見出し画像

グレート・リセットについてのさらなる省察「グレート・リセット:最新のグレートな嘘」(2021年5月31日)

[編集者注]
ヴィガノ大司教の主張の中核は、今私たちが体験している残念な結果を嘆くだけではなく、その原因を認識する勇気を持たなければならない、ということです。

たとえば、
パチャママに偶像崇拝を捧げるという背教の段階にまで達したのは、第二バチカン公会議の「信教の自由に関する宣言」の論理的結論であること、
世界諸宗教の祈りの集いは、第二バチカン公会議の「キリスト教以外の諸宗教に対する教会の態度についての宣言」の論理的結論であること、
ドイツのシノドスの道、つまり、聖座による公式な断罪のない離教宣言は、第二バチカン公会議の「現代世界憲章」の論理的な帰結であること、などです。

ルフェーブル大司教は、自分は三つの世界大戦を経験したと言っていました。第一次世界大戦、第二次世界大戦、そして第二バチカン公会議だ、そして最後のものがもっとも損害が大きい、と。

この意味における「第三次世界大戦」は、ますます酷くなって今でも続いているようです。

人類が、天主と現実に対して戦いをいどんでいるので、その結果として、人類同志が戦うことになってしまっているのです。まず、罪のない胎児を大量虐殺するという弱い者いじめをしています。その次の攻撃のターゲットは、老人に向かっている(安楽死)ようです。攻撃の対象は、ますます拡大していくことでしょう。

天主を否定し、現実を否定し、理性を放棄し、男は女だ、女は男であるとし、いわば2+2=5としているからです。天主と現実に対する戦いこそが「現代の真のパンデミック・ウイルス」です。

天主の御憐みによって、この戦争が終結するように祈らなければなりません。全世界の共産化(私有財産の廃止)という「グレートリセット」を止めることができるのは、ひたすら主の憐れみです。王たるキリストに反対する戦いを止めて、キリストを王として戴く以外には、本当の恒久の平和はありえません。

ファチマのシスター・ルチアはよく考えた上で強調してこう言いました。「聖母が望んでおられることは教皇と世界のすべての司教たちがある特別の日に聖母の汚れなき御心にロシアを奉献なさるということです。もしこのことがなされるならば、聖母はロシアを回心させられるでしょう。そして平和が訪れるでしょう。もしこのことがなされないならば、ロシアの諸々の誤謬が世界のあらゆる国々に広まるでしょう。
トマス・ウォルシュ教授「このことはあなたの意見では例外なしにあらゆる国が共産主義によって制覇されるだろうということを意味するのですか?」
シスター・ルチア「そうです!」
トマス・ウォルシュ教授「そしてそのことはアメリカ合衆国もまたそうだということを意味するのですか?」
シスター・ルチア「そうです!」

ヴィガノ大司教「グレート・リセットについてのさらなる省察」
2021年5月31日

【編集者注】以下は、5月30日に大司教が「ベネチア哲学祭」(Venice Philosophy Festival)で行ったスピーチの英語版です。このビデオは二つの異なるユーチューブ・チャンネルですぐに検閲されました。もし大司教の言っておられることが無意味な陰謀論であるならば、彼らはなぜ人々がそれを聞くのを、それほど恐れているのでしょうか。まことの牧者でいてくださり感謝します。大司教の著作集は次のサイトから入手できます。「Angelico Press

STAT VERITAS
真理は立ち止まる

グレート・リセット:最新のグレートな嘘

Lazare, veni foras!
「ラザロ、外に出なさい」
ヨハネ11章43節

この第一回の哲学祭は、モンシニョール・アントニオ・リヴィに捧げられています。信仰の証人であると同時に、神学分野における稀に見る博識の持ち主であった彼に、私たちはみな、心からの、そして感謝の思い出を持っています。このローマの学識ある高位聖職者アントニオ・リヴィ師は、聖伝への「回心」の道を歩んだことで、私と特別に結びついています。聖伝によって、彼は私よりも数年前に、非常に精通していた教理と完全に一致する、由緒ある使徒の典礼を熱心に捧げるようになりました。私たち二人は、叙階式のミサの宝物を再発見し、自分たちの司祭職を完全な形で再発見したという慰めを得ました。

モンシニョール・アントニオ・リヴィ師

今日、私たちがモンシニョール・リヴィをふさわしく記憶しておきたいと思うなら、彼が創始者となった「常識 Common Sense」の学派を無視することはできないと思います。また、この学派は今、現在の現実に対する理解を深める良き機会となっています。各個人の「常識」の欠如が、「グレート・リセット」とそれが表すイデオロギーに代表される、天主、教会、そして人類に対する攻撃を可能にしている面があります。非合理性、理性の放棄、批判的判断の消滅、証拠の否定が、現代の真のパンデミック・ウイルスであり、このウイルスは、"天主への反抗において全能"というせん妄(delirium)を示し、集団的狂気の中で、この邪悪な挑戦の正しい敵を明らかにします。

聖パウロは、理性的な信仰、「道理にかなった崇敬」(rationabile obsequium)(ローマ12章1節)を私たちに勧めています。この信仰と理性は、二つの翼のように、私たちを真理、すなわち天主ご自身の観想へと昇らせるのです。ですから、この使徒の警告は、「この世にならわず」(nolite conformari huic sæculo)(ローマ12章2節)という、世の考え方から健全な距離を置くことも意味しています。

