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1-3ダイレクト錬金術

眠眠スネークの東京サバイバル
2024年1月15~21日




 月曜、食堂で先週の眠眠アップしてからスーパー寄り帰る。言うほど寒くないと書いた矢先に痛い程寒かった。しっかり真冬。
 ぶり大根の残りと買ってきた総菜で夕食をMリーグ見ながら。
 僕は学生時代からずっとひとつのクレジットカードを使ってきたが、ここ数年貯まったポイントの使い道がなく支払いを全てペイペイカードに移行した。カタログギフトから無理矢理いらんものもらうより飲み屋の支払いで使える方がいいやという理由で。
 クレジットカードのポイントって常用してると1%くらいは余裕で付くので家賃や光熱費や生活費全てを支払ってると年間数万円分は還元される。未だに頑なに現金派の人いるけど地獄のリボ払いにさえハマらなければクレジットカードはお得なことしかないんやで。仮に財布落としたとしても現金よりリスクも少ない。
 ペイペイはアプリで触れる機会も多く【ポイントをさらに増やそう】という文句に釣られポイント運用を去年から開始した。溜まったポイントで運用できる投資信託やな。Jリートや株式は別でやってるのでここでは金投資をチョイス。ポイントが1万溜まる毎に買い足し、今4万が4万2000円になってる。ギャンブル楽しい。

僕のゴールド投資





 火曜、午前中耳鼻科へ。会社辞める前にどうしてもやっておきたい手術がありその相談へ。子供の頃から悩まされ過ぎてた症状でいつの間にか当たり前になり、今更メス入れるのも億劫でずっと保留してたこと。
 僕の鼻は奥の方で信じられない程曲がっていて息がほとんど出来ない。例えるとマックシェイクを細過ぎるストローで吸ってる感じ。僕はもうそれが当たり前なので息できる瞬間があるだけ感謝してるが、皆がもしこの鼻になったら空中やのに溺れるんじゃないか。多分それくらいひどいと思う。
 ただこの症状も年々ヤバくなってきていて近年明らかに穴が閉じつつある。特に寝る時なんかは二日に一度くらい完全に穴が塞がり苦しすぎて泣きそうになる。薬局に売ってるブリーズライトがここ数年手放せないのよ。勿論睡眠も浅いし食べ物の風味も判らない。食通にあるまじき嗅覚ゼロ男なんやで。ワインも嗅ぐ意味ないし。

 鼻中隔湾曲症という病気やがここ十五年くらいでとてもポピュラーになった気がする。手術して楽になったというニュースも頻繁に見聞きするようになった。ということで満を持して理解のありそうな新しい耳鼻科を探して行ってみたが、結果「君はかなりひどい」とのこと。
 わかってたって。ひどいからこそ億劫やった。鼻中隔湾曲症の中でも特殊な曲がり方をしているのは自分が指で触れ一番よくわかってる。術式ひと通り聞いてもそれでこの歪みが改善するとは全く思えなかった。とりあえず大学病院への紹介状を書いてもらったので専門家にじっくり聞くしかないわ。正直怖い。
 それにしても医者はいいよな。鼻の穴にチューブ突っ込んで写真撮ってアドバイスして紹介状書いて、なんでか必要ないのにアレルギーの薬まで処方されて3700円。これが三割負担分とするとものの十分で1万2000円稼いだことになる。羨ましいよ。
 次やるならこういう魔法使い(≒詐欺師)みたいな仕事を僕も選ばないといけないよなと思ってる。

 夜は余ってた大根と家にあったジャガイモでガレット風を作った。ジャガと大根を千切りにしフライパンに敷き詰め、炒めた豚コマととろけるチーズを乗せまたジャガ大根で覆い尽くす。両面しっかり焼きカリカリホクホクに。味付けは塩胡椒。大根のみずみずしさや食感は案外消え、ほとんどジャガイモガレットやったが美味かった。

ジャガイモのでんぷんでくっつく





 水曜、失業保険について調べる。計算すると僕の場合は大体百万もらえるのかも。多くはないが有難いわ。
 朝出社前、早速大学病院に電話し耳鼻咽喉科の予約を入れた。少々お待ちくださいの時に流れる保留の音楽がカーペンターズの『青春の輝き』で、それだけで気分良くなり良い病院やと思った。ここから数日間カレンの歌声が頭から離れず。

 夕方、後輩から「今夜レモンサワーが無性に」と誘われ「仕方なし」と飲みに行く。またまたニュートンとセイント星矢と三人で。
 僕が禁酒中と知っておきながら平気で誘ってくるのは舐めてるが、苦しんでる僕を救おうとしてくれてるのならそれは愛やな。可愛い後輩ちゃんズや。池上と蒲田の中間辺りにあるおでん屋とバーを二軒はしごした。美味かった楽しかった飲み過ぎた。
 気付けば0時過ぎていて星矢と別れニュートンと二人ふらふら歩いて帰る。コントじゃなくリアル千鳥足でお互い何度もずっこけた。とにかく呑川沿いに行けば家に着くからと信じていたのに蒲田に着いたんやから驚いた。逆方向。酔ってる時の超あるある。グーグルマップが理解できず川の流れが読めないよ。
 おそらく一時間以上かけてなんとか帰宅し気合いで風呂入り布団に潜り込んだのが3時頃か。勿論何一つ記憶無し。





