異世界人が立ち向かう! のはめちゃくちゃにアツいのですが、ここからが物語の見せ場だと思います。
 魅力的な男シャヘル、そしてシャヘルを仇だと思って追いかけてきたアシラと魅力的なキャラクターもいるので是非物語の結末まで書いてから投稿して欲しかったなと思います。
 シャヘルがめちゃくちゃにかっこいいのでこれを中長編にリライトするときはちょっと教えてください。あとシャヘルの細かい見た目なども知りたいです。

謎の果実猫:
 
アシラとまれびとの話。
 ここで終わるのか~!と思ってしまいました。物足りなさがありました。中編や長編向きの題材だったのかもしれませんね。取捨選択して書きたいところだけ書くのもいいかもしれません。
 物語の導入部分だけで文字数を使ってしまい、ここからが本編というところで終わってしまったのでどうしても物足りなさがありますね。中編か長編にリライトしてもいいかもしれません。アシラがかなり好みでした。シャヘルを仇だと思いこんで追いかけてきたのも人種が同じとかそういう理由だったからなんでしょうか? おもしろかったのも確かです! 魅力的なキャラクターに素敵な物語でした!

謎の女子高生:
 
 異世界で起きた服毒殺人事件の真相を追う少女アシラと、詐欺師の男が事件の真相に迫ろうとする作品の序章という趣の作品。異界から訪れた人間たちが起こす事件にまつわるクライムファンタジーだと読みました。非常に面白かったです。
 ただやはり、大きな作品のビギンズ的な筋立てだったように思います。先の気になるストーリーで、詐欺師の登場などから、異世界でのコンゲームなどの面白い作品も生まれそうだと感じました。
 展開の広がる作品で、非常に楽しめました。

222:眼下に広がる満天の星/今井士郎

謎の有袋類:
 うわーー! 良かったー!
 舞台上映前の緊張感からのスタートで終わるラスト!めちゃくちゃによかったです。
 蓄光テープをお星様に例えるのがロマンティックでそこもよかったです。
 カチカチになっている主人公の緊張をうまーくやわらげてあげる先輩も好きです。
 軽快なやりとりが続く中、色々な話を凍えてしていてみんな仲良しなんだなとわかるのも良い。
 投稿時間以外文句はないです! でもお忙しい中の参加ありがとうございます! 執筆はご計画的に!

謎の果実猫:
 舞台が始まるまでの話。
 作品の第一声を飾る主人公はこれから始まる舞台の緊張でカチンコチンになっている。仲間たちが小声で代わる代わる励ましてくれる。おほしさまが見えると言ったのは設楽さん。「私の下に、『星空』があった。」蓄光テープたちが織りなす星空を見て緊張がほぐれていく主人公。「そして、大きな声で、第一声を放った。」ここよかったです~! ラストひっくるめて全部よかったですね~!
 スケジュールが忙しいと言っていた中、参加してくれてありがとうございました!
 大変おもしろかったです! これからも創作活動を応援しています!

謎の女子高生:
 演劇サークルの舞台で、第一声を飾る主人公の話。物語は舞台演劇そのものではなく、舞台が始まるその瞬間を描くもので、ガチガチに緊張する主人公と周りの人物たちとの会話がどこか暖かい。非常に良い空気感の伝わる作品でした。最後の「そして、大きな声で、第一声を放った。」というところが好きでした。
 掌編として手堅くまとまっており、これ以上描くものは無いかもしれませんが、この演劇サークルの話は別々に展開させるのも面白そうです。

223:アイ・アム・ヒューマン/マツムシ サトシ

謎の有袋類:
 サポ!こら!Arkをするな!!!
 知らない誰かがクリーチャーと出会い、それが古くから知っている相手だと分かる話でした。
 各化物たちの仕草がかわいかったのがよかったです。グレゴールの見た目がもっと知りたかったな……。
 これは本人から聞いてしまったのですが、一話の視点がグレゴール視点だって聞いて「グレゴールはこんな喋り方しないだろ! 解釈違いです」と騒いでおきました。
 あと執筆は計画的にしましょう。

謎の果実猫:
 とあるクリーチャーの話。
 1話目の視点が誰なのかわかりにくいのはわざとでしょうか? はじめ読んだときはグレゴールとイー・フェンの他にもう一人人間の男がいるんだとばかり思っていましたがそういうことではなく、1話目の視点はグレゴールなのですね。子犬のように可愛らしいグレゴールの視点がああだとギャップがありますね。
 文字数に余裕があるのでもう少し山場や到達点のようなものがあったらよかったかもしれませんね。
 なぜイー・フェンがクリーチャーに変異してしまったのかはきっかけは光だとしても真相はわからずじまいでしたが、これからの彼らのことを考えると切ないですね。これからは狩られる側になりかねない危うさが感じられます。
 おもしろかったです!

謎の女子高生:
 クリーチャーの言葉が分かる宇宙生物専門家が、化け物になってしまった相棒と相対する話。相棒であるイー・フェンがクリーチャーの姿になるまでの物語が描かれる。SFとして興味を引く設定の掌編小説でした。グレゴールがかわいくていいですね。
 物語としては、冒頭のシーンに対する結末が描かれて折らず、途中で無理矢理完結させたように見えました。締切間近の投稿のようなのでその影響でしょうか。素直に続きが気になります。
 設定、キャラクターともに魅力的で、ポテンシャルを感じる作品でした。

224:FLASH—— 回想/水玉猫

謎の有袋類:
 
はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 多分スパイ的な組織のお話でした。
 蜂に関連した隠語的なものがかっこよくて良かったです。
 あと、指導役みたいなものがある組織、とっってもいいですね。雰囲気が良くて世界観に浸りたくなる作品でした。
 読者と作者の情報量は違うので、急に真実を明かされると驚いてしまう人が多いかもしれません。「実は二重スパイだった」と明かすよりは、主人公のエルダーも怪しいよ!というフラグを立てつつも主人公に対する違和感を読んでいる人向けに書いて行った方がより気持ちよい読者の裏切り方に繋がると思います。
 読んでるやつを騙して驚かせてやるぞ! というよりは、多分読んでいる人が覚えた違和感を気持ちよく解決させてあげよう! 方が多分次もこの人の作品を読んでみようにも繋がりやすいかも?
 ダブルスパイをやってのけた主人公、猫を探している理由などもかっこよくておもしろく読めました。
 ルビの使い方や、蜜蜂や雀蜂という言葉選びのセンスもめちゃくちゃによかったです。

謎の果実猫:
 蜜蜂と呼ばれた少年たちの話。
 うわーーー!!! すごくよかったです!!! 
 作者と読者では情報量に差があるのでわかりやすさを一番にしてほのめかしや伏線を置いたほうが読後感がスッキリするかと思います。突然二重スパイだったと告白されてもびっくりしてしまいます。
 「うん。言わなくてもわかっている。ぼくもあなたを愛しているよ。ずっとあなたとフィアットだけを。ぼくたちは、これからもずっとぼくたちだけのチームだ」こことてもよかったです! 感動的でした! 言葉の選び方や描写がかっこよかったです。主人公と彼の静かでそれでいて大きな感情のやり取りがとてもよかったです! 
 とてもおもしろかったです!