今日、私たちが特に、フランチェスコ・ラメンドラ氏、この会議の主催者であるアンドレア・コメッティ氏、そして著名な講演者の方々(その中には私が知っている親しみのある顔も少なくありません)とモデレーターの方々の顔にも見て取れると感じる警告です。5月15日にトリアリイ連合で行われた私の講演をすでにお聞きになった方は、それが、これから私が詳しく説明する内容の要約版であることに気づかれると思います。私は、この講演の動画がユーチューブによって同様の検閲を受けることを願っています。というのも、前の講演が削除された後、主流メディアの言論統制(gag)によって当然かき立てられた騒動のおかげで、さらに多くの人々に広まり、見られているからです。

一つの重要な前例

スターリンは、1932年に「ホロドモール」の集団虐殺で何百万人ものウクライナ人を抹殺することを決めたとき、社会工学の手段として飢饉を計画し、農地を国有化してその利益を産業に配分することにしたのです。スターリンは、こう書いています。
「自営農家(kulak)を階級として排除するためには、自営農家の単一集団を限定して排除する政策だけでは不十分である。(中略)この階級の抵抗を公然と戦いで打ち砕き、その存在と発展の経済的源泉を奪う必要がある」(Josef Stalin, Questioni di leninismo, Rome, 1945)【ヨシフ・スターリン「レーニン主義の諸問題」】。

スターリンは、小麦、ビート、ジャガイモ、野菜など、あらゆる食品を押収し、あらゆる商業を禁止しました。商業を禁止し -- これに聞き覚えがあるでしょう? -- ウクライナ人の財源を没収しました。田舎から逃げてきた子どもたちは逮捕され、「コルホーズ」と呼ばれる集団農場や孤児院に送られ、栄養失調で死んでいきました。中央委員会は移動を禁止し、――これは一種の都市封鎖の「前触れ」(ante litteram)【下書き状態】です――ウクライナ人の虐殺を非難する者は人民の敵である、と非難しました。言葉の本来の意味でのホロドモール否定派は、1932年から1933年にかけてのソビエト・ウクライナでの大虐殺は「起こらなかった」あるいは「事前の計画なく起きた」と主張します。今日では多くの国々が人道に対する罪と認識している一つの悲劇、その方法と目的を分析すると「グレート・リセット」の一例でもあった一つの悲劇を隠微するのに、体制側の検閲が寄与しているのです。

もし、あるウクライナ人が、飢饉に直面したロシア政府が、食料を送ることで人々を助けるのではなく、むしろ商業活動や移動を禁止して状況を悪化させたことを不思議に思っていたとしたら、それは今日、パンデミックとされている状況下で、なぜ政府は先制的に公衆衛生を損ない、国家のパンデミック計画を弱め、効果的な治療法を禁じ、死に至らないまでも有害な治療法を施し、さらに、永久封鎖、自宅待機命令、違憲の「グリーンパス」【ワクチンパスポート】という脅迫手段を用いて、免疫を保証しないばかりか、短期的にも長期的にも深刻な副作用を伴うワクチンを市民に投与することを強要し、さらにはウイルスの耐性を高めさせているのかと問う多くの人々と同じ過ちを犯したことになります。

私たちの物の見方を変える

主流メディアや政府関係者、ウイルス学者やいわゆる「専門家」が私たちに語ることに何らかの論理性を見いだすことは、困難な挑戦です。論理性のようなものは、まるで魔法を使ったかのように消えてしまい、自分の物の見方を覆すだけの知的誠実さが私たちにありさえすれば、最も冷笑的な合理性に変わります。

したがって、私たちは、指導者たちが私たちの善のために行動するという安心できる前提を捨てなければなりませんし、さらに一般的には、私たちの対話相手が正直で、誠実で、良き原則によって動かされているという考えを捨てなければなりません。

確かに、「すべてがうまくいく」という幻想に浸り、このパンデミックが本当に誰も準備していなかった大災害であると考える方が簡単だということを私は理解しています。「見えない敵」との戦いにおいて、同じ立場の人なら誰でも犯しかねない過ちを許し、世界の指導者たちを感謝の念を持って寛大に裁くべきだと考える方がずっと簡単です。多国籍の製薬会社や国際的な保健機関は、私たちの利益を第一に考えており、私たちを慢性的に病気にしたり、絶滅させたりするような実験的な薬を、経済的な計算だけで配布することはないと信じることは、心を温めてくれます。また、新型コロナウイルス感染症のナラティブ(物語)が不条理であるという理由だけで、親戚や友人、知人や職場の同僚との内輪での争いに日々直面するのは、信じられないほどつらく、心理的に疲れるものです。「陰謀論者」や「否定論者」と見なされ、同情や軽蔑、社会的非難の対象とされることは、特に世界的な嘘を信じている人々が私たちにとって大切な存在である場合には、ありがたくない運命です。また、教会の共同体からも差別され、排斥されていると感じることは、さらにありがたくないことです。ましてや、司教たちの一部や位階階級の最高レベルの人々による、主流のナラティブ(物語)に合わせたイデオロギー的なお世辞を目の当たりにすると、なおさらです。

