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ファイナルファイトの敵キャラのように


 退院してから野菜中心の食生活を送っています。若いころなんかはベジタブル成分を主にカップラーメンの中に入ってるネギから摂っていたので、いきなりリアル野菜ばかり食べはじめたら体がびっくりしたのかいぼ痔になりました。ちくわ
たのむプリザS 止まって治してくれ~ あっ(プリザSがでてきた。)

さあ、今日も、みなさんにお伝えしなければ永久に失なわれてしまう物語があるんで、プリザSがでてくる前にここに記します。頼む(あっ)



2009年 永田町

予算約2000億円の国家プロジェクト、関われば3年はほぼ休みがなくなるその現場にわたし(とんかつ)はいた。今でもその建物がテレビに映るたび「ヨシ、がんばって作った建物を、きれいに使ってくれているな。」と思う。「この、ハゲ~!!」「ちがうだろ~!!」などと言っていた方は部屋が気に入らなかったみたいだが。

2009にセンキュー(ラップ)。

 当時ヤングジャンプで「GANTZ」のカタストロフィ編が連載されていて、奥浩哉先生の緻密なCG作画で描かれた我が現場が、竣工(完成)間際なのに巨人族の巨大ロボットにぶっ壊されているのを見たときは爆笑した。



 2008年のリーマンショックも何のその、昼夜100人を超える養生工・クリーニング工・雑工を率いる責任者としてわたしの月収は100万円ほどあった。しかし大半は3000万円の借金を返すために消え、精神の安定を図るためわたしは暴飲暴食を繰り返した。

「牛丼特盛とカレー並みを2つください。」

吉野家で店員さんが二度三度確認してくるような注文の仕方をしていたかつての自分に「お前は干支がもう一周したら心臓病で倒れる」と(青年トランクスのように)教えてあげたかったのだが宇宙の法則が許してくれなかった。

ある日のこと。

午前中に銀行で返済2ヶ月分のお金180万円をおろし、それをリュックにしまって現場で仕事をした。(ロッカーは鍵つき)

残業で遅くなったが、たまたま夜勤がない日だったのでリュックを背負って銀座線の終電に乗り込み、0時30分ごろ渋谷についた。

駅の近くの中華料理屋でビールを飲みながらゆっくり食事をし(いい時代でしたね)、店を出てタクシーで帰ろうとしたところ、飲み過ぎと疲れからか少し吐き気がしてきたのでトイレに行った。

駅前の 公衆トイレ 深夜2時

(季語なし)

今はもうなくなってしまったそのトイレ。中は個室が4つぐらいあった気がする。

わたしが足を踏み入れると背後からピュイ!と指笛の音が鳴った。

振り向くと体の大きな欧米系の方がトイレの入り口を塞ぐように立っている。

カチャ

個室の鍵が開く音で前に目をやると、

トイレの扉が3つ同時に開き、中から3人のコンバット系の方々がファイナルファイトの敵キャラのように現れた!

(イメージ画像)


 その時まで忘れていたが、

リュックに180万円入っていたのを思い出した。

取られてたまるかこのSLASH野郎!
「ウオオオオオーッ」 
わたしは凄まじい速さで、
財布からカードや免許を抜き取って財布の中の8000円を財布ごと渡した。

「アイム・ソー・ソーリー!アイム・ソー・ソーリー!」

涙声で連呼しながらダッシュで逃げてタクシーに飛び乗って

途中で車酔いして降りて吐いた。
あまりにヒドすぎて笑った。
月がきれいでも星がきれいでもない、ぼんやりとした夜だったが、あまりに人生がヒドすぎて心から笑った。完 おわり

つづく 

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