謎の女子高生:
 修道院で特殊な訓練を受けスパイである「蜜蜂」として育てられた少年たちの話。実は主人公の少年は敵との二重スパイだった…というお話。ペアとして育てられる蜜蜂たちの絆や、猫のフィアットの話がとても良かったです。
 二重スパイだったと判明するところは少し唐突だったような気がします。もう少し伏線があっても良いと思います。しかしながら、物語としては少年たちの悲しい感情や、言葉の節々から感じる儚さが美しく、非常に良い読み心地の作品でした。

225:飛んで火に入る、/目々

謎の有袋類:
 アロハと怪しげな男といえば目々さんです。
 こういう口調の男が好き……。兄さんにどんどん惹かれていく友達や彼女、誘蛾灯に例えているのがめちゃくちゃによかったです。
 兄ちゃんの姿も知りたいな……優男系なのでしょうか……。
 日常会話からぬるっと色々と入って行くのがめちゃくちゃに良いのですが、不穏をもう少し先に出してくれると「どんな話かな」とワクワク出来るようになる気がします。
 評議員は絶対に最後まで読むし、最後まで読めば目々さんの話はおもしろいという信頼があるのですが、そうじゃない人を引き込むには……みたいな。
 目々さん得意の軽薄で怪しくて魅力的な男を食べるのが好きなので僕にとってはめちゃくちゃに良い作品でした。
 ここまで聞いておいてもきっと先輩は兄さんと仲良くなってしまいそうなのがめちゃくちゃに良い。
 兄さんもちょっと不気味だけど魅力的っぽいのがとても良いですね。これからも素敵なうさんくさい男をたくさん作って欲しいです。

謎の果実猫:
 兄さんの話。
 そのままでももちろん魅力的なお話なのですが、短編なので早めに兄さんの話に入ってもよかったかもしれません。
 庭に女子生徒が盗み聞きしていたエピソードが怖くて好きです。「そんでまあ、兄さんに鞍替えした連中、そこそこ死ぬんですよね。」ここめっちゃ怖かったです! 
 すごく怖かったです! スロースタートでじわじわ怖くなっていく感じがありましたね。兄さんを誘蛾灯に例えている友達とそれを聞いてちょっと声を荒げる主人公のところよかったですね。とてもいいホラーでした! とても怖く、おもしろかったです!

謎の女子高生:
 不穏な兄の話。何も無い後輩の田舎に観光に来たいという特異な先輩に、後輩が地元の情報をつらつらと語り続ける作品。その中に出てくる兄の話が非常に不穏で、兄につられるように集まった人間はろくなことにならないという、一種の警告を先輩に告げる…という物語。おっかね~~。非常にゾクゾクするホラー作品でした。原因もわからない、因果関係も見当たらない、ただたまたま、兄の周りで不幸が起こりつづけるという、本当にこちらが警告を受けているような怖さのある作品でした。
 語り口が饒舌で流れるように読める作品ですが、主題が中盤まで見当たらないため、少しやきもきするところでした。しかしそのやきもき感さえも恐怖のスパイスになっていたと思います。
 非常に良いホラー作品でした。絶対行きたくない田舎No1。

226:夜明けの道/小野屋

謎の有袋類:
 はじめましての小野さん!小野さんは小説がはじめてなのでめちゃくちゃに優しくしようと思います。
 多分夢の中で自殺をしようか迷っていた人が楓の妖精的な女の子に助けられたお話。
 初めから主人公のおじさんのお仕事的なことを明らかにしておくと、最後の木のお医者さんになっての威力が上がると思います。
 最初の場面で木の状態とか木の種類を見て木に詳しい人っぽい雰囲気を出すだけでも変わるかもしれないので、布石の置き方も徐々に覚えていくとエモをもっとエモに出来ると思います。
 楓ちゃんの可愛い感じと、おじさんのちょっと疲れた感じがすごくよかったです。前向きになれるハッピーエンドなので夢オチでもOK!
 おもしろくて可愛くて前無になれるお話でした。読みやすかったです!

謎の果実猫:
 夢の中の登山中に出会った不思議な少女の話。
 主人公の職業などの情報は早めに開示してしまったほうがいいかもしれません。その方が想像がしやすくて助かります。木の応急処置をした話はほのめかしや伏線も置いておくといいかも。
 夢の中での出来事から目が覚めても手元に残った楓の枝がすべてが夢ではないと教えてくれたこと、感動的ですね。ラストは前向きに祖父に学ぶ姿勢を見せて物語は終りを迎えます。ちょっとくたびれた感じのおじさんと儚げな少女の組み合わせとってもよかったです! とてもおもしろかったです! これからも好きなものを好きなだけ詰め込んで楽しく創作をしていってください。応援しています!

謎の女子高生:
 知らぬ間に身一つで山の中にいた男が、少女と出会い、二人で下山を目指す話。謎の少女と山を下る中、その会話で少しずつ男と素性が明らかになっていく…という組み立ての物語。少しずつ積み重ねる描写はどこか浮世離れしたところがあり、下山すると夢オチだったと分かる。不思議な雰囲気の作品で、非常に好きな読み心地でした。夢オチは嫌われがちですが、ただの夢ではなく、どちらかと言えば幻の類いだったという作りだったので、その辺りも良かったと思います。
 本作は夢オチがそこまで無理筋にならない組み立ての作品なので、むしろ作中の描写はもっと幻想に寄せても良かったかもしれません。「あなたを助けてくれた木です」と言わせるのはさすがに情緒がありませんが、もう少し仄めかしが強くても読者は気持ちよく読めるような気がします。
 男が巡り巡って救われる物語で、大変面白く読めました。

227:天啓/矢州宮 墨

謎の有袋類:
 Cyphiaさん!小説の方でははじめまして! 普段お絵描きをしてる人が小説に殴り込んで来てくれるのはとてもいいことですね。
 レオ、ヴィクター、エレノアの三人が地下のすごい遺跡へ行ってすごい発見をするお話。
 資料をばばばーっと書かれてしまうとかなりびっくりしてしまうので「報告書が出てきた」で登場人物に話をさせると飲み込みやすくなるのかなと思いました。
 天啓というタイトルを回収している要素が面白かったです。星の光が文字をもたらしたという壮大な神話とSFが混じったお話も好きだし、ヘビ型の探査機もかっこよくてめちゃよかったです。
 絵にしたらキレイだろうなとかカッコいいだろうなと言うシーンが多いのも印象的でした。
 小説チャレンジもよかったので、今後も気が向いたら小説を書いて欲しいです。

