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メルク社とリッジバック社が開発中の経口抗ウイルス剤モルヌピラビルが、軽度または中等度の新型コロナウイルス感染症患者の入院または死亡の危険性を偽薬(プラセボ)と比較して約50%減少させたことが、第3相試験の肯定的な途中経過分析報告で明らかになった

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大学が始まりました。自分の授業との兼ね合いもあり、これが定期更新できるか少し不安ですができるだけ頑張ります。さて今回は、新型コロナウイルスの経口坑ウイルス剤のモルヌピラビルという薬についてです。開発したメルク社の声明を翻訳しました。この記事は約3時間で翻訳しました。それではどうぞ

参照リンク

今回の原文はこちらなります。

https://www.merck.com/news/merck-and-ridgebacks-investigational-oral-antiviral-molnupiravir-reduced-the-risk-of-hospitalization-or-death-by-approximately-50-percent-compared-to-placebo-for-patients-with-mild-or-moderat/

本日の翻訳

中間解析において、モルヌピラビルを投与された患者の29日目までの入院率が7.3%であったのに対し、プラセボを投与された患者の入院または死亡率は14.1%でした。

メルク社は、できるだけ早く米国での緊急使用認可を求め、世界各国の規制当局に申請を行う予定です

承認されれば、モルヌピラビルはCOVID-19に対する最初の経口抗ウイルス薬となる可能性があります

米ニュージャージー州ケニルワース & マイアミ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 
米国およびカナダ以外ではMSDとして知られるメルク(NYSE: MRK)とリッジバック・バイオセラピューティクス社は本日、経口抗ウイルス薬の治験薬であるモルヌピラビル(MK-4482、EIDD-2801)が、軽度から中等度の新型コロナ感染症を有する可能性のある非入院の成人患者を対象とした第3相院外試験の予定された途中経過分析報告において、入院または死亡のリスクを有意に減少させたと発表しました。モルヌピラビルを投与された患者のうち、無作為化後29日目までに入院または死亡したのは7.3%(28/385例)であり、偽薬(プラセボ)を投与された患者の14.1%(53/377例)と比較して、モルヌピラビルは入院または死亡のリスクを約50%減少させました。この臨床試験において患者が入院または死亡することはほとんどなかったと言えました(p=0.0012)。29日目までの死亡例は、モルヌピラビル投与を受けた患者ではなく、偽薬(プラセボ)投与を受けた患者では8例でした。今回の良好な結果を受けて、独立したデータの経過観察のための委員会の勧告および米国食品医薬品局(FDA)との協議により、本試験への募集を早期に停止します。メルク社は今回の結果を受けて、できるだけ早くFDAに緊急使用許可申請を提出する予定であり、また世界の他の規制機関にも販売申請を行う予定です。

新型コロナウイルス感染症の感染爆発に立ち向かうためには、より多くの治療法が緊急に必要です。感染爆発は主要な死因となっており、世界中の患者、家族、社会に深刻な影響を与え、医療体制を圧迫し続けています。今回の結果を受けて、私たちは、モルヌピラビルが世界的なパンデミック対策の一環として重要な医薬品となり、最も必要とされる時に感染症の画期的な解決策をもたらすというメルク社の無類な遺産に加わることができると確信しています」と述べています。メルクの最高経営責任者(CEO)兼社長のロバート・M・デイビスは、「命を救い、改善するというメルク社の揺るぎない公約に基づき、私たちは引き続き規制当局と協力して申請を行い、モルヌピラビルをできるだけ早く患者さんにお届けできるよう全力を尽くします」と述べています。「メルク社の全社員を代表して、モルヌピラビルの開発に不可欠な貢献をしてくれた臨床研究者と患者さんの繋がりに感謝します」と述べています。

リッジバック・バイオセラピューティック社の最高経営責任者であるウェンディ・ホルマンは、「新型コロナウイルス感染症の感染者が病院に行かずに済むように、自宅でできる抗ウイルス剤治療が切実に求められています。途中経過分析報告結果に大変勇気づけられ、モルヌピラビルの使用が認められれば、感染爆発の抑制に大きな影響を与えることができると期待しています」と述べています。メルク社との提携は、本薬が承認された場合に迅速な世界的流通を確保するために不可欠であり、開発の重要な段階に到達するための共同作業に感謝しています」と述べています。

