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【CoCの情報の取得と整理について・そのに】

こちらの記事は前回の続きです。まずはその1からお読みください。
https://note.com/violetfizz/n/n9e535821ea9c


◇情報を確認する

明らかになること、つまり得られる情報は、明らかになった時点では「確かである」「確かかどうかわからない」「確かでない」の3つに分けられます。
このうち、行動するうえでの足がかりになるものは、確かである情報です。CoCは疑うことが多いゲームなので、確かであるということは重要になります。

ただ、CoCにおいては、「その情報は確かでない」という情報さえ出てこなければ、信頼してもいいかもしれません。
これは、その1の記事のクリア条件を疑うプレイヤーのところでも話しましたが、偽であるという情報が一切出ない、疑わせないのではゲームとして成立しないからです。
とはいえ、プレイヤー(と探索者)が「その情報は確かでない(偽である)」という情報をその時点ではまだ得ていない、あるいは既に逃しているという可能性はあるので、その点については気を付けるべきではあります。

◇情報と考えは分けておく

情報を集めるとき、たいていの場合は何かしらのメモをとることになるでしょう。特にオンセであれば、セッションを数度に分割して行うこともあるので、再開時の自分にもわかるようにしておかなければなりません。

覚え書きをする際に気を付けなければいけないのは、「明らかになったこと」自体と、それを元に「プレイヤー(探索者)が考えたことや感じた印象」などは分けておいたほうがいい、ということです。
この二つを合わせた「主観の混じった情報」とだけはしておかないようにします。

やや胡乱ですが具体例をあげると、「天気予報で雨の確率は10%と言っていたこと」と「その確率なら雨は降らないだろうと考えたこと」を、「天気予報では雨は降らないと言っていた」とメモはしない、ということです。天気予報は雨が降らないとはけして言っていないのですから。

もちろん、主観の混じった情報であっても、根拠となった情報自体が正確で、考えたことも的を射ていれば問題は起こらないでしょう。ただ、たとえ情報自体は正確であっても、プレイヤー(と探索者)が思い違いや思い込みをすることはあります。
そういった場合に情報と考えをひとまとめにしていると、問題があったのが情報自体であったか、それとも考えたことのほうであったかがわからなくなってしまうことがあります。

人は自分が考えたことを信じ、それに基づいて行動するものですから、自分を疑うのは難しいものです。
プレイヤーが複数人のシナリオであれば相互にチェックすることもできますが、ソロではそうもいきません。

……とはいえ、自分を信じて駆け抜けるのも、プレイの醍醐味のうちではあります。
探索者はあくまで探索者であって、ミステリー小説の探偵というわけではありません(職業が探偵の探索者はいますが)。また、真実が明らかになろうがなるまいが、卓を囲んだ全員が楽しければそれでよくはあります。

その1の記事で書いたことを再度申し上げますが、この記事、特にこの項目は“こういったプレイが正しい”とするものではありません。こういうやり方もあるのだという参考程度にしてください。

◇気になったことは気にしておく

前の項目で少しふれたように、自分が考えたことは何よりも行動の軸となります。ですので、気になる、ということは大事にしてください。
調べる→明らかになる→謎などの気になることが出てくる……大抵はこれの繰り返しになります。気になったことを忘れてしまうと、調べるきっかけ自体を失いかねません。

また、手に入れた情報についてなどでよくわからない点がある場合は、キーパーに確認しておくということも大切です。答えられる範囲のことであれば答えてくれるはずですし、答えられないことは答えられないと言うはずです。また、調べれば出るということであれば、技能ダイスを提案されるかもしれません。
こういう確認は、正確な情報を得ることにも繋がりますし、キーパーや他のプレイヤーとの齟齬なども減らすことができます。

◇情報そのもの以外に気を付けておくもの

情報に付随するものそれ自体も新たな情報になり得ます。

・情報を得たタイミングと場所など
そのタイミングでその情報を得られたこと、その場所にその情報があったことなど自体も大切です。

・情報源(何から、あるいは誰から情報を得たか)
特に、NPCの手記やNPCの証言などであった場合は注意します。その情報自体がNPCの視点からのものだからです。情報の確度に関わります。
ものによっては、正確かどうか嘘がないかどうかなどを確認する必要はあるでしょう。
手記なども場合によっては「信頼できない語り手」の可能性があります(ただしこれも、疑うべきであれば「疑うべきであるという情報」が別に出るはずです)。

◇何かわからないものをどう扱うか

シナリオ中に登場する、あからさまな「何かわからないもの」「怪しいもの」というのは、とても疑わしいものです。CoCは疑うことが多いゲームだとも書きましたが、そういったものはいっそう疑わしく感じるでしょう。

ただ、それが何かわからない、ということは、それはわからないものなのです
罠かもしれないし、重要なものかもしれない、あるいは何も関係のないひっかけでしかないかもしれない。
わからない、というのはそういうことです。調べる必要がある、あるいは、何かのタイミングで明らかになるはずもの、ということです(機会を逃す、ダイスの出目などで明らかにならない、などを除いて)。

慎重を期すのであれば、そういったものが登場した場合は扱いを保留することをおすすめします。
何故ならその時点で判断するための情報があれば、それはわからないものではないはずですし、それほどあからさまであるということは、シナリオ中にそれが何であるか大抵の場合は判明するはずです。

出てきた人形を何となく壊してみたら、NPCが急に死んだ……なども起こりかねません。CoCはそういうことが起こりうるゲームです。

◇全てが明らかになるわけではない

選択やダイスの出目、機会を得たかどうかによっては明らかにならない情報、あるいはそもそもシナリオ中では匂わせるだけで詳細はわからないという情報も中にはあります。
何もかもを明らかにして安心してから行動したい、という気持ちはとてもよくわかりますが、それで行動できなくなってしまうと本末転倒です。場合によっては、それによって他の情報を逃すということもあります。

◇困ったときは!

この記事で紹介した情報の取得と整理の仕方は、プレイヤー自身の“アイデア”(いわゆるリアルアイデアと呼ばれるもの)に頼った遊び方をするときのものです。
ですが、そういった遊び方は面倒だと感じる人もいますし、好きだという方でも、どうしても思いつかない!ということは多々あるでしょう。

そういったときは、素直にキーパーに言ってしまいましょう。
「探索者が何か思いついたり気付いたりするかどうかダイスを振らせてほしい」
アイデアなり、あるいは幸運なり目星なり……そういった判定のダイスを振らせてくれることもあります(キーパーやシナリオ次第です。リアルアイデアでの謎解きをメインにしたシナリオでは少し難しいでしょう)。

これはプレイヤーがわからなくとも、探索者はダイス次第ではわかることもあるかもしれない、ということです。
何故なら、プレイヤーと探索者は別物です(ここまでリアルアイデアのことを書いておいて!?と思われるかもしれませんが……)。

たとえば、医学の知識がないから医者のロールプレイができない、あるいは医学の知識をプレイヤーが持っているから有利になりすぎる。それではゲームとして公平でなくなってしまいますし、技能値の意味が薄れてしまいます。

プレイするうえで、プレイヤー(と探索者)が考えることと行動が軸になる以上、アイデアとリアルアイデアは技能や他の能力ほど厳密に区別はされていないことが多いですが、使えるときには使っていいものです。

何より楽しく遊ぶために、遊びやすいことは大切なはずです。リアルアイデアを使うもよし、ダイスに任せてみるもよし、ぜひ、自分に合った方法を選んでください。

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その1と比べて取り留めのない書き方になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。参考になれば幸いです。

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