謎の果実猫:
 遺跡が発見された話。
 資料がどーんと出てくるシーンではちょっと目が滑ってしまうのでここは登場人物に言わせるなどして結論を話させるといいと思いました。
 蛇型の探査用ロボットいいですね、かわいいですね。レオとヴィクターとエレノアの掛け合いが楽しかったです。碑文に刻まれた壮大な神話がよかったですね。天啓というタイトルが効いてきます。「天の光は消え去り、念話は失われた。しかし、新しき概念、文字と共に、我らは再び進みゆく。」碑文のここ好きです! ここよかったですね~! 
 とてもおもしろかったです! これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 遠い超新星残骸の付近で発見された人工物と覚しき遺構が、最近になって別の研究施設内で発見された遺跡の年代が同じらしいということが判明し、その遺跡の調査へ向かう話。遺跡内で流砂に巻き込まれ下層へ落ちた調査隊は、遺跡内で「星が文字をもたらした」という内容の碑文を見つける…という物語。結果として件の超新星残骸は人為的なものではないか、という可能性が出てきたという物語。非常に読み応えのあるSF考古学小説で、大変面白かったです。
 冒頭、少し遺構と遺跡の関わりが伝わりにくいところがあったかなとは思いますが、これだけでもめちゃくちゃ面白い作品でした。先がめちゃくちゃ気になる。続きを所望します。良い作品をありがとうございます。

228:朝陽を見に行く/あきかん

謎の有袋類:
 サイクリングを朝した人の話でした。サイクリングをしながら色々考えている話。
 なんだろう……ブログとかにありそう。
 最終日のこの時間じゃなければ温かい気持ちで読めた気がします。
 でもちょっと良いのは人の描写で、多摩川はマジでそんな感じっぽいなーとかまだ野生の大人の秘密基地が現存してる場所はあるのだなと情景がよかったのはめちゃくちゃに長所だと思います。疲れた脳に効く日常の描写。
 執筆は計画的にしましょう!でも二作目なので偉いです。小説はぶっちゃけどんどんうまくなっているのでこれからも書いて欲しいです。ふぁいと

謎の果実猫:
 朝陽を見に行く話。
 ところどころわからない単語がありました。自転車に詳しいと分かる話なのかな? 
 特に山場や盛り上がりはなく、ストンと終わってしまった印象です。一番の山場である朝陽の描写にもう少し文字数を割いてもよかったのでは?と思わなくもありません。
 朝陽を見に行く道すがら自転車を漕ぎながらとりとめもない話を考える主人公の話。日常の風景ですね。通行人の描写にリアリティがあってよかったです。一作目より断然分かる話だったのでこちらのほうが個人的に好きですね。
 おもしろかったです! 朝の空気感や雰囲気を感じるようなお話でした。

謎の女子高生:
 サイクリング小説。多摩川沿いをサイクリングしながら色々な思索にふけり、朝陽を拝むというお話。景色を流しながらとりとめのない思考を追いかける、随筆のような作品だったと思います。読んでいて非常に楽しかったです。
 私もロードバイクに乗りますので大体分かりましたが、これ乗らない人には自転車周りの話は結構わかんないだろうなと思いました。でも自転車に乗ってるのが分かるので作品上の問題はないです。
 5barの空気圧、結構低いような気がしますが、チューブラーとかだとそうでもないんですかね。私はほっそほそカッチカチが好きなので23cを7.5〜8barくらいで乗ってます。
 雑談失礼致しました。共感を持って大変面白く読めました。

229:輝けるステラ/けるべろん

謎の有袋類:
 はじめましての参加ですね。参加ありがとうございます。
──何かに魅せられたら、自分も創りたくなってしまうのだ。
 この〆がかっこいいー! めちゃくちゃに良い青春ものでした。
 百合っぽいのもよかったです。
 Twitterを目にしていたので「めちゃくちゃにケツを蹴られ捲っていた人がこれを……」というのがすごいノイズになってしまったので作者を知らずに呼んでいたらもう少しグッと来ていた可能性があるのですが、これは完全に僕が悪いです。
 創作の苦しみや、創る楽しさというのは多分創作をする人は一度は取り扱いたいテーマなのだと思います。
 作者であるけるべろんさんも二桁作品書きましょう! カクヨムにずらずらーーーーっと作品が並ぶ日を待っています! ケツをばちぼこに蹴られながらの完結お疲れさまでした!

謎の果実猫:
 小説を書く女の子たちの話。
 「──何かに魅せられたら、自分も創りたくなってしまうのだ。」ここかっこいいですね~! とてもいいお話でした~! 「愛莉はいつも自信作って言ってるだろ?」いいことですよね。自信作ですって自分の作品に対して思ったり言ったりすることって。愛莉と菜月が一瞬気まずい関係になったかのように見えたもののまた仲良しに戻ってよかったです。女の子が仲良くしてるのは可愛いですからね。
 とてもおもしろかったです! これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。応援しています!

謎の女子高生:
 ラノベ公募にひた走る女子高生達の話。主人公は自作の小説を公募に出し、受賞を目標にしていたが、初投稿の親友が先に受賞してしまったという物語。
 こういう青春、なかったな〜〜。非常に瑞々しい、創作について真摯に向き合った青春小説だったと思います。二人の友情が良いですね、素晴らしいです。百合かも知れません。ありがとうございます。
 物を作るということについて、誰もが考えて見るテーマの作品だと感じます。非常に良かったです。

230:光霊/小林

謎の有袋類:
 はじめましての方です。参加ありがとうございます。
 多分戦時中のお話。一人の女性の一生を瞳の中に光が見続けていたものでした。
 僕が読み取れていないと思うのですが
>どうして今頃出てきたんだ、娘を奪っておいて、どうして、どうして......」
 ここからの下りが少しわからなかったです。この人は誰だったのでしょうか?
 母親のように学校の先生をしている主人公が穏やかな日々を送っているのを確認して瞳の奥に住んでいた光も融けていったのが印象的なお話でした。
 戦時中の悲惨な状態や次々とやってくる別れを乗り越えた女性の一生を興味深く描いた作品でした。
 この作者さんはまだカクヨムには一作しか作品がないのですが、これからも色々と書いてみてくれたらうれしいです。

謎の果実猫:
 あなたと私の話。
 「あなた」の瞳の奥に住むという「私」の視点で進む話。「あなた」は事故を起こして不自由な体になった話。空襲があって恋人と母を亡くしたあとに、出会った「あなた」を抱きとめてくれた女性と「どうして今頃出てきたんだ、娘を奪っておいて、どうして、どうして......」と言った男性が誰だったのかよくわかりませんでした。すみません。それから時が経ち穏やかな時間が送れるようになり物語は終りを迎えます。「そして、私もあなたも、これで十分だと知りました。こうして、私はついに光となって、あなたの瞳の奥に融けたのです。」ここ好きです!
 出会いと別れを乗り越えた先の穏やかな日常…。しっとりと落ち着いた文章で綴られる興味深いお話でした。