 木曜、ふと目覚めると8時半。目覚ましなんてかけてなかったのでこれが昼過ぎでもおかしくなかったよ奇跡。さっと準備し9時出社。眠さと疲労はあれど二日酔いと肝臓の痛みはなくホッとした。ただニュートンは二日酔いで使い物にならなかったので次回からは必ず酒豪伝説を事前に渡しておこう。僕も朝から夕方まで何度もしゃっくり出て全然止まらなかったので体は参ってたのかも。
 記憶はないが右ひざの打ち身がやたら痛い。何カ所かすりむけてる。阿保や。
 泥酔した日の翌日は何故かとてつもなく空腹で、珍しく牛丼を食べて帰った。美味かった。




 金曜、大学病院へ。問診で手術することは確定したが僕の鼻の症状がひどいので術式は決まらず。ひとまずCTを撮り次回検討することになった。
 入院の日は先に押さえようとなり最短の2月に決定。思ったより早すぎる。5日間の入院で費用は10万からとのこと。色々狼狽するがとにかく今は何も考えない。
 問診中若い男の先生に鼻の中いじられたが2秒で耐えられなくなりくしゃみ止まらず大洪水。涙鼻水でぐしゃぐしゃになる僕を見て先生も「そんなに!?」と苦笑いしてた。呆れられ結局内部の撮影は中止に。
 女子より敏感なのよ僕の井戸。すぐ濡れ吹き出すふたつの井戸。
「では次に嗅覚のテストをしましょう」と完全鼻詰まり状態に言われ「今出来るかい!」と突っ込んだ。「あ大丈夫です、今から注射を打つので匂いがしたら教えてください」と言う。全く意味がわからなかったが右腕に注射を打たれ十五秒くらい経つと急に喉の奥の方で焼肉の匂いがしてたまげた。なんじゃこのトリックは。
 半信半疑で「焼肉?」と答えると「正解です、これがニンニク注射です、嗅覚に問題はないですね」とのこと。なんか意味わからんし痛かったし不愉快な検査やった。僕は鼻で息出来ないだけで嗅覚は生きている。
 CT検査と血液検査もし3時間で1万1200円也。高いが仕方ないか。前回の耳鼻科とは違う。診察待ってる間、呼び出される患者の名前にオカベマコトさんがいて周りを見渡してしまった。




 月末やってくるペイペイカードの引き落としが33万円ということを知る。12月の石巻旅行代が一気にきた。メンバーの宿代や新幹線代を立て替えていたので通常月より十万ほど多い。今口座には23万しかなく全然足らない。
 僕に残された道はひとつしかなかった。JRAに立て替えてもらおう。勿論馬券勝負をすると僕は必ず負けてしまうのでギャンブルはしないよ。なんてったって禁競馬中やし。運否天賦はダメ。つまりガチガチの元返しを狙う。ほぼ100パーくるであろう馬に十万賭け元返し分を現金化する。これがダイレクト錬金術である。
 実際にはクレジットカードで馬券を買い未来の自分から借金するという仕組み。それがJRAダイレクトというサービスや。月に十万まで購入可能なんやから今の僕におあつらえ向き。無利息で借金できる代わりに勿論不的中というリスクもあるがそんなことは考えない。

 土曜、朝からレースを吟味する。ギャンブルはしなくていい。妙味も無視。回収率より的中率や。絶対3着までに入る馬を探していった。
 でもどうしてもひとレースに10万全ベットする勇気はなく刻むことに。中山1Rジェットブレイクに2万。中山7Rアイアムユウシュンとオウバイトウリに2万。京都8R僕のメモ馬フェルヴェンテに2万。近走のレース映像全て見てここまでの敗因やこの日のメンバーレベルも把握し選択してみた。
 結局これまでの自分の馬券スタイルから1.1倍以下の複勝は怖くて無理やった。慣れていないと元返し馬券に突っ込むなんてビビッて出来ないこと痛感したわ。その代わりうまくいけばこの3レースで十万いく。祈ってレース時間を待った。ギャンブル最高。

 ほらほら。競馬って簡単。選んだ馬達全て三着以内に入り馬券全的中。6万円が9万3000円になった。元返しでいいと思っていたのが3万3000円もボーナスが付いて無性に嬉しくなった。一年ぶりにガッツポーズ。
 なんとか払い戻し十万に乗せたくて固いと踏んだ京都メインのマラキナイアにも5000円入れたがこれは惜しくも4着でハズレ。まあ十分よ。今月の支払いは乗り切れそうでホッとした。

 その夕方髪を切る。益々短髪に。
 そしてたまたま当選したトーキングヘッズのライブ映画『ストップメイキングセンス』の先行上映会へ参加するため渋谷へ向かう。1983年の映画で勿論僕は何度も見てるがこの度4Kレストア版が公開されるということでハナから映画館には見に行くつもりやった。それがライブハウスで爆音でタダで見れたんやからとてもラッキーやった。
 前半30分はずっと涙止まらなかったな。テレビ画面では何度も見てるがライブハウスで立って見るとほとんどライブに来てるのと変わらず体と魂が揺れ動いた。
 40年前のデビッドバーンを体感できるという貴重な体験になったわ。僕だって今一度バンドでライブがしたい。




 日曜、昼過ぎまで寝てのんびり眠眠書き出すも全然乗らず、果てしなくYOUTUBEを見続けだらだらと過ごす。近所のスーパー行ったくらい。ダメダメ。








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