予定されている途中経過分析の結果について

計画された途中経過分析では、2021年8月5日以前に第3相院外試験に最初に登録された775名の患者さんのデータを評価しました。説得力のある途中経過分析結果に基づいて患者募集を停止することを決定した時点で、本試験は第3相試験の抽出標本範囲である1,550名の完全な募集に近づいており、予定していた抽出標本範囲の90%以上がすでに登録されていました。

参加資格は、すべての患者が実験室で確認された軽度から中等度の新型コロナ感染症を罹患し、試験の無作為化後5日以内に症状が発現することでした。また、試験開始時に、状態を悪化させる危険因子を1つ以上有していることが必要でした。モルヌピラビルは、すべての主要または控えのグループにおいて、入院または死亡の可能性を減少させました。有効性は、症状の発現時期や基礎的な危険因子に影響されませんでした。さらに、ウイルスの連続的なデータが得られた参加者(参加者の約40%)によると、モルヌピラビルは、新型コロナウイルス感染症の変異株であるブラジル(ガンマ)株、インド(デルタ)株、およびミュー(コロンビア)株において一貫した有効性を示しました。

あらゆる有害事象の発生率は、モルヌピラビルを投与したグループと偽薬(プラセボ)を投与したグループで同等でした(それぞれ35%と40%)。同様に、薬物関連の有害事象の発生率も同程度でした(それぞれ12%と11%)。有害事象により試験を中止した被験者は、偽薬(プラセボ)グループ(3.4%)に比べ、モルヌピラビルのグループ(1.3%)よりも少なかったです。

モルヌピラビルがEUAまたは承認された場合、流通を可能にするためのメルク社の取り組みについて

院外試験の結果を見越して、メルク社はモルヌピラビルの生産を危険を冒しながらも行っています。メルク社は、2021年末までに1,000万クールの治療薬を生産する予定で、2022年にはさらに多くの用量を生産する予定です。

今年初め、メルク社は米国政府と調達契約を締結し、EUAまたは米国FDAの承認を得て、約170万クールのモルヌピラビルを米国政府に供給することになりました。さらに、メルク社は世界中の他の政府と、規制当局の承認を待って、モルヌピラビルの供給・購入契約を締結しており、現在、他の政府と協議中です。

メルク社はモルヌピラビルが承認された場合、全世界で適時この薬を提供することを約束します。また、感染爆発への対応に必要な資金を調達するための各国の相対的な能力を反映させるため、世界銀行の国別所得基準に基づいて段階的な価格設定を実施する予定です。

世界的な流通拡大の一環として、メルク社は既成のジェネリック(後発)医薬品製造会社とモルヌピラビルの非独占的な特許放棄(オーソライズドジェネリック)契約を締結し、100以上の低・中所得国(LMIC)において、現地の規制当局による承認または緊急承認を得た後、モルヌピラビルの供給を加速することを発表しました。

院外試験の詳細

院外試験(MK-4482-002)(NCT04575597)は、実験室で確認された軽度から中等度の新型コロナウイルスを有する入院していない成人患者を対象とした、無作為化、偽薬(プラセボ)対照、二重盲検、多施設共同の国際的第3試験であり、病気の状態を悪くする危険因子を少なくとも1つ持ち、無作為化前の5日以内に症状が発症しています。院外の主要評価項目は、無作為化時から29日目までに入院および死亡した被験者の割合で評価し、プラセボと比較したモルヌピラビルの有効性を評価することです。


院外試験である第3相試験は、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、エジプト、フランス、ドイツ、グアテマラ、イスラエル、イタリア、日本、メキシコ、フィリピン、ポーランド、ロシア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、台湾、ウクライナ、英国、米国など、170以上の予定地でグローバルに実施されました。院外試験の詳細については、clinicaltrials.govをご覧ください。

疾患予後不良の最も一般的な危険因子は、肥満、高齢(60歳以上)、糖尿病、心臓病でした。現在までに、ブラジル(ガンマ)株、インド(デルタ)株、およびミュー(コロンビア)株の3つの変異体が、本試験の評価可能な症例の約80%を占めています。また、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アフリカでの募集は、それぞれ55%、23%、15%を占めています。

