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本棚にはたまに、読まれたことがあるふりをした本が収まっているので。

新
3年前

この秋始めての鵯の声。このあたりには秋から春の間しかいない鳥だ。今年も来た。きっと庭の柿をつつくのだろう。
あいにくの雨で金木犀の香りはかき消えているが、灯台躑躅の葉も色付き始めている。秋の深まり。

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3年前
1

田舎の夜は人がいない。外では誰ともすれ違わないのに、コンビニにだけ人がいる。広い海と船着き場のように。
コンビニを出て、あとは帰るだけだとマスクを外す。誰もいない夜道。冷えた空気にまじる金木犀の香り。
白々と光る少し欠けた月。コーヒーだけは去年と変わらない味がする。

新
3年前

なんとなく買ったコーヒー豆が、好みよりもちょっと酸味が強かった。

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3年前
1

誰かが選んだこと、その選択が自らの生の終わりであればなおさら、その選択を「馬鹿だ」と言い切る人にはなりたくないと思う。
そうしなくてもいい方法があったはずだなんて、所詮は外野だからこそ言えることだ。
追い詰められた人には、それはもう、望みですらないのに。

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4年前

静かな部屋の中で、がさり、がさり、と音がしたので何かと思ってそちらを注視していたら、花瓶に活けてあった大輪の薔薇が崩れ落ちる音だった。がさり。
(6/14 twitterでつぶやいたものを再掲)

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4年前