謎の女子高生:
 瞳の奥にいる「私」が、「あなた」の半生を追いかける作品。あなたは何かをきっかけに身体が不自由になっており、家で母に助けられる穀潰しになっていたが、ある青年と出会い、そこに愛情を感じるようになる。しかし戦火に巻き込まれ大切な人を失い、その中で「瞳の奥の私」からの手紙を見つけ、懺悔の念に駆られるという物語。瞳の奥の私は、かつての心中相手だったのだろと読みました。心中が未遂に終わり、「私」は亡くなり、「あなた」だけが生き残った話。苦しみの積み重なる、良い作品だったと思います。読解が的外れだったらすみません。私の限界です。
 少し組み立てや最後の種明かしが分かりにくい点がありましたが、非常に読み応えのある文学作品だったと思います、面白かったです。

231:亜光速じゃんけん/デストロ

謎の有袋類:
 面白いルールだと思うのですが、めちゃくちゃに説明があって多分最終日の締切り五分前に出すものでは無さそうです。余裕を持った執筆をしていきましょう!
 オリジナルルールのゲームを小説でってめちゃくちゃに難しいですよね。マンガでも難しいので。
>触手生物が寄せ集まって意識を共有するタイプの生物種だったとはなあ
 ここに傍点が打ってあるのはめちゃくちゃに親切で種明かしのターンが明快に書かれていたのはめちゃくちゃに親切でした。
 実は群体だったのも意外性がありますし、事前に布石が置いてあったのも種明かしの時めちゃくちゃに気持ちよかったです。
 作品のロジックや魅力的なキャラクターを作ったり、こういう読んでいる人へのサービス精神の高さは本当にすごいと思います。
 執筆はご計画的に!

謎の果実猫:
 亜光速じゃんけんの話。
 すみません! 宇宙船に乗ってからの光速?の説明がよくわかりませんでした! これは説明が悪いのではなく、私がそういうことに知識がないからなのですが全然理解ができなくて申し訳ないです。 でもわかりやすく結論を書いてくれていて大変助かりました。親切…!!! 
 「触手生物が寄せ集まって意識を共有するタイプの生物種だったとはなあ」「こっちの船に触手を一匹忍ばせといて、俺らの後ろで指を三本出させれば、指は本体の〈チョキ〉と合わせて計五本で〈パー〉扱いにできる。確かに、どっちの画面に映ってようと触手の指には違いあらへんわな」なんとズルい! 姑息な作戦! 相手のイカサマを見破って勝利した二人! とてもおもしろかったです! やったー! 伏線やほのめかしの入れ方もよかったですし種明かしのターンもよかったですね。読後感スッキリ!
 読者に親切な作者さん! これからも好きなものを好きなだけ詰め込んで楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 亜光速で移動する宇宙船に乗ってじゃんけんをする話。すみません、難しかったので雰囲気で読みました! なのでこの作品の真の面白さに気づいてはいない可能性があるのですが、めちゃくちゃ面白かったです。リョウジと水無月のコンビも好きでしたし、必勝法といかさま潰しの両方が達成される読み味爽やかなギャンブル小説だったと思います。
 やはり理論が難しいところが難点でしょうか。ただそれは読み手の視点が水無月にあり、彼女が雰囲気で分かったような反応をすることで物語としてそれを解決しているのは上手い点だなと感じます。
 非常に面白いゲーム小説でした。ありがとうございます。

232:光マン!/須藤二村

謎の有袋類:
 看守からの手紙とめちゃくちゃに壮絶な過去を持つのに光マンという名前で温度がバグる! 面白かったです。
 正義とは何か、悪とは何か的なお話でした。
 ばばばばばーっと看守が手紙で一方的にお話をしてくるのでスンッと聞くだけになってしまう気がします。
 内容は重めですし光マンの光フラッシュという技もおもしろいアイディアなので、一人称にして捕まるまでとかを書いても良かったように思います。
 光マンと闇マンという単語めちゃくちゃ好きでした。
 ハードボイルド系のノリのお話で面白かったです。劇画調のマンガで読みたい感じ。
 23:58投稿罪です!!!執筆は計画的にしましょう

謎の果実猫:
 光マンと呼ばれた男の話。
 光マンと呼ばれた男の現実と暗い過去の話をダーッと説明されるのですがちょっと目が滑りますね。お話自体も山場などはなくストンと終わる印象です。山場や到達点などあったほうがよかったかもしれません。
 光マン・闇マンというノリの軽い言葉とは裏腹に、内容は薄暗く湿度が高いお話でした。看守からの手紙を受け取り堂々と脱獄する光マン。このシーンはかっこよかったです。ちょっとアメコミヒーロー感がありましたね。
 おもしろかったです! 執筆は計画的に! これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 かつて正義のヒーローとしてもてはやされた光マンが、無敵の技が使えなくなったために監獄に収監されたが、しかしそれこそが光マンの目的であり、光マンに手紙を届けた謎の看守もそれを指示している、という話。正義と悪の対称性を描いた作品であるように読めました。光マンという名前のヒーローをダークヒーローにする、という試みが面白いですね。光マンといういくらなんでも昭和過ぎるヒーローネームで、そこそこハードな話をやろうとしてるのが、ちょっと露悪的なきらいはあるかも知れませんが、少し面白い。結構謎が謎を呼ぶ作品ではありますが、雰囲気がよく出ており、結構好きな読み味の作品でした。

233:光の記録/園長

謎の有袋類:
 カメラの話です。光というとカメラという方も結構多いのかなと思いました。
 一人の女性がかつての同級生と会って、職場で中の良かった老婦人の言葉を噛みしめるお話でした。
 良い話だったーーーー。
>あなたを大切に思ってくれている人がどんな顔をしているのか、ちゃんと見えるし、思い出せるじゃない。それって、とっても羨ましいわ
 これが最後に聞いてくる構成がすごくよかったです。最後の一文だけじゃなくて、ここまでフルで書いてしまったほうが親切かもしれないなと思いました。
 二人とも現在無職なので市村くんの方にもいろんな事情がありそうなのですが、この後二人がとても幸せになってくれるといいなと思える素敵な結末でした。
 でも23:58投稿罪です。執筆は計画的にしましょう。