現実は全く異なっていて、それを受け入れたくないために、私たちは社会心理学が広く研究している認知的不協和に陥ってしまうのです。現実は、異なるだけでなく、言われていることとは正反対なのです。私たちが現実を理解し、認識し、現実に直面し、全力で現実を戦うことを望むならば、私たちにとってさらに良いことになるでしょう。また、歴史の中で同様のケースの場合に、行われてきた手口(行動様式:modus operandi)は実質的に同じでもあるのがその理由です。

「グレート・リセット」推進派の立場に立って考えてみよう

まずは、知らないままこの陰謀で苦しんでいる人々ではなく、この陰謀を企てた人々の立場から考えてみましょう。ビル・ゲイツ、ジョージ・ソロス、クラウス・シュワブの立場になって考えてみれば、こうでしょう。

恥知らずにも遺伝子血清によって世界の人口を減らすことを決めたと宣言しても、おそらく、大衆の同意も諸団体の支援も得られないだろうということを理解するのは難しいことではないだろう。なぜなら、われわれの犯罪計画を公表することは反乱を引き起こすだろうし、何よりも手の内を明かしてしまうからだ。

実際には、われわれは何度か計画を公表さえし、それを会議の議事録に書き、インタビューや組織の会合でも繰り返し述べ、「ジョージア・ガイドストーン」にも刻ませている。おそらく、われわれがこの犯罪計画を認めたことは、あまりにも大胆に聞こえたため、脅威を感じた人々は他に目を向けようとし、代わりに、ラオコーン【トロイ戦争で木馬を持ち込ませないよう警告したが受け入れられなかったトロイの神官】のように耳を傾けられずに警告を発した人々を非難したのであろう。

そこでわれわれは、われわれが出資した武漢の研究所で、多分われわれ自身が作ったウイルスを前にして、世界的な関与、環境維持、包括性、レジリエンス(回復力)といった「美しい物語」を語ることにした。そして、これは単なるインフルエンザ症候群であり、例年通りのほぼ正常なコロナウイルスであるため、実際には緊急事態ではないのだが、われわれはWHOの関係者(ほとんど完全にわれわれと同盟者である中国共産党独裁政権が出資している組織)に、治療を禁止する指令を出し、新型コロナウイルス感染症に起因する死亡者数を多くし、強制的な人工呼吸を患者に課すことで患者を死に至らしめるよう求めなければならない。

われわれがブラックロック投資ファンドを通じて株主となっている製薬会社が、通常の治験期間を経ずにワクチンを製造することに興味を持っているのは明らかである。治療が禁止されると同時に、公衆衛生を守る法律も免除され、ワクチンというか遺伝子の血清を実験的に配布することが許可されるからだ。そして、中国の政権との間の「邪悪な合意」(pactum sceleris)を封印するために、マスク、綿棒検査【PCR検査】、人工呼吸器、医療用品などの注文をなだれ込ませることができるのだ。その間、ほとんどが元社員であるか、われわれがスポンサーとなっている研究所やコンサルタント会社の「専門家」たちは、恐ろしくも不合理な予測や予想をメディアに流してパニックを引き起こし、ジャーナリストやテレビ司会者たちは、職業倫理や真実を尊重する義務を放棄して、金のために新しいボスに自らを売っているのだ。

しかし、金と名声があれば、多くの人のおべっか使いや共謀的な沈黙を簡単に買うことができることを、われわれはよく知っている。特に、彼らがわれわれのおかげでその地位を得ているのであれば、われわれが彼らの勤める新聞社の株主であったり、広告スペースの主な買い手であったりするのであればなおさらだ。同時に、われわれは、公的資金がメディアへの資金提供に割り当てられていることを確認している。それは明らかに、メディアが公式のナラティブ(物語)を促進し、反対意見の声をすべて検閲することを暗黙のうちに期待してのことである。

もう何年も前から、医療もわれわれの手に委ねられている。われわれは、各国政府やEU、国際機関の人材を活用して、公的医療制度を徐々に破壊してきた。破壊した後は、その非効率性を嘆き、われわれが株主となっている民間医療に置き換えることを推奨した。残った公衆衛生は、サービスの提供よりも利益を優先するビジネスモデルになっており、いずれにしても、医療会社の負債を返済するのは常に国である。

われわれは、パンデミックで得られる利益が多くの人にとって魅力的であることをよく知っている。無駄な入院や、自宅療養ではないこれまで述べてきたような治療の結果、患者の死につながるような入院に直面しても、黙っていることさえある。新型コロナウイルス感染症患者の集中治療用ベッドに一日三千ユーロを支払うことは、社会的な警告を正当化するものである。なぜなら、これらのベッドは数が少なく、近年、政治家の自己満足のおかげでその数は減少しているからであり、パンデミックの完全な緊急時にベッドを増やすために、国は入札のプロセスを経ることなく法外な金額を費やすのである。綿棒を使った検査【PCR検査】で、非常に高い割合の人々がウイルスに陽性であると人々に思わせることができれば、非常事態の継続が保証され、経済を破壊する都市封鎖・封じ込め措置も保証される。そして、これこそがわれわれの狙いである。中小企業を潰し、地元の家族経営の店で買えなくなったものをすべてオンラインで購入させ、生き延びるためにわれわれが株主となっている宅配会社を利用せざるを得ないピザ屋やレストランでさえも儲けるのである。

