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ATEM Mini Pro を複数台で配信


ATEM Mini Pro を複数台使用して、高度にネットワークセキュリティ完備の国立研究所にある複数のセミナールームを会場にした学会の講演を生配信した現場でのお話です。
配信スタッフは最低限に抑えられていたので各会場に1名(しかも素人の学生さん)配置です。

要求事項は各講演の間合いには次の講演内容の蓋絵。
カメラで講演者の挨拶、パソコンのパワーポイント画面との切り替え。
音声は会場のミキサーから有線。
照明は無し。
配信と録画。
以上の簡単な内容でした。
しかし、同時多発の多チャンネル講演なのに各会場からの配信スタッフが足りません。

私は控室からネットワーク越しにPCのATEM ソフトウェアコントロールで複数のATEM Mini Proを監視する事にしました。
そこで幾つかのハードルがありました。

1:セキュリティの関係で、各会場間の横の通信がブロックされています。

2:一般のユーザーはWiFiのみで有線は事前にMACアドレスを提出して固定のIPアドレスをDHCPで割り当ててもらう必要があります。しかも無線から有線のデバイスに接続出来ません。

3:各会場に設置されているハブでECOモードが強力に効いてパケット流量が少ないとすぐにポートがクローズします。

このようなネットワーク環境でした。

先ずはネットワーク管理者とのお話し合いになります。
全てのATEM Mini Pro のMACアドレス(これが結構大変)をarp -a で探ることから始めて固定のIPアドレスをDHCPでいただきます。
次に制御用のPC、正、副2台をトップルーターから各会議室に戻れるようにスタティックルートを作りポートを開放してもらいました。(ここが大切)
最後にATEM ソフトウェアコントロールとATEM Mini の制御関係が極端にパケット量が少ないのでECOモードの通信機器ではよく見えなくなる症状が現れるので、安価なハブ(ブロードキャストを垂れ流すうるさいやつ)をあえて各会場で間に入れておきます。この手法は、Tricaster等のIP接続サーフェイスがロストする現象を防ぐときにも有効です。

以上のネットワーク設定で、控室から全ての会場のATEM Mini Pro を遠隔でコントロールする事が出来るようになりました。
カメラ、パワポのスイッチ操作は現場のスタッフにおまかせです。
遠隔で各講演の配信RTMPのストリームキーの入れ替え、蓋絵の交換、録画するファイル名を講演名と揃えるなどを行いました。

最終配信画面をチェックして多少の音声をATEM Mini のミキサーで加減するくらいで無事に配信完了できました。

学会の配信など同時多発講演でお困りの時はご相談ください。


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