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あと2つ。~やっぱり仲間はいないけど➀~

こんにちは。菫青石です。

何度かジョジョに関する記事を書いているが、自分には他に2つ好きなものがある。
過去の記事を読んでくださった方は「趣味がない、と言いつつあるじゃないか」と思われるかもしれない。
申し訳ない。よくよく考えればもう2つあったことを全力でお詫び申し上げたい。そしてもしよろしければ、続けて以下↓も読んで頂きたい。

好きなもの。
鳩山郁子先生の漫画作品。
宝塚歌劇団の観劇
である。
簡単に言わせてもらうと、➀も②も煌びやかで美しく繊細。
そう、私はどうやら美しいものが好きなのである。(←この記事を書いていて思った)人は自分に無いものを求める。完全にないものねだりである。

はっきり言わせてもらう。この2つにおいてもジョジョ友同様、全く仲間がいない。
とりあえず、今回は➀について語らせてもらいたい。

鳩山先生の作品は本当に素晴らしい作品ばかりでもっと多くの人に読んでもらいたい。ガツガツと連載されているわけではないので、作品数もそう多くはないが、例えるなら、繊細で怪しくて、美しい宝石のような作品である。
しかもどれも珠玉の、同じものなど2つとない極上の宝石である。
私的な鳩山作品に共通するキーワードは、圧倒的に「少年」であると思っているが、こんな素敵な発想ができる人はそういないのではないかと思う。
扱うモチーフ、台詞、画面構成…どれも芸術作品である。
しかも文化庁メディア芸術祭 審査委員会推薦作品に2回も選出されている。

ただ、幻想的で想像力を試される作品が多いのでIQが著しく低い自分には読解するのが毎回非常に困難ではある。(自分は“波浪注意報”を結構最近まで“ハロー!注意報”だと思っていた程度にIQが低い。“ハッピー!星占い”みたいに、メインの“星占い”になんか楽し気な品詞をつけて親しみを込めているんだと思っていた。)まあ、その難解さこそ醍醐味でもあるのだが。

そこでネットで考察なんかが出ていないか調べてみるのだが、見事にほぼない。漫画なんて、毎月すごい数が生み出されているのでそんな何でもかんでも考察されているわけないかもしれないが、少なすぎると思う。
もちろん、周りに知っている人もいない。

ここまでおすすめしておいて無責任かもしれないが、作品の内容の説明がとても難しい。
簡単なあらすじさえ語ることが難しいのだ。

とりあえず読んでみて!と言いたい。
正直、読み手をかなり選ぶ作品が多いと思うが、ハマる人には‘’この上ない最高のハマり‘’(語彙力が迷子で申し訳ない)が待っている事をお約束したい。

個人的におすすめな作品は『カストラチュラ』『シューメーカー』である。
この2作品には、共通の人物が登場する。
シャーロット・リンという人物で、私はこのシャーロットの超大ファンである。めちゃくちゃ好きなのだ。
シャーロットは纏足のカストラートである。
纏足は中国(唐の末期頃らしい)において女性に行われていた「足に布を巻いて足が大きくならないようにする風習」である。
なぜこんなことをするのか。
足の小さな女性が美しいとされており、親も率先してわが子に幼児期から纏足を施していたそうな。
ちょっとネットで調べれば画像がすぐに見つかるが(グロテスクな写真もあるので注意)、本当に小さな足で、人体の神秘と残酷さを感じる。

次にカストラートであるが、簡単に言うと「去勢した男性歌手」である。
「え?」と思われたかもしれないが、鳩山先生の創作ではなく、このカストラートは実在し16世紀後半のイタリアにおいて一大ブームを巻き起こしたらしい。
「成人しても少年ような声質や音域をできるだけ持続させよう」というもので、去勢すると声変わりを遅らせボーイソプラノの声を維持できるらしいのだ。(ちなみにYouTubeで最後のカストラートの歌声が聞けるらしいのだが、私は未視聴である。また、「カストラート」というそのまんまタイトルの映画もある。こっちは見たことがあるが、カストラートがわかりやすく描かれているので、興味のある人は見て損はないと思う。)

シャーロットは男性であるが、本人の意志ではないのに親に売り飛ばされ纏足されたうえ去勢もされ、中国のある皇帝が住まう宮廷内において専属歌手となる。
纏足で得られる小さな足と、去勢によって得られるボーイソプラノは完全にこの皇帝の趣味らしい。シャーロット以外にも同じ境遇の子はたくさん宮廷にいるのだが、皇帝の性癖が溢れまくった魔の宮殿なのに、本当に本当にこの残酷な環境が美しい。
さらに『カストラチュラ』には、肉食の否定や人肉食といった内容も含まれる。ここらへんはダメな人は本当にダメな設定だと思うので、免疫のある人は挑戦して頂きたい。
また、全ての作品が残酷なお話ばかりではないので、ここで諦めず別の作品に是非とも手を伸ばして頂きたい。
残酷さが苦手なら『ミカセ』という短・中編集がおすすめ!
4作品が収められているが、前半2作品は瑞々しい青春ストーリー、後半2作品は美少年が主人公の耽美なストーリー。個人的には3作品めの「美男葛(びなんかずら)」が好きである。

難解さを楽しみ、独特な美学に裏打ちされた鳩山作品。

ジョジョ同様、鳩山郁子ファン=鳩ニスト(勝手に命名)も募集中である。





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