最後に、この攻撃を完全なものにするために、われわれは「人道的な」財団やNGOのおかげで不法移民を増やし、それによって犯罪を増やし、代わりに移民費用に充当される市民からの資金を流用し、欧州を、権利を要求するイスラム教徒の波に侵略させる。彼らの存在は、「歓迎」の名の下に、罪悪感や人種差別の危険性、そしてカトリック教会にさえ受け入れさせることに成功した善意のレトリックを利用して、国家の社会的・宗教的構造を不可避的に破壊することを可能にしているのだ。明らかに、われわれが作り出した社会的な不安定さは、差別や人種的憎悪を禁止する法律を公布し、侵略されたと感じている人々の反対意見を抑圧することを可能にしている。

最終的に、パンデミックによる国家の負債と、われわれが人為的に作り出した社会的緊急事態のおかげで、われわれは国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行、欧州連合(EU)からの資金の支出を強要することができる。これにより、国民は負債の縄張りに縛られ、社会の変革、技術社会、「グリーン経済」をさらに不可逆的なものにするだけの基準や「融資条件」(conditionalities)に従って、これらの資金を投資するように拘束される。

まず、「見えない敵」への恐怖心を煽り、科学者や知識人、一般市民の反対意見を封じることに成功し、次に、世界の救いがワクチンにかかっていると人々に信じ込ませることに成功した。そして今、われわれは何十億もの人間を脅迫することができる。彼らは、これまで課されてきた規制を何らかの形で緩和した状態に戻したいのであれば、海外旅行やスタジアム、買い物に行くための「グリーンパス」を受け入れなければならないと言われるだろう。われわれが大衆にかけた圧力は、多くの人がこのような形の統制を受け入れるようになっている。もうすぐ彼らは、われわれの計画を完成させるために、皮下に埋め込まれたチップを手につけることだろう。

必ずしも新型コロナウイルス感染症に限定されないワクチンパスポートも、現金に代わる電子決済も、すべてが現実のものとなった。「(獣の名あるいはその名の数を)しるされていない者の他は、誰も売買することができない」(黙示録13章17節)のだ。このように、ボタンを押すだけで、その人を社会生活から抹消することができるようになるが、そのボタンを押すのはわれわれなのである。

われわれが憎んでいる文明への侮辱として、われわれは大衆に甲虫や幼虫を食べさせ、その栄養特性や環境への影響の少なさを褒めたたえ、一方でわれわれは自分たちのために選りすぐりの肉を確保している。われわれは私有財産を放棄するよう彼らに求める代わりに、ユニバーサルインカム【ベーシック・インカム】を導入し、排出ガスゼロの30平方メートルの住宅の賃貸料をわれわれに支払ってもらう。彼らを中国製の電気スクーターで走らせる一方で、われわれはあらゆる種類の公害を引き起こす特注車に乗り、非常に高価なヨットでクルージングし、ヘリコプターで旅行する。そして、リストラされた50代の人々が配達員として働く一方で、われわれはタックスヘイブンにある会社から何十億もの配当を受け取る。われわれは大衆を奴隷化するレベルに達しているので、反乱を恐れる必要はない。いずれにしても、メディアや同盟者の左派が沈黙を守っていれば、警棒で殴られてその反乱は鎮圧されるだろう。

パンデミックという茶番劇が不測の事態で期待した効果を上げられなかったとしても、われわれはすでに次のステップを用意している。すなわち、「環境保護的移行」と「持続可能な開発」を押し付ける口実としての気候変動の緊急事態である。さもなければ、中東で新たな紛争を起こし、都市でのテロを誘発し、人々にパニックを起こさせるだろう。これらの方法がうまくいかない場合、われわれが考案することができるのは、宇宙人による攻撃である。なぜできないことがあろうか。これについては、われわれの友人の中には、有名な「オヴァートンの窓」を開け始めている人もいる。何十年にもわたる外宇宙からの生物による侵略を描いた映画の後で、集団的な恐怖心を煽る「見えない敵」として、地球外生命体以上のものがあるだろうか。その一方で、ここ数カ月で見てきたように、大衆は主流メディアの言うことをすべて信じてしまう。それがどんなに不合理で不条理なことであっても。テレビで見たことがあれば、それは真実であるに違いないのである。

以上が「グレート・リセット」推進派の計画でしょう。

グレート・リセットの手口(modus operandi)

さて、ゲイツやソロスの立場から離れて、外からこの活動全体を観察し、共通する要素を見つけ出しましょう。

一つ目は、先ほど述べたように、エリートの犯罪的な計画が見えないようにすること、そしてそれを受け入れられる理想で覆い隠す必要があること、です。

二つ目は、過去には武器を使った戦争、今日では細菌戦争や金銭的な紛争など、エリートが準備し計画した解決策に頼らざるを得ないような緊急事態が発生することです。

三つ目の要素は、平時であれば受け入れられない違法な「改革」や個人の自由の制限を実施することを可能にする明白な解決策です。これは、社会を内部的に分裂させ、人々の新たな敵を作り、紛争の真の立役者から人々の目をそらすことになります。

