リアル人生縛りゲーム実践編(すばやいおそうじ)

いくらイケてる家電設備を手にしたとしても、必ず日々のメンテナンスや掃除がつきまとう。

実家でちやほや病人暮らしをしていた頃は、今よりはるかに時間や手間をかけて掃除できるので、掃除ノウハウにさほどの価値を感じなかった。みんな環境が違うのだから、それぞれいいやり方を見つけたらいいだろうと考えていた。それが結婚して子育ても加わると、風呂掃除をしたけど今日だったのか昨日だったのか前世だったのかの記憶すら怪しくなってきた。

そんなある日、学生の頃に読んだ、とある本を思い出したのだった。
図書館で借りたから手元にはない上に、1999年に出版されたものなので内容の記憶もおぼろげ。しかし、訳者の栢木さんって何て読むのだろうか、と調べたのでタイトルはよく覚えている(あ、栢木はカシワギさんでした)

「スピードクリーニング すばやいおそうじ」

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「スピードクリーニング すばやいおそうじ」
ジェフ・キャンベル&ザ・クリーン・チーム
アントラム栢木利美=訳

超うろ覚えの内容紹介:作者のキャンベルさんは当時は大変画期的だったと思われる掃除サービス業を営む人で、会社として掃除の仕上がりに一定のルールとクオリティが必要だった。チームプレイなので、社員によって遅いとか仕上がり適当では困るわけで。編み出されたテク自体は目新しくないのだが、この本の最大のポイントは「掃除はチームプレイである」「ノウハウを応用しない」という視点のクリティカルヒット感だと思っている。

「すばやい」ってなんだ?

10分かかるところを5分にするって事じゃないの?…ええ、私もキッチンタイマーで風呂掃除タイムアタックしたことがある。収穫もあったが、結局仕上がりが適当になり、カビが発生して手間が増えたりもした。何よりも時間短縮を目的にしてしまう事は「みんな聞いてくれ!掃除は苦なのだー!」と主張しているに等しいと気づいたのだった。

これが著者のキャンベルさんの会社に置き換えたらどうだろう?「掃除(やってる仕事)は苦だー!」と叫ぶ社員が働くブラック企業だ。キャンベルさんも焦ろうというもの。ここでいう「すばやさ」は時間短縮が目当てではなく「己の行動を意識的に研ぎ澄まして自動化する」のがキモなのだ。

で?どうやるのよ?

はるか昔に読んだというのに今でもいくつか思い出せるほど、キャンベルさんが提唱する方法は簡単だ。

・動きはすべて右回り。上から下。
・汚れていないところは掃除しない。同じ場所を掃除するのは1回だけ。
・道具は最初に用意しておく

おわり。他にもあったがこの3つで90%は説明できている。

ええ?それが何なの?

…はあ?だろう。掃除のやり方を子どもに教える本かよ、と。いやいや、やってみるとわかる。途中で用事が入ったときも道具が置いてあるところから即再開できる。今日はここは洗ったっけ?がなくなる。洗い忘れもない。クリーン&時短&体力も節約。何より、脳みそを毎回毎回ムダに使わないので瞑想状態というか、なぜかパズルを解いている時に似た爽快感がある。これが「ノウハウを応用しない」の重要さなのだ。勝手にオリジナリティを出そうとして脳みそ使ったら意味がなくなる。キャンベルさんやるじゃん!

そんなわけで、掃除の分野でも、縛りゲームプレイの価値あり。おすすめです。


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