謎の果実猫:
 市村くんと私の話。
 主人公の性別が早めにわかるとよかったかなと思いました。短編なので市村くんやカメラの話から入ってしまってもよかったかも? 
 藤岡さんとのエピソードよかったです。「藤岡さんが言っていた「とっても羨ましいわ」と言っていた言葉の意味も、今ようやくわかった気がした。」ここで「あなたを大切に思ってくれている人がどんな顔をしているのか、ちゃんと見えるし、思い出せるじゃない。それって、とっても羨ましいわ」がバッチリ決まっていてよかったです。とてもおもしろかったです! 市村くんと主人公の交流がこれからも続いていったらいいですね。
 執筆は計画的に! これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 介護の仕事を辞めた女性と、かつての同級生撮った写真を巡る物語。駅の通路に掲示されていたおばあさんの写真に目を奪われた女性が、里帰りした実家で、かつて高校の同級生がフィルムカメラで写真を撮っていたことを思い出し、その彼から写真を見せて貰うという物語。非常に良い作品でした。「写真を通じて生きてる証拠を残したい」という台詞が、この物語全体への回答になっている構成がとても好きです。いろんな要素の組み立てが不都合なく噛み合ってるのも読んでいて面白かったです。また久しぶりに再会した佐伯さんと市村くんの距離感も好きでしたね。こういうのが大好きです。
 あとすみません、これは作品と関係ないのですが「80台くらいのおばあさん」の誤字で、めちゃくちゃたくさんいるロボットおばあちゃんの絵面が思い浮かんでちょっと笑ってしまいました。本当に関係ない話ですみません。
 非常に素晴らしく、繰り返し読みたくなるような手触りの作品だったと思います。

234:何故に光の勇者は闇に染まったか/志波 煌汰

謎の有袋類:
 ぼ、ボコボコにしなくたって! みんな謎に光が憎くないのか! 光の神を倒しましょう! 今すぐ!!!!!
 めちゃくちゃに面白かったです。光の勇者の由来がそんなことなんてw
 これは思いついたら書きたくなる。仕方ないです。
 神官ちゃんが光の調整を出来るというのがよかった。神官ちゃんのおかげで魔王も倒せて世界に平和は戻る! でもやっぱり健全神ビィ・ピィ・オウ様は倒した方がいいと思います。
 23:59投稿罪ですが二作目なのであなたの罪は許されました。

謎の果実猫:
 光の勇者の由来の話。
 おもしろかったです! 「この異世界、全年齢版かよ――――――!!!!!!!」ここめちゃめちゃよかったです! このわかりやすさよ! この世界では光とはそういう意味なんですね~! 健全神ビィ・ピィ・オウめ~~!!! 許せねえ~~~!!! 神官が光の調整ができるの笑いました。さすが神官! 光魔法は得意なんだね~! やったー! 「闇の仮面を叩き割り、黒い衣装を脱ぎ捨てた『光の勇者』が爽やかに言った。」 現金な勇者! 
 とてもおもしろかったです! 疲れた脳には癒やしでした! これからも楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 転生先のゲームが全年齢版で乳首が謎の光で見えなかったから闇堕ちした勇者が、パーティーの神官から「それ調整できるよ」と言われて光を取り戻す話。2行で全内容が要約できてしまう! 勢いの良いギャグ作品だったと思います、面白かったです。正直ベタなコメディだったとは思うのですが、勢いで笑いました。これは全く作品に関わらないところですが、魔王を倒す勇者パーティーが仲間達を「戦士!」とか「神官!」と役職で呼んでるのがちょっとシュールで好きなポイントでした。Webデザイナーがいたら「Webデザイナー!」って呼ばれる世界。
 童貞いじり的なネタも、最近は世間的にもためらう傾向にあるでしょうか。そこに真っ向から立ち向かうような作品で気持ちよかったです。勇者にも気持ちよくなって欲しい。

235:ステンドグラスの深海で/2121

謎の有袋類:
 吸血鬼だーーー!人間に溶け込むタイプの吸血鬼。見た目年齢25歳の31歳設定、とても良い。
 人魚と吸血鬼の二人が交流するのは良いですね。
 人魚と友達にばれた後に、友達の記憶も消さないでよかった……。
 人外同士のちょっとドライながらも相互協力関係を結ぶのもよかったです。
 こちらの吸血鬼くん、別の作品にも出ていたりしましたか? なんとなく覚えがあるのでもしあれば読みたいなと思いました。
 23:59投稿罪です。執筆は計画的にしましょう!!!!!

謎の果実猫:
 人間に潜んで暮らす吸血鬼と人魚の話。
 わーーー!!! すごくよかったです!!! 美登里ちゃんに人魚だとバレたあとに記憶を消すか迷って消さずに済んだのはよかったですね。「友達が人魚だから何? 私はあんたが人間だから友達になったんじゃなくて、あんただから友達になったの!」美登里ちゃん強い! よかったね~! 蒼依ちゃん可愛い! 翳先生優しくてかっこいいな~~~!!! 魅力的なキャラクターにとっても素敵な物語でした! うら若き乙女がダンボールハウスに住むな! いくら人魚でも危ないよ! 蒼依ちゃんは一体何歳なんでしょうね…?  
 とてもおもしろかったです! 執筆は計画的に! これからも楽しく創作をしていってください。

謎の女子高生:
 ステンドグラスを作る吸血鬼と、歌を歌う人魚の話。何でも無いように人間の世界で暮らす二人の人外の邂逅とちょっとの生活を描く作品でした。作品の下敷きには大学の音楽祭があるのが、青春ものの小説としてうまく機能していたように思います。水倉さんは先生の正体を知っている感じだったんですかね、そういうのが想像できるのも楽しいところでした。人魚の枝星のキャラクターが好きです。
 プロットについては少し散らかっているような印象ではありました。まあこの投稿時間なら宜なるかなというところ…。それでも話としてはしっかりまとまっており、作者の地力を感じます。
 爽やかな読み心地の大変楽しい青春小説でした。

236:線香花火の延命/syu.

謎の有袋類:
 恋が終わる瞬間のお話でした。
 勝手に好きになって勝手に恋を終わらせているのですが、キュンが多い。
 若々しい恋の話で良かったです。恋というのはそういう自分勝手で幻想に満ちている位がきっとちょうど良いのでしょう!
>心の片隅に線香花火を閉じ込めた瓶があった。何時までも彼岸花のような光を放って、私の心を焦がし続けていた。
 ここがめちゃくちゃに良い表現でいいなーと思いました。ずっと大切にしていた思い出! 彼はきっとその場の思いつきで適当に言ったこともわかって二度美味しいキレイな表現でした。
 23:58投稿罪です。執筆は計画的にしましょう!

謎の果実猫:
 思い出と恋の話。
 いい思い出として大切にしていたのに時間が経って忘れられて思い出が壊されてしまったという話かな? 勝手に幻滅しているところが思春期や身勝手さを感じていいですね。線香花火が終わるように恋も終わったのかな?
 「あの日からずっと心の片隅に線香花火を閉じ込めた瓶があった。(略)線香花火を閉じ込めていた瓶が割れた音がした。」「線香花火は静かに光を失った。それは線香花火の光に不釣り合いな、虚しい終わり方だった。」ここ好きです! 言葉選びがいいですね~! 雰囲気があって素敵です! 
 おもしろかったです! 執筆は計画的に!