2001年9月11日の攻撃について考えてみると、その手口(modus operandi)は湾岸戦争やリビア内戦で起きたことと本質的に同じであることが分かります。テロリストの脅威は、軍事産業への投資、民衆への統制強化、政治的混乱、イラクやリビアのエネルギー資源の確保、フランスの旧植民地である西・中央アフリカ諸国の経済的独立を妨げるための「言い訳」(prophasis)、見かけ上の原因、偽りの口実として利用されました。このようにして達成された不安定化は、欧州での民族代替計画に拍車をかけると同時に、アフリカを繁栄させ、自立させることができるはずの若い世代をアフリカから奪いました。また、血なまぐさい紛争の前提となるイスラム狂信主義を煽って旧植民地のカトリック共同体に打撃を与え、その紛争を脱キリスト教化された欧州に輸出しており、その欧州は、毎日のように教会が焼かれるのを何もできずに見ている一方で、小心者のスウェーデン人少女が気候変動や地球温暖化の黙示録的な説教家としてシステムに利用されています。

この手口(modus operandi)の根底には常に嘘があり、エリートの真の意図を隠し、相対的に正常な状態であれば鎮圧するのが困難な反乱を引き起こしたであろう変化を、必然的なものとして受け入れさせています。反対者を非難し、ワクチン接種を受け入れない人々を犯罪者とし、「否定論者」や「陰謀論者」を精神病治療が必要な者とすることは、ここ数カ月の間に、収容所の形成、健康診断なしの渡航の禁止、そして何よりもメディアの大々的な報道によって具体化しています。多くの国々では都市封鎖のため、5G技術の普及に気づいていませんが、この技術により、インターネットに常時接続されたアプリや皮下チップで、人々の追跡が可能になるでしょう。

グレート・リセットには多くの前例がある

したがって、嘘は過去数世紀のさまざまなグレート・リセットの立役者たちの一貫したしるしです。プロテスタントの偽宗教改革がグレート・リセットであり、欧州の信仰の一体性に打撃を与え、今日もなお悲惨な結果をもたらす裂け目を作りました。フランス革命も、イタリアのリソルジメント(統一運動)も、ロシア革命も、グレート・リセットでした。二つの世界大戦も、産業革命、1968年の革命、ベルリンの壁の崩壊と同様にグレート・リセットでした。

お気づきのことでしょうが、これらの革命は、見かけの理由と本当の理由が一致していません。
ルターの反乱の口実となった贖宥状の販売が、修道院や教区を手中に収めたいというドイツ諸侯の欲望を利用し、世界に異端を蔓延させ、キリスト教の最初の防衛手段である教皇権の弱体化をもたらしたのは間違いありません。
フランスでは、国民の貧困が、王政廃止とフリーメーソン的かつ反キリスト教的な共和国設立の口実となりました。
イタリアの諸州の分裂と国民統合の理想への憧れが、王国や公国を破壊し、教皇領をイタリア王国に併合する口実となりましたが、その王制はフリーメーソンのロッジに従属しており、任務が完了すると同時にロッジによって取り消されました。
ロシアの農民の抑圧は、皇帝(Czar)を排除し、共産主義者の独裁体制を確立するための口実でした。
個々の民族の主張が、オーストリア・ハンガリー帝国を解体し、民族紛争を永続させるために第一次世界大戦の口実となりました。
第二次世界大戦では、最初は資金を提供し、その後戦いを挑んだナチズムが口実となって、欧州を植民地化し、米国の自由主義的資本主義とロシアの共産主義とに経済的・文化的に服従させ、欧州を弱体化させるために使われました。
労働者の状態は、工場で労働者を搾取し、近代資本主義のモロク【Moloch。モレク(Molech)ともいう。古代中東で子供をいけにえとして捧げた神の名】を養うための口実でした。
若者の自由への欲求は、彼らの知性と意志を堕落させ、離婚で伝統的な家族を崩壊させ、避妊具と中絶で母性を取り消し、権威という概念そのものを打ち砕く口実となりました。
ソ連圏とその衛星国の終焉は、自由主義的資本主義と消費主義を広め、70年間の共産主義独裁に疲弊した人々を道徳的に堕落させる口実となりました。
最近のプーチン大統領への攻撃の理由は、新世界秩序(New World Order)への激しい反対です。

グレート・リセットには教会も関与している

同じ陰謀家のエリートによって組織されたこの長期にわたる一連のグレート・リセットにおいては、カトリック教会さえも逃れることができませんでした。教会もまた、第二バチカン公会議で、会衆の典礼への理解を深めることを口実として、使徒継承のミサを破壊し、聖なる言葉を取り消し、儀式を冒涜したのを目にしました。また、異端者や離教者との一致を切望することを口実に、公会議のエキュメニズムが開始され、これが現在の背教のイデオロギー的な基盤を置いたのです。教会の民主化は、いわゆる信徒の参加拡大の名の下に、徐々に教皇の権力を弱めて司教の権力を議会化するための口実としてしか機能しておらず、今日では司教たちは、司教協議会の決定を単に実行するだけの者に成り下がっているのです。

