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【あつ森】はるどこ&ワドハピLongインタビューvol.3【あつ森ドラマ】

こんにちは、びゅーんです。

あつ森ドラマ『はるどこ』とその続編『ワドハピ』の原作を担当された太宰さんへのインタビューも、第3回目を迎えました。

vol.1では『はるどこ』、vol.2では『ワドハピ』について。それぞれ物語作りやそこに込めた思いを太宰さんから聞きました。今回vol.3では視点を変えて、両作品の撮影にフォーカスを当ててインタビューさせて頂きますよー!

尚、当インタビューは『はるどこ』と『ワドハピ』についてネタバレの内容がガッツリ含まれています。ご了承の上、お楽しみくださいませ。

『はるどこ』と『ワドハピ』の撮影事情

演じるにあたって

ーーすごい今更ですが、太宰さんとゆりーなちゃん、fumikaちゃんはそれぞれどのキャラクターを演じることが多かったでしょうか。

太宰:実は誰が誰役とは明確に決まっていなくて、シーン内で1番動きのある役を私がやっていました。結果的に1番多く演じたのは灯火でしたね。他にも『ワドハピ』のバトルシーンで穴に落ちる光くんも私がやってます。

ーーあの光くん太宰さんだったんですね(笑)

太宰:複数人登場するシーンでは、私の次に動きのある役をfumikaちゃんが演じました。fumikaちゃんは必死だった撮影現場を和ませてくれました。特にfumikaちゃんの演じてくれた光くんがムードメーカーっぽくて可愛かったです。

ーー同じキャラクターでも、演じる人が違うと微妙に変化が出るのは面白いですよね。

太宰:ゆりーなちゃんは撮影しながら動くのが大変なので、1番動きの少ない役を演じました。ただし、『はるどこ』の3人のシーンや、『ワドハピ』最終章の4人のシーンなどでは、ゆりーなちゃんのサブプレイヤーも活用して、ゆりーなちゃんが2人動かして撮影しました。それにも関わらず、ものすごく演技や動きが上手で本当に凄かったです。

3人目の撮影協力者がいると疑ってたシーン。まさかのゆりーなちゃん2役だったとは。
演技が驚くほど自然。switchを2台抱えて動かしてたとは思えません。

全ては納得のいく1シーンにする為

太宰:お察しの通り、スムーズに行くシーンばかりじゃありませんでした。納得の行く画になるまで、お開きにしてセッティングし直して、また集まって撮影しての繰り返しでしたね。バトルシーンに至っては、いつもギリギリまでエフェクトを作っていたので、リハをせず一発で撮影して…ってことがありました。

ーーまさかの一発シーンで!それでも的確なアングルで撮影できてるゆりーなちゃん、すごい。

太宰:すごいですよね!床の「ひろげたしりょう」を上手く隠して撮影したり、部屋の出入り口を自然に隠すアングルに拘ってくれてたんです。

この映像の見えない下部分に「ひろげたしりょう」の仕掛けが…

ーーそういえば、『ワドハピ』の第2章ではカイゾー夫妻をはじめ、室内にどうぶつ達がいるシーンがありましたが、あれもゆりーなちゃんが撮影したんでしょうか。

太宰:いえ。第2章のどうぶつがいるシーンは、ゆりーなちゃんの撮影指導を受けながら私がパニーで撮影しました。リモートにも関わらず、撮影アングルや引きやアップなど的確な指示が返ってきて、格段に洗練された動画になって感動しました!

ーーそうだったんですか!!キャラクターの表情から背景の家具まで、本格的なドラマの1シーンのようでとっても素敵でしたよ!!

太宰:ありがとうございます。

引きやアップの調整をするだけでドラマの1シーンの印象は大きく変わるもの。

制作パートナーが偉大すぎるby太宰氏

物語に寄り添った丁寧な撮影と編集

ーー改めて太宰さんから見て、ゆりーなちゃんの撮影は如何でしたか?

太宰:『はるどこ』第1章冒頭の序章から、アングルやカメラ回し、スピードの上手さに痺れました。『はるどこ』3章の桜のシーンや、『ワドハピ』2章の灯火がお部屋で考えごとをしながらカメラが回っていくシーン、4章の灯火が雪くんを守る後ろ姿、最終章のプロポーズシーンは特に感動しました。

ーーゆりーなちゃんの編集によって出来上がった映像を見てどう思いましたか?

太宰:とにかく作業スピードもクオリティもすごかったです。家具磨きの魔法の継続時間が短いところなど、上手く編集で調整してくれています。シーンの長さが足りなかったところも、既存シーンを上手く活かして自然なシーンにしてくれています。シーンに合うBGMチョイスのセンスや、BGMの盛り上がりや尺に合わせた編集調整をかなりこだわってくれました。

映像に合わせた豊富なアイデア

太宰:撮影の他にも、ゆりーなちゃんは作品をより見やすくする提案を沢山してくれました。場面が転換しすぎてしまうと映像的に視聴者が混乱するかもということで、脚本のシーン順を入れ替えたことがあります。
例えば、『ワドハピ』第3章の魔法説明シーンは、時系列で過去から説明して、同時系列のシーンがまとまるように組み直しています。
また、第4章のバトルシーンで光くんが鎧の亡霊に吹っ飛ばされるところは、元々楔を打ったら杖が折れるシーンを、より映像的にわかりやすく表現できるよう考えてくれて、とても迫力のあるシーンになりました。