謎の女子高生:
 
わー、面白い。非常に好きな雰囲気の作品でした。「瓶に閉じ込めた線香花火」をフックに、実家に帰省していた年上の幼馴染みと再会し、花火をする話。終始、主人公から幼馴染みに対する感情が緻密に描かれており、端々のやりとりが非常に響いてくる作品だったと思います。最後、瓶に閉じ込められた花火というフックは心象だったと分かるのですが、その点も良かったです。進学で離れてしまった幼馴染みの知らない面が、少しずつ主人公の感情を作り替えていくような、居心地の悪い青春期の物語として、大変面白かったです。

237:夜明けの竜/紫吹明

謎の有袋類:
 女騎士ルーチェと第二王子ニシャントの物語でした。
 龍の奇跡が起きてルーチェも死ななくてハッピーエンド!なのですがかなり色々つめつめで進んでいくのでRTA気味かも? というのと多分作者の方はわかっている固有名詞や設定が説明も無いまま飛び出してくるので一度読んだだけだと噛み砕くのは難しいかもしれないなと思いました。
 三万字くらい使うか中長編にしてリライトしてみると、ルーチェとニシャトの魅力や呪い、人間と鱗のあるみなさんとのちょっとした確執なども書けると思います。
 短編でファンタジーはかなり難しいので、ナイスチャレンジ! こういう全講評企画などで色々試して最適な尺と舞台を掴んでいきましょう!
 23:59最終更新罪です。執筆は計画的にしましょう!

謎の果実猫:
 陽の一族と夜の一族の戦いの話。
 とてもよかったです!!! 鱗に覆われた腕を持つ王族ニシャントとそのニシャントに仕える少女騎士ルーチェ! 夜の呪い! 龍の奇跡! 
 固有名詞は多いものの、その後に説明があったのでわかりやすくてよかったです。後半は少し駆け足に感じました。文字数が足りなかったのか、短編向きの題材ではなかったのかもしれませんね。中編か長編にリライトしてもいいかも?
 龍の奇跡をニシャントが発現したあと、ルーチェを生き返らせるところは感動的でしたね。とてもおもしろかったです! バトル描写がすごくかっこよかったです! 世界観も重厚で奥行きがありとても素敵な物語でした。
 執筆は計画的に! これからも好きなものを書いて楽しく創作をしていってください。 

謎の女子高生:
 陽の一族と夜の一族の対立を描く作品。おちこぼれのニシャント殿下が率いる部隊にはなぜか騎士の中の騎士であるルーチェがおり、二人の関係が節々に描かれる。夜の一族の攻勢にニシャントは負けそうになり、ルーチェも死地を彷徨うことになる。しかしそのとき、落ちこぼれのニシャントは一族に伝わる「竜の奇跡」の力を発現した…という物語。非常に重厚なファンタジー戦記物で、大変面白かったです。キャラクターの関係性、世界情勢など緻密な設定も、読んでいて好きなところでした。
 重厚でありますので、少し詰め込んだ感はあったように思います。情報の奔流を感じ、少し読むのが大変でした。ただライトな読み味にすればよいという話でもないので、おそらく「中〜長編」に向いた設定だったのだろうと感じました。
 しかし総じて面白く読めた作品でした。ありがとうございます。

238:天女の羽衣/羊屋さん

謎の有袋類:
 蝶々になってしまった人のお話でした。
 虫好きのお隣さんに捕獲され、しっかりと毒の元になるっぽいお花も貰った主人公とお隣さんの関係性がすごくよかったです。
 最後の仕事だけわからなかったのですが、天女の羽衣と読んでいたので自殺した魂を運んでくれる的なことかな? と思いました。
 暗喩や仄めかしは基本的に通じないと思うのではっきりとセリフで言わせてしまっても良いかも?
 どことなく寂しいけれど、魂を守ると思ってもらえたお隣さんが報われたようでどことなく爽やかな不思議なお話でした。
 僕が見逃していただけなのでギリギリ投稿罪を免れてています。
 文章のセンスや発想はめちゃくちゃに良いと思っているので、コンスタントに小説を書いて欲しいなと思っています。
 どの情報の伝え方をすればいいのかを掴んだらグングン伸びると思うので、いろんな全講評企画にチャレンジして見ても良いのでは?

謎の果実猫:
 蝶になった人間の話。
 作者と読者では情報量に差があるのでわかりやすさを一番にして説明しすぎなくらい説明したほうがいいと思います。重要な情報は登場人物に言わせるなどしてしまいましょう。
 「僕の仕事って、これか。」ここがよくわかりませんでした。お隣さんの死因もわかりません。自殺でしょうか? 病死でしょうか? ある程度計画的なように見えたから自殺ですかね。 はっきりわからないのでなんとも言えません。
 もの悲しく切ないラストでした。
 おもしろい発想でした。これからも好きなものを書いて楽しく創作していってください。

謎の女子高生:
 蝶になってしまった主人公が、かつての隣人に捕獲され飼われる話。隣人は虫を綺麗に愛でる青年で、最後は彼の引っ越しにより、自然にリリースされてお別れになる、という物語。主人公の正体はウスバシロチョウで、青年はきちんと毒蝶にして彼をリリースした。なかったはずの交流を描く作品だったように思います。飼う、飼われるという関係は非常に残酷でグロテスクなものですが、人間だった主人公にとってはむしろそれが最後のコミュニケーションであると感じる、という構成は面白かったです。
 物語の行き場が明示的でなかったところは、少し読み味をふわふわとさせていたように思います。読者が抱くだろう全ての「なぜ」への回答が無い点は、少し全体をぼんやりさせてしまったように思います。
 虫を飼う隣人の人柄の感じや、虫になった主人公の動きのリアルさなど、その点の面白さはあり、良い空気感の作品だったと思います。