さまざまなグレート・リセットの嘘

すべての詐欺と同様に、悪魔とそのしもべが仕掛ける詐欺は、決して守られることのない偽りの約束に基づいており、それと引き換えに私たちは、決して元に戻ることのない確かな善を手放すことになります。

エデンの園では、神々のようになるという見込みは、天主との友情を失い、永遠の救いから排除されることにつながりました。それは主の贖罪の犠牲だけが修復できました。カトリック君主制に対する革命は、下層階級に繁栄と減税を提供するという、決して守られることのない約束によって獲得されました。その詐欺を信じた人々は、自分たちの世界が崩壊するのを目の当たりにし、自分たちが以前よりもはるかに抑圧されていることを知りました。産業革命は、工場での新たな雇用を約束したために受け入れられましたが、田舎や家族経営の店を離れた人々は、組み立てラインで搾取され、村の伝統的なリズムから引き離され、大都会の荒涼とした郊外に押し込められてしまいました。

パンデミックとともに、隔離、都市封鎖、マスク、外出禁止、「同時配信ミサ」、遠隔学習、「スマートワーキング」、復興資金、ワクチン、「グリーンパス」があれば、私たちは緊急事態を脱することができるということを少しずつ言われ、この嘘を信じて、私たちは、二度と戻らないと警告された権利や生活様式を放棄しました。「ニューノーマル」(「新しい日常」)は、それまで当たり前だと思っていた自由がはく奪されるのを受け入れるための譲歩として提示され、それに従うことの不条理さと、理性と尊厳を完全に放棄することを真に必要とするような不条理な命令を下す命令者の要求の不条理さを理解することなく、妥協することになります。一歩進むごとに、新たなネジの回転があり、奈落の底に向かってさらに一歩を踏み出すのです。もし私たちがこの集団自殺への競争を止めなければ、決して後戻りすることはできないでしょう。

ですから、嘘なのです。もし、蛇がアダムとエバに「あの木の実を食べると、不死の命と天主が与えてくださったすべての賜物を失う」と言っていたら、私たちはまだエデンにいたでしょう。しかし、「始めから人殺し」「嘘つきで、嘘の父」(ヨハネ8章44節)である者に何を期待できるでしょうか。主が最高法院(サンヘドリン)に、チェザルに税金を払わないように言ったと非難されたのは、嘘と偽りの証言のおかげではないでしょうか。大司祭たちがピラトに天主の御子を十字架につけるように迫り、もし彼を無実だとするなら、ローマ皇帝に刃向かうことになるとピラトを脅したのも、欺瞞と恐喝によるものではなかったのでしょうか。

グレート・リセットは新世界秩序への最後のステップである

このグレート・リセットの欺瞞を明らかにすることは、私たちの義務です。なぜなら、この欺瞞は、歴史の流れの中では、贖罪のみわざを無効にし、反キリストの専制政治を確立しようとした他のすべての攻撃にまで遡ることができるからです。なぜなら、実際には、これこそが、グレート・リセットの設計者が目的としているものだからです。新世界秩序(New World Order: Novus Ordo Saeculorum)とは、公会議のノブス・オルド(Novus Ordo)を十分に連想させる名称ですが、天主の秩序(cosmos)を転覆させて地獄の無秩序(chaos)を広め、その無秩序によって、文明が恩寵の霊感の下で何千年もかけて苦労して構築してきたすべてのものを転覆させ、変質させ、堕落させ、取り消すものなのです。

私たち一人一人が理解しなければならないのは、今起きていることは不幸な偶然の連続の結果ではなく、むしろ悪魔の計画に一致しているということです。つまり、邪悪なる者【悪魔】がこのすべての背後にいるという意味ですが、この計画は何世紀にもわたって単一の目標を追求してきました。それは、創造のみわざを破壊し、贖いを無効にし、地上から善の痕跡をすべて取り消すことなのです。

この目的を達成するために、最終的には、権力を渇望する少数の顔のない専制君主が指揮権を握り、彼らは死と罪の礼拝と、命、聖徳、美への憎悪とに身をゆだねるのです。なぜなら、命、聖徳、美には、天主の偉大さが光を放っており、その天主に反対して彼らは未だに地獄の「私は仕えない」(Non serviam)を叫んでいるからです。この呪われたカルトのメンバーは、ビル・ゲイツ、ジョージ・ソロス、クラウス・シュワブだけでなく、何世紀にもわたってキリストの御国を転覆させるために影で陰謀を企ててきた人々、すなわちロスチャイルド家、ロックフェラー家、ウォーバーグ家、そして今日、教会の最高レベルと同盟を結び、教皇や司教たちの道徳的権威を利用して信徒にワクチンを受けるように説得している人々です。

権力の腐敗はグレート・リセットに必要な前提である

私たちは、システム全体の犯罪的な嘘を認識するとともに、権威の腐敗と、革命の産物である"社会的、政治的、宗教的モデル"の失敗に気づかなければなりません。現代の民主主義は、反キリスト教的(anti-Christian)かつ反キリスト的(antichristic)なエリートに事実上奪われてきた権力を人々に与えるという見かけ上の口実の下に、王たるキリストを、個人や社会に対する王権から追い出すことを目的とした欺瞞であることが、再び証明されました。

