【疎開日記2020#1】 帰国話は突然に
それは2020年3月27日のことでした。
朝、7時半に夫から着信あり。(夫は毎朝6時前にうちを出る)
すでに休校措置が2ヶ月近く続いているサイゴン。夫が出て行った後、残る妻子はぐうたらを極め、だらだらと朝寝を貪っている時間。何事かと電話に出ると、会社から妻子を日本に帰したほうがいいと言われたとのこと。
えっ!?と思うのと同時に、サーッと血の気が引いていく感じ。何それ?ねぇ、何それ?わたしと娘だけ帰国?このタイミングで?
すでにベトナム航空が日本便全便運休を決め、更に外務省からは日本の水際対策強化との連絡ありで、「入国したら14日間待機、空港からは公共交通機関を使わずに帰るように」と読んだばかり。
無理じゃん!こんなタイミングで空港行ったり飛行機乗ったりって、一番危ないし。でもって、帰って実家の両親にうつしたら嫌だし、親戚にもお世話になれないし、そもそも成田から実家まで公共交通使わずに帰れない!(JALは減便しつつもまだ飛んでいました、成田便のみ)
それで、必死になってお願いしました。わたし帰りたくない!帰りたくないんです!って。
日本の状況、ニュースや友達のSNSで見てましたが、ベトナムに比べたらゆるいのなんのって。心配過ぎて、少しでも危機感を強めてもらおうとベトナムの徹底した対応について話すと、「そっち社会主義国だしね」、「日本は大丈夫だから」「不安を煽らないで」と言われる始末。ベトナムでのコロナ隔離が怖くて、日本便運休のタイミングで慌てて帰国した友人達も、ベトナムとの違いに「ゆるすぎて逆に怖い」と。
ベトナムで感染したらどうするんだという会社、それに対して今帰国する方が感染リスクが高い、今は移動するべきじゃないという夫。会社での話し合いは午後まで続きました。
そして、ドキドキして待つこと数時間。14時過ぎに夫から再び着信あり。
「帰国はなくなったよ。」
夫の言葉にホッと胸を撫で下したのも束の間、そこから物語は新たな展開を迎えるのでした…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?