◆大賞選考

謎の有袋類(以下有袋類):大賞選考は評議員三名がそれぞれ大賞に推す作品を三つ選び、意見が割れた場合は合議で各賞を決めていきたいと思います。
謎の果実猫(以下実猫):よろしくお願いします
謎の女子高生(以下女子高生):よろしくお願いします
有袋類:では、せーので大賞候補を言っていきましょう
有袋類:せーの
「人魚とプール、楽しい」と放流 新宿の中3女子4人を書類送検
埋まらぬ牙
めんくいさまの御饌
女子高生:
・太陽はカンヴァスの中に輝く/朽尾明核(初)
・私はあなたが好き、あなたも私が好き/クニシマ
・地球一周光速パンチ/コサジ少将(初)
果実猫:
めんくいさまの御饌/ぴのこ
高野咲良は亡くなりましたか?/南雲 皋
魔王軍追放~光属性以外のあらゆる属性攻撃を防げる最強の盾なのに、私を追放しちゃって大丈夫?~/椎名ロビン
有袋類:それでは多数決の結果、めんくいさまの御饌が二票で大賞に決定です!おめでとうございます
女子高生:おめでとうございます!!
果実猫:おめでとうございます!
有袋類:他は割れているので、出ている中から三作選んで金銀銅賞を決めていきましょうか?
女子高生:了解しました
果実猫:結構割れましたね
有袋類:僕は三作選びました。お二人は選べましたか?
果実猫:選びました
女子高生:はい
有袋類:じゃあせーのでもう一回いきましょう
有袋類:せーの
有袋類:
「人魚とプール、楽しい」と放流 新宿の中3女子4人を書類送検
高野咲良は亡くなりましたか?/南雲 皋
地球一周光速パンチ/コサジ少将
女子高生:
・太陽はカンヴァスの中に輝く/朽尾明核(初)
・私はあなたが好き、あなたも私が好き/クニシマ
・埋まらぬ牙
果実猫:
太陽はカンヴァスの中に輝く
高野咲良は亡くなりましたか?
埋まらぬ牙
有袋類:主催特権で決めます!
女子高生:承知しました!
果実猫:ドキドキ!
有袋類:金賞:埋まらぬ牙 銀賞:高野咲良は亡くなりましたか 銀賞:太陽はカンヴァスの中に輝く
銅賞は無しで銀賞二本でこうしましょう!
有袋類:吸血鬼はとても良い物なので、埋まらぬ牙を金賞にしました。めちゃよかったので……
果実猫:おお~~~!!!
女子高生:こちらもおめでとうございます!!
果実猫:おめでとうございます!
有袋類:総評に入る前にそれぞれの五億点賞も発表しちゃいましょう!
有袋類:どうします?早いものがちにするつもりですが、作品は選びましたか?
有袋類:せーの
有袋類:光の中で灯を点ける/根占 桐守(鹿山)
女子高生:私はあなたが好き、あなたも私が好き/クニシマ
果実猫:人魚と神様/ごもじもじ/呉文子
有袋類:五億点賞はそれぞれ謎の有袋類賞 光の中で灯を点ける/根占 桐守(鹿山) 謎の女子高生賞:私はあなたが好き、あなたも私が好き/クニシマ 謎の果実猫賞:人魚と神様/ごもじもじ/呉文子 に決まりました!おめでとうございます!
女子高生:おめでとうございます〜!
果実猫:おめでとうございます!やった~!
有袋類:僕、埋もれる牙を五億点にしようとしてたので抜いたんですけど金賞にしちゃいました☆主催者特権
女子高生:私は自身の大賞候補だった「私はあなたが好き、あなたも私が好き」をそのまま選ばせていただきました。もし賞外であればそのまま五億点賞に上げようかなと思っていたので
果実猫:推していた「高野咲良は亡くなりましたか?」が銀賞になってうれしいです!すごくいいホラーだったので!
有袋類:それでは総評にいきましょう!今回は怒濤の投稿数で大変なことになっているのですがホラーとSFも多いしファンタジーもエッセイも有りですごかったですね。
女子高生:大豊作でしたね。バラエティ豊か
果実猫:まさかあんなに量が来るとは…
有袋類:みなさん評議員に忖度してくれて吸血鬼、百合、人魚も多くてよかったですね。金賞と銀賞にも吸血鬼が鎮座していますし、良い吸血鬼作品がたくさんありました
女子高生:百合! 沢山書いていただき本当にありがとうございます。めちゃくちゃ堪能いたしました
果実猫:異常気象ものも多かったですね~私も書きましたし
女子高生:テーマが「光」なので天候や空にまつわる話は多かった印象ですね
有袋類:異常気象、SFとか近未来系に繋がってよかったですよね。灼熱のパイクタウンやゾンビインヒートアイランドが印象的でした
灼熱のパイクタウン、アクションシーンがかっこよくて好きでしたね。ゾンビインヒートアイランドはゾンビの倒し方が好き。あとサウナのやつもよかった
女子高生:『サウナ救世譚』好きでした。勢いと絵面が良い
果実猫:全裸中年男性が活躍するやつですね~~~
女子高生:サウナだけ表に出た地下都市から見えた全裸中年男性に尻込みする宇宙人、この作品だけでしか読めない
果実猫:迫力がありましたね~~~
有袋類:全裸中年男性は地球を救うんだ!という力強さが感じられました。今回はちんぽもたくさん光ったので男性が強い回だったのかもしれないですね。ちんぽは何本光っても良い
果実猫:ちんぽが光って嫌な人はいませんからね
女子高生:ちんぽはいつだって光っていて欲しいですからね
女子高生:思ってたよりうんこは光ってない印象でした
有袋類:うんこ、すみれさんが光らせてきたのが一番びっくりしました。あんな綺麗なうんこあるんだ!?って。商業作家が二人も光るうんこを出してくる小説大賞はこむら川だけ!
果実猫:「高き空より虹の降る」は本当にいい話でしたね
果実猫:うんこであんなにキュンとしたのは初めてです
女子高生:すばらしかったです。虹色のうんこでジンとくる経験は貴重です
有袋類:今回は僕の教養が足りなくてわからない作品もあったのが心残りでした。百個の怪談を話すと出る怪異がいる一方で、百首の魔改造百人一首を詠むと成仏する怪異がいるらしい、光源の人がわからなかったのが残念だったので勉強しようと思いました。PzさんのやつはPzさんが反省してください。評議員が三人いると誰かが拾ってくれるから助かるなと思います。
果実猫:Pzさんのやつは私も諦めてしまいました。あれを読み解くのは諸々足りなくて…
女子高生:Pzさんのは魂で読みました
果実猫:すごい!
有袋類:講評が楽しみですwお二人は印象に残った作品など他にあったりしますか?
女子高生:めちゃくちゃあって語り始めたらいくら時間があっても足りないのですが、それこそ『百首の魔改造百人一首を詠むと成仏する怪異がいるらしい』と『感光』など、素晴らしい百合作品が多く、ありがたかったです
有袋類:百人一首がわからなくても百合の良さはわかりました。ちんこまんこの後ろに来ちゃったから順番的に事故ってるんですけど感光もめっちゃエモな百合でよかったですね
果実猫:ムラサキハルカさんの1作目の「べあうちふる」がめちゃめちゃ印象に残っていますね…
有袋類:7000文字のぎっしりつまったうんこだ
女子高生:『べあうちふる』確かにめちゃくちゃ印象深い…