権威が天主に由来するものではなく、民にあるとされるとき、宗教が超自然的な超越的原理としてではなく、無定形の内在的感情主義(amorphous immanent sentimentalism)や人間学の一種であるとされるとき、道徳が天主によって人間の本性に刻まれた永遠の法との結びつきを失い、流行に合わせられるとき、統治する者も統治される者も、不誠実になったり自分の特定の利益を追求したりすることを妨げるものは何もありません。なぜなら、善と悪、報いと罰、天国と地獄がもはや存在しないからです。そうすると、すべては、放埓へと堕落した自由という倒錯した概念に基づくことになります。他の時代には私たちの悪への傾きを抑制することができた天主への恐れがなければ、つまり、創造主にして贖い主への愛からとはいわないまでも、少なくとも私たちの悪行が容赦なく引き起こすことになるであろう罰への恐れからではないならば、人は躊躇なく裏切り、盗み、殺し、嘘をつくことができるのです。

私たちは、理想を持たない政治家たちに直面しています。彼らにおいては、共通善(bonum commune)が、まず同意を得るための政治プログラムに取って代わられ、今日では、私たちを統治する人々が、彼らを当選させ、彼らに報酬を与え、新世界秩序の要求に絶対的に従うことを要求する者たちの利害に単純に従属するようになっています。かつては民主主義の最高の表現として称賛されていた投票権でさえ、責任ある者が自分に有利になるように曲げられると確信した場合にのみ認められ、そうでないと分かった場合には修正されたり無視されたりする、厄介な見掛け倒しとみなされる段階に達しているのです。米大統領選挙の巨大な不正選挙は、その顕著な例です。

しかし、政治家や世界の指導者が世界統一主義者のエリートに従属し、市民の利益を追求しないならば、社会契約は破綻し、彼らが与えられていると信じている権威は、権威の持つ超自然的な原理との結びつきが取り消されたことにより、上から、あるいは下からも、承認されないため、失われるのです。そして、これは悪名高い独裁体制にして憎むべき暴政に他なりません。この暴政は、それを決定づけた革命的な原理に訴えることによって打倒することはできません。「天主から出ない権威はない」(ローマ13章1節)という認識に立ち返ることによってのみ打倒できます。また同様に、国家の「世俗主義」は、創造され贖われた人々に対して創造主にして贖い主が持っている主権を否定するものであるため、天主への冒涜であるということを認識することによって打倒できるのです。

位階階級をも巻き込んだ権威の危機

フランス革命以降、主から奪われ、民意に基づくとされるその権威は、教会内部ではある程度維持されていました。60年前までは、教会はキリストの王権を、その民や社会、国家に対してだけでなく、おもに自分自身に対しても宣言し、主を神秘体のかしら、教皇を地上における主の代理者として認めていました。しかし第二バチカン公会議は、キリストの王権を終末論的な鍵で変えてしまい【訳注:キリストは現代の世界ではなく終末の後でのみ王であるとしてキリストの王権を実際的に否定する】、こうして教会は、約2世紀前に世俗社会が陥ったのと同じ民主主義の欺瞞の犠牲者となりました。罪に関する教理を弱め、それぞれの状況だけに応じた道徳性をつくり、誤謬や偽りの宗教の正当性を認めることにより、カトリック教会は自らの手で自らを退位させ、この世の権力者に承認と正当性を請い求め、その命令に従わなければならない状態に貶めたのです。ベルゴリオが「キリストの代理者」という称号を過去のものとしたのは偶然ではありません。教会が、「緑の神学」を説き、ロスチャイルド家の「包括的資本主義」を推進し、アンソニー・ファウチとワクチンに関する会議を開催するNGOに置き換えられた場合、教会を司る者はキリストの名の下に権威を行使するのではなく、人形遣いの手による操り人形という共犯者になり果ててしまうのです。

私のあの地位、
神の子の御前では空席になっているあの私の地位、
あの私の地位を地上で簒奪している者は、
私の墳墓の地を血で穢し、塵芥悪臭の
掃きだめとした。それでこの天から落とされた
あの背教の徒が地上で大いに満悦しているのだ。
(ダンテ「神曲・天国篇・第27歌第22行以下」)
【平川祐弘訳】

世俗的、霊的な権力の両方に関わるこの権威の危機において、大きな責任を負うのは、いわゆる穏健派ですが、彼らは社会組織の中にいる自発的あるいは非自発的な第五列【スパイ】のように見えます。これらの人々の中には、各国の議会の野党(まずイタリアの野党)と、いわゆる中道右派の政党のほとんどすべての代表者を含めなければなりません。現在の政府がパンデミックを口実に制定した違法・違憲の規則を批判する人々でさえ、今日、他の時代には考えられなかったような同盟関係で共産主義と融合している自由市場の資本主義のイデオロギー的基盤を少しも疑問視していません。そして、彼らがこれらの基盤に疑問を抱かないのは、それに同意しているからなのです。