ーー私びゅーんなら、光くんの杖を持つ手と、折れる前の杖と折れた後の杖をそれぞれ用意して、編集の時に繋げて組み合わせて…ていう荒技に出そうです。他にも前のインタビューで、ゆりーなちゃんの提案で氷魔法を作ったというお話を聞かせてくださいましたね。

太宰:はい。クライマックス前の雪くんの氷魔法も、2人で最後の楔を撃ち込むシーンをより盛り上げる為に、原作になかったシーンを提案してくれて、私には思いつかなかった最高に美しくかっこいい魔法が作れて嬉しいです。

太宰:他にも、どうやったら私達の作品を沢山の人に見てもらえるだろうかと、色々なアイデアを考えて積極的に提案してくれました!毎回の予告ポスター構成や、ツイート文、投稿時間など、2人で前日深夜くらいまでいつも考えて話し合っていました。

ーーもはやプロデューサーの域に達していますね…。

両作品の撮影現場を振り返って

今回のインタビューに合わせて、なんと太宰さんと一緒に両作品の撮影現場を見学させて頂きました!その際に追加で質問したいことを聞いてみましたのでご覧ください。※ここから先は私びゅーん演じる『ハローウィッチストーリー』のビビアンが映る画像が一部含まれています。何卒ご了承の上お楽しみくださいませ。

細かい景観は変わってますが、ここは確かに『はるどこ』の撮影現場。

ーー両作品の撮影で印象に残ったことはありますか?

太宰:『はるどこ』の最終章でトーカが絵を描くシーンを撮影していた時です。晴れてるけど、雲がまだあった時間帯で。そしたら雲の切れ間から日差しが出てきて、差してきた光によって絵が浮かび上がるような美しいシーンが撮影できたのが忘れられません。

同じ晴れの日でも、その時によって雲や光の動きは全然違う。太宰さんが見た奇跡のような瞬間を『あつ森』で体験したということに驚きました。あつ森って本当に細かくてすごい。

ーーそういえば、雪くんが王の亡霊を閉じ込める器として「とりかご」を選んだのには何か理由があるのでしょうか。

太宰:これは前作『はるどこ』から絡む意趣返しのようなものです。鳥をカゴに閉じ込めて自由を奪うように、時の王に自由を奪われたスノウ。時代を経て雪くんがかつての王の亡霊を同じように閉じ込めて仕返ししている…という感じです。

ハロウィンの魔女ビビアンVS王の亡霊!?

ーーおおおぉ!この亡霊、実物を間近で見るととんでもない迫力があります!!

太宰:ありがとうございます。でも亡霊を今の形に仕上げるのに悩みました。家具によって家具磨きの効果が出る位置が違うんです。最近になって「くちはてた木」のレシピを覚えて家具磨きで試してみたら、理想の高さで効果が出て…。舞台の景観に合わせられる家具だったので尚更嬉しかったですね。

太宰さんのマイデザインが活用されているのは家具磨きだけではありません。例えばこちらの家具。もくせいのオルゴールをリメイクすることで蓋にマイデザインが貼られています。こうして見ると宝石箱のようでとてもオシャレですよね!

指輪のネックレスと、隣には董子のイメージイラストが。

一瞬しか映らない場面、あるいは目立たない場所にある家具であっても妥協しない太宰さん。よ〜く見ると『はるどこ』『ワドハピ』両作品を彩る暖かいマイデザインが散りばめられています。両作品をひと通り見た方も、もう1回ドラマを見てみてください。ひょっとしたら初回じゃ気付かなかった発見があるかもしれませんよ。

作品の公開を終えて

ーー『はるどこ』と『ワドハピ』、両作品を実際に形にしてみて如何でしたか?

太宰:『はるどこ』も『ワドハピ』も、とても1人で作れる作品ではありませんでした。1人では思いつかなかったアイデアも沢山あって、2人で作ったことによる相乗効果がものすごかったです。
制作期間がかなり限られていた中、2人で燃え上がって2作品を完結させることが出来たことは奇跡的だと思います。ワドハピ4章の最後の楔を打つ前の、「僕たちならできるよ!」には2人で作ってきた想いを込めました。


『はるどこ』と『ワドハピ』は美しい島の風景やセンスのある内装は勿論のこと、自分も知らないあつ森の可能性に気付かせてくれる作品で、毎回更新されるのがすごく楽しみでした。ところが、Twitterでは両作品のマイデザインやあつ森での家具の表現に関するお話はよく見かけましたが、ストーリーに関するあれこれを意外と目にしてない気がして(見落としてる可能性があったかもですが)、同じあつ森ドラマを制作する身として、何を経てあのストーリーが完成したのかずーっと気になっていました。
今回インタビューをしたことで、太宰さんとゆりーなちゃんが『はるどこ』と『ワドハピ』をより良い作品に仕上げる為いかに努力を重ねたか、作品をものすごく大事にしてきたかを改めて深く感じました。本当にすごい。

太宰さん、インタビューに協力くださり誠にありがとうございました!

ドラマを通じてお二方の大事にしていたことやすごい功績が、3回に分けてお送りしたインタビューを通じて読者の皆様に伝わっていれば嬉しいことこの上ないです。

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