有袋類:今回、夜明けの道、そのゴリラは光っていた、最後の文化祭、青い春。、光霊、婚約破棄された悪役令嬢は光魔法で未来を切り開く~ブチギレやけくそソーラービィイイイム!!!!!!~を書いた作者さんたちが僕が知る限りで人生で初小説らしいので、こういう機会に小説を書いてみて投稿してみてくれるのはうれしかったです。まだ知らないだけで初めて書いたよって人は隠れてそうですが
果実猫:こむら川を機に初めての小説に挑戦してる方々がいるというのは純粋に嬉しいですね
女子高生:人が初めて書いた小説を読むの、ちょっと失礼かもしれないんですが、興奮しちゃいますよね。嬉しくて
果実猫:わかります~!
有袋類:わかります。大切な初めてを捧げてくれるのはとてもうれしいことですよね……へへ
女子高生:『そのゴリラは光っていた』は大分好きでしたね。本当にゴリラが光ってるだけなんだけど、妙に惹き付けるというか
有袋類:はじめての小説でそれはズルいじゃんって笑いました
果実猫:豚肉まぢかさんの小説、どちらもとてもおもしろかったですね~!
有袋類:あと、エントリーナンバー66の忘れさせた光が個人的にはめちゃくちゃに好きでした。WEB小説はこのくらい好きにやっていいんだ!となれる作品で言葉はちょっと悪いんですけど、荒削りだけど好きなことをやってていいなって思ったんですよね。ナンパギャングってなんだよ!好き!みたいな
女子高生:不良の王のお兄ちゃんの話ですね! ワードセンスが良かったな〜〜
有袋類:かしこまらなくていい……好きなものの山盛り丼を出してくれてありがとう……!ってなりましたw
果実猫:好きなものを好きなだけ詰め込んだ創作は楽しいですからね!どんどんやっちゃいましょう!
有袋類:サクッと総評に入って行きましょうか!全体を通して何かあったりしますか?
僕は「あっと驚くラストをしたいのはいいけど読者を騙そうとするのはやめよう」って思うこともそれなりにありました。サービス精神であっとおどろかせようとしてくれてるのはわかるんですけどね……
有袋類:作者は圧倒的に有利で情報を持っている立場なので、読者を騙すんじゃ無くて読者に仕掛けた違和感をうまく解決してあげて驚かせて欲しいなと思いました。仲良くしよう!
果実猫:作者と読者では情報量に差があるのでわかりやすさを一番にして説明しすぎなくらい説明したほうがいいでしょう。驚かせたいにしても事前にほのめかしや伏線等はあったほうが読後感がスッキリするかと思います。と言ったところでしょうか?
有袋類:僕と果実猫さんは本物川育ちでエンタメ小説よりの読み方なのでどうしても余韻が残るラストが苦手な傾向はある気がします。
女子高生:私は「下限3000字」と「上限1万字」って想像以上に表現できることに差があるなと感じました。埋めに埋めて3000字の人もいれば、削りに削って1万字、という人もいたなという印象です。そこをうまく見極めるプロットワークの訓練にも、こむら川は向いているなと感じます。(自戒込み)
有袋類:察しの悪い読者代表のつもりで講評をしました。そこをうまく女子高生さんが拾ってくれているので、文芸系を読む人とエンタメ小説を読む人でここまで読み方が違うんだなと言う参考にしていただければなと思います
有袋類:名指しをするのですが、ヒロマルさんとかは「ここで終わるのか?嘘だろ?」ってなっちゃったので、続きを書いてくださいって思ってますw
女子高生:ヒロマルさんのは本当にそうw
果実猫:ヒロマルさんは講評を楽しみにして欲しい
有袋類:これを読む頃はきっと講評も読んでいることでしょう!聞いているか!続きを待っています!
有袋類:講評も三者三様……僕と果実猫さんは結構指摘箇所もかぶってるのですが、読み方や好きなジャンルが違う三人から同じ要素を指摘されていたら、そこは何か書く上で注意してくれるとうれしいかなと思います。それぞればらばらなことを言ってる時もあるので好きなアドバイスと褒めを選んで糧にしていこう!!!
女子高生:この女子高生変な読み方してんなと思ったら、是非その憎しみを次回作にぶつけていただきたい
有袋類:どんな形であれ踏み台にしてくれればうれしいですからね。こいつら見る目ねえなと思うのも自由!
果実猫:好きなアドバイスや褒めだけをつまんでもオーケー!
有袋類:238作、初参加99人と異例の大洪水でしたが、なんとか無事に大賞も決まりました!本当にお疲れさまでした!
果実猫:本当にお疲れ様でした~!
女子高生:こんなに文芸創作が集まるのが嬉しく、本当に評議員をやる意義を感じる大会でした!! 来年は300越えちゃうんじゃないですかこれ……
大変お疲れ様でした!
有袋類:告知なのですが秋には、塔の諸島の糸織り乙女の作者である 渡来みずねさんと一緒に長編創作応援企画をやろうと思います。長編がある方、今から秋までに10万字書くぞと言う気合いが入った方は参加してね!
果実猫:大変だったけど同時にすごく楽しかったです!ありがとうございました!
有袋類:来年300越えたらいよいよ仕事ですねw来年も闇の評議員の負担を減らすためにがんばって工夫をしていきたいと思います……人員が確保出来たら開催するので誰か立候補してくれてもいいです
果実猫:人員、毎回変えなくちゃですもんね…
有袋類:公平性を保つためにも毎回僕以外は新鮮な方が望ましいですからね……
女子高生:この規模の文芸賞だと普通は下読みが入るレベルですからね……本当に毎年おつかれさまです。こむら川に救われてる創作界隈、たくさんいる
有袋類:これからも草の根活動的に楽しくお祭りを出来たら良いですね
有袋類:闇の評議員のみなさんも大量の講評マジでありがとうございました!まだ残ってる評議員の方はがんばってください……!
そして闇の評議員を労ってくださる方は下記リンクにある投げアイスを送っていただけると喜びますー!お疲れさまでした!
女子高生:おつかれさまでした!!!!
果実猫:おつかれさまでした~!!!



◆ご案内

 宗教上の理由で投げ銭解放してません。
 それでも闇の評議員を労いたい!という奇特な方は下記のリンクからギフトコードを取得して頂き、僕にDMなどでリンクを送ってくださると嬉しいです。
 闇の評議員たちで山分けさせていただきます。
お疲れさまの投げアイス

◆参考サイト

第十一回本物川小説大賞 大賞は ナツメ さんの『これはフィクションです』に決定! - 大澤めぐみの落花流水 https://kinky12x08.hatenablog.com/entry/2020/12/21/004802
本物川小説大賞歴代講評
http://kinky12x08.hatenablog.com/archive/category/%E6%9C%AC%E7%89%A9%E5%B7%9D%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E5%A4%A7%E8%B3%9E

前回までのこむら川小説大賞の様子はこちら

◆過去のこむら川小説大賞
https://www.comrasaki.com/?page_id=29