「穏健派」の誤謬

原因を認識し戦うことなく結果を嘆くという同じ過ちを、保守派のカトリック教徒は犯しています。彼らは、ベルゴリオの統治下にある位階階級の最高レベルの背教を理解しながらも、次のことを認める勇気がありません。つまり、(1)この背教がパチャママに偶像崇拝を捧げるという段階にまで達したのなら、これは公会議の「信教の自由に関する宣言」(Dignitatis Humanae)のおかげであり得ること、(2)アスタナの安息日は公会議の「キリスト教以外の諸宗教に対する教会の態度についての宣言」(Nostra Aetate)の首尾一貫した適用であること、
(3)ドイツのシノドスの道、つまり、聖座による公式な断罪のない離教宣言は公会議の「現代世界憲章」(Gaudium et Spes)の論理的な帰結であること―です。ですから、公会議の文書が、革命的かつフリーメーソン的な原理を教会の文脈に翻訳したものにすぎないことを証明する必要はないのです。

しかし、私たちは、嘘が悪魔の紋章であり、悪魔のしもべの特徴的なしるしであり、天主と教会の敵の証明であることを知っています。天主は真理であり、天主の御言葉は真実であり、御言葉ご自身も天主です。真実を語り、屋根から叫び、欺瞞を明らかにすることは聖なる仕事であり、カトリック教徒はもちろん、ほんの少しでも良識と名誉を保っている人であれば、この義務から身を引くことはできません。

善人の応答

私たち一人一人は、天主に栄光を帰すために、また、御摂理の偉大なるデザインの一部となるために、望まれ、考えられ、創造されました。主は、永遠の昔から、贖いのみわざに参加し、霊魂の救いと善の勝利のために協力するために、私たちを召されました。今日、私たち一人一人は、キリストに味方するかキリストに敵対するのか、善のために戦うか不義の徒の共犯者となるかを選択することができます。天主の勝利は最も確実であり、王の中の王の和賀に立って戦場に入る選択をした者を待つ報酬と同じくらい確実です。また、敵【悪魔】に仕える者の敗北も確実であり、彼らの永遠の滅びも同じです。

皆さんは、静かな生活のためだけに、群衆から目立たないために、臆病さと世間体とから、永遠を見かけ上のつかの間の善と交換して、皆さんのために用意された最高の善を失いたいのでしょうか。私は皆さんに、キリストの証人となり、勇気ある真理と善の擁護者となるようにお勧めします。国会議事堂のベンチで、病院の病室で、学校や大学の椅子で、祭壇や説教壇から、仕事の際に、オフィスで、店で、家庭で、日々の義務で、そして、そうです、痛みや試練の中にあってさえも。皆さんの沈黙、皆さんの共謀、皆さんの悪への協力について(天主に)お答えしなければならないことを忘れずに、皆さんに先立つ聖人たちの相続人としてふさわしくあってください。皆さんは人の非難を免れることができても、天主の審判を免れることはできません。皆さんが行ったり証ししたりした良いことが報われるのと同じように。

この反抗的で背教的な世代と戦うことができるのは、すべての人の貢献によってです。例えば、犯罪的な手順で押しつけられる有害な治療を最終的に非難する医師から、違法な規則の適用を拒否する警察官まで、不公正な法律に反対票を投じる国会議員から、人道に対する罪のファイルを開く判事まで、学生に自分で考えることを教える教授から、権力者の欺瞞や利益相反を明らかにするジャーナリストまで。ワクチン接種への怒りから子どもを守る父親から、年老いた親を老人ホームで見捨てずに守る息子まで、天賦の自由の権利を主張する市民から、開業を妨げる人々の抑圧を受け入れない職人やレストラン経営者まで、独裁政権の危険を孫に警告する祖父から、流行やインフルエンサーに誘惑されることを自らに許さない若者まで。

革命によって剝ぎ取られた王冠を王たるキリストに回復させよう

そして、この茶番劇が崩壊したとき(それは必然的に崩壊するものであり、すぐに崩壊するでしょうから)、皆さんはみな、新たな熱意をもって、主の敵が主から剥ぎ取った王冠を私たちの王に回復させるために全力を尽くしてください。皆さんの霊魂、家族、地域社会、国、仕事、教育、法律や裁判所、芸術、メディア、私生活と公生活のすべての分野で、私たちの主に統治していただくようにしてください。私たちの至聖なる母であり元后である至聖なるマリアが、回心と償いをしなければ、世界を待ち受けている危険と天罰について、何度も私たちを諭してくださいますように。イエズス・キリストが聖なる教会を支配し、ふさわしくない者、姦淫者、傭い人を追い出してくださいますように。

キリストが支配するところにのみ、真の平和と調和があります。「pax Christi in regno Christi」(キリストの支配におけるキリストの平和)。すべてのものの始まりであり終わりであり、アルファでありオメガであるイエズス・キリストに向かって、私たち一人一人から、そして人類の共同体(family)から、確信に満ちた熱烈な祈りが湧き起こり、イエズス・キリストの恩寵において私たちを守り、聖徳において私たちを強め、私たちを福音の勇気ある証人としてくださり、こうして私たちが天国での永遠の幸福を得ることができますように。

+大司教カルロ・マリア・ヴィガノ
2021年5月30日
至聖なる三位一体の主日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?