モルヌピラビルについて

モルヌピラビル(MK-4482/EIDD-2801)は、新型コロナウイルス感染症の原因物質である新型コロナウイルスの複製を阻害する強力なリボヌクレオシド類縁体の経口投与の治験薬です。モルヌピラビルは、新型コロナウイルスのいくつかの前臨床モデルにおいて、予防、治療、感染防止に有効であることが示されています。さらに、前臨床試験および臨床試験のデータから、モルヌピラビルが最も一般的な新型コロナウイルスの亜種に対して有効であることが示されています。モルヌピラビルは、エモリー大学が全額出資する非営利のバイオテクノロジー企業であるDrug Innovations at Emory (DRIVE)社で発明され、メルク社がリッジバック・バイオセラピューティクス社と共同で開発しています。リッジバック社は、メルク社から契約一時金を受け取り、また、開発および薬事承認の一時目標達成に応じて偶発的な支払いを受ける資格を有しています。本共同研究による利益は、提携間で均等に分配されます。リッジバック社が提携認可状を取得して以来、モルヌピラビルの開発に使用された資金はすべて、メルク社およびリッジバック社のウェインとウェンディ・ホルマンから提供されています。

また、モルヌピラビルは新型コロナウイルス感染症の家庭内での拡散防止におけるモルヌピラビルの有効性と安全性を評価している国際的な多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験「MOVE-AHEAD」において、曝露後の予防策として評価されています。詳細については、http://merckcovidresearch.comをご覧ください。

リッジバック・バイオセラピューティック社について

リッジバック・バイオセラピューティック社は、米国フロリダ州マイアミに本社を置き、新興感染症に特化したバイオテクノロジー企業です。リッジバック社はエボラ出血熱治療薬のEbangaTMを販売しており、新型コロナウイルス感染症治療薬のモルヌピラビルを含む後期開発製造機構を有しています。モルヌピラビルの開発は、リッジバック社とメルク社が全額出資しています。リッジバック・バイオセラピューティクスLPの株式資本はすべて、ウェインとウェンディ・ホルマン夫妻が出資したもので、彼らは人命を救う医療技術への投資と支援に尽力しています。リッジバック社のチームは、治療法を必要としている患者や病気のために、救命および人生を変えるような解決策を見つけることに専念しています。

メルク社について

メルク社は130年以上にわたり、命を救うことを使命とし、世界で最も困難な病気の多くに対応する医薬品やワクチンを開発してきました(米国およびカナダ以外ではMSDと呼ばれています)。メルクは、広範囲にわたる政策、プログラム、提携企業を通じて、医療への流通を向上させることで、患者と住民の健康に対する公約を示しています。今日メルク社は、がん、HIVやエボラ出血熱などの感染症、新興の動物性疾患など、人や動物を脅かす疾患の予防と治療のための研究の最前線に立ち続け、世界で最も研究集約型のバイオ医薬品企業を目指しています。詳細については、www.merck.com をご覧ください。また、Twitter、Facebook、Instagram、YouTube、LinkedInでもご紹介しています。

メルク社の最新の声明について

メルク社とケニルワース社の本発表文書には、1995年米国私募証券訴訟改革法のセーフハーバー規定の意味における「将来予想に関する記述」が含まれています。これらの記述は、当社の経営陣の現時点での見解および期待に基づくものであり、重大な危険性および不確実性を内包するものです。製造機構製品に関しては、製品が必要な規制当局の承認を受けることや商業的に成功することを保証するものではありません。前提となる仮定が不正確であることが判明した場合や、危険性や不確実性が顕在化した場合、実際の業績は将来の見通しに関する記述と大きく異なる可能性があります。

危険性や不確実性には、一般的な業界ならびに競合他社の状況、金利および通貨為替変動を含む一般的な経済要因、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行による影響、米国および国際的な製薬業界の規制および医療関連法の影響、医療費抑制に向けた世界的な動向、技術進歩、新製品および競合他社が取得した特許などが含まれますが、これらに限定されるものではありません。規制当局からの承認取得を含む新製品開発に伴う課題、将来の市場環境を正確に予測する能力、製造上の問題や遅延、国際経済の金融不安やソブリンリスク、革新的な製品に対する当社の特許およびその他の保護の有効性への依存、特許訴訟を含む訴訟およびまたは規制当局による措置への曝露などです。

当社は、新たな情報、将来の事象、その他の結果にかかわらず、将来見通しに関する記述を公的に更新する義務を負いません。将来見通しに関する記述と大きく異なる結果をもたらす可能性のあるその他の要因については、当社の2020年版年次報告書(フォーム10-K)、およびSECのインターネットサイト(www.sec.gov)で入手可能な証券取引委員会(SEC)への当社のその他の提出書類に記載されています。

記事をご覧くださりありがとうございました!
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