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海辺のストルーエンセ

2023.02.04 11:00
KAAT神奈川芸術劇場

ご縁があり、観劇が叶いました。
指田先生の作品が好きなので観たいと思いつつも、東は星組期間と被っている等々で諦めかけていたので、嬉しい!

ストルーエンセがクリスチャンたちに出会った1767年は
朝美絢@ストルーエンセ30歳
縣千@クリスチャン18歳
音色唯@カロリーヌ16歳
と頭に入れてから観劇するとより楽しく見られます。


以下ネタバレ


上演前から波の音とスモークの演出で、雰囲気作りがされていました。

ストルーエンセについては事前にWikipediaで読んだ程度の知識で臨みましたが、特に問題もなく楽しめました。
啓蒙思想にかぶれた中産階級の余所者が短期間で摂政にまでのぼりつめ……なんてまさに「事実は小説よりも奇なり」で、物語としても面白かった。

あーさのヨハン(ストルーエンセ)はWikiから受け取った印象よりは善人で、何者かになろうとして計算高く生きてはいるけれど、最初はとり入ろうと近づいたけれど、精神的に疲弊したクリスチャンやカロリーヌと結果的に心を通わせ、病状を快復に向かわせた時の気持ちに嘘はないように見えました。

朝美絢、いつものことですが出てきた瞬間から「うわっ顔がいい……」ってなりますね。
劇中ではかけてないけど、パンフレットでね、眼鏡をかけている。全人類が好きなビジュアルなので是非見たほうがいい。
※劇中で眼鏡かけてました。私、眼鏡すっ飛ばして顔をガン見していた模様

一幕では、年若い王と王妃を助けてデンマークを古い政治から脱却させ、自分たちの手で貴族も庶民も平等な新しい社会を作りたい!というキラキラした青春(ヨハンもう30だけど)のような明るさをかんじました。
若者の青春な雰囲気が、映画「マリー・アントワネット」(ソフィア・コッポラ)の一場面を思い起こさせて、久しぶりに見たくなりました。

二幕が始まった途端、テニスの場面があるんですが、これはどう見てもテニミュ……!ちょっと笑ってしまう演出。
しかしこれ以降暗雲立ち込め崩壊が……。
愛も権力も手に入れたヨハン、愛されることで自分と理想を取り戻したカロリーヌ、再び病み始めるクリスチャン。
終盤、三人が対峙するシーンは、一幕の終わりと同じ海辺。
カロリーヌが罪に問われないよう、クリスチャンが情を捨てて自分の人生の幕を引いてくれるよう、二人を罵るヨハン。
希望に満ちながら朝焼けを眺めた場所で、ヨハンとクリスチャンは5年ごしの決闘をし、クリスチャンは剣でヨハンの胸を貫く……。

クリスチャン、外見がオラオラなビジュアルでめちゃくちゃ格好良いんですが、今回一番しんどい役だなと思いました。
蒼穹の昴での光緒帝とも重なる部分があり、つらい役が続く縣くんですが、おおらかそうな大型犬ぽい外見とは裏腹に、ナイーブなお芝居が上手だなといつも感じます。
18歳から23歳の約5年間、父親が亡くなり王位を継がされ、ヨハンと出会い新しい世界をみせられそして裏切られ、自身で手を下す(史実ではヨハンは死刑ですが、このくだりが指田先生のこだわりなのかな?)。クリスチャンの人生がジェットコースターすぎる。
カロリーヌのはばまいちゃん、顔立ちと首の長さが西洋なのでドレスが似合いすぎる。お人形さん出てきたかな?
まなはるさん、諏訪っちも相変わらずのバイプレイヤーぶりで安心感があった。

映像になったらまたゆっくり見直したい作品です。

UnsplashIhor Frolovが撮影した